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●《安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力》犯罪の裏で《官邸の関与》…最低の官房長官らは何を?

2019年08月23日 00時00分09秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]



リテラの記事【菅官房長官が“山口敬之氏への資金援助”を企業に要請の報道が! 詩織さん事件で逮捕を止めた警察官僚も菅の右腕だったが…】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4829.html)。

 《当日には傍聴しようと長蛇の列ができたほど、社会的に大きな注目を浴びるこの裁判。山口氏は詩織さんに対して、1億3000万円の損害賠償を求める反訴を起こしており、併合して審理が行われている…性暴力を訴えた女性に対して、逆に1億3000万円もの損害賠償を請求するということ自体信じがたいが、そんななか、この裁判をめぐって新たにとんでもない疑惑が浮上した》。

 そりゃ、当然の権利でしょうが、「反訴」ねぇ…額もスゴイな。世界に恥をさらす判決が出ないことを祈るばかりだ。
 《TBS時代から“安倍の太鼓持ち”と呼ばれるほど、安倍首相と個人的に親しい関係を築いてきた》《安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力》の犯罪の裏で《官邸の関与》…最低の官房長官らは一体何を? 《菅官房長官の秘書官をつとめるなど懐刀”“菅の片腕》《菅義偉官房長官の子飼い》氏や、《“官邸のアイヒマン”の異名を持つ》方は、一体何をやっていたのか?

 ここ最近で最も驚いた記事タイトル、アサヒコムの記事【レイプされて…周りは「社会勉強になったと思ったら?」】(https://www.asahi.com/articles/ASM7Y2GH2M7YUHVA002.html?iref=comtop_8_02)。
 絶句…ニッポンは一体どんな《社会》なのか…。

   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…
      諸悪の根源である“主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻
    《安倍首相と近しい関係といわれる元TBSワシントン支局長の
     山口敬之氏に「レイプされた」と会見で訴えた詩織さんの
     「準強姦事件」も“本質”は同じ。事件を握り潰したと報じられたのは、
     菅官房長官の秘書官だった警視庁の中村格刑事部長(当時)。
     現在は共謀罪を担当することになる警察庁組織犯罪対策部長だ。
     犯罪を平気でもみ消す、と批判されている人権軽視の警察官僚が、
     犯罪を恣意的につくり出しかねないと懸念されている悪法の責任者
     就いているなんて、これぞ悪夢だ

   『●アベ様独裁下の《黙って見過ごすわけにはいかない
      日本の問題》があまりに多すぎる…躾けられてはいけない
    「山口敬之氏が反訴したそうだ。神経を疑う。最「低」裁を頂点とした司法も
     頼れず…。警察や検察がアベ様に忖度したように、司法も、今回も正しく
     「司法判断」することなく、何時もの「政治判断」だろうか。絶望的な国」

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https://lite-ra.com/2019/07/post-4829.html

菅官房長官が“山口敬之氏への資金援助”を企業に要請の報道が! 詩織さん事件で逮捕を止めた警察官僚も菅の右腕だったが…
2019.07.10 10:06

     (菅官房長官が口利きで山口氏を支援の疑惑…(菅義偉HP))

 ジャーナリスト・伊藤詩織さんが、安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力で精神的苦痛を受けたとして、1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、7月8日、東京地裁に詩織さんと山口氏が出廷し、本人尋問が行われた。

 当日には傍聴しようと長蛇の列ができたほど、社会的に大きな注目を浴びるこの裁判。山口氏は詩織さんに対して、1億3000万円の損害賠償を求める反訴を起こしており、併合して審理が行われている。

 報道によれば、8日の口頭弁論のなかで、伊藤さんは「やめて、痛いと伝えてもやめてくれなかった」と証言、あらためて意思に反して性暴力被害を受けたと訴えた。一方の山口氏側は、性行為は合意のうえだったとして「就職相談を受けていたTBSを辞めたことへの逆恨み」「売名をはかった悪質な虚妄」などと主張。1億3000万円の損害賠償は、詩織さんの告発によってテレビ出演や会社の顧問料などがなくなった損失と、今後、名誉を回復して元の収入に戻るための時間から算出したという。

 性暴力を訴えた女性に対して、逆に1億3000万円もの損害賠償を請求するということ自体信じがたいが、そんななか、この裁判をめぐって新たにとんでもない疑惑が浮上した。

 というのも、山口氏はある企業から「毎月42万円の顧問料」や「交通費その他の経費」を受け取っていたのだが、実は、その企業の会長と菅義偉官房長官は親しい関係にあり、山口氏への資金援助を依頼したのも菅官房長官ではないかというのだ。

 本日の発売の「週刊新潮」(新潮社)が報じている。「週刊新潮」によれば、山口氏に「顧問料月額42万円」等を支払っていたのは、東京都のNKBという電車の中吊りなどを扱う交通広告の広告代理店。その会長である滝久雄氏が、長年、菅官房長官と懇意にしており、山口氏がTBSを退社した2016年の11月から、NKBの子会社と顧問契約を結んだという。

 記事には、「この滝会長と菅さんが仲良しなんです。山口がTBSを辞めた後に、菅さんが“山口にカネを払ってやってくれないか”と滝会長に依頼したそうです」との広告代理店関係者のコメントが掲載されている。さらに、この関係者は、山口氏は滝会長の子会社に一度も出社したことがなく、「週刊新潮」が2017年5月に準強姦疑惑の告発記事を出すと支払いを止めたことから、山口氏との顧問契約は「どうしても断れない特別な案件だったからと考えるのが自然」とも述べている。

 一方、「週刊新潮」は滝会長への“山口氏支援の依頼”に関して、菅官房長官を直撃しているが、言葉少なに関与を否定するだけで、「それ以上は言えない」などと、事実上、説明を拒絶したという。

 しかし、菅官房長官の名前は、山口氏が詩織さんの事件で逮捕される直前、警察庁の上層部がストップをかけたとされる問題でも、浮上していた。

 念のため振り返っておくが、この件をめぐっては、詩織さんからの相談を受けて当初、捜査を担当していた高輪署の捜査員が、逮捕状を持って成田空港で山口氏の帰国を待ち構えていた。ところがこの逮捕直前に上層部からストップがかかった。そして、この逮捕取りやめを指示したのが“菅義偉官房長官の子飼い”である当時の中村格警視庁刑事部長(現・警察庁官房長)だった。


■詩織さん事件で山口氏の逮捕を止めた中村格刑事部長は菅官房長官の元秘書

 中村氏は、第二次安倍政権発足時に菅官房長官の秘書官をつとめるなど懐刀”“菅の片腕といわれる警察官僚。山口氏の逮捕を取りやめるよう指示したことについて、本人が「週刊新潮」の直撃に対し、「私が決裁した」と認めている。

 詩織さんの著書『Black Box』(文芸春秋)には、詩織さんが直接、中村氏への取材を二度試みたくだりが出てくるのだが、それによれば、中村氏は一切の説明をせずに逃げたのだという。

〈出勤途中の中村氏に対し、「お話をさせて下さい」と声をかけようとしたところ、彼はすごい勢いで逃げた。人生で警察を追いかけることがあるとは思わなかった。
 私はただ、答えが欲しいのだ。中村氏にはぜひ、「私のした判断は間違いではなかった。なぜなら……」ときちんと説明して頂きたい。なぜ元警視庁刑事部長の立場で、当時の自分の判断について説明ができず、質問から逃げるばかりなのだろうか?〉(『Black Box』)

 いずれにしても、この件では、一度は山口氏に逮捕状がだされ、捜査員が今か今かと待ち構えるという局面まで進んだ。にもかかわらず、菅官房長官の片腕の警察官僚が直前で逮捕取りやめを指示したのだ。

 もし、菅官房長官が知り合いの企業経営者に山口氏への資金援助を要請するくらい山口氏と関係が深かったとすれば、この不可解な捜査中止も納得がいく。

 山口氏は8日の法廷で、逮捕中止について「仮に逮捕状が出ていれば、自分は被疑者なので知る手段がない。もみ消しはできない」と述べたという(朝日新聞デジタル7月8日)。

 だが、菅官房長官が資金援助要請まではしていなかったとしても、山口氏が、安倍官邸、そして菅官房長官と尋常ならざる関係を築いてきたのは事実だ。


■山口氏の著書『総理』に出てくる菅官房長官との運命共同体的エピソード

 そもそも、山口氏はTBS時代から“安倍の太鼓持ち”と呼ばれるほど、安倍首相と個人的に親しい関係を築いてきた。安倍首相は国会で山口氏について「取材対象として知っている(だけの関係)」などと言ってごまかしたが、山口氏の結婚披露宴に安倍首相が出席していたことを「FLASH」(光文社)が写真付きで報じている。

 そして、山口氏は、安倍首相の右腕である菅官房長官ともかなり前から“運命共同体”とも言えるような関係になっていた。山口氏のデビュー作である“安倍ヨイショ本”『総理』(幻冬舎)では、当初、安倍氏が出馬を迷っていた2012年自民党総裁選を巡って、菅との直接的やりとりをしていたことを自慢げに記している。

 同書によると、山口氏は安倍と代々木のレストランで食事をし、その席で「出馬見送り」の話を聞かされるのだが、山口氏はそのあと〈すぐに菅に電話を掛けた〉のだという。この電話を受けて、菅が安倍の私邸へ向かい、出馬するよう説得。安倍は心変わりして総裁選に出馬し、総裁に返り咲いたというわけだ。山口氏は安倍が総裁に決まったあと、菅とこんな会話をかわしたことを明かしている。

〈決選投票で総裁の座を射止めた直後、自民党本部4階で私と遭遇した菅は、満面の笑みで握手を求めてきた。
「○○だけは誤算だったな。あとはパーフェクトだったでしょ?」
 不適な笑みの最後に、こう付け加えた。
「あの夜の山口君の電話がなければ、今日という日はなかった。ありがとう」〉(『総理』)

 いわば、山口氏は菅官房長官をして「山口君がいなければ安倍総裁はなかった」と言わしめる存在なのだ。そして、この“第二次安倍政権誕生の陰の立役者”が性暴力事件で逮捕されそうになった直前、その菅官房長官の右腕といわれた警察官僚が逮捕を止めた。これは偶然なのか

 さらに、この件をめぐっては、「週刊新潮」に告発記事の第一弾を出された直後、山口氏が“官邸のアイヒマン”の異名を持つ北村滋内閣情報官とおぼしき「北村さま」へメールを送り、記事を巡る対応を相談していたことも判明している。

 今回、「週刊新潮」が報じた“菅官房長官が口利きで山口氏を支援していた”との疑惑報道によって、またひとつ、この問題をめぐる“官邸の関与”の状況証拠が増えたことになる。年内に結審するという裁判の行方はもちろん、引き続き、疑惑の真相究明を求めていきたい。

(編集部)
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コメント (3)
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●醜悪な、《なぜ安倍首相に心酔する》ファナティックな女性記者(広報屋)や政治屋が…? 一方、〝忖度〟しない者には…

2019年08月22日 00時00分34秒 | Weblog

『「安倍晋三」大研究』望月衣塑子&特別取材班著)…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》↑]



室井佑月さんによる、リテラの連載対談「アベを倒したい!」シリーズ、第14回。
【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)/室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4889.html)。
【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(後編)/室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4890.html)。

 《今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。…官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。…彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットに》。
 《菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか…》。

 リテラの連載対談「アベを倒したい!」シリーズに、望月衣塑子さんが登場。

   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
     斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●今が「辞任」させる秋であり…市民に「忖度」する
      政治家や政党はどちらか?、いま、理解するべき
    「連載対談記事の後編【室井佑月連載対談「アベを倒したい!」 
     第4回ゲスト 山本太郎(後編)/室井佑月が「太郎ちゃん、
     安倍さんを倒して」と陳情! 山本太郎が本気で語った安倍政治を
     乗り越える政策論とは?】」

   『●立憲主義も理解できず…「行政の長である総理大臣が
      具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反」
    「「裸の王様」の天敵・小池晃さんとの対談【室井佑月の連載対談
     「アベを倒したい!」第5回ゲスト 小池晃(前編)/安倍首相は
     どういうときにキレるのか? 室井佑月と共産党・小池晃が安倍の
     デタラメ国会答弁を徹底分析】」

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…前川喜平氏の人間性と彼我の差

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
      《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ
    《室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第7回ゲスト 前川喜平

   『●松尾貴史さん×室井佑月さん対談、「安倍首相は、
      嘘も権力の私物化も恥ずかしいとすら思っていない」
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
     言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
     言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロールの下で…奮闘する数少ない記者。しかし、それにしても、アベ様や最低の官房長官らの《メディアコントロール》がさらに酷いことになっている。

   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」
     「ここは質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
   『●現独裁政権批判な映画『新聞記者』…
     東京新聞【政権批判で? テレビ番組PRゼロ…「忖度」ニモマケズヒット!】

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https://lite-ra.com/2019/08/post-4889.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)
室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア
2019.08.08 11:31

     (熱弁する望月衣塑子氏(左)と室井佑月氏(右)(編集部撮影))

 室井佑月連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。菅義偉官房長官の記者会見で厳しい質問を投げかけ続けることですっかり有名になった望月記者だが、官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。しかし一方で、その圧力に怯まない姿勢、権力のチェックを続ける記者魂に称賛と応援の声がどんどん大きくなり、6月には、彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットになっている。

 かたや、ワイドショーで空気を読まず政権批判を続けている室井佑月も『新聞記者』を観て大感動!「望月さんにエールを送りたい」と、今回の対談が実現した。

 権力と闘い続ける2人の女が、安倍政権からの圧力やネトウヨの攻撃、そしてメディアの実態を語り合い、意気投合した最強対談。まずは前編をお読みいただきたい。きっと勇気が湧いてくるはずだ。

(編集部)


●テレビも映画『新聞記者』プロモーション拒否の裏にある噂が

室井 初めまして! 早速だけど映画『新聞記者』観たよ! 森友・加計問題や、伊藤詩織さんの事件とか、安倍さんが政権を握ってからの数々の悪事がてんこ盛りになっていた。内閣情報調査室の内幕も描かれていて。すごい面白かった。

望月 ありがとうございます。公開から1カ月ほどですが、配給会社によると動員33万人で、興行通信社の週末観客動員ランキングも3週連続トップ10入りしたそうです。

室井 知り合いの映画関係者も言ってた。政権を批判した社会派作品がここまで健闘するのは異例だって。でも、テレビとかあんまり取り上げてくれなかったんでしょ。プロモーションを拒否されたってリテラでも書いてあった。公開直後には公式サイトがサーバー攻撃にあったり。やっぱり、真っ向から安倍政権批判をして、官邸から睨まれている望月さんの原作だから、テレビとか完全に腰が引けたんだろうね。

望月 今回の映画宣伝はテレビではすごく難しかったと宣伝部の人も言ってました。それに加えて、参院選前に私が選挙に出るという噂が出回って。

室井 あっ、やっぱり。私も聞いた。望月さんが選挙に出馬するんじゃないかって話。そんな噂を聞いたから最初に絶対確認しておこうと思ってたんだ。そういう話、あったの?

望月 あるわけないじゃないですか。でも、宣伝部は、テレビ局から「望月さんが選挙に出るかもしれないから、取り上げるのはちょっと……」と難色を示されたと聞きました。

室井 映画の宣伝で露出してないなって不思議に思ってたけど、そんな事情があったのか。でも、それって宣伝を断る口実でしょ。安倍政権を批判する作品だから忖度マスコミ、特にテレビは取り上げたくなかったんだね。ただ、出馬に関しては望月さんは知名度も高くて、菅さん(菅義偉官房長官)と闘う女っていうイメージだから、野党系から結構声がかかっても不思議じゃないとは思う。もし声がかかっても、いまの立場を変えずに記者としてガンガン記事を書いて、声をあげ続けて欲しい。私も誘われたことあるけど「私、不倫するのとかなんとも思ってないんで無理です」って言って断った。逆に「出馬なんてことより先生のガールフレンドのひとりにしてください」って(笑)。

望月 ……(爆笑)。


■安倍首相と会食を繰り返すマスコミ幹部の異常、菅官房長官とも

室井 でもさ、ちょっと有名になるとすぐに出馬の噂が出るのは心外だよね。私も仕事として表現者として、物を書くことを一生懸命やっているし、案外評価もされている。なのに、なぜ「議員になったらいいじゃん」とか言われなきゃいけないんだろうって。

望月 同感です。いまの立場から発信し、発言するそれが私たちの仕事ですからね。発信といえば室井さん、最近ツイッターをやり始めたんですよね。リアルタイムで安倍政権の批判もしていて、ツイート回数も多くてがんばっているなと思いながら見ています。でも私もそうですが、かなりネガティブな反応も多いでしょう

室井 すっごく多いです。最初はやり方から何から全然わからなくて「くだらないことを送ってこないで」っていちいち返事していたら、みんなに「ブロックとかミュートとかすればいいだけだ」って言われて。初心者なのでそんなことも知らなかった。それで炎上騒ぎもあって。あっ、望月さんは炎上の先輩だ!

