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お気楽ビジネス・モード

ビジネスライフを楽しくする知恵や方法を紹介する

映画『フライト』

2013-12-30 16:38:59 | シネマ・テレビ
監督:ロバート・ゼメキス
主演:デンゼル・ワシントン
2012年アメリカ

飛行中に故障した飛行機を不時着させて、死者を6人にとどめたベテランのウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)。
一躍ヒーローになった機長。その機長が実はアル中で、薬中だった。
調査委員会の調査が進むが、事実が判明すれば終身刑になる可能性もある。機長の運命はいかに、という展開。

つまらないストーリーなのに最後まで緊張感があるのはデンゼル・ワシントンの演技のせいだろう。

こういう娯楽でない映画はプロデューサーも作るのに迷うだろうなあ。
賞のノミネートがやたらと多いのは、最近こういうシリアスな映画が少ないからだろう。
教訓としては乗るなら飲むな、飲むなら乗るなというシンプルなこと。
いや、違った。
真実から目を背けるな、自分に嘘をつくなという根源的なことなんだろう。

デンゼル・ワシントンはジーン・ハックマンと共演した『クリムゾン・タイド』が一番いいと思う。
デンゼル・ワシントンの知的でまっすぐな演技ところがよかった。
『フライト』は、一見ダメ男、実は善人を演じるデンゼル・ワシントンがいいかな。
最後は泣ける。

映画『オブビリオン』

2013-12-30 16:23:57 | シネマ・テレビ
監督:ジョセフ・コシンスキー
主演:トム・クルーズ、アンドレア・ライズボロー
2013年アメリカ

舞台は西暦2077年、地球は60年前に起きた異星人スカヴとの戦争に勝利したが、放射能汚染で地球は住めなくなり、人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住をしているという設定。
地球に残った元海兵隊司令官ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)とヴィクトリア・オルセン(アンドレア・ライズボロー)が、上空から地上を監視する日々を送っていたが、ある日のパトロール中にジャックは、墜落した宇宙船かた助け出した女性宇宙飛行士ジュリア・ルサコーヴァ(オルガ・キュリレンコ)から新たな真実を聞かされる。

人類の反乱軍のリーダーをモーガン・フリーマン演じていたりして、仕上がり品質の高さ、映像の美しさ、ストーリーのおもしろさでは損しない映画だと思える。
ただ、SFとしては、すべてどこかで見た印象を受けるし、ストーリーのオジリナリティーなどは感じられない。

ハリウッドのプロデューサーたちが、ある程度の興行収入を得るためのポイントをすべて押さえているという映画だ。

ただ、映画の見方として、優れた兵士として1000体のクローンとなったジャック・ハーパーの消された記憶を軸にするのも面白い。
その記憶に残る妻の映像。その映像から人間性を取り戻していくクローン・ハーパー。
そしてクローン・ハーパーはスカブとともに爆死。
それを受け継ぐもう一人のハーパー。
教訓としては、消し忘れのビデオからとんでもないことが起きるということか。
いや、記憶はクローンに引き継がれるのかということ。


村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』文藝春秋

2013-08-21 21:50:08 | 文学・小説
読んだことを人に話したいような本ではない。
だいたいタイトルが覚えられない。

けっこう泣けたけど(・_・、)

この本を読んでから、苗字に色があるかないかを意識してしまうのは私だけなんだろうか。




苅谷剛彦『イギリスの大学・ニッポンの大学』中公新書ラクレ

2013-01-05 15:53:49 | 高等教育
2008年に東京大学からオックスフォード大学に移った教育学者によるイギリスの大学をレポートした本。
イギリスから見た日本の大学論についても書かれている。
オックスフォードやケンブリッジというイギリスの大学では、カレッジという共同体があり、そこではチュートリアルというマンツーマンによる教育が行われている。そこで「教育された市民」となるエリート教育が行われている。
イギリスの大学にあって、日本の大学にないのはそのようなチュートリアルという制度だ。オックス・ブッリジは労働者が行く大学ではなくイギリスの階級社会を象徴したような存在であるが、エリート教育を実績によって誇りにしている。
日本の大学改革では○○力の養成ということが言われるが、具体策になると年間で週15回の授業を行うことなど形式的な案にしかならない。その実現にも躊躇する意見もある。
そんな内容が書かれている。
また最近のポリテクの大学化以降の財政難からイギリスの大学の授業料値上げの問題も報告されている。
日本と違うのはイギリスでは学費を卒業後自分で払う制度であること。親が支払う日本の大学制度とはこれも違うことが指摘されている。
筆者が大学の秋入学について、グローバル化のなかで日本の大学にできることを提言している。
それは大学院の修士課程で1年半の課程をつくり、質の良い教育を行い、世界の優秀な人材を吸収することだ。
いま世界のトップクラスの大学では人文系の大学院修士で人材獲得競争が行われているのだそうだ。
日本の大学生の8割が私立大学に学んでおり、私立大学は財政基盤が脆弱なため、学生集めを第一に考えなければ経営が成り立たない。その悪循環で教育の質が悪くなっている。
その指摘も正しいと思う。
ただ、筆者がイギリスでもポリテクから移行した大学から世界を見れば、また大学の世界も違って見えるのではないかと思う。
立つところによって問題意識が異なると思えるからだ。
この本は財政的な余裕があり、学問の最先端でいられるオックスフォード大学からの報告である。
しかし、筆者が日本の中央教育審議会の委員などになればまたこの考えが政策となってしまうのだろう。。

選挙

2012-12-13 22:25:53 | 政治
また自民党の政権になるのか。
逆戻りといえば逆戻りだが、自民党の右側の勢力と維新の会が組むと軍事面では右翼的な政権になるかもしれない。

民主党には期待をしていたが、日本で政権党になれば、自民党のやっていたことをそこそこやらなければ仕方がないことを民主党政権が示してくれた。
きれいごとの限界を示してくれたことはムダではなかった。
業界団体との癒着を切った功績は評価したい。

ときどき政権は別の党になるほうがいいのだ。

小沢一郎の作戦は今回不発か。選挙を手玉に取るすごい人なんだけどなあ。
嘉田さんを担ぐのはよかったけれど、担いだ人の知名度不足なのかもしれない。

TPPが争点になるんじゃなかったのかなあ。
原発とエネルギー政策、北朝鮮、中国などの対外政策の陰にかすんでいる。

北朝鮮の一発は安倍さんを打ち上げ花火みたいに元気づけた。

で、自民党が圧勝するが、消費税は民主党の主張どおり。

TPPはのろのろ。原発は存続。
4年間はそんなふうに過ぎていくだろう。






冨山和彦『挫折力』PHPビジネス新書

2012-09-23 10:14:16 | 組織・組織行動
産業再生機構のCOOを務めた冨山和彦氏が書いた本。
挫折を経験することは悪いことではない。むしろ、それを乗り越えれば打たれ強いリーダーになることができる。挫折を経験しない優等生リーダーは、有事にとまどい、力を発揮できない。
悩むのはヒマだから。全身全霊で取り組めば悩む暇も無い。
そんなことが書いてある。
東大卒、在学中に司法試験合格、スタンフォードのMBA。経歴だけ見ると挫折とは無縁のように思っていたが、司法試験は3回目の合格。BCGでは会社事情で1年で転職、その他、携帯電話の販売店という未開拓事業の立ち上げなどで人間関係のドロドロも経験する。
スタンフォードに行ってMBAで学ぶ「競争戦略」「マーケティング」「組織マネジメント」は実践で役に立たないと思ったとも言っている。
様々なことに挑戦し、失敗を経験し、挫折を分析することで次の戦いに行かせる、挫折をしてみると自分という人間が見えてくる、とも書かれている。
理論ではなく体験に基づく話なので説得力がある。

ジェームズ『ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階』日経BP

2012-06-16 23:03:10 | 経営戦略
衰退の法則

第一段階:成功から生まれる傲慢
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転の追求
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅

良好な企業から偉大な企業への飛躍の法則

第一段階:規律ある人材
第二段階:規律ある考え
第三段階:規律ある行動
第四段階:偉大さが永続する組織をつくる

印象的だったのは、ヒューレッド・パッカードのCEOになったフィオリーナの行動と、IBMのCEOになったガースナーの行動を比較して、hpの問題点をしているところだ。

「第4段階が始まるのは、後退に反応して、組織が特効薬に頼ろうとするようになったときだ。・・・・救世主になるCEOを探す、“革命”をいいつのるなど・・・。ここでカギになるのは、大規模で素早い解決策か大胆な方針によって一気に業績回復を達成しようとして、長期的な勢いを取り戻すために困難な道のりを着実に歩んでいこうとはしないことである」
コンパックの買収がその例にあげられている。


竹中平蔵『経済古典は役に立つ』光文社新書

2012-02-15 23:56:17 | 経済・金融
竹中平蔵が経済古典について書いている本がある。
経済学史というより、現実の問題にどう対処していくかという視点で、経済古典を書いた人々がその時代の何の問題をどのように解決したかったのかを解説しようとした試みだ。
アダム・スミス、マルサス、リカード、マルクス、ケインズ、シュンペーターなどがその素材に上がっている。
ケインズが言っているように、その時代の対処法をパンフレットくらいのサイズで経済学者は書くべきなのかもしれない。
経済思想はあとで体系化されるのだろう。
何の問題でもそうだ。思い悩むより、状況を把握して、適切な時期に適切な策を講じなければいけない。

名越康文『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学』角川SSC新書

2012-02-15 23:25:38 | 心理学
体が疲れ、心が弱ることは誰にでもある。
このまま不安やうつ気分にとらわれるのか、それとも明るい気分に向かうのか。
その違いはなんだろう?

そんな疑問にこの本は答えてくれる。薄い本だが、気分をうつから「楽」に変えるしくみや方法がいくつも書かれている。

一日の生活の中で、「今、ここ」を充実させるのが何より大切。
そのために、目の前の仕事に集中すること、過程を楽しむこと、少し開き直ること、自分を客観視して感情的にならないことなどヒントになることが書かれている。

食べるご飯をかんでいることに集中するというような明日からでもできることから、「不安は自分の中にしか客観的には存在しないのだ」というちょっと哲学的なことまで読むだけでも楽しくなる。不安は自分の妄想が創り出すものなのだ。その正体を知って、あらゆる手をうつ。それでも最後に見えてくるもの、それは何なのか。確かめるのは自分。

この人最近、テレビによく出ていて調子づいているが、よく他人のことを考えていて、いいこと書く人なんだ。

この本を時々読んで、明日も楽しく、今、ここを生きてみよう。

伊東明『ほめる技術、しかる作法』PHP新書

2010-10-12 23:04:53 | 人間関係学
「しかる」だけの、いわば恐怖政治を敷いているような職場の中で、スタッフから自由な発想を引き出そうと思っても無理な話である。しかし、「ほめる」は実践していても「しかる」を実践していない職場では緊張感が欠け、スタッフの間に緩みが生じるため、向上心が低下して成長が止まってしまう。

こういう記述を読むと、なるほどと思う。


いくら「ほめ上手」「しかり上手」でも、仕事のスキルが備わっていないリーダーは部下から信頼されない。仕事のスキルとコミュニケーションのスキルが両方備わって初めて人を動かすことが出来る。


ますます、なるほどと思う。

アメリカは「しかる」というよりコンフリクト・マネジメント・スキルというテーマが主流だそうだ。コンフリクト・マネジメント・スキルでは意見の対立や衝突が表面化したときに、お互いが率直に意見を言い合える環境を形成しつつ、コミュニケーションを通じて問題解決をはかる。「しかる」スキルではなく、「主張する」スキルという違いがあるのだ。

「ほめる」ことは難しいが、「しかる」ことも確かに難しい。
しかる作法で参考になることがいくつか書かれている。

「しかる」基準を自分のなかにつくっておく。これによって、気分で部下をしかったりすることは少なくなるし、部下もどういうことをすればしかられるのかがわかる。

しかり方には3つのモードがあり、「怒りモード」「冷静モード」「優しいモード」があり、相手により状況により、また自分のキャラクターによって使い分けることとよいらしい。

上手なしかり方。

・まず、相手の言い分を聞く
・相手の性格でなく、行動をしかる
・しかるときは1体1が原則
・しかることによって、考えさせ成長させる

最後にしかられる作法まで書いてある。


人格批判さえも成長の糧にできる。

逆説的な教訓だ。要するに、「この人は部下を冷静にしかることもできないんだ」とメタ認知するのだそうだ。


薄い本だが、案外気づかない上司・部下の関係の大事なことが書かれている。ささやかだけれど、ためになる本。