後染め製法、ベネトン帝国とも呼ばれる地域での低コスト分業などがベネトンモデルとして今やハーバード・ビジネススクール(HBS)のオペレーション戦略のケースとしても扱われている。はじめてアパレルを工業化したといわれるベネトンの功績は大きい。この本の最後にはルチアーノ自身がHBSに招かれ、大学院生からの質問に答えた記録も掲載されている。イタリアの貧しく教育もろくに受けられなかった4人の兄弟が世界の大企業ベネトンの経営者に成長して行くストーリーはオペレーションの巧みさ以上に不屈の精神を感じる。またルチアーノの愛人問題という脂ぎった性格の話題まであからさまに書かれていておもしろい。
業界最大手のコクヨがカウネットでアスクルの築いた市場に参入して6年目になるが、いまだにカウネットはアスクルに追いつけない。売上ベースではアスクルがカウネットの約3倍である。これはどうしてだろう。この本はちょうどカウネットが参入してくる頃に書かれているが、追いつけない答が詰まっている。
一つにはアスクルの戦略と組織がフィットしていることだ。アスクルは「顧客と共に進化する企業」を標榜しているが、徹底したデータマイニングときめ細かいカスタマーリレーション・サービスでその戦略目標にあった組織と社員の意識を構築している。アスクルはもともとプラスという3番手か4番手の文具メーカーの特別プロジェクトととして立ち上がった。その事業が独立して、文具メーカーの販売促進という枠を超え、オフィスのあらゆるニーズに答えるソリューション事業になった。注文から物流、販売までデルのオフィス製品版ともいえるビジネスデザインが作られている。
次にカウネットと違って過去のしがらみが少ないことと、大胆にそれを切り捨てたことだろう。文具店との競合については、顧客開拓と集金のためのエージェントとして共存しているが、コクヨは巨大な卸のネットワークを捨てられないでいる。またプラス製品の販売比率を下げることにも躊躇しない。結果的には全体の売上向上の中で、プラス製品を販売する有力なチャネルになっているのだが。商品数の多いコクヨだと誇り高い社員の反対にあって、それはできないだろう。
最後に外部のエクセレントカンパニーとのコラボレーションが、顧客満足を促進していることだ。ネッスルやコカコーラ、松下産業などと商品開発やマーケティング調査でタッグを組み、顧客の欲しい商品の開発や売り方を研究して顧客の囲い込みに成功している。
一つにはアスクルの戦略と組織がフィットしていることだ。アスクルは「顧客と共に進化する企業」を標榜しているが、徹底したデータマイニングときめ細かいカスタマーリレーション・サービスでその戦略目標にあった組織と社員の意識を構築している。アスクルはもともとプラスという3番手か4番手の文具メーカーの特別プロジェクトととして立ち上がった。その事業が独立して、文具メーカーの販売促進という枠を超え、オフィスのあらゆるニーズに答えるソリューション事業になった。注文から物流、販売までデルのオフィス製品版ともいえるビジネスデザインが作られている。
次にカウネットと違って過去のしがらみが少ないことと、大胆にそれを切り捨てたことだろう。文具店との競合については、顧客開拓と集金のためのエージェントとして共存しているが、コクヨは巨大な卸のネットワークを捨てられないでいる。またプラス製品の販売比率を下げることにも躊躇しない。結果的には全体の売上向上の中で、プラス製品を販売する有力なチャネルになっているのだが。商品数の多いコクヨだと誇り高い社員の反対にあって、それはできないだろう。
最後に外部のエクセレントカンパニーとのコラボレーションが、顧客満足を促進していることだ。ネッスルやコカコーラ、松下産業などと商品開発やマーケティング調査でタッグを組み、顧客の欲しい商品の開発や売り方を研究して顧客の囲い込みに成功している。