望月 (笑)。私も一時期はあまりにひどいものはブロックしていたんですけど、そうするとまた炎上している感じになるから、いまはもう放置しています。

室井 でも、ツイッターにしても映画にしても、政治的なことがアウト、タブーになるなんて本当に恐ろしい世の中だよ。本当に怖い。そんななか、望月さん、そして東京新聞はうんとがんばってるよ。

望月 ありがとうございます。中日新聞が母体だから、社長と会長が名古屋市にいるというのにも助けられているかもしれません。安倍さんはあまり地方紙とは会食をしていないですからね。全国紙や大手マスコミは、軒並み安倍さんとの会食を繰り返していますが、こうしたトップ同士の関係は現場に必ず影響していると思います。東京新聞では、たしか長谷川幸洋さんがいた頃の2013年5月、彼が間に入って中日新聞の当時の社長が一度安倍首相と会食しているんです。でも、それ以降はしていないと思う。もし会食するような関係が続いていたら、現場としては、やりづらくなりますね

室井 そうだよね。首相とマスコミのトップがベタベタの付き合いなんて先進国では考えられないし、報道機関、ジャーナリストとしてのプライドがないんじゃないかと思っちゃう。トップがそうなら現場も萎縮する。もうマスコミはすっかり安倍さんにやられて、忖度、自粛のオンパレードだもの。

望月 今年6月に国連人権理事会でデービッド・ケイ特別報告者から日本の報道の自主性に対し危惧する報告書がまた出ました。そのなかには「日本政府当局者が彼らに批判的な質問をする記者に圧力を加えている」という文言もあって。

室井 それって望月さんのことだよね。デービットさんは2017年5月にも安倍政権による報道圧力とメディアの萎縮について是正を勧告していたけど、その後もメディア圧力は是正されないどころか、どんどんひどくなっているからね。

望月 政権幹部とマスコミ幹部との会食がこれほど繰り返されるという状況は異常です。それだけでなく「桜を見る会」には芸能人をどんどん呼んで、メディア幹部だけでなく情報番組司会者、コメンテーターなど影響力のある人たちにも手を伸ばしはじめています。安倍政権になってからメディアの取り込みが露骨になっています。ただ、こうした会食への批判が大きくなったことも影響してか、一部テレビ局のトップが安倍首相との会食は断っていると聞きました。でも、その代わり菅官房長官と会食をしているそうです(苦笑)。何を話しているのかと言えば、民放連(日本民間放送連盟)の人事の話とか。菅氏は他のメディア幹部と会ったときも、官僚の人事話をしていたと聞きます。“官僚や政治家、メディア含め、俺があらゆる人間の人事を握っている”ということを内外に示すことが、自分の権力の源泉になるという意識があるのでしょう。

室井 菅さんなら新聞の動静に出ないものね。


■ギャラクシー賞を受賞した『報ステ』元CPを報道から追放したテレビ朝日

室井 望月さんの菅さんとのやりとり見ていてもそうだし、望月さんの著書『新聞記者』(角川新書)を読んでも、映画を観てもそうだけど、望月さんって新聞記者であることへのプロ意識がすごく高いんだなと思いました。男の人って、“記者”としてではなく、会社の“役職”がつくことにこだわりがちだけど、望月さんはそうじゃない。私はジャーナリストでも新聞記者でもないから、そんなプロの記事を読んで「私はこの記事を読んでこう思った」ということを、賛否両論になってもいいから広げる。それが役目なのかなと思ってます。

望月 室井さん、新聞から雑誌から書籍まで、ものすごい量を読んでますものね。テレビでの発言や週刊誌コラムなどを拝読していますが、相当読み込んでやってるなって。

室井 私、オタクだから(笑)。

望月 熱量のすごさを感じます。特にテレビは権力批判もできなくなり、危ないと思っているけど、室井さんやジャーナリストの青木理さんが発言しているのを見ると、「でもまだ希望があるな」と思います。ただ、最近でもすごくひどい人事がテレビ朝日であった。それがジャーナリズムの要として『報道ステーション』のチーフ・プロデューサーなどをやっていた松原文枝前経済部長が、報道局から総合ビジネス局のイベント事業戦略担当部長に異動したことです。彼女は現役の記者のなかでも、ずっとブレずに仕事を続けて。それで安倍政権になってから嫌がらせが続いても「それでもやらなきゃいけない」と発信し続けてきた。昨年4月の財務省・福田淳一事務次官(当時)のテレビ朝日社員へのセクハラ問題のとき、告発した社員の上司でもありました。それを逆手に取られ、「飛ばされるのではないか」という空気がありましたが、当時は伊藤詩織さんの#MeTooの流れがあって、この問題を『報ステ』でも小川彩佳アナ(当時)が取り上げ、反響を呼んでいました。女性記者たちが集まってできた団体「メディアで働く女性ネットワーク」(WiMN)でも、「声をあげた人たちを守ろう」と掲げていたんです。そうしたまっとうな方だったからこそ、相当前から政権に目をつけられていた。しかもいま、テレ朝は早河洋会長の体制下で、安倍首相や菅さんの応援団を自認する、幻冬舎社長の見城徹さんが放送番組審議会の委員長に入っている。(松原さんが)番組を外れる可能性は高いんじゃないかと危惧していたのですが、現実になってしまって。

室井 彼女は古賀茂明さんが『報ステ』を降板させられたときも、最後までかばった人でもあるよね。

望月 そうです。予兆もありました。2016年6月、『報ステ』で松原さんが経済部長時代に手がけた特集「独ワイマール憲法の“教訓”」がギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞した。「ドイツの民主的なワイマール憲法下でなぜ独裁者ヒットラーが生まれたか」という日本の憲法改正の動きとの比較で深く考察されたものでした。そんな栄誉ある賞なのに、政権に批判的に取れる内容なのでテレ朝内では喜ぶどころか“なかったこと”のようだったと聞きます。しかも「贈賞式に出るな」「コメントするな」って松原さんに対して圧力もあったらしくて。異動との関連ははっきりしませんが、松原さんは、憲法改正の国民投票でのテレビのCM規制についての民放連の動きも問題視していました。これまで民放連は「CM規制をかけることも含めた議論をすべきだ」としていたのに、民放連会長や専務理事が日テレに変わった途端、「表現の自由がある」として、「CM規制をかけない」と一変させた。松原さんはそれに対し、過去の国会の議事録などを調べ上げて分析、民放連の会見でも追及していたと聞きます。誰も聞かないから聞きに行かなければという意識だったそうです。政治部デスクにことわって聞きに行っていたそうですが、これをテレ朝の幹部が、問題視していたと聞きました。


■権力の肩を持ち、望月記者の足を引っ張る記者クラブに、室井が激怒

室井 憲法改正をしたい安倍さんへの忖度と金儲けってやつか。テレ朝は小川アナを追い出したり、逆にネトウヨアナの小松靖を『ワイド!スクランブル』に起用したり。テレビも安倍さんへの忖度と、広告収入や視聴率が下がっていくなかで、どんどん変な方向へ行っている気がする。そんななかで、望月さんにして松原さんにしても、権力と対峙してる。官邸に立ち向かっている。誇りを持って仕事してるんだなってわかる。でも、いろいろ大変なんでしょ。菅さんにガンガン質問してる姿は私たちからしたら拍手喝采だけど、記者クラブで足を引っ張られてるって聞いてる。質問する望月さんの悪口言う記者までいるっていうじゃない。昨年も、辺野古の赤土について質問したら菅さんが逆上して、望月さんの質問を制限しようとしたんでしょ。しかも、そんなひどいことに対して、一部の記者が「望月さんが質問をすればするほどクラブの知る権利が阻害される」なんていうコメントを共同通信にしてさ。その上、菅さんの主張はフェイクだったじゃない。

望月 そうなんです。日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本ジャーナリスト会議から抗議声明も出て、東京新聞でも社説や特集記事を掲載し、官邸前でのデモなどもあったのですが、でも記者クラブに関しては室井さんの言う通りかもしれません。実際、ある大手紙記者が「なんだよあいつ、いつまで来させるんだよ」と私についてあからさまに批判していたとも聞きました。それと最近、新聞労連の新聞研究部が、ここ2年以内で官邸にいた記者を対象に官邸会見について匿名アンケートをとり、幹事業務を担う19社、33人が回答を寄せたようですが、そのなかに私の批判もあった(笑)。「パフォーマンス」「自己アピールだ」だとか「質問が長い」とか。同時に、なかには「内部で官邸と繫がっている社がある限り、記者クラブとして身動きが取れない。苦しい」というような生々しい声もありました。彼らはわかっているけど、ジレンマに陥っている。

室井 どこかの独裁国家のメディアとほとんど変わんないね。現場の人から実態を聞くと、どんどん怖くなってくる。

後編に続く

……
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https://lite-ra.com/2019/08/post-4890.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(後編)
室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」
2019.08.09 11:42

     (2人が語る”民主主義を守る覚悟”とは(左・望月氏 右・室井氏 撮影・編集部))

 室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、菅義偉官房長官の会見で孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。前編では、そのも望月記者から、メディアや記者クラブの予想以上の政権忖度の実態を聞いて、激怒した室井だったが、後半はさらに踏み込み、話はどんどん具体的になっていく。

 菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか、最後まで読んで、その現実をぜひリアルに知ってほしい。(編集部)


前編はこちら

●望月衣塑子が菅官房長官の会見に出て、質問を続けている理由

室井
 望月さんの話を聞いてると、つくづく恐ろしくなるけど、でもそんな状況なのに記者クラブの人って、質問をしないでパソコンに向かってひたすらカタカタやっているんでしょ。質問しないのって記者としての誇り、能力がないじゃない。記者は質問して、納得できるまで食い下がるのが仕事でしょ。質問しないで菅さんの話を垂れ流すだけだったら子どもにでもできる。しかも同業なわけじゃん? 誇りがあるなら味方しろ! 記者クラブって本来、国民の知る権利を代弁する制度だし、もし同業他社でも権力から知る権利を奪われそうになったら、タッグ組んで「妨害はやめろ」「きちんと質問に答えろ」ってやるのが役目なんじゃないの? でも、日本はそうじゃない。逆にバッシングをするって本当におかしい。しかも、権力の批判や監視をするのが新聞やジャーナリズムの役割なんだから、権力者とお友だちになってどうする! 緊張関係が必要なのに、そうじゃない。いまの記者クラブはスクープがあったとき、1社に抜かれるのが怖いからというだけのために存在してるのかと思っちゃう。それに菅さんって、記者やテレビコメンテーター、芸能人なんかと、けっこう頻繁にご飯食べてるらしいし、人たらしなんでしょ。そんな菅さんに記者はひれ伏している。安倍政権がこんな長く続いているのも、逆に言えばそのキーパーソンは菅さんってことじゃないかと思うんです。

望月 そうですね。政権存続のため、裏で彼がメディアや官僚、政治家、企業の人たちと何をやっているのかを見ることは大切なことだと思います。一連の公文書改ざん問題や森友加計問題の発言のひとつひとつを見ていると、その背後に必ず菅さんの存在がある。今回の私に対する質問妨害もそう。最初は、内閣府の長谷川榮一氏(総理補佐官兼内閣広報官)から抗議文が来たけど、もちろん菅さんなんですよね。しかも、妨害行為が国会で問題視されて、周囲から「さすがにやめたほうがいい」と言っても、菅さんは「俺はあいつが嫌いなんだ!」って全然聞く耳を持たなかったと聞いています。そういう意味で、良くも悪くも裸の王様というか、自分の思ったことは何がなんでもやる。そうした菅さんら官邸の姿勢が公文書改ざんの問題の根底にある。その危うさを感じるからこそ、会見に出て質問しているのですが。

室井 さすが“影の総理大臣”と言われるだけある。でも、裏を返せば、そんな権力の中枢に望月さんは恐れられているってことでしょ。

望月 まあ、目障りなんでしょう(笑)。それまで菅さんは突っ込んだ質問をさせない土壌をつくり、記者もそれなりに従っているふうを装ってきた。そこに私が来て。


■菅官房長官がオフ懇の前に行う“儀式”を聞いて室井が「ひゃぁー怖っ」

望月 菅さんの会見では事前通告が現在、慣例化しているとも聞きます。匿名のアンケートにも「事前通告せずに質問したら官邸側から怒られた」とありました。菅さん側から「事前に質問は全部投げてほしい」と言われると、現在のパワーバランスのなかでは、記者もそれに従わざるを得ないのでしょう。先進国や外国人特派員協会のなかではあり得ない状況です。さらに会見が終わると、裏で番記者とオフレコ懇をやります。

室井 公の会見では記者は質問しない、菅さんは言いたいことだけ言う。なのにその裏でオフ懇をするってどういう了見なの。望月さんが菅会見に出るようになってから、オフ懇を拒否するようなこともあったんでしょ? やっても望月さんの悪口を吹き込むって聞いたことある。他の記者に望月さんを批判して、“おまえらどうにかしろ!”って。なんて姑息なんだ。自分たちに都合の悪い質問をする望月さんを排除するって。でも、それが安倍政権の本質でもあると思う。

望月 政府見解が必要なところは、それなりに毎回、記者は聞いています。でも、官邸がクラブに貼り出した私についての抗議文について質問した記者にある官邸の記者が、こう言ったそうです。「これは、国民の知る権利を守るのか、それとも我々記者クラブの知る権利を守るのか、この闘いだ。バランスもっと考えてね」って。

室井 それって菅さんからの“伝言警告”ってことでしょ。番記者はジャーナリストじゃなくて伝書鳩だったのか!

望月 オフ懇に関しては、新聞労連の新聞研究部がここ2年以内で官邸にいた記者を対象におこなった匿名アンケートでこんな指摘もありました。菅さんへのオフ懇や夜回りに来る記者が携帯電話やICレコーダーを事前に回収袋に入れると。これはオフ懇の内容が週刊誌で報じられたことがあって、菅さんが激怒したため、その予防策として、つまり記者が菅さんに忠誠を誓う“儀式”として行われていたということのようです。その後、雑誌やネットでこの事が公にされてから、その儀式は止めたようですが。

室井 ひゃぁー怖っ。菅さんも怖いけど、それに忠誠を誓う記者も恐ろしい。

望月 会見では質問以外にもいろいろなことがわかるんです。たとえば私の質問中、菅さんがある記者によく目配せしてるんです。その記者は野党時代から菅番をやっていて、安心できるから彼に毎度、相槌を求めているのでしょう。菅さんの会見での精神安定剤なんだなと。彼がいないと気持ちが安心できないのか、目が泳いでいるように見えます。そんな一面も垣間見れる。テレビ朝日の松原(文枝・前経済部長)さんに関しても(編集部註:詳しくは前編参照)『報ステ』で安倍政権批判をしていた時代、菅さんは「あいつ(松原さん)と食事できないかな」って周りに聞いていたらしい。でも、彼女の性格を知っている周りから、「食事しても変わらないですよ」と言われて止めたとか。そうやってまめな会食を重ね、常に現場の記者やメディア幹部を取り込んで来たのでしょう。親しくなり、自分を好いてくれれば、今後の報道も含めて、将来、心強いですからね。


■望月衣塑子や室井佑月に向けられる批判の裏に「女のくせに」という差別

室井 でも、話を聞いていて思ったのが、菅さんや同業の記者が望月さんを批判するのは、女性だからという面もあるんじゃない? やっぱ男社会だし、出る杭は打たれる国だから、女性で目立つと嫉妬やバッシングが起きやすいと思う。Twitterで、私や望月さんを攻撃している人がいっぱいいて、ちょっと興味があるから調べたら、他にもすごく女の人を狙って罵詈雑言を繰り返している人だったりする。「ババアが」とかね。仕事をしていると、「女が意見を言うな」って感じの悪口もすごく多いし、そういうのってすごく感じる。女性差別もあるんじゃないかって主張すると、今度は「おまえ、自分が女だと思ってたのか」なんてことまで言われたことも。望月さんを叩いている人たちって、「女のくせに」って意識があるのは否めなくない?

望月 そうですね。それは私だけではなく政治家にも当てはまるかもしれません。稲田朋美さん、辻元清美さん、そして蓮舫さんなんかもそうだけど、与野党や政治的信念に関係なく、女性の政治家へのバッシングは男性の政治家のそれとは明らかに違う。セクシュアリティへの言及、ツッコミをしますよね。マスコミでもやはり男尊女卑の風潮も感じます。女性記者は、政治家の会見に出ている記者がそもそも少ないし、あまり積極的に質問しているように見えない。とくに#MeToo、#WeToo運動があったとき、女性記者がもっともっと政府や麻生太郎財務大臣に突っ込んで聞いてもいいと思いました。がんばって聞いている女性記者もいましたが、全体としておとなしく見えました。アメリカだったら、麻生大臣は総攻撃にあうし、「はめられたんじゃないのか」と同じ発言をしていたら辞任に追い込まれていたのではとも思います。

室井 たとえば片山さつきさんを批判するとき、主張について意見を言うのは当然だけど、そこに「ブサイクが」とか「変な髪型しやがって」とかって言うのはおかしいよね。でも悲しいかな、権力を持っている男にひれ伏し出世しようとする女性がいることも確かなんだけどね。「恥知らず!」なんて恐ろしい言葉で安倍さんを擁護する三原じゅん子さんとか、大臣就任の挨拶で「私はみなさんの妹」ですと自己紹介しちゃう丸川珠代さんとかもいる。難しいね。女性は団結しないといけないと思うんだけど。


■三原じゅん子、NHK岩田明子はなぜ安倍首相に心酔するのか

室井 三原さんはすっかり安倍さんに洗脳されているけど、昔からずるい人じゃないのよ。タレントのときから。だってハッピハッピー(元アニマル梯団のコアラ)と離婚したとき、番組で一緒になって。わたしが「こんな男いいじゃん、いらないじゃん」って言ったら、すぐに泣いちゃって。だからいますごく信じているのが安倍さんってことなんじゃないかな。純粋だから。でもそれが一番怖いと思っちゃう。信じ込んじゃうことが。

望月 三原さんは、かつては石破茂議員支持だったと聞きますが、彼女も菅さんとの会食後、安倍さんに寝返ったとか。「菅氏に副大臣とか政務官のポストをぶら下げられたのではないか」と聞きました。NHKの岩田明子記者は、安倍さんに心底心酔しているとも聞きます。そうでもないと、あそこまであからさまに安倍さんを持ち上げられないかなとは思いますが。

室井 安倍さんがイランを訪問したときも、安倍さんの成果を盛んに強調していたけど、なんだかクラクラしたけど、最近は逆の意味で岩田解説が楽しみになって(笑)。でも岩田さんって、安倍さんと近しい関係ということでNHK内ですごい力を持っちゃって。こういうやり方見てると、やはり女性同士ってだけで団結って難しいのかなって思っちゃう。


■室井佑月が望月衣塑子の民主主義を守る覚悟に感動、共闘を宣言!

室井 もっと女同士が味方すればいいのに、なかなかそうはならない。新聞社とかテレビ局って大企業でもあるけど、男女差別はあるし、女性はそれを絶対、感じてたりするのに。そんななかで望月さんが問題意識を持ち続けられるのはなぜ? 原動力ってどんなこと?

望月 たとえば社会部の私が菅さんの会見に出ても、政治部から文句を言われることはないです。彼らには、菅さんの秘書官や他社の記者からはいろいろ言われて、迷惑をかけているはずなのに、本当に有り難いなと思っています。それに、会社にFAXや電話の投書で応援メッセージが来るんです。いまの政権はおかしいと思っている人たち、安倍さんのやり方に怒ったり疑問に思っている人がたくさんいる。そういう声を知れば、記者として疑問に思ったことを会見に出て質問するしかない。国民の知る権利に応えなくちゃならないと思うんです。そして社としてもバックアップしてくれる土壌がある。アベノミクスも公文書改ざんも、沖縄の問題も、いまの日本はおかしなことばかりです。そんななか、私たちメディアが声をあげ、報道ができなくなったら、情報がシャットアウトされて伝わらなくなる。そうなったときに何が起こるのか。民主主義は明らかに後退していく。そんな危機感があります。そして、東京新聞の読者の方々もその問題意識を共有してくれている。だから続けられるのかな。

室井 でも、本当は望月さんの言っていることって、そういう記者の当然の問題意識を安倍政権によって崩壊させられた。その罪は重いと思う。

望月 官邸クラブにいる記者はじめ、他のさまざまな現場にいる記者でも苦しんでいる人は多いと思います。そのなかでもそれぞれが、皆できる範囲のなかでがんばっている。権力に向かってものを言おうと、立ち上がろうとしてる人たちもいる。そんな同じ思いでやっている人がいて、読者が支えてくれる。それが原動力かな。

室井 立派だと思う。これからも応援する。すぐにバッシングされる同士、女性同士、今後も仲良く闘おうね!

(了)

前編はこちら

プロフィール
望月衣塑子 1975年生まれ、中日新聞入社後、東京本社に配属され千葉、埼玉など各県警担当、東京地検特捜部担当を歴任。2017年に森友学園、加計学園の取材チームに参加し、菅官房長官会見に出席、また前川喜平文部科学省前事務次官や女性ジャーナリスト伊藤詩織へのインタビューなどを手がける。『武器輸出と日本企業』『新聞記者』『権力と新聞の大問題』など著者多数。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビュー、その後テレビコメンテーターとしても活躍。「週刊朝日」「日刊ケンダイ」「女性自身」など連載コラムも多数持つ。また『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送 金曜日)などに出演中。
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●《テンチョンニュース》で決して報じない《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》

2019年06月12日 00時00分07秒 | Weblog

【《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》…『新聞記者』(望月衣塑子著)↑】



山岡俊介さんの『アクセスジャーナル』の記事【<再度紹介>「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」で本紙・山岡インタビューも掲載(『「安倍晋三」大研究』。望月衣塑子)】(https://access-journal.jp/30577)。
マガジン9のコラム【鈴木耕 言葉の海へ 第75回:【本日の安倍総理】というコーナー】(https://maga9.jp/190605/)。

 《この疑惑が一過性で過ぎ去ったのは、表面上しかなぞらない安易な安倍首相叩きに終始したことも大きな原因であると思っている。その点、このインタビュー原稿は、限られたスペースとはいえ、基本的な奥深い「闇」の部分が説明されている。目を通していただければ、そう実感してもらえると思う》。
 《その句に倣っていえば、最近のNHKは 〈安倍の顔 見ない日はなし NHK〉 ということになろうか。別になんのニュース価値もないけれど、とにかく“安倍の顔“はNHKニュースには欠かせない。あの顔を出さないとNHKの1日は終わらない。それほど安倍権力はスゴイのだ…というほどの意味》。

   『●将来のアベ様自身の「落選脅威」…選挙妨害をしてでも
       下関市長選候補者を落選させ、政治生命を絶つ必要が
   『●《安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を
       反社会勢力にも通じる人物に頼》む…なぜに報じられないの?

 山岡俊介さんは、《安倍さんが直接関わった疑惑民主主義の根幹を壊す犯罪行為》と言います。でも、今も自民党総裁であり、ニッポン国の首相というデタラメ。人治主義国家であり、独裁国家。《#ケチって火炎瓶》「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」は、今の立法府や司法が機能していない異常な状態を示す究極の例。アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール》の故か、ほとんど報じられることはない。

 鈴木耕さん、《【本日の安倍総理】というコーナー…〈安倍の顔 見ない日はなし NHK〉》だそうです。
 《<金口木舌>…韓国に「テンチョンニュース」という言葉がある…国民に事実を伝えない偏向報道戒める文脈で使われる》。さしずめ、「時報の音とともにニュースが始まると、アナウンサーはアベ様は…と原稿を読み始めた」といった感じか。「権力の監視」を出来ない、権力を批判できない報道に大きな問題。飼いならされる報道。あぁ、アベ様のNHKをはじめとした飼いならされた報道…。鈴木耕さんのコラムの〆の言葉、《だがいまや、この国のマスメディアは…「安倍支持率上昇マシンと化している気がして仕方ない……》。

   『●《戦争が廊下の奥に立つてゐた》…
     《そんな時代にしてはならない》はずが、癒党お維や与党議員ときたら
    「琉球新報のコラム【<金口木舌>テンチョンニュース】(…)によると、
     《韓国に「テンチョンニュース」という言葉がある。1980年代の
     軍事独裁政権下、テレビで「テーン」という時報の音とともにニュースが
     始まると、アナウンサーは全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領は…
     と原稿を読み始めた ▼独裁者の成果を強調する偏向報道が
     まかり通っていた。軍部による報道機関の監視が強まったことが背景に
     あった。「テンチョン」という言葉は国民に事実を伝えない偏向報道を
     戒める文脈で使われる…▼日本では安倍政権が武器輸出
     「防衛装備移転」と言い換え、政府は米軍機の墜落を「不時着」「着水
     と発表した。報道機関の権力に向き合う姿勢も問われ続けている
     歴史の過ちを認め、将来を展望する国から学ぶべき点は多い》」

 それにしても…東京新聞の記事【首相、12日イラン訪問 米との対話仲介目指す】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201906/CK2019060702000134.html)によると、《首都テヘランでロウハニ大統領、最高指導者ハメネイ師との会談を調整している。米国とイランの軍事的な緊張が高まる中、両国の直接対話に向けた仲介役を務めたい考えだ》。
 マジですかぁ…。「害遊・害〝行〟のアベ様」が《仲介役》《橋渡し》とはね。それより、北朝鮮を優先してよね……。えッ、相手にされて無いの?? 

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https://access-journal.jp/30577

2019.5.30 17:23
<再度紹介>「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」で本紙・山岡インタビューも掲載(『「安倍晋三」大研究』。望月衣塑子
yamaoka

 すでに全国で発売されている、東京新聞社会部記者・望月衣塑子氏著の『「安倍晋三」大研究』(KKベストセラーズ。1500円+税)を再度、紹介しておく。

 本紙がスクープした「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」につき、本紙・山岡にインタビューした内容が30頁に渡って載っていることもあり紹介したのだが、再度するのは、この間、同書の宣伝用ショートムービーが送られて来た(冒頭左写真は同映像より。*ココをクリックすれば見えます→https://www.youtube.com/watch?v=IalM6f2S2ZA)のが1つ。

 そして、こちらの方が重要なのだが、この間、複数の方から本紙・山岡が受けたインタビューは、「“#ケチって火炎瓶”のことなのか?」との問い合わせを受けたからだ。

 その方が圧倒的に知名度があるので、あっさり「そうです」と頷けばいいし、“♯ケチって火炎瓶””の件でインタビューを受けたと宣伝すればいいという意見もあることだろう。

 だが、本紙がそうしないのは、“♯ケチって火炎瓶”の意味するところは、暴力団が500万円で選挙妨害を頼まれ実行したが、300万円にケチられたことから、安倍首相の地元(下関市)自宅に火炎瓶を投げ込んだという不正確かつ矮小化された内容に終始しているからだ。

 これに対し、本紙はそんなチンケな犯罪ではなく、安倍首相自身も深く関わる本当に闇の深い重大疑惑と考えているからこそ、この“♯ケチって火炎瓶”の言葉は封印。そして、ともかくそれで世に知られればいいという、反安倍ネタなら何でもいいという安直な姿勢のジャーナリストとは縁を切り追及して来た

 この疑惑が一過性で過ぎ去ったのは、表面上しかなぞらない安易な安倍首相叩きに終始したことも大きな原因であると思っている。

 その点、このインタビュー原稿は、限られたスペースとはいえ、基本的な奥深い「闇」の部分が説明されている。目を通していただければ、そう実感してもらえると思う。

 是非、目を通していただき、実感したら、宣伝、拡散をよろしくお願い致します。
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https://maga9.jp/190605/

言葉の海へ
第75回:【本日の安倍総理】というコーナー(鈴木耕

NHKニュースの堕落

 江戸期の俳人・宝井其角にこんな句がある。

 〈鐘ひとつ 売れぬ日はなし 江戸の春〉

 めったに売れることのない鐘だって、江戸ではけっこう売れる。それほど繁栄している大都会の春だなあ…というほどの意味のようだ。

 その句に倣っていえば、最近のNHKは

 〈安倍の顔 見ない日はなし NHK

ということになろうか。

 別になんのニュース価値もないけれど、とにかく“安倍の顔“はNHKニュースには欠かせない。あの顔を出さないとNHKの1日は終わらない。それほど安倍権力はスゴイのだ…というほどの意味

 NHKニュース(とくに午後7時のニュース)には、まるで【本日の安倍総理というコーナーがあらかじめ設けられているみたいだ。必ずといっていいほど、安倍首相の“ご尊顔”が映し出される

 時には、「安倍総理、私邸の近所を散歩」なんてどうでもいいことまでが、なぜか“ニュース”になっちゃう。日本でもっとも巨大なTV局がこれだから、他の民放だって似たようなものだ。

 しかも危ないのは、NHKのこの傾向がどんどん強まっていること。その陰にいるとされるのが、安倍ベッタリで有名な岩田明子解説委員兼記者(こういう肩書も異例だという)である。

 雑誌「選択」6月号に、「NHK『政治部』、『政権広報機関』の哀れな内情」という記事があった。一部引用しよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 岩田氏は、二〇〇〇年に首相に就任した森喜朗政権の時代から政治部に在籍している。全国紙記者によれば「彼女は官房副長官時代の安倍担当になる前から、さらに言えば、岡山放送局当時から特ダネ記者だった」。とはいえ、安倍政権が長期化し、首相本人との関係で岩田氏が突出している現実が「NHKの政治部の人事に歪みをもたらしている」(NHK関係者)ことも事実である。(略)
 人事の歪みとは、岩田氏の直属の上司である官邸キャップの原聖樹氏が第二次安倍政権発足以来、同職を続投している事態である。岩田氏が信頼する先輩記者が他にいないため、「彼女の意向で原氏が続投を余儀なくされている」(前出関係者)と言われている。(略)
 政権の意向を背にして、自社の人事に影響力を行使する政治記者は極めて稀と言ってよいだろう。岩田氏が策動したとされる象徴的なNHK政治部の人事があったのは三年前のこと。とりたてて非のない政治部長がわずか一年で地方局に飛ばされた。真偽のほどは確かではないが「部長として当然の指摘をしたのが、岩田氏の逆鱗に触れた」「後任人事は岩田氏の言いなり」と噂され、これ以降、彼女に逆らうことはタブーという空気が蔓延していたという。(略)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ソースが“関係者”とぼかされているので、すべて信じていいのかどうかは分からないが、これは他のところでも聞いた話だから、ある程度の信憑性はあるだろう。

 確かにNHKニュースにおける岩田記者の“安倍ヨイショ解説は、目に余るものがある。逆に言えば、それだけ安倍官邸にとっては貴重な人材ということになる。あの元TBS記者の山口某が表には出てこられない現在、安倍首相の最側近記者としての岩田記者の存在は、これからもますます大きくなるだろう。

 記事のタイトルにある通り、岩田記者とともにNHKの「政府広報機関」としての役割は肥大化していく。むろん、安倍退陣後はどうなるか分からないけれど。


安倍首相の「やってる感」演出

 だが困ったことに、この傾向は他の民放各局にも、多かれ少なかれ言えるのだ。

 安倍首相とたいへん親しいことでも有名な、あの“問題発言”の幻冬舎見城徹社長は、実はテレビ朝日の番組審議会委員長でもあり、このTV局に大きな影響力を持っている。

 番組審議会とは、局の番組にさまざまな意見を言う立場だ。その委員長が、なんと“安倍友”なのだ。個々の番組ディレクターたちが“安倍忖度”をしない、とは言い切れまい。抵抗するジャーナリストたちは、いつの間にか、表舞台から消されていく。そんな例は、国谷さんや岸井さんをはじめ、たくさんあったじゃないか。

 だから、【本日の安倍総理】的な演出は、NHKのみならず、民放各社のニュースやワイドショーにも頻出する。それが、「安倍的パフォーマンス=懸命にやっている感の表出」である。

 とにかく、どんな事件があっても災害が起きても、「安倍首相は次のように、関係閣僚に指示しました」というようなニュースが、むろん“安倍の顔つき”で大量に流される。それは異常な多さだ

 これだけTV画面に頻繁に登場すれば、それだけで視聴者には「ああ、がんばっているな」と刷り込まれる。当たり前だ。

 安倍政権に逆らったために、菅官房長官から「地位に恋々としがみついている」とまで罵声を浴びせられ退任した元文科省事務次官の前川喜平氏は、東京新聞のコラム「本音のコラム」(6月2日付)で、その安倍パフォーマンスについて、こんな辛辣な文章を書いていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 川崎・登戸で起きた小学生ら二十人殺傷事件。悲しい思いがこみ上げる。だが政権は、このような大事件も自らの支持拡大に利用する。人々の憤りに訴え、悲しみに取り入る行動をとるのだ。
 「緊急閣僚会議」の開催はその典型的な手法だ。事件翌日の五月二十九日、安倍首相は緊急閣僚会議を開き、「強い憤りを覚える」「安全を何としても守らなければならない」「政府一丸となって早急に取り組む」などと発言。テレビも新聞も大きく報道した。こうした緊急閣僚会議は、悲惨な事件が起きるたびに催される恒例行事のようになっている。
 二〇一六年の津久井やまゆり園事件後の閣僚会議では、安倍首相が「断じて許せない」「内閣一丸となって対応する」と発言。二〇一八年の結愛(ゆあ)ちゃん事件後の閣僚会議では「こんな痛ましい出来事を繰り返してはならない」「命を守ることを何よりも第一に、すべての行政機関があらゆる手段を尽くす」と語った。
 その十カ月後、心愛(みあ)ちゃん事件が発覚すると…(略)
 かっこいい台詞はすべて官僚の作文。首相はそれを読んでいるだけだ。心にもない芝居国民にやってる感を植え付ける見世物。それが緊急閣僚会議なのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 まったくその通りだ。官僚の作文を読み上げるだけだから、安倍首相にとっては中身なんかどうでもいい。

 例えば、前川氏のコラムにも出てきた悲惨な幼児虐待死事件。このときの談話では、なんと、安倍首相は心愛(みあ)ちゃんを結愛(ゆあ)ちゃんと言い間違えたのだ。似たような名前だったとはいえ、緊急閣僚会議まで開いた案件の肝心の幼児の名前を間違えるなど、それこそ前代未聞だろう心がこもっていない証拠だ

 ま、漢字が読めないのは安倍首相のお家芸だから仕方ないとはいえ、あまりにひどすぎる

 だが、安倍首相にとっては、この「やってる感」が大切なのだ。中身なんかどうでもいい。ひたすら「国民のみなさまのために、アタクシは身を粉にして“やってる”のです」というわけだ。だがこれは、マスメディアが“報道”してくれなくては効果がない

 だから、各TV局には圧力をかけ、意に添わないキャスターなどはクビにさせ、岩田記者みたいなのを重用する。そして新聞社の政治部や幹部クラスとは、しきりに食事会を催す

 するとTVも新聞も、「安倍首相、映画鑑賞」「映画に感激、主演タレントと食事」などという愚にもつかないことまでを、ニュースとして流してしまうことになる。

 「枝野幸男立憲代表、アイドルの○○と食事」なんてのも同じようにマスメディアからニュース配信されるのならまだ分かる。だけど、そんなのは聞いたことも見たこともない。

 昨日も今日もまた明日も、ひたすら【本日の安倍総理】だけが“ニュース”になる。これでは、安倍内閣の支持率上昇計画に、マスメディアがそっくり加担していると言われても仕方ないではないか。

 毎日毎日TV画面で「何かをやっているらしい安倍首相」を見せつけられれば、それは極めて有効な刷り込み現象になるマスメディアはいまや、安倍支持率上昇マシンになっているのだ。


票にならぬことには冷血

 本気で取り組んでもらわなくてはならないことだって、安倍首相はパフォーマンスに利用するだけで、何の成果も挙げちゃいない

 トランプ大統領来日も、徹底的にパフォーマンスに利用した。だが内実は、呆れるほどのお粗末さ。結局、トランプ夫妻のツアーガイドを務めただけのみっともなさ。あれが我が国の宰相だと思えば、こんなぼくでさえ情けなくて言葉もない

 トランプ大統領と「膝づめでふたりきりで話せるのは安倍総理だけ」などと、官邸茶坊主たちは大ボラを吹くけれど、トランプ大統領が「8月に大きな発表があるだろう」と会見の場で述べた時には、安倍首相は白目を剥いてびっくりしただけ。何も聞かされていなかったのだろう。

 日米貿易交渉は、トランプ大統領に一方的に押し切られたのだ。何の成果もなかった成果がないどころか、選挙が終わった8月以降には、日本の農家は激しくつらい目にあうだろう

 沖縄については一言の言及もなかった。あれだけ「民意」を示し続けている沖縄の基地問題について、せめて一言でもトランプ氏に再考を求めるべきではなかったか。

 だが安倍には、最初からそんな気などないかったのだ。なぜか?

 沖縄は票にならない思っているからだ。票に結びつかない事案については、安倍はとことん“冷血”である。

 逆に「拉致問題」では、異常なほどの熱心さを売り込む。「票になる」と踏んでいるからだ。だが、それにしたところで、「トランプ大統領は3回も拉致問題に言及してくれた」などと自慢げに言うだけ。トランプ氏が「金委員長と安倍首相が直接会う段取りをつけてくれた」とでもいうのならともかく、3回言及したことが、果たしてどんな成果なのか?

 安倍首相は突然、「金委員長と前提条件なしで直接会う」と、これまでの圧力路線を大転換してしまった。だがその道筋など、毛ほども見えていない。逆に、北朝鮮「いまさら前提条件なしの会談などと、ずうずうしい」とまで罵られる始末。「安倍外交」がいまや笑いものだ。

 言葉の軽さは今に始まったことじゃないけれど、安倍首相、まさに口先男である。

 拉致家族会の方たちだって、もう、うすうす安倍パフォーマンスの無意味さには気づいているのではないだろうか。


マスメディアはいまや、「安倍支持率上昇マシン」化

 天皇の退位、そして新天皇即位、令和への改元、トランプ大統領の来日、さらには東京五輪の聖火コース設定…。

 それらをめぐる、マスメディアの異様なほどの大騒ぎ。そこへ脈絡もなく登場る“安倍総理”。

 国際NPO「国境なき記者団」が世界180ヵ国を対象にした「世界の報道の自由度ランキング」を、毎年発表している。それによると、日本の報道の自由度は、このところ下降一直線。こんな具合だ。

   2005年(小泉首相)37位
   2010年(鳩山首相)11位
   2012年(野田首相)22位

 ところが、安倍首相時代になると、53位→59位→61位→72位→67位(2019年)と、ほんの少し持ち直した年もあるが、ほぼ右肩下がりの下降曲線を辿るばかり

 だが、このニュースを報じる“日本の報道者“たちは、疑問は持たなかっただろうか? それほど自由度が失われたのはなぜか、誰のせいか、何があったのか。このたった10年間で、11位から67位まで急降下したのはなぜなのか…と。

 ぼくは、日本のマスメディアにかなり絶望している。自分たちの仕事である「報道」からこんなに自由が奪われていることに、ジャーナリストならばなぜ抵抗しないのかいや、報道を仕事とする報道機関(報道企業というべきか)は、社としてなぜ抵抗しないのか。こんなランク付けされて、なぜ悔しくないのだろう?

 もっと悔しがれよ、とぼくは言いたいのだ。

 少数の記者たちが踏ん張っているのは知っている。彼らを、会社として守らなくてどうするのだ!

 だがいまや、この国のマスメディアは、最初に書いたように「安倍支持率上昇マシンと化している気がして仕方ない……。
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●斎藤美奈子さん、《え、ロシアと戦争するんですか? 勝てると思ってるんですか?》…日露戦争で歴史が?

2019年05月31日 00時00分49秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、再びすいません、コピペ・マゴビキさせて頂きました。【本音のコラム 「非現実的です」 斎藤美奈子】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2019/05/15/085143)。同時に、【雑誌インタビュー 「お腹弱い」役作りで炎上 佐藤浩市さん】も。

 《国がデタラメなことをやってるんだもの。若手議員が現実とゲームを混同しても不思議はないよ》。
 《青木理さんは「…などとまじめに役作りの話をしている。批判している人たちは全部読んでいないか、よほど読解力が低いのでは」とばっさり》。

   『●『佐高信の新・筆頭両断』読了(2/2)
     「権力に立ち向かうような俳優や芸人が日本には少ない。
      成田三樹夫は、「最近の役者…いやらしいのが多すぎる
      …総理大臣主催のナントカ会…ニコニコして出かけて行って
      握手なんかして喜んでるだろ。…情けなくなっちまうね
      権力にへたへたする役者じゃ意味がない
      …バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ」」

   『●成田三樹夫さん、《権力にへたへたする役者じゃ意味がない。
                  …バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》

 かつて、成田三樹夫さん曰く、《最近の役者…いやらしいのが多すぎる…総理大臣主催のナントカ会…ニコニコして出かけて行って、握手なんかして喜んでるだろ。…情けなくなっちまうね。権力にへたへたする役者じゃ意味がない。…バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》。そう、アベ様政権以降、《バカがどんどん図にの》っている。佐藤浩市さんのように、《権力にへたへた》しない役者がいて、本当に良かった。決して「三文役者」ではないな。「三流」の作家モドキ議員モドキらに批判される理由はない。

 さて、コノ「お維」話は際限が無いな…と言いつつ、まだ続けています。それにしても、癒党お維、与党自公、誰もかれも無責任。
 《それ以前に驚くべきはこの発言の非現実性である。え、ロシアと戦争するんですか? 勝てると思ってるんですか?》 元お維で、まだ国会議員、現在、〝病気〟療養中らしい丸山穂高衆院議員は、日露戦争の時代で歴史が止まってるのかいな? 
 (室井佑月さん)《政治家って、他国と話し合いをし、なにがなんでも戦争を回避するためにいるのかと思ってた。それが政治家のいちばん重要な仕事だと思ってた》。99条を忘れ、9条を蔑にして壊憲へと暴走するアベ様も同様ですね。…なんといっても「我が軍」ですもの。さらには、《憲法上は原子爆弾だって問題ではない》!? 狂気な凶器。
 与党自公や癒党お維を支えておられる「1/4」の皆さんや選挙に行きもせずに結果として与党や癒党を支えている「2/4」の皆さん、宗旨替えされて、是非、野党を支えて下さい。お願いします。

   『●《「背広を着た関東軍」ほどおそろしいものはない》(半田滋さん)
                       …アベ様や自民党《シビリアンの暴走》
   『●《戦争が廊下の奥に立つてゐた》…
     《そんな時代にしてはならない》はずが、癒党お維や与党議員ときたら
   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において
      公私一切酒を口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
   『●《松井一郎は丸山を除名にして事なきを得ようとしているが、
               党としての責任は逃れられないのではないか》
   『●与党自公や癒党お維は、戦争したくて(させたくて)、
        人殺しに行きたくて(いかせたくて)しかたないのね?
   『●コノ「お維」話は際限が無いな…自民党のウルトラ差別主義者に
                      呆れつつ、お維の《差別主義者》も酷いね


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http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2019/05/15/085143

今日の東京新聞
購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。
2019-05-15

本音のコラム 「非現実的です」 斎藤美奈子

 北方四島の返還に関連して「戦争しないと、どうしようもなくないですか」と発言、集中砲火を浴びた日本維新の会の丸山穂高衆院議員。

 戦争を肯定するような乱暴さも、日ロ交渉を無視した軽率さも問題だけど、それ以前に驚くべきはこの発言の非現実性である。え、ロシアと戦争するんですか? 勝てると思ってるんですか?

 丸山議員は1984年生まれ。戦争で領土を争う戦略ゲームと現実との区別がつかなくなっているのかもしれない。

 とはいえリアルな政治の現場でも、非現実的な事態には事欠かない

 原子力規制委員会は、電力各社に対し、テロ対策施設が建設できなければ設置期限の延長は認めないとした。ところが各社は難色を示す。1社あたり1兆円近くという試算もある莫大な安全対策費。一度延長しても期限にはとても間に合わない工期原発に固執する政府の方針自体が、すでに非現実的なのだ。

 同じく政府が固執する辺野古(沖縄県名護市)の新基地建設に関しても非現実的な実態が明らかになりつつある。沖縄県の試算では、軟弱地盤の改良を含めた工期は13年(計画では5年)、工費は約2兆4000億円(当初計画の約10倍)。

 国がデタラメなことをやってるんだもの若手議員が現実とゲームを混同しても不思議はないよ。 (さいとう・みなこ/文芸評論家)



雑誌インタビュー 「お腹弱い」役作りで炎上 佐藤浩市さん/24面

 24日に公開予定の映画「空母いぶき」で首相役を演じる俳優佐藤浩市さんが、原作を連載中のコミック誌のインタビューで、役柄について「彼はストレスに弱くて、すぐにお腹(おなか)を下してしまうっていう設定にしてもらった」などと話したところ、「安倍晋三首相を揶揄(やゆ)するな」などとネット上で批判が殺到した。 (稲垣太郎

 「権力者も人間  示す表現」「安倍応援団が騒いでいるだけ」

 問題のインタビューは、10日発売の青年コミック誌「ビッグコミック」に掲載された。映画は同誌で連載中の同名の原作をもとに制作されており、映画の宣伝のため、この号の表紙は佐藤さんのイラスト。巻頭のカラーページで、劇中の首相の「垂水慶一郎」を演じた佐藤さんのインタビュー記事を掲載している。

 この中で、佐藤さんは「総理大臣役は初めてですね」との質問に「最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね」と答えている。その上で、「彼はストレスに弱くて…」で始まる役の設定について話した。「日本は常に『戦後』でなければいけない平和の尊さを語る言葉もある

 このインタビューに対し作家の百田尚樹氏は12日、ツイッターで「思想的にかぶれた役者のたわごとを聞いて、下痢する首相に脚本を変更するような監督の映画なんか観(み)る気がしない」「三流役者が、えらそうに! 何がぼくらの世代では、だ。人殺しの役も、変態の役も、見事に演じるのが役者だろうが!」と罵声を浴びせた。

 出版社の幻冬舎見城徹社長も「最初から首相を貶(おとし)める政治的な目的で首相役を演じている映画など観たくもない。自分の発言がどれだけ共演者やスタッフに迷惑をかけているか、よく考えて欲しい」などとツイート。安倍首相支持者や百田、見城両氏らのファンとみられる人による同様の批判が相次いだ。

 試写を見たという映画評論家の清水節(たかし)さんは、百田氏らの批判について「インタビューの一部を切り取って解釈し、自分の意見を言うのに利用している」と指摘。「佐藤さんは、弱さを持った一人の人間という立場に立った当事者として、次第に成長するプロセスをうまく演じている。権力者をモデルとして役作りの参考にするのは、リアルを追及する上で当たり前のことだと思う」と話した。

 ジャーナリストの青木理(おさむ)さんは「インタビューで佐藤さんは『どこかクジ運の悪さみたいなものを感じながらも最終的にはこの国の形を考える総理、自分にとっても国にとっても民にとっても、何が正解なのかを彼の中で導き出せるような総理にしたいと思ったんです』などとまじめに役作りの話をしている。批判している人たちは全部読んでいないか、よほど読解力が低いのでは」とばっさり。

 佐藤さんがインタビューで、ある政治家から聞いた話として「どんな人でも総理になると決まった瞬間に人が変わるっていうんです。それぐらい背負っていくものに対する責任を感じる」と答えているのを挙げ、「すぐにお腹を下してしまう設定は、権力者といっても一人の人間として、弱くて葛藤があることを表現しているのではないか」と指摘した上で、こう語った。

 「百歩譲って、仮に為政者を揶揄(やゆ)しているとしても、映画を含むあらゆる芸術は、政治を揶揄したりちゃかしたりするもの。安倍応援団が反射的に騒いでいるだけだ」
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●ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実

2018年09月09日 00時00分31秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



リテラの記事【安倍首相のスピーチライターがヘイト出版社から噴飯の安倍礼賛本!「安倍さんは人の悪口を言ったことがない」】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4205.html)。
My News Japanの林克明氏によるインタビュー記事【『ケチって火炎瓶』 安倍首相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー】(http://www.mynewsjapan.com/reports/2413)。
日刊ゲンダイの記事【追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236581)。

 《その本とは、『安倍晋三の真実』。著者は、安倍首相のスピーチライターである谷口智彦内閣官房参与だ…内閣官房参与という官邸中枢の人物がヘイト本出版社から平気で本を出すという現実に頭がクラクラしてくるが、さらにすごいのは、その中身だ…大半は安倍政権の政策をただただ礼賛し、〈…極めて誇り高い政治家・安倍晋三〉だのといった崇拝めいた文章で埋め尽くされている》。
 《8月27日現在もまだ回復していない。転落する約2ヶ月前から山岡氏は、主宰するサイト『アクセスジャーナル』で、安倍首相の大スキャンダルを連日報じていた》。
 《国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった》。

 《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》。もはやカルトなディストピアの信者様方。

   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理はカルト教団の
                教祖のような絶対的存在となっているらしい》

 「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」がキョウソ様。ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実。

   『●石破茂氏「日本への核拡散」発言と山尾氏「私事」による 
            離党の事の軽重…マスコミはわきまえているか?
   『●よっぽど人財が居ないのね、自民党には…
      誰が自民党総裁になろうが、絶対にな~んにも変わりませんってば

 リテラの記事【安倍首相の個人崇拝が止まらない! ネトウヨ・安倍応援団がタカ派・石破茂を「パヨク」攻撃する倒錯】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4207.html)によると、《あの石破茂が「左翼」などと攻撃されるなんて、隔世の感というか、悪趣味なジョークか何かかと思ってしまうではないか。だいたい石破といえば、自他共に認める軍事オタクで、日本国内の核兵器配備を検討すべきとまでぶち上げたこともある超タカ派。言うまでもなく改憲派で、安倍首相案の9条3項加憲ではなく、交戦権の否認を宣言した9条2項の削除が持論だ》。

   『●「闇社会」との関係まで疑われるとは!? アベ様、ダークすぎます
   『●「暴力団人脈」による「ダーティな政治手法」!? 
                またしても、アベ様、ダークすぎます
   『●アベ様…「政敵をおとしいれるためには
      暴力団関係者とも裏取引するという、ダーティな政治手法」
   『●アベ様の「ダーティな政治手法」スクープ:
     「もはや地元の安倍事務所が勝手にやったではすまされない」

   『●政治家失格な…アベ様の「ダーティな政治手法」
       「ダーティな本質」についての山岡俊介さんのスクープ
   『●「安倍と小山氏が直接面会して“秘密会談”をおこなった」… 
                  どんなダークなことを話し合ったのかな?
   『●「カジノより学校にエアコンを! …被災者を助けて!」… 
            どこら辺が議場の秩序を乱し、品位を傷つける?
   『●《 #ケチって火炎瓶 》…「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様が 
                  国会議員、自民党総裁、ましてや首相?
   『●「個人攻撃」の何が問題? 「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が
                       国会議員、自民党総裁でいいのか?
   『●「権力の監視」「番犬ジャーナリズム」を発揮せよ…
       「鎮火」不可な「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」

 一方で、「選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」について問題にし続けていた山岡俊介さんは謎の事故…。
 国内ではほとんど報道されないけれど、「選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が世界に拡散中。

 なお、アクセスジャーナルの記事【安倍首相重大疑惑と本紙・山岡転落事故に関する「国境なき記者団」声明と、「日刊ゲンダイ」報道について】(https://access-journal.jp/7704)に、山岡さんの以下のような《見解》が出ている…《ただ、RSFの声明のなかには複数の事実誤認があり、また、「日刊ゲンダイ」の本紙・山岡コメント部分には誤解を招きかねない表現があった。そこで、本紙はこれまで山岡のケガに関しては一切報じていないが、事実誤認を訂正すると共に、この際、<見解>を出しておくことにした》とある。

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http://lite-ra.com/2018/08/post-4205.html

安倍首相のスピーチライターがヘイト出版社から噴飯の安倍礼賛本!「安倍さんは人の悪口を言ったことがない」
2018.08.24

     (安倍首相のスピーチライターが書いた『安倍晋三の真実』)

 いま、枝野幸男・立憲民主党代表の演説をまとめた『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』(扶桑社)が話題を呼んでいるが、その一方で、大型書店では同じ棚に気になるタイトルの本が同じように鎮座しているのをご存じだろうか。
 その本とは、『安倍晋三の真実』。著者は、安倍首相のスピーチライターである谷口智彦内閣官房参与だ。
 名前だけを見てもピンとこない人のほうが多いだろうが、谷口氏はもともと「日経ビジネス」(日経BP社)の記者で、第1次安倍内閣時に外務副報道官を務め、2013年に安倍首相のスピーチライターとして採用された人物。おもに外交にかんする演説を手がけており、あの国際オリンピック委員会総会での「汚染水は完全にブロックされている」や、米シンクタンクでの「私を右翼の軍国主義者と呼びたいなら、どうぞ」、エジプト・カイロでの「ISILと闘う周辺各国に総額で2 億ドル程度、支援をお約束します」という演説も、この谷口氏がかかわったとみられているのだ。
 実際、帯の惹句にも「総理大臣の外交スピーチライターだから書けた 官邸「激闘の舞台裏」」「なぜ彼はこれほど身を削るのか」と書かれ、安倍首相と谷口氏が仲良く並んだ写真を掲載。版元は、ケント・ギルバート『中韓がむさぼり続ける「反日」という名の毒饅頭』や櫻井よしこ『日本人に生まれて良かった』、武藤正敏『韓国人に生まれなくてよかった』といった反中嫌韓のヘイト本を出版しつづけている悟空出版だ。
 内閣官房参与という官邸中枢の人物がヘイト本出版社から平気で本を出すという現実に頭がクラクラしてくるが、さらにすごいのは、その中身だ。
 じつは、惹句で謳うような“官邸の舞台裏”といった話はちょこちょこと差し挟まれるだけで、大半は安倍政権の政策をただただ礼賛し、〈経験と知見を誰より深め、羅針盤において揺るぎがなく、およそ人の悪口を言わず、霞が関で総理が自分の陰口を言っているのを聞いたという人が誰一人いないという、情緒においてもそれほど安定している人物〉〈自らに恃むところが強く、時代の要請に応じようとする使命感においても強くて、極めて誇り高い政治家・安倍晋三〉だのといった崇拝めいた文章で埋め尽くされている
 たとえば、体調不良を理由に政権を投げ出したにもかかわらず再び総理に返り咲こうとしたときのことについて、谷口氏はこんな妄想を繰り広げるのだ。

〈安倍さんはあのとき負けなかった。歯を食いしばって立ち上がろうとし、そして天の声を聞いたのだと思います。
 天の声とは、英霊たちの声だったかもしれません。
 オレたちは、命と引き換えに、立派な国になってほしかったんだ、なのに今の日本は、こんなに衰勢じゃないか、頼む、しっかりしてくれというような〉

 これが「官邸「激闘の舞台裏」」を綴った本だというのだから、安倍官邸がいかに正気でないかがよくわかるというものだろう。
 しかも、なぜかこの本では“安倍総理はいかに人の悪口を言わないか”という点が繰り返し強調されており、〈言葉を慎む潔癖のせいというより、生来、そういう意地悪をやろうという発想をもったことがないのではないか〉などと述べて安倍首相の人格の高潔さをひたすら褒め称えるのである。
 国会という場で「早く質問しろよ!」とヤジを飛ばし、挙げ句、市民に向かって指を指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」などと口走る、あの人が、“悪口を言わない”“意地悪をやろうと思ったことがない”って……


■昭恵夫人の行動を“我が子を持てないから”と女性差別丸出しで擁護

 さらに、森友・加計問題についても紙幅を割き、小川榮太郎氏や国家戦略特区ワーキンググループ座長の八田達夫氏といった“お仲間”の主張を使って正当化。だが、ここまでは安倍シンパの常套手段でしかないが、谷口氏は加えて、昭恵氏の話をもち出し、信じられないような擁護論をはじめるのだ。
 なんと谷口氏は、昭恵氏が〈我が子をもつことをついにあきらめざるを得なくなってから(中略)東南アジアやアフリカでエイズ患者に会いに行って、抱きしめたり、(中略)社会的弱者、少数者に自分を近づけようとする努力が目立ちます〉と述べ、〈母として注ぐことのできなかった愛を、だれかのため、できればたくさんの人のため、そそいでみたいという衝動があったのではないか〉と推測。その上で〈昭恵さんはその最も柔らかい側面を見せてしまったことによって、かえってあまりにも不当な扱いを受けてきていると思います〉と庇うのである。
 森友の“愛国小学校”が、なぜ社会的弱者や少数者と一緒くたになっているのかさっぱり意味がわからないが、女性の“産めない”という問題に無神経に踏み込んだ上、“母性本能が森友学園に肩入れさせた”と言わんばかりの主張をする──。よくもまあこんな下劣かつ説得力のカケラもないことを平然と書けたものだ
 つまりこれは、総理付のスピーチライターがわざわざ書いた、安倍応援団たちの本と何ら変わりない、あまりに低レベルな安倍礼賛&擁護本なのだが、じつはこの本、これまで出版されてきた安倍礼賛本とは大きく違う点がある。
 そもそも、安倍応援団ジャーナリストが書く安倍礼賛本といえば、なんでもかんでも野党のせいにし、問題を野党批判に転嫁するのが特徴。たしかにこの本も野党批判はあるのだが、しかし、それ以上に強調されているのは、露骨な石破茂批判なのである。
 たとえば、モリカケ問題で野党を批判したあと、谷口氏はこうつづけるのだ。

〈(モリカケが支持率に影響すれば)自民党の、選挙に弱い議員たちの間に、すぐさま動揺が走ります。総裁候補を目指す人たちには、総理の背後からタマを撃つ卑劣な行いにあえて踏み出す手合いが現れます(実際に踏み出す人、留まる人とがいて、違いは人品骨柄に表れる)。憲法改正議論など、総理が始めてもらいたいと思っても、自民党が一枚岩にならないという状態になる。野党の思惑通りでしょう〉
〈憲法の一字一句変えるべからずという護憲原理主義者ならともかく、自民党のそれなりに名の通った政治家までが、加計をめぐる総理の対応をなじりたがるのは、結果として野党の敷いたプランを助けることになっている、また、憲法はなにがなんでも変えるべからずという勢力に自らくみすることになっているのを、よもや知らないはずはあるまいと思うのですが、果たしてどうでしょうか。知った上での発言だとすると、言葉に誠のない人ということになります〉


■明らかに石破茂のことを指す攻撃も! 総裁選の宣伝であることを自ら証明

 名前こそ出してはいないが、この〈自民党のそれなりに名の通った政治家〉というのは、あきらかに石破氏のことを指しているだろう。現にいま、総裁選に向けて安倍陣営は石破氏のことを「隠れ護憲派」「安倍首相の批判ばかりで野党のよう」などとバッシングを展開しているが、谷口氏のこの主張はそれとまったく同じではないか。
 これだけではない。じつは同書では、もっとあからさまに総裁選を意識した文面が出てくるのだ。

〈総理の座とは、そのために必要にして欠くべからざる地位、いわばツールではあっても、自己目的化して追求しないといけないもの、ましてやトロフィーのように、それ自体が欲しくてたまらないというようなものではありませんでした。
 これは一度経験し、挫折し、復活したからこそとれた態度であり、覚悟です。
 私たちは来る2018年9月に予定されている自民党総裁選で、その同じ態度、覚悟があるのかないのかわからない人を選ぶわけにはいかない。安倍総理に、圧倒的な勝利を収めてもらわなくてはならない〉

 さらに、まえがきでは、〈著者としては、読者を選びます〉と宣言し、〈官邸前に来て、「なにもかもアベのせいだ」と口汚く罵る人々、卑しい言葉をいとも容易に使っているうち、人相まで自ら卑しくしている類の人々には、もとより出会いたいと思っていません〉と安倍首相同様に市民を“卑しい者”扱いしたあと、〈しかし自民党の党員ともあろう人たちには、ぜひ、必ず、読んでほしいと思います〉とはっきり書いているのである。
 ようするに、これは総裁選に際し、自民党員に向けて書かれた本なのだ。
 スピーチライターまで動員して総裁選の選挙運動のための本を書かせるとは、なりふり構わないとはこのことだろう。谷口氏は〈安倍総理や周辺の誰彼から使嗾を受け、あるいは私が忖度し、時期を選んで本書を書いたというわけではありません〉などと言い訳めいたことも書いているが、内容や7月末という出版のタイミングからして“時期を選んで書いた”としか思えない。


■総裁選を前に、ネトウヨと安倍応援団の安倍ヨイショ本出版ラッシュが

 実際、安倍官邸には“前科”がある。2012年の総裁選直前も、安倍首相の熱烈な支持者だった小川榮太郎氏が『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という安倍PR本を出版。これが安倍首相再登板の一翼を担ったと言われている。また、安倍首相の資金管理団体・晋和会と代表を務める選挙区支部が、政治資金で少なくとも4000部以上も購入していたことが判明している。
 さらに、昨年の総選挙投票日直前には、やはり小川氏が『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)なる陰謀論本を出したのだが、こちらもなんと自民党が5000部を買い上げ、所属議員や支部に〈ぜひご一読いただき、「森友・加計問題」が安倍総理と無関係であることの普及、安倍総理への疑惑払拭にご尽力賜りますようお願い申し上げます〉という書面つきで送っていたことが報じられた。
 つまり、今回の『安倍晋三の真実』も同じように、議員や支部へのPRとして出版された可能性が高いのだ。
 しかも、この総裁選のタイミングで出版される安倍PR本は、同書だけではない。今月17日には「月刊Hanadaセレクション」として『安倍総理と日本を変える』が発売されており、25日には産経新聞の阿比留瑠比記者が『だから安倍晋三政権は強い』(産経新聞出版)を、9月3日にはまたも小川氏が『徹底検証 安倍政権の功罪』なる本を『安倍晋三の真実』と同じ悟空出版から発売する予定なのだ。
 また、すでに『安倍晋三の真実』や『安倍総理と日本を変える』は新聞広告が打たれているが、これも総裁選を睨んだものだろう。事実、昨年の総選挙期間中にも『徹底検証「森友・加計事件」』の中吊り広告や新聞広告が大々的に打たれており、きっと総選挙直前にも同様に、安倍礼賛本の広告がどんどん打たれ、安倍3選ムードを高めることは、まず間違いない。いや、それどころか、『安倍晋三の真実』著者の谷口氏は、9月9日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)にまで出演する予定だという。
 自民党は昨日、総裁選の公開討論会や街頭演説を〈大幅に削減する方針〉を打ち出した(産経ニュースより)。石破氏との討論や市民の前に立つことから逃げる一方で、内閣官房参与のスピーチライターを使い、御用メディアを総動員し、姑息な宣伝活動に勤しむ──。谷口氏は本のなかで〈分厚い肉を味わってみたいとばかり、権力なるものに憧れを抱いている、(中略)本当にそんな人に権力を握らせてしまったなら、何をするか知れたものではありません〉と書いていたが、それこそが“安倍晋三の真実”ではないだろうか。

(編集部)
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http://www.mynewsjapan.com/reports/2413

『ケチって火炎瓶』 安倍首相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー
00:19 08/28 2018 林克明

     (【写真左】安倍晋三氏と小山佐市氏(右))
     (【写真右】安倍首相と小山氏の疑惑を追う最中、駅階段から
      転落したジャーナリストの山岡俊介氏)

 8月7日夜9時ごろ、新宿駅東口のアルタスタジオ横の階段から、ジャーナリストの山岡俊介氏が転落し、重傷を負った。14段下の踊り場まで一気に転がり落ち、通行人が見つけて救急車を呼び東京女子医大に搬送。右肩骨折、頭部7針を縫い、右膝は腫れ上がり、8月27日現在もまだ回復していない。転落する約2ヶ月前から山岡氏は、主宰するサイト『アクセスジャーナル』で、安倍首相の大スキャンダルを連日報じていた。その疑惑とは、安倍事務所が1999年4月の下関市長選で、暴力団と関係の深い人物に選挙妨害を依頼。しかも安倍晋三自身が選挙妨害実行者と直接面談し、事後処理に係っていたことを含む物証(3通の文書)も公開していた。当事者の証言動画や、安倍首相と選挙を妨害した人物を直接会わせたという元筆頭秘書の発言録音もある。転落事故について山岡氏本人から話を聞いた。…

【Digest】
◇第一報の衝撃 安部首相疑惑追及の記者が重症
◇安倍首相「選挙妨害・自宅放火事件・暴力団関係」とは
◇転落現場の階段に駆けつけた
◇山岡氏宅前に立つ不可解な人物
◇「ゆっくりと自分が落ちていくと認識しながら落ちた」
◇監視カメラがない階段だった
◇武富士事件と同様に記者クラブメディアは沈黙するが・・・
◇第一報の衝撃 安部首相疑惑追及の記者が重症

 8月10日、前日に投稿された以下のツイートに目が釘付けになった。

寺澤有‏ @Yu_TERASAWA · 8月9日
【第1報】7日21時ごろ、山岡俊介さん @yama03024 が新宿のスタジオアルタの地下階段を降りようとしたところ、体が飛ぶようにして転落。救急車で病院へ運ばれ、右肩骨折、頭部7針を縫う重傷。「誰かに押された記憶はないが、どうしてあんなところで飛ぶのか」と話している。某事件との関係は不明。


 投稿者は、安倍首相にまつわる「某事件」を山岡氏とともに取材したジャーナリストの寺沢有氏である。
 いやな予感がした。長年にわたり事件取材を続けてきた山岡氏の身に起きた過去の事件を、筆者はすぐに思い起こしたからだ。
 2005年7月、何者かによって山岡氏の自宅が放火されている。さらに2007年8月には、脅迫状とカッターナイフが送りつけられた事件もあった。
 脅迫状などから、いずれも取材や記事に起因する事件であることがわかっており、山岡氏は「犯人のめどはついている」と言う。当時、そのことを警察にも伝えているが、放火・脅迫状とカッターナイフの両事件は、今もうやむやになったままだ。
 また、警視庁が、犯歴情報という個人情報を消費者金融の武富士に流し、武富士からはお中元お歳暮などが出ていたほか、個人の信用情報を警察に流していた事件(いわゆる武富士事件)も、山岡氏は積極的に取材していた。
 武富士事件は、問題ある企業と警察の癒着という大スキャンダルだった。その取材をしていた山岡氏の自宅電話は、武井保雄武富士会長の指令によって、盗聴されていたことも判明した。
 山岡氏は、取材者であるとともに、盗聴の被害者だったわけだが、逆に新宿警察署より、任意捜査という名の取り調べを連日受け、新宿警察署の田中刑事から「お前は銀バエだ」などと罵声を浴びせられた(03年5月23日午後)。
 自らの不正を隠蔽するために警察は、武富士に対する恐喝未遂事件をでっち上げ、逆に山岡氏を逮捕しようと試みていたのである。
 しかし、山岡氏自宅電話の盗聴を指示していたとして、武富士の武井保雄会長が03年12月2日、電気通信事業法違反容疑で逮捕され、形成は一気に逆転した。
 武富士も大きな事件だったが、山岡氏が追及している安倍首相の某事件は、民主主義体制の根幹を揺るがす深刻な問題だ。山岡氏の主催するアクセスジャーナルでの連載記事と寺澤有氏の電子書籍 、そして二人の対談を基に、以下で重要部分をコンパクトにまとめた。


◇安倍首相「選挙妨害・自宅放火事件・暴力団関係」とは

【上】1通目確認書。すでに竹田力筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。【中】2通目願書。竹田秘書により、7月3日午前10時に安倍晋三氏と小山氏を直接対面させる旨が記されている。【下】3通目確認書。上記の直接面談を踏まえた文書。

 安倍晋三衆議院議員の事務所が1999年4月の下関市長選で、対立陣営候補(古賀敬章・元衆院議員)の選挙妨害を、暴力団とつながりのある建設会社会長・小山佐市氏に依頼した。
 小山氏は実際に、古賀候補の誹謗中傷ビラを配布した。結果は、古賀氏の落選、安倍事務所が応援した江島潔氏が当選した。
 ところが、選挙妨害活動に対する見返りがなく、特定危険指定暴力団の工藤会系高野組の高野基組長ら関係者とともに、怒った小山氏は、2000年6月から8月にかけて、安倍晋三氏の自宅や後援会事務所など、4か所に、火炎瓶で放火を試みた(小山氏は冤罪を主張)。
 政治家の自宅や関係箇所を火炎瓶攻撃されたにもかかわらず、安倍事務所は警察に捜査を依頼せず、山口県警も動こうとしなかった。
 ところが3年経った2003年11月、放火未遂事件で小山氏と工藤会系高野組の高野基組長が逮捕されたのを皮切りに、関係者複数人が逮捕された。
 当時、今は廃刊した『噂の真相』が、放火事件の背景には、安倍事務所による選挙妨害依頼があった、と報じたが、他のマスコミはとりあげなかった。
 しかしその後、共同通信社が取材して記事化する寸前までいった。ところが2006年9月26日に第一次安倍政権が発足して約一週間後の10月2日、共同通信社は会議を開き、記事を見送ることを決定した。選挙妨害事件という大スキャンダルが握りつぶされたのである。
 翌年2007年3月9日、福岡地裁小倉支部で小山佐市氏に懲役13年、高野組長に懲役20年の判決が言い渡された。
 それでも山岡氏らは追及の手を緩めず、2014年8月、寺澤氏とともに安倍氏の筆頭秘書だった竹田力氏(元山口県警の警視=16年8月死去)のもとを訪れ、トラブル解決のために安倍晋三氏と小山氏を引き合わせたこと、「私が一筆入れました」などの証言を引き出す。
 竹田証言も録音しており、今年7月28日に筆者が主催する講演会(前半・後半で録音の一部を公開した。
 それから4年後の2018年5月10日、事態は急展開する。2月に出所した小山氏が山岡氏に電話したが、つながらず、寺澤氏に電話して、つながった。急遽、山岡・寺澤の両名は下関にとび、5月13日に小山氏を長時間にわたり詳細にインタビューしたのである。
 小山氏本人の証言動画撮影とともに、存在が指摘されていたが現物が公になっていなかった、安倍事務所と小山氏との3つの確認書類を、二人は目にする。つまり、動かぬ証拠が出てきたのだ(3通の文書については、ぜひ山岡氏主催のアクセスジャーナルおよび、寺澤氏の電子書籍で読んでほしい)。
 事件から18年ぶりに当事者がビデオカメラの前で当人しか知りえない事実を証言し、3通の確認書などが出てきたことで、大転換すると思いきや、大マスコミ(記者クラブメディア)は現在も沈黙を決め込んでいる。
 しかし2人のジャーナリストによって、インターネット上で、急激にこの事件の内容が拡散されるようになった。
 その矢先に起きたのが、階段転落“事故”なのである。

【上】新宿駅前アルタ左の階段を山岡氏は下りようとした。駅前広場に面しているわりに人通りは少ない。【中】階段の上から下の踊り場まで前転し止まることなく転落。地下鉄や地下通路につながる階段だが監視カメラはまったく設置されていない。【下】手前の踊り場で階段の上の方向(写真撮影者と同じ方向で)に向かいうつぶせ状態で体が止まった。


◇転落現場の階段に駆けつけた

 山岡氏が扱っている安倍首相にまつわる疑惑は、深刻な要素を含んでおり、過去の自宅放火事件や脅迫・カミソリ事件があるだけに、まずは転落現場を確認し、山岡氏本人に事情を聞かねば、と筆者は新宿に向かった。転落の4日後である。(8月7日午後9時転落、筆者が現地に向かったのは8月11日午後2時)
 現場は、新宿駅東口駅前のアルタスタジオに向かって左側の階段だ。地下通路や、地下鉄駅へと通じている。14段の階段の下には広い踊り場があり、さらに右方向に階段が続く。
 特別に急な傾斜ではなく、ビルの階段としては標準的な段差で、角度もごくふつうだ。
 新宿駅前だから、そこそこ人通りはあるものの、新宿駅ビルに直結する階段のような膨大な人々が利用するほどでもない。微妙な人通りの階段である。つまり、駅ホームに直結する階段よりは、はるかに人が少ない。
 14段降りた踊り場には、ポタポタと液体が垂れたようなシミが付着していた。かなり出血したというから、山岡氏の血液跡だろうか。すぐにでも山岡氏に会わなければ、と2度電話するも、留守電だった。
 新宿を跡にして別の場所に移動したが、気になって、その日の16時5分に再び山岡氏に電話した。ようやくつながると山岡氏は、

 「事故だとは思うんですけど・・・」

 と小さな声で、控えめな答えが返ってきた。その声を聞いて、逆に、今すぐ会いにいかなければ、と彼の自宅へ向かった。


◇山岡氏宅前に立つ不可解な人物

 山岡氏宅が経つ界隈は、ふしぎな街並みである。裏町的な雰囲気もするし、古い東京の趣もある。
 住所をたよりに自動車も通れないような路地を進むが、行き止まりもあり、すぐには家を探し当てられなかった。
 この辺りだな、と思う地点にきて右方向を見ると、若い男が立って何かしているような感じだ。周囲にはまったく通行人がいないのでなんとなく目立つ。
 さらに歩みを進めると違う番地になってしまったため、再び戻ると、2分ほど前に見た男がまだ立っていた。スマホか何かをいじっているような様子だったが、細かな動作は覚えていない。
 そちらの方向に私が歩き始めると、男はきびすを返し、その先にある石段を登り去っていった。
 歩みを進めるとようやく、山岡宅を見つけた。先ほどまで男が立っていた場所の前が山岡氏の自宅だった。
 16時55分、気になったので時刻を確認した。


◇「ゆっくりと自分が落ちていくと認識しながら落ちた」

 ちょうど2週間前の7月28日に、筆者が主催する講演会「いま話題の安倍首相・重大キャンダル~安倍晋三氏(あるいは安倍事務所)は、本当に選挙妨害を暴力団関係者(当時)に”発注”したのか?に、この問題を取材した山岡氏と寺沢有氏を招いて事件の詳細を語ってもらったばかりだ。
 2週間ぶりに見る山岡氏は、疲れているように見えた。右の目じりが紫色になり、明らかに内出血しているのがわかる。あとで聞いたら右目の視力が一時低下したという。
 右肩は骨折して少し赤くはれ上がっている。右前頭部は縫い針の痕が、なまなましい。

 ――いったいどうしたのですか。第一報を聞いたとき、泥酔して転落したんじゃないか、とも一瞬思ったのですが。

「当日は裁判の件で弁護士と打ち合わせしていました。カルピスなんとかというのを一杯飲んだだけで、酔ってなどいません。
 打ち合わせ終了後、スタジオアルタと『カフェ・ド・ボア』という喫茶店の間にある階段を下りて、地下鉄で帰宅しようとしていたんです」

【上】右肩を骨折し1カ月の重傷。【下】診断書。

 ――人にぶつかったとか背中を押されたよう感覚はありましたか…
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236581

追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散
2018年8月31日

     (「国境なき記者団」の大々的な声明(RSFのホームページから))

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。
 火炎瓶騒動とは、1999年の市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼し、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。国会でも指摘され、「#ケチって火炎瓶」のツイートが話題を呼び大炎上している。
 この事件を長年追及する山岡氏は8月7日夜9時ごろ、東京・新宿アルタから地下鉄駅に通じる階段上から転落。肩を骨折し、額を7針縫う全治1カ月の大ケガを負った。山岡氏に当時の状況を聞いた。

「後ろから押された感覚はありませんが、当時、私は酔っていたわけでも、体調が悪かったわけでもありません。体力には自信がある方ですから、普通なら踏ん張ったり何かにつかまろうとするはず。ところが、救急車を呼んでくれた方によると、前転するように上から下まで真っ逆さまに転げ落ちたといいます。私は過去に脅迫状を自宅に送り付けられたこともありますから、今回の一件も何かしらの力が働いたと疑わざるを得ません」

 RSFは声明で〈(山岡氏が)取材していた対象を考慮すると、このような不自然な転落は本格的な捜査に値するが、現在行われていない〉と指摘。〈日本のジャーナリストは、安倍首相が12年に政権を取って以来、自分たちに対する不信と敵意の雰囲気があると不満を抱いている〉と、安倍政権の報道に対する姿勢まで批判している。世界に拡散しつつある「#ケチって火炎瓶」疑惑。このまま放置していいのか。

「『報道の自由度ランキング』を年1回、公表するRSFは、第2次安倍政権の発足以降、日本のランク急落を憂慮しているのでしょう。十数年前の事件とはいえ、安倍首相はキチンと釈明しなければ、国際社会に不信感を与えるだけです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

 総裁選前だからと、ダンマリは許されまい。
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●タンカ記念日と15年「「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、2月25日は加計記念日」で滅公奉僕

2018年05月28日 00時00分42秒 | Weblog

【『●青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…』↑】



リテラの二つの記事【安倍首相の嘘を完全に証明する文書を愛媛県が提出!「加計理事長と首相が面談、首相から『獣医学部はいいね』」】(http://lite-ra.com/2018/05/post-4023.html)と、
【安倍首相が破棄したはずの「官邸記録」を根拠に加計理事長との面会を否定(笑)。首相動静に載せなかった極秘会談の数々】(http://lite-ra.com/2018/05/post-4024.html)。

 《なんとそこには、2015年2月に安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長が面談し、その席で安倍首相が「そういう新しい獣医大学の構想はいいね」と話していたことが記されているのだ…これで安倍首相の嘘がはっきりしただろう。安倍首相は周知の通り、加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは、加計が国家戦略特区の事業者に決定した「2017年1月20日」だと強弁。…「「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、225日は加計記念日」──思わずあの有名短歌になぞらえる人がネット上で続出している》。
 《「念のため、昨日官邸の記録を調べたが、確認できなかった」 官邸の記録……? そもそも官邸の入館記録は「破棄」されたのではなかったのか。…その、遅滞なく速やかに破棄されたはずの3年前の記録を、安倍首相は昨晩「確認した」と言うのだ。これは「いままで国会で嘘をついてきた白状しているようなものではないか》。


 週刊朝日の記事【安倍首相の”虚偽答弁”裏づける愛媛県の官邸訪問”爆弾記録”全文入手】(https://dot.asahi.com/dot/2018052100090.html)によると、《愛媛県が21日、2015年4月2日に首相官邸で行われた柳瀬唯夫・元首相秘書官と同県職員らの面会に関連する新たな記録文書を参院予算委員会に提出…<2/25 に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医学部系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では国際水準の獣医学教育を目指すと説明。首相からは「そういう新しい獣医大学はいいね」とのコメントあり>》。
 「国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった」…はず?、じゃなかったの? 遅くとも2015年2月25日には知ってたわけだ。トンだ息吐く様なウソつき。加計問題では、2015年《「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、2月25日は加計記念日》だそうです。森友問題では、「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」でした。

   『●すべては「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」に始まった
                  …五日後の「秘密会議」に太田充氏も

   『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様、そりゃぁ~ないでしょ!  
                           質問主意書による「急な質問」?
   『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、 
      2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった?
   『●加計学園を巡る「狸賽」イカサマ話…「悪巧み」しておいて
                「2017年1月20日まで…知らなかった」?


 日刊ゲンダイの記事【有権者に危機の自覚なし 安倍支持率上昇の異様な世相】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229557)によると、《ルールやモラルも無視し、どんな汚い手を使ってでも、勝ち逃げできればいい――いつから日本は、こんなハシタナイ国になってしまったのか》。
 本当に《ハシタナイ国》ニッポン、行政府の長ら。《愛僕者》(©浜矩子さん)アベ様の息吐く様なウソの数々と取巻き連中の《滅公奉私》「滅公奉」の異様、それを許す支持者たち。

   『●アベ様のためならば「異例の「滅公奉私」」
     …《愛僕者》(©浜矩子さん)の《僕難》に振り回される官僚達

    「東京新聞の村上一樹・清水俊介両記者によるインタビュー記事
     【異例の「滅公奉私」 閣僚・知事・大臣秘書官経験 片山善博氏に聞く】…
     《愛僕者》(©浜矩子さん)の《僕難》に振り回される官僚たち。
     「タンカ《議員辞職》」や苦し紛れの言訳「オトモダチの関与を知らなかった
     との辻褄を合わせるために、アベ様のためならば「異例の「滅公奉私」」ですか?
     情けなく、そして、哀れ。」

   『●アベ様のオトモダチへの依怙贔屓…
      呆れるほどの「屁理屈」も辞さずの「異例の「滅公奉私」」(東京新聞)

 苦し紛れの言訳「オトモダチの関与を知らなかった」…の言訳があまりにお粗末すぎる。

①無いはずの「官邸の記録」が実は在った。1年以上にわたり、廃棄したこととウソをつき続けた。あるいは、すでに廃棄しているが、「面会を否定」という新たなウソを吐いた。

②「首相動静」に載らない会談もある。アベ様自身が国会でそれを認めている。掲載の有無を恣意的に操作している、操作できるようになっている。

③枝野氏もつぶやいているが、監視カメラも含めて誰にも見られることなく「官邸」で首相と会うルートがある。池上彰氏も指摘。

④官邸以外で会っている可能性もあり、官邸に限定しようと誘導している可能性あり。

 「準強姦事件」山口敬之氏の本の表紙にある《愛僕者》の写真、誰がどうやって撮影? 「首相動静」で確認できるの?


 東京新聞の記事【森友文書公表 疑惑解明は国会の責務】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052402000176.html)によると、《「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」 安倍晋三首相が二〇一七年二月十七日に国会で発した言葉が、すべての始まりだったとの見方はますます強まったといえる…真相解明を妨げているのは、加計氏や昭恵氏らの証人喚問に反対している与党に他ならない憲法で国会に付与された国政調査権がもはや死蔵された状態のままなのも自公の党利党略のせいである》。
 すべては「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」に始まった。そして、まず第一に批判されるべきは、与党自公・癒党お維キトである。

 最後に、東京新聞の記事【財務省、隠蔽手段使い分け 森友文書】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201805/CK2018052502000147.html)によると、《財務省による学校法人「森友学園」への国有地の取引に関する文書の隠蔽(いんぺい)、野党からの追及が激しさを増していた昨年二月以降の国会開会中に行われた。公文書は中身の重要度で保存義務の期間が異なっており、財務省は、まだ保存が必要な文書は改ざん保存期限が切れたものは意図的に廃棄という形で隠蔽工作を使い分けていた》。
 「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」以降、取巻き連中の異様な「滅公奉私」・滅公奉の異様さが際立つ。哀れで、そして醜悪。

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http://lite-ra.com/2018/05/post-4023.html

安倍首相の嘘を完全に証明する文書を愛媛県が提出!「加計理事長と首相が面談、首相から『獣医学部はいいね』」
2018.05.21

     (安倍首相(首相官邸HP)と加計氏(加計学園HP))

 安倍首相の嘘を証明する文書がまたも出てきた。なんとそこには、2015年2月に安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長が面談し、その席で安倍首相が「そういう新しい獣医大学の構想はいいね」と話していたことが記されているのだ。
 この文書は、2015年3月に愛媛県の地域政策課が作成したもので、タイトルは「報告 獣医師養成系大学の設置に係る学園関係者との打合せ会等について」。この文書は、こんな一文からはじまる。

加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申出があり、3月3日、同学園関係者との間で打合せ会を行った

 つまり、加計学園側は愛媛県に対し理事長と安倍首相の面談の報告をしたいと言い、そのため2015年3月3日に加計学園側と愛媛県が打ち合せをおこなった。この場でどのようなやりとりがおこなわれたかを愛媛県職員が記録し、報告書として文書と残していたのだ。
 そして、「加計学園からの報告」は以下のようなものだった。

2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり。
 また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。


 これで安倍首相の嘘がはっきりしただろう。安倍首相は周知の通り、加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは、加計が国家戦略特区の事業者に決定した「2017年1月20日」だと強弁。加計理事長についても「私の地位を利用して何かをなし遂げようとしたことは一度もなく、獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」と説明してきた。だが、実際は今治市が国家戦略特区に申請する2015年6月4日より約5カ月も前から安倍首相は獣医学部計画を知り、その上、「いいね」とお墨付きを与えていたのだ。「「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、2月25日は加計記念日」──思わずあの有名短歌になぞらえる人がネット上で続出している。
 しかも、この文書からは、このとき柳瀬氏も同席あるいは加計学園関係者と面談していたことがわかる。ようするに、少なくともこの時点で柳瀬氏は加計の獣医学部新設計画が「首相案件であると認識しており、だからこそ、この約1カ月後におこなわれた4月2日の官邸訪問で、愛媛県・今治市職員に対して「本件は、首相案件」と述べたのだろう。
 さらに、文書はこうつづく。

下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県においても、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望があったが、政治的な動きは難しい旨回答

 この記載もまた、先に出ている愛媛県文書と整合性がとれるものだ。愛媛県職員が2015年4月2日の官邸訪問後に作成した文書でも、安倍首相と加計理事長の会食時の会話が加計学園関係者によって言及され、下村文科相が「加計学園は課題への回答もなくけしからん」と述べていると安倍首相が加計理事長に伝えたことが記されていた。〈下村文科大臣が一歩引いたスタンス〉というのは、このことを指しているはずだ。
 これまで何度も書いてきたが、愛媛県には嘘をでっち上げる理由など何ひとつない。それが、柳瀬氏は参考人招致で、愛媛県から出てきた記録や証言を全否定するかのように、愛媛県や今治市の職員と官邸で面談した事実を「いまでもわからない」などと認めなかった。そのあからさまに無理のある答弁を、安倍首相は「柳瀬氏は正直に話した」と支持し、さらには愛媛県関係者との面会確認は「困難」だと閣議決定までしてみせた。しかし、ご都合主義の曖昧な記憶よりも記録し残されていた文書のほうが信頼性が高いことは言うまでもない。
 それでも、安倍首相はこの文書の内容を否定することだろう。たとえば、この問題の2015年2月25日の首相動静には、加計理事長との面談は記載されていない。そうしたことをもち出して、「そもそも面談などしていない」などと言い張るかもしれない。だが、首相動静というものはいくらでも抜け穴がある。とくに加計理事長は「首相案件」であるため、首相秘書官などの官邸スタッフが事前に調整して、加計理事長を官邸や公邸に招いていた可能性も十分に考えられるからだ。
 今回の文書を愛媛県はきょう、国会に提出している。与党は強固に拒否してきたが、もはや愛媛県の中村時広知事の参考人招致、そして疑惑の当事者である加計理事長の証人喚問は絶対におこなわれなくては先に進まない局面にいよいよ入っただろう。今度こそ、国会ではっきりしていただこうではないか

(編集部)
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http://lite-ra.com/2018/05/post-4024.html

安倍首相が破棄したはずの「官邸記録」を根拠に加計理事長との面会を否定(笑)。首相動静に載せなかった極秘会談の数々
2018.05.22

     (首相官邸ホームページより)

 「新しい獣医大学の考えはいいね」──安倍首相が2015年2月25日に加計孝太郎理事長と面談し、獣医学部新設構想に同意を示していたことが記されていた愛媛県の新文書。これによって安倍首相の加計氏から獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」「計画を知ったのは2017年1月20日」という答弁が大嘘であったことがはっきりとした。
 しかし、予想通りと言うべきか、安倍首相はまたも愛媛県文書の否定にかかっている。昨晩は記者から「『獣医学部、いいね』と言ったのですか?」と質問されても無言で立ち去った安倍首相だが、今朝は一転、ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない」「獣医学部新設について、加計氏から話をされたこともないし、私から話をしたこともないと新文書の内容を否定し、こう話した。

念のため、昨日、官邸の記録を調べたが、確認できなかった

 官邸の記録……? そもそも官邸の入館記録は「破棄」されたのではなかったのか。実際、萩生田光一・元官房副長官は「訪問者の入邸確認後、訪問予約届はその使用目的を終えることから、公文書管理法や関係規則等に基づき遅滞なく破棄する扱い」と述べてきたし、安倍首相自身も「総理官邸に入館した方の記録は基本的に定期的に廃棄をしている」(4月11日衆院予算委員会)と答弁していたではないか。その、遅滞なく速やかに破棄されたはずの3年前の記録を、安倍首相は昨晩「確認した」と言うのだ。これは「いままで国会で嘘をついてきた白状しているようなものではないか。
 しかも、愛媛県の新文書には、柳瀬唯夫首相秘書官のみならず加藤勝信内閣官房副長官(当時)までもが加計学園関係者と面談するなど、当時、いかに官邸の安倍首相側近たちが加計と接触を重ねていたかが記されている。そうしたなかで安倍首相の面談をセッティングするのに、側近たちが記録を残さないかたちで加計理事長を入邸させていても不思議はない。
 実際、池上彰はウェブサイト「P+D MAGAZINE」の連載で、総理官邸の建て替え以降、総理が極秘に人と会うことが可能になっていると指摘している。

ただし、総理官邸が建て替えられてからは、記者たちの目の届かないルートを通って総理執務室に入ることが可能になりました。これ以降、「首相動静」に報じられる会談以外にも、極秘の会談がありうるようになりました。


加計理事長とのバーべキューも秋元康、見城徹との組閣ごっこも首相動静に記述なし

 いや、そもそも安倍首相はなぜ、加計理事長と面談したのが「官邸」だと限定しているのか。同日夜、安倍首相は公邸で各府省庁の副大臣と菅義偉官房長官と会食を約1時間30分にわたっておこなっているが、この合間に事前に公邸に招かれていた加計理事長と15分の面談をおこなった可能性もある。
 さらに、加計理事長と私邸で会った可能性もある。加計理事長は昭恵夫人とも昵懇で、森功氏の著書『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)でもふたりの関係について、その親密な交際は、日本国内のクリスマスパーティやゴルフ、飲食にとどまらない。海外にもいっしょに頻繁に出かけた〉〈下戸だった首相に代わり、大酒飲みの夫人たちの面倒をみてきたのが、ほかならぬ加計なのだと書かれている。加計理事長が私邸で昭恵夫人と安倍首相の帰宅を待って“宅飲み”していてもおかしくはない関係なのだ。
 つまり、安倍首相は破棄したはずの「官邸の記録」をもち出して加計理事長と会ってなどいないと否定するが、ふたりが面談をおこなったのは官邸以外の場所、公邸や私邸である可能性は十分考えられるのだ。
 他方、安倍応援団やネトウヨたちも「首相動静には加計理事長と会っていたなどとは書かれていない!」として愛媛県文書の内容を同じく否定しにかかっている。だが、これもまったくナンセンスな話だ。
 たとえば、2013年5月に安倍首相の別荘でおこなわれたバーベキューの際も、加計理事長が参加していたにもかかわらず、各社の動静には名前は出ていなかった
 名前が乗らないケースだけではない。会合そのものが消されているケースもある。安倍首相は「お友だち」である秋元康や幻冬舎の見城徹社長らと2015年3月、総理公邸の西階段で「組閣ごっこ」写真を撮影し、それが「フライデー」(講談社)に報道されたが、このときの会食も首相動静には一切出ていない
 また、安倍首相と会食した経済評論家の三橋貴明氏はその会食をブログで報告する際、こう書いていた。

「財務省が日本を滅ぼす」を書いた三橋との会食を持ちかけたのは両端の方々ですが、「クローズではなく、オープンで」と決めたのは官邸であること(オープンなので、総理動静にも載りました)

 つまり、これは会談そのものをオープンにするかクローズにするか官邸が恣意的に選んでいるということだろう。


当の安倍首相も首相動静に載らない加計との面談を認めていた!

 しかも、こうした首相動静が完全な情報ではないことは、当の安倍首相自身が認めている事実だ。
 5月14日におこなわれた衆院予算委員会の集中審議で、無所属の会・江田憲司議員に「第1次政権では加計氏と1回も会食もゴルフもしていないのに、第2次政権では17回もしているのはどういう事情か?」と問われた安倍首相は、こう答弁している。

一次政権のときも加計さんと会食したことはありますけども、いわば、たまたま名前が外に出ていないということだろうと思います。あの、それはよくあることですから

 ネトウヨは首相動静に記述がない! はい論破!などと騒いでいるが、安倍首相自らが述べているように、名前が動静に載らないことは「よくあること」なのである。
 このように、安倍首相も、安倍首相を擁護したいネトウヨも必死になって加計理事長との面談を否定しているが、いずれもまったく反証になっていないのだ
 その上、今回提出された愛媛県の新文書の正しさを証明する証言も出てきた。2015年2月に加計学園関係者と面談したと新文書に記述されている当時の加藤官房副長官(現・厚労相)は、「地元(岡山県)の事務所で確か事務局長が来て、10回以上チャレンジしたけど難しいという話があった」と、面談の事実を認めているのだ。
 愛媛県の記録と安倍首相の言い分、一体どちらが事実で、どちらが嘘をついているのか。愛媛県の中村時広知事の参考人招致はもちろんだが、この1年、嘘ばかりの答弁に終始してきた可能性が高まった安倍首相こそ、偽証罪に問われる証人喚問が必要だろう。

(編集部)
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●《これはもう、まさに、私は総理大臣首相も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい》

2018年01月15日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



リテラの昨年末の二つの記事【年末特別企画 リテラの2017年振り返り/今年も虚言を吐きつづけた! 安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10】(http://lite-ra.com/2017/12/post-3703.html)、
【年末特別企画 リテラの2017年振り返り/お前は絶対君主か! 安倍首相の国民軽視、独裁者体質丸出し発言集】(http://lite-ra.com/2017/12/post-3704.html)。

 《モリカケにはじまり、共謀罪強行採決、北朝鮮問題、大義なき解散……と国民を完全に舐めきった態度に終始し、嘘の低レベルさ、アホさにも磨きがかかった》。
 《それは主権者の存在を無視し、民主主義を否定する、「独裁者」の態度が透けて見える》。

   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…諸悪の根源である
             “主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻
   『●与党自公によるデタラメな《行う必要のない政策》の
          羅列に加えて、国費160億円削減で弱い者イジメ
   『●アベ様は、「部下たちに『知りません。記憶がありません』
             と言わせて、ひたすら逃げ続けるしかない」?
   『●憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されない、
                        血も涙も無い「国費…160億円削減」
   『●「改憲自体が目的…首相・安倍晋三が改憲を断行した
                  という記念碑的目標」…《愚劣なことだ》

 人治主義国家・アベ様王国のDictator息吐く様に噓垂れ流し、不正の数々、平成の治安維持法戦争法、デタラメな《行う必要のない政策》の羅列…極めつけは《議会制民主主義はもう機能していない》独裁政治下で、壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、そして、緊急事態条項の創設…。(前川喜平さん)《どう見ても李下に冠を正しているところまでは間違いない。本当に李(すもも)をとっているかもしれない》《規制緩和ではない。特権の付与です》《これが逃げ切れるなら私は日本の民主主義を疑う》。ニッポンは、言葉で言い表せないほど壊れてしまっている。
 《大嘘10 「私や妻が(認可や国有地払い下げに)関係していたということになれば、これはもう、まさに、私は総理大臣首相も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」》…いつ実行されるんだろう?

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http://lite-ra.com/2017/12/post-3703.html

年末特別企画 リテラの2017年振り返り
今年も虚言を吐きつづけた! 安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10
2017.12.31

     (首相官邸HPより)

 年末恒例となった、安倍首相による「大嘘」振り返り企画をお届けする季節が今年もやってきた。昨年は「なぜここまで平気で嘘をつけるのか?」と題して安倍首相の姿勢に疑問を投げかけたが、今年はその余地もなし。モリカケにはじまり、共謀罪強行採決、北朝鮮問題、大義なき解散……と国民を完全に舐めきった態度に終始し、嘘の低レベルさ、アホさにも磨きがかかった。
 しかも、モリカケ疑惑は終わった話ではない。新年でリセットさせないためにも、今年の真っ赤な嘘&インチキ発言をいま一度、確認していこう。


大嘘1 「(加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは)1月の20日の特区諮問会議」
7月24日、衆院予算委員会の閉会中審査

 それは度肝を抜かれる嘘だった。突然、何を思ったのか安倍首相は、今年1月20日の特区事業者決定まで加計学園の獣医学部新設計画を知らなかったと強弁しはじめ、「私は知り得る立場にはあったわけでございますが、しかし、そのことについての具体的な説明は私にはなかったわけでございまして」などと述べたのだ。
 完璧すぎる虚偽答弁だ。なぜなら、安倍首相はこの答弁の約4カ月前の国会では「関係者はみんな知っているんですよ!」とキレまくった上、6月にも「構造改革特区で申請された」ときに承知したと明かした上で「国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになる」と答弁。しかも、社民党の福島瑞穂議員の質問主意書に対しても、答弁書で“構造改革特区の説明資料に加計学園が候補となっていると記載されていた”と回答、閣議決定している。それをすべてなかったことにしようとは、インチキをはるか通り越して、もはや「ご乱心」と呼ぶべきだろう。


大嘘2 「この問題の本質は、岩盤規制にどのように穴をあけていくかだ」
6月5日、衆院決算行政監視委員会

 こういう台詞をバカのひとつ覚えと言うのだろう。この時期にはすでに「総理のご意向」と書かれた文書が明らかになり、さらに前川喜平・前文部科学事務次官が、安倍首相の側近である和泉洋人首相補佐官から「総理の代わりに言う」として対応を早くしろと迫られていたことを証言するなど「加計ありき」の実態が明らかになりつつあったが、安倍首相は頑として「岩盤規制」の一点張り。その上、“獣医学部新設は民主党が検討したものを安倍政権が引き継いだだけ”とまで言い出した。民主党政権下で始まった高校無償化や子ども手当は引き継がず廃止したくせに、である。
 あらためて言うまでもなく、問題になっているのは「加計学園のために安倍首相は自分がスタートさせた国家戦略特区を使って獣医学部新設を押し進めたのではないか?」ということ、そして「岩盤規制に開けたその穴はなんで加計しか通れない仕掛けなの?」ということだ。安倍首相はいまだにそれに対して明確な回答をできていない。挙げ句、デタラメを上塗りするように、以下のような大嘘をついているのだ。


大嘘3 「(国家戦略特区の)議事はすべて公開しています」
6月19日、記者会見冒頭発言ほか

 こう主張しては国家戦略特区の決定プロセスの透明性に胸を張ってきた安倍首相だが、8月になって、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が2016年6月に愛媛県と今治市からヒアリングをおこなった際、加計学園の幹部3名が同席していたにもかかわらず公開されている議事要旨にそのことが伏せられていた事実が発覚。さらに、発言内容を一部削除することで発言主旨を真逆に書き換えるという議事録の改竄までおこなわれていたことも明らかになった。「すべて公開」などされていなかったのだ。
 だが、安倍首相が事実をねじ曲げ正当性を主張してきた例は、これだけにかぎらない。たとえば、選挙中にもしつこく繰り返した「朝日新聞は加戸守行・前愛媛県知事や八田達夫・WG座長の報道をしていない!」という主張がそれだ。実際には朝日は加戸証言も八田証言も記事にしてきたが、「報道が歪められている」というお得意の“印象操作”で問題をすり替えようという下心が見え見えだ。
 また、安倍首相は同じように「国会審議すべてを見られた方々は納得されたという方も多かったのではないか」とも言いつづけているが、どうしたら「プロセスに一点の曇りもない」だの「(加計の獣医学部計画は)1月20日に知った」だのと明らかな大嘘を吐いておいて誰が納得できるのか。国民を舐めすぎである。


大嘘4 「この解散は国難突破解散だ」
9月25日、記者会見冒頭発言

 で、モリカケ問題の国会追及に耐えきれなくなった安倍首相が、民進党のゴタゴタと北朝鮮問題を助け船にして打って出たのが、国会の冒頭解散という「大義なき解散」だった。そして、自己保身のために解散権を濫用するという民主主義を破壊する暴挙にもかかわらず、安倍首相は会見で「国難突破」などというインチキも甚だしい恐怖を煽るような戦中ワードをキャッチコピーにもち出したのだ。
 しかも、失笑せざるを得なかったのは、「国難」の中身だろう。安倍首相は北朝鮮問題だけでなく、何十年も前から叫ばれてきた「少子高齢化」までいまさら「国難」と認定。幼児・高等教育の無償化を謳ったが、選挙後に蓋を開けてみたら自民党の検討案はその売り文句に遠く及ばない内容であることが判明している。その上、早期解消が求められている待機児童についても、「今後ゼロになるかについて、断定的にゼロになるとは言えない」(11月28日衆院予算委)と言い出す始末。解散時にさんざん匂わせていた「12月に米朝軍事衝突」という説といい、「国難」はどこに行ったのだろう。


大嘘5 解散前「国民のみなさまに説明しながら選挙する」 →
       選挙中「街頭演説で説明するよりも国会で説明したい」 →
         選挙後「国会において丁寧な説明を積み重ねて参りました」
9月25日記者会見→10月9日『NEWS23』(TBS)→11月20日衆院本会議

 ここまでわかりやすい嘘に、説明はいらないだろう。しかも、安倍首相が選挙中の遊説でモリカケ問題の説明をしたことは一度もなし。ようするに、ハナから「丁寧に説明」する気などさらさらなかった、ということだ。
 その上、選挙が終わると文科省の大学設置・学校法人審議会は加計学園獣医学部の新設を認める結論の答申をした。選挙のスケジュール自体がこの設置審の認可を認める答申前にと調整されたという情報もあり、つまり選挙さえ「加計ありき」で進められた可能性もあるのである。


大嘘6 「TOC条約を締結できなければ、東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」
1月23日、衆院本会議

 今年、安倍政権が禁断の暴挙である「中間報告」によって強行採決で成立してしまった共謀罪。「21世紀の治安維持法」でしかない危険極まりない法案を通すために安倍首相がついた嘘が、この「共謀罪を成立させないと国際的組織犯罪防止(TOC)条約に加盟できない、TOC条約を締結できなければ五輪は開けない」という論法だった。
 だが、TOC条約と共謀罪はまったく別の話だ。多くの識者が言及しているように、共謀罪を新設せずとも現行法の制度のなかでTOC条約を締結させることはできるし、TOC条約は組織的な経済犯罪を防止するマフィア対策なのに、共謀罪はそのような中身にはなっていない上、テロ対策にさえなっていない。だいたい、オリンピックが本当に国民の人権を制限しなければならなければ開催できないような代物なら、さっさと開催を返上するべきなのだ。
 しかし、法案成立に躍起になる安倍首相は、書簡で共謀罪法案を「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘した国連特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏を攻撃するため、「アントニオ・グテーレス氏国連事務総長も『人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない』旨、述べていました」などと国会で主張。だが、このグテーレス事務総長の発言内容は、安倍政権によってかなり都合よく歪曲されたものだったのだ(詳しくは既報参照)
 国連事務総長の発言までねじ曲げる総理大臣……。「国賊」とはこの人のことだろう。


大嘘7 「『そもそも』を辞書で調べたら『基本的に』という意味もある」
4月19日、衆院法務委員会

 穴があったら入りたくなるような、恥ずかしすぎる嘘である。発端は、安倍首相が1月に過去の共謀罪法案との違いとして「今回は“そもそも”犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」と述べたことだ。ところが、その後に「性質を一変させた場合」と取り締まり対象の拡大を突然言い出した。この答弁の矛盾を山尾志桜里議員にただされると、安倍首相は自信満々に上記のハッタリをかましたのだ。
 しかし後に、「そもそも」の意味を「基本的に」と記している辞書など存在しないことが明らかにされると、政府は「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」という意味があり、「どだい」には「基本」の意味があると主張。違う言葉をあいだに挟んで意味が同じになるならほとんど全部の言葉が同じ意味になるが、恐ろしいことにこのトンデモ解釈は閣議決定されてしまった。しかも、さらっと「首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない」と嘘を修正したかたちで。
 あまりに馬鹿馬鹿しい嘘だが、この「そもそも」問題は、「訂正でんでん」発言などとは違い、法案の根幹にかかわる重要な部分。こんなインチキかつ杜撰な主張の末に共謀罪を成立させたことは、憲政史上でも汚点中の汚点と言っていいだろう。


大嘘8 「我が国に北朝鮮がミサイルを発射」
「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」
8月29日、記者会見

 この日の北朝鮮の弾道ミサイル発射では、早朝から全国瞬時警報システム「Jアラート」と緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動し、国民にかつてない恐怖感を与えた。そして、安倍首相の会見でのこの一言も、さらなる恐怖を煽った。
 だが、上空を通過したミサイルを「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎであり、「かつてない脅威」というのも事実ではない。北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、この件で脅威が高まったわけではないからだ。その上、日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。
 しかも、この日のミサイルが北海道上空を通過した時間はJアラートによるアナウンスからわずか約4分後で、避難のしようもない。Jアラートは役立たずであるばかりか、時間帯によっては大パニックを起こしかねない。ようは危機を煽って北朝鮮のミサイルを政治利用しようという魂胆しか感じられないものだ。
 こうした煽動は来年も繰り返されていくことは必至だが、いちばん怖いのは、トランプ大統領と一緒になって北朝鮮を無用に刺激し、国民には恐怖を植え付けようとする安倍首相の存在だとあらためて言っておきたい。


大嘘9 「(山口敬之氏のことは)取材対象として知っている」
11日30日、参院予算委員会

 ようやく国会で取り上げられるようになった、元TBS記者・山口敬之氏によるレイプ疑惑。この日は福島瑞穂議員がついに安倍首相に対してはじめて山口氏の問題を追及し、「『総理』という本を書いたジャーナリストをご存知ですか、面識はあるでしょうか」と質問した。そして、その答弁は上記のものだった。
 よくもまあ、ヌケヌケと言ったものだ。山口氏と安倍首相の関係が「取材者と被取材者」というようなものでないことは、それこそ山口氏の著書『総理』(幻冬舎)を読めば明らか。執務室での写真をジャーナリストに使わせることも異例だし、山口氏が安倍氏の自宅や外遊先のホテルの客室にもしょっちゅう出入りするシーン、第一次政権崩壊後の2008年から安倍や昭恵夫人と定期的に登山をしていたエピソード、さらには、内閣人事案や消費税をめぐってメッセンジャー的な役割まで果たしていたことを、山口氏自らが自慢げに語っているからだ。それを「取材対象として知っている」とは開いた口が塞がらない。
 しかし、この山口氏のレイプ疑惑は、山口氏の逮捕状もみ消しに官邸の関与が疑われるという、法治国家の根幹を揺るがす大問題だ。山口氏をめぐっては、氏と昵懇だったペジーコンピューティング社長の齊藤元章氏が助成金詐欺事件で逮捕された一件とあわせて、徹底した真相究明がおこなわれなくてはならない。


大嘘10 「私や妻が(認可や国有地払い下げに)関係していたということになれば、これはもう、まさに、私は総理大臣首相も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」
「(獣医学部新設で)私がもし働きかけて決めているとあれば、責任を取る」
2月17日衆院予算委員会/3月13日参院予算委員会


 今年のいちばんの安倍首相による大嘘は、森友・加計問題それぞれで見得を切ったこの発言だろう。「妻が(国有地払い下げに)関係していた」ことは、総理夫人付き職員だった谷査恵子氏の口利きFAXや、財務省が不当な値引きを主導していたことを示す音声データからも明らかだ。そして加計問題も、官邸による異様な「加計ありき」が数々の証言・証拠によって証明されている。そして来春4月には、まさに「総理のご意向」どおりに獣医学部が新設されるのである。
 これだけ「詰んだ」状態では、過去の政権ならいまごろはもう倒れているはずだ。それが、安倍政権はどっこい年を越そうとしている。その背景には、誠意も正義もなく平気で国民に嘘をつく総理の存在と、もうひとつは忖度しかできない腰抜けメディアの存在がある。だからこそ、何度でも執拗に指摘しつづけなければならない。「総理は稀代の大嘘つきだ!」と。


 ──安倍首相の嘘とデタラメはまだまだあるのだが、今回は10本に厳選した。しかし、安倍首相の思い出しておきたい発言は、嘘・デタラメ以外にもある。追ってお伝えするので、そちらも楽しみにしていただきたい。

(編集部)
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http://lite-ra.com/2017/12/post-3704.html

年末特別企画 リテラの2017年振り返り
お前は絶対君主か! 安倍首相の国民軽視、独裁者体質丸出し発言集
2017.12.31

     (首相官邸HP)

 本サイトでは先立って「安倍首相の真っ赤な嘘&インチキ発言ワースト10」をお送りしたが、安倍首相の問題発言はまだまだある。なかでも目についたのは、「あなた、何様のつもり?」とツッコみたくなる上から目線、いや、もはや“絶対君主”気取りの発言の数々だ。それは主権者の存在を無視し、民主主義を否定する、「独裁者」の態度が透けて見える。
 そんな独裁者気質を丸出しにした安倍首相の今年の発言を、以下にピックアップしていこう。


◎「我が軍」発言の反省なし
「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳であります」
「諸君のなかから最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれる日を楽しみにしています」
3月19日、防衛大学校卒業式での訓示

 自衛隊は「私の目であり耳」「片腕になれ」──。しかも、この訓示で安倍首相は6回も自分は「最高指揮官」であると繰り返した上、「最前線の現場にあって指揮をとる諸君と、最高指揮官である私との意思疎通の円滑さ、紐帯の強さが、我が国の安全に直結する。日本の国益につながっています」とも述べた。
 自衛隊員に向かって恥ずかしげもなく「私とのつながりの強さ」が安全の基準だと断言し、「私の目であり耳」「片腕」などとのたまう。「国民の」ではなく「私の」と言明しているのがポイントで、これこそまさに、安倍晋三が自衛隊を私兵として見ていることの証明だろう。そして、この口ぶりは戦前の「軍人勅諭」そっくりだ。
 悲願の2020年までの改憲に向け、安倍首相はこれまでこだわってきた9条への「国防軍」明記と2項削除案から、1・2項を残して3項に自衛隊を明記する「加憲」案にシフトした。だが、訓示からわかるのは、安倍首相にとって自衛隊は「我が軍」であることに変わらない、ということだ。
 だいたい、安倍首相の「加憲」案は9条に手を加えることに対する国民の抵抗感を下げる一方で、2項の平和主義を骨抜きにするのが目的であることは明々白々。そうして改憲をしてしまえば、事実上、2項が空文化したことで自衛隊の活動には歯止めがきかなくなり、「我が軍」化は現実となるだろう。安倍首相の一見「ソフト」に見せかけた「加憲」案に、騙されてはいけない。


◎国家戦略特区は「俺ありき」だった!
「速やかに全国展開を目指したい」
「地域に関係なく、2校でも3校でも、意欲のあるところにはどんどん認めていく」
6月24日、神戸「正論」懇話会での講演

 この発言が報じられた際、多くの人が「は?」と首を傾げたことだろう。獣医学部新設を加計学園1校に限定したのは、文科省でもなければ日本獣医師会でもない。新設条件に「広域的に」「限り」という文言を萩生田光一副官房長官が書き加えたことによって、京都産業大学が必然的に振るい落とされた。つまり、官邸のゴリ押しで加計の1校に決まったのだ。
 にもかかわらず、安倍首相はこの講演で「1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」などと発言。「中途半端な妥協」も何も、獣医師を管轄する農水省が「獣医師確保が困難になることは想定しにくい」と報告していたように、需給の観点からも新たに獣医学部を新設することに国民から疑義が呈されているのだ。しかし、そんな声を安倍首相はまるで無視。「そんなに加計加計言うなら全国展開してやるよ!」と逆ギレして見せたのだ。
 まったく冗談じゃない。実際、日本テレビが獣医師養成課程のある全国16の大学に実施したアンケート結果では、この安倍首相の発言に対して「コンビニ出店を目指す社長のような発言」「獣医学教育や獣医師の役割を全く理解していない発言」という意見が寄せられたという。あまりに当然の意見だ。
 しかも、この発言が恐ろしいのは、「データも実態調査もいらん! 俺が決めたら特区で何でもやれるんだ!」というワンマン社長さながらの「俺ありき」の実態を自ら暴露したこと。安倍首相はこの国のことを自分が好き勝手できる会社のようなものだと考えているから、こんな言葉が出てきたのだろう。そして、だからこそ加計問題は起こったのだ。


◎日本はすでに「トランプ・ファースト」
「(武器装備購入は)米国の経済や雇用にも貢献するもの」
2月15日、参院本会議

 トランプ米大統領が出した入国禁止令に対して世界中が非難の声をあげるなかでおこなわれた日米首脳会談で、「米国が偉大な国になっていくことを歓迎したい」と宣った安倍首相。そして、トランプに言われるがまま防衛装備品の購入を決め、挙げ句、上記のように高らかにアメリカ・ファーストを国会で強調。セーフティネットである社会保障費を削減し国民に身を切ることを強要する一方で、「武器を買ってアメリカの経済に貢献しよう!」と言い出したのだ。
 “国民の生活よりトランプが第一”というこの男の姿勢は、対北朝鮮でも鮮明になった。「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで完全一致」「日米が100%ともにあることを力強く確認」などというトランプと一体化した安倍首相の発言は北朝鮮を無駄に刺激するだけで、むしろ衝突をけしかけるものでしかない。だが、それも安倍首相にとっては当然の選択だった。こうやって今年、北朝鮮問題を煽りに煽ったことで政権浮揚を果たし、安倍政権はもち堪えたのだから。つまり、保身のために国民を危機に晒したのだ。
 北朝鮮を挑発しつつアメリカの軍事装備を売りつけるトランプに尻尾を振り、国民の生活と安全を差し出す安倍首相──これこそが、政権が喜ばしいことのように喧伝する「日米同盟の強化」の実態である。


◎恐怖政治さながらの国民分断
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
7月1日、都議選の秋葉原駅前街頭演説で

 ここまで直接的に市民を愚弄した総理大臣がいただろうか。加計学園問題の追及では閣僚席から仕切りにヤジを飛ばして質疑を邪魔していた当人が、そうした思い上がった首相の姿勢に異を唱える市民を「こんな人たち」呼ばわり。自分に対する批判に耳を傾け自省するでもなく、市民を「敵」として排除したのである。
 実際、衆院選の最終日に同じ場所でおこなわれた街宣には“安倍信者”が日の丸をはためかせ、政権を批判するプラカードを持った人たちに対して「朝鮮人!」などというヘイトスピーチまで飛び出すグロテスクな“極右集会”と化した。そして、安倍首相は直後に出演した自民党のネット番組で「熱気がすごかった。いろんな意味で『負けるな』というみなさんの気持ちだと思う」「何に『負けるな』とはいま私言いにくいですが」などと述べた。
 支持者は「味方」、批判する市民は「敵」。この分断と排除の発言を、このままでは近い将来、「あれが恐怖政治のはじまりだった」と振り返る日がくるかもしれない。


 いかがだっただろうか。いずれも自分は絶対的な存在なのだと信じて止まない思い上がりも甚だしい発言ばかりで、大きな問題になるに十分な、あるいはクビが飛んでも当然の発言も並んでいる。
 にもかかわらず、これらのなかにはテレビのニュースで取り上げられることもなかったものさえある。そうして、いまもこの男は総理の座に居座っているのだ。
 しかも、安倍首相が今年吐いた言葉は、嘘・インチキ発言や、こうした独裁者気取りの発言だけではなく、ネトウヨさながらの驚愕発言も連発してきた。それについては、追ってお届けしよう。

(編集部)
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●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが攻撃を開始: 吉永小百合さんを断固支持する

2016年02月16日 00時00分38秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【安倍首相お抱え、NEWS 23岸井攻撃の仕掛け人が今度は吉永小百合を標的に!「共産党の広告塔」と陰謀論丸出し】(http://lite-ra.com/2016/02/post-1973.html)。とにかく内容が凄いです。是非、ご一読下さい。

 《現在発売中の「正論」産経新聞出版)3月号に驚きの論考を発表…そんな人物が今回、発表していた文章のタイトルは「吉永小百合さんへの手紙」。…〈あへて吉永さんに問ひたい、法案の意味や中身を知らずに、後から責任を取れないやうな出鱈目な批判をする事、またさういふ人達の先頭に立つて広告塔になる事は、貴女の女優としてのあり方や人としての信条に照らして、恥づかしい事ではないのですか〉》……。

 アベ様の家来として陰謀論を撒き散らすことの方がよほど「恥づかしい事」。吉永さんに向かって、「…あり方や人としての信条」なんて、よく口にできるものである。
 「戦争はだめ、核もだめ吉永小百合さんが、戦争の愚かさ、平和の尊さ」をしばしば語っている。安倍政権への怒りと原発再稼働反対への思い」「憲法改正、特定秘密保護法などに動く安倍政権の危険性」「原子力の平和利用なんてない」「核と人は共存できない。でも、いま、アベ様の取り巻きが攻撃を開始。ア●、ロクデナシに、吉永さん、負けるな! 吉永小百合さんを断固支持する。

   『●吉永小百合氏の原発廃止発言
   『●「「愛国」と戦争 安倍政権の軍事改革徹底批判」
           『週刊金曜日』(9月20日、960号)について
   『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
       非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任

   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●「安倍政権への怒りと原発再稼働反対への思い」を
                 語る吉永小百合さんを支持します
   『●「原理原則の無い国」、「死の商人」に堕した国、
               原発輸出したい哀しい国・ニッポン

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http://lite-ra.com/2016/02/post-1973.html

安倍首相お抱え、NEWS 23岸井攻撃の仕掛け人が今度は吉永小百合を標的に!「共産党の広告塔」と陰謀論丸出し
【この記事のキーワード】圧力, 編集部, 陰謀論 2016.02.13

      (またでた例の広告(読売新聞2月13日付朝刊より))

 本日の読売新聞全国版朝刊に、またしても「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)が一面広告を出稿した。既報の通り、安倍応援団を母体とするこの団体は、昨年11月14・15日にも産経と読売に一面広告を出稿、TBS『NEWS23』アンカーの岸井成格氏の発言をやり玉に上げ、番組降板の大きなきっかけになった。

 それが、今朝の朝刊でも性懲りもなく「ストップ!“テレビの全体主義”」「誰が国民の「知る権利」を守るの?」などと見出しを立てつつ、安保法制反対などの安倍政権批判の放送内容を“「知る権利」が守られていない!”と標的にしている。

 彼らの主張のトンデモぶりについては、改めて指摘するのでそれを待っていただくとして、じつはこの「視聴者の会」の事実上の首謀者が、現在発売中の「正論」(産経新聞出版)3月号に驚きの論考を発表していた。

 この人物とは、同会の事務局長をつとめる自称文芸評論家・小川榮太郎氏だ。『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という“安倍礼賛本”を書き、安倍事務所に爆買いしてもらったことで有名な安倍首相お抱え評論家だ。

 そんな人物が今回、発表していた文章のタイトルは「吉永小百合さんへの手紙」。何事かと読んでみると、こんな文章が飛び込んできた。

   〈安保法制反対の大合唱の中に、いや、その先頭に貴女の名前が
    絶えず持ちだされたのは記憶に新しい〉
   〈あへて吉永さんに問ひたい、法案の意味や中身を知らずに、
    後から責任を取れないやうな出鱈目な批判をする事、
    またさういふ人達の先頭に立つて広告塔になる事は、
    貴女の女優としてのあり方や人としての信条に照らして、
    恥づかしい事ではないのですか〉

 そう、小川氏は、手紙形式で、昨年夏、吉永が安保反対を訴えたことを非難しているのだ。

 たしかに吉永は、渡辺謙や笑福亭鶴瓶樹木希林など安保法制に反対する芸能人のひとりだったし、今年、山田洋次監督作品『母と暮らせば』公開時の雑誌のインタビューや鼎談でも「戦後ではなく戦前のようなニュースを見て、言葉を失います」「戦後七十年ということなんですけど、今、もう「戦後」という言葉がなくなってしまいそうな時代になっています」と話し、現政権への危機感をあらわにしている。そうした吉永の言動を小川氏は「広告塔」「恥づかしい事」と批判しているわけだ

 どう考えても「女優としてのあり方、人としての信条」をもっているからこそ、吉永は毅然とした態度で安保法制に反対していたのだと思うが、小川氏が吉永を批判する、その論拠を要約すると、こういうことだ。

 〈冷戦時代の我が国を守つてくれてゐたのはアメリカ〉だったが、いま、アメリカが〈中国と手を組んだ方がよければアメリカはさうするでせう〉という状況で、誰がこの国の平和を守るのか。そうしたことも考えず、ただ「平和」を叫ぶのはいかがなものか。そして〈法案に反対するのであれば、その法案が本当に平和を脅かす根拠と、新たな立法措置を取らずとも我が国の平和が守られ続けるといふ根拠を持たねばならない。これは、俳優とか知名人とかいふ事以前に、人としてのイロハではないでせうか〉というのである。

 ……上から目線でもっともらしく語っているが、小川サン、中国が脅威というのなら、それは個別的自衛権で対処できるんですけど。しかも、アメリカが中国に寝返りそうだと心配するなら、どうして集団的自衛権が必要なのか。日本がアメリカとともに世界の紛争に参加するようになれば、自衛隊員の命の問題だけでなく、国内がテロのターゲットにされることも考えられる。あきらかに日本のリスクは高まるのだ。このように、あまりに筋の通らない話だから多くの人は安保法制に反対していたはずで、逆に小川氏こそ安保法制によって日本の平和が守られ続けるという根拠を示すべきだろう。

 と、吉永に代わって反論してみたが、“安倍命”のこの人に何を言っても無駄だろう。前述したように、小川氏というのは、安倍応援団の自民党総裁選直前の2012年9月に『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という“安倍礼賛本”を出版してデビュー。同作はベストセラーとなり、安倍首相の復活のきっかけとなったが、じつは安倍首相の資金管理団体である晋和会がこの本を国民の税金を使って爆買い。都内各所の書店で少なくとも370万円以上も買い上げていたことが判明している。文芸評論家なんてもっともらしい看板を掲げているが、なんてことはない、ただの“安倍プロパガンダ”作家なのだ。

 しかも、そうした安倍首相への“恩”や心酔ぶりもあって、小川氏は前述の「視聴者の会」を立ち上げ安保法制へ批判的なメディアを集中攻撃、放送法4条を曲解して圧力をかけるという手に出た。すなわち「視聴者の会」はほとんど“安倍政権の別働隊”であり、その急先鋒こそが小川氏だ。

 つまり、メディアへの圧力だけでは飽き足らず、小川氏はついには安倍政権に否定的な芸能人の批判まではじめた……という格好なのである。

 しかも、自分を棚上げして、この男はとんでもいないことを口走っている。

   〈残念ながら、貴女がどう思はうと、貴女の名前は、広告塔の筆頭格の
    一人になつてしまつてしまつてゐます。
     誰の広告塔か?
     驚くべき事に、日本共産党の広告塔です〉

 すなわち、小川氏は、吉永氏の平和活動はすべて“共産党の策略によるもの”といっているのだ。こんなところまで安倍首相と同じではないか……。自分の意に沿わない人物はすべて共産党の回し者だ!というのは、陰謀史観ここに極まれり、である。

 小川氏は〈最も芸藝家や文化人の政治利用に一番熱心だつたのは、共産党に代表される全体主義国家であり、中でも最も藝術家を政治利用したのは、ナチスとソ連共産党〉ともっともらしく説教しているが、現在の日本において全体主義を敷き、ナチス的な独裁を進めているのは、小川氏が信奉する安倍首相のほうだろう。

 さらに、安保法制に対する態度だけではなく、小川氏は吉永の他の活動にまでケチをつけている。それは吉永のライフワークである「原爆詩の朗読」だ。

   〈原爆の「記録」ではなく、貴女が原爆の「表現」の伝道者になつた時、
    政治の魔手がそこに付け入ります。貴女は、無力な者の声、一方的に
    傷つけられた者の声の伝道者である事を通じて、寧ろ、さうした無力さを
    政治的に利用する者によつて、政治的な「強者」の立場を演じさせられ
    始めます。

     何よりも問題になるのは、原爆詩が、弱き者の声といふ形を借りた
    特権的な場になつてしまつてゐる事です〉

 原爆詩は政治に利用されている、特権的になっている──。被曝者の経験やメッセージを陰謀論のように受け止める感性に恐ろしくなるが、それもそのはず。小川氏は同稿で、核兵器や原発の問題をもう発明されてしまつたものはどうしようもないと肚を括ゑるのが第一です〉と書いている。いってみれば原爆詩の存在や、吉永氏による朗読を通じて原爆の悲惨さを訴える活動を“政治的”に捉えているのはむしろ小川氏のほうで、こうした“平和を祈る活動”は自身にとって都合が悪いから非難しているのだ。

 もういっそのこと、“ネトウヨ文芸評論家”に肩書き変更したほうがいいのではないだろうか……と思わずにいられないが、小川氏はこれだけではなく、吉永氏がプロデュース・主演した映画『ふしぎな岬の物語』を批評、またしてもネトウヨ史観を全開にして〈美しい「日本」固有の映画世界を、現実に守つてゐるのは何でせう。無論、それは日本の国家であり、国力であり、社会です〉などと述べるのだ。しかも、こんな墓穴さえ掘っている。

   〈この映画には、実は、成熟した男性は一人も登場しない。本来、
    それを表現すべきなのは阿部寛扮する浩司ですが、彼は、
    四十五歳になつても定職に就けない風来坊であり、口よりも先に
    手が出てしまふガキ大将のまま中年になつた男として描かれます〉

 おいおい、である。小川氏が前出の『約束の日 安倍晋三試論』で作家デビューを果たしたのは、45歳のとき。つまりこの定義では、自分こそ“成熟した男性”とは言えないのでは……。

 とまあ、こんな具合でツッコミどころばかりの論考なのだが、小川氏がこんな“手紙”を吉永小百合に公開で書いてしまったのには、安倍政権否定派芸能人への批判という目的のほかに、もうひとつ理由があるはずだ。それは“悔しさ”だろう。

 じつはこの論考、吉永を批判しつつも、それ以上に彼女を絶賛しているのである。本人も〈大変評価〉していると述べているのだが、冒頭から〈貴女の女優としての本質を最も深いところで支えてゐるのは、やはりその声なのではないか〉〈とりわけ若き日の貴女の、生命力がそのまま演戯を凌駕してしまふ生きたままの姿の魅力!〉と興奮した調子で、吉永の主演映画『伊豆の踊子』については〈大人と永遠の処女性の同居といふ奇跡が輝いてゐた〉〈川端(康成)は吉永さんの演戯から、『伊豆の踊子』の新たな可能性を教へられたのではなかつたかと思はれます〉と綴っているほど。“サユリスト”といっても差し支えない熱狂ぶりだ。

 おそらく、小川氏は歯がゆいのだ。大好きな吉永氏が自分と一緒に、「安倍首相万歳」と言わず、安保法制や戦争反対を訴えていることが。だからこそ、妄想としか思えないような「日本共産党の広告塔」よばわりしているのだろう。ある意味、今回したためた“手紙”は、小川氏の心の鬱憤、そして保守界隈の口惜しさの産物といってもいいかもしれない。

 しかし、小川氏に忠告しておくが、いくら嫉妬に狂っても吉永のような知性と教養のある大女優が中身スカスカのネトウヨ思想を支持するわけはない。小川氏はやはり、津川雅彦のような暑苦しいジジイといっしよに、「あの戦争は正しかった」と叫んでいるほうがお似合いだろう。

(編集部)
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●「安倍談話の前に知りたい歴史問題」 『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号)について

2015年04月14日 00時00分42秒 | Weblog


週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、中山千夏さん【リブらんか(151) 本多勝一はやっぱ正しかったね】。

******************************************************************************
■①『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 「歴史歪曲主義者のナルシシズムを徹底批判/安倍談話の前に知りたい歴史問題」。【防衛研戦史専門家も呆れた『産経』「南京虐殺否定」記事】。【初公判直前 ろくでなし子が新作マンガ描きおろし】

■②『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 横田一さん【Mプロデューサーと恵村氏、古賀市降板に新事実 報ステ、古賀vs.古館論戦の裏側】、「古館氏が楽屋での発言内容を認めた場合、官邸の圧力がテレ朝の人事に影響を与えた実態が明らかになる可能性もあるのだ」。「これは圧力です」なんて答える訳がない! 「私は辞める」なんて考える訳がない!!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e4a6c9e4fbcc213dfe51a21ae46de315

■③『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 粟野仁雄さん【上西議員を党除名で乗り切る橋下市長 大阪都構想占う府・市議選】、「橋下市長は「都構想が否決されれば市長を辞める」と宣言している」。そりゃ楽しみだ、「オオカミが来たぞ~」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d9935b2b6742c0a4d3c9876943f71f4b

■④『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 能川元一氏【「捏造」だの「日本の名誉」だの声をあげるが 「慰安婦」報道めぐる「『朝日』集団訴訟」の勘違い】、「『朝日』に訴訟を起こす騒ぎに。だが、訴状の内容は「慰安婦」問題についての無知をさらしている・・・バッシングが目的か」。「産経のドン」故・鹿内信隆氏やナチ曽根氏も証言(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd17f09a886a3b53315797304b4c033e

■⑤『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 山口智美氏【誰が海外で「日本の名誉」を損なわせているのか 外務省も巻き込んだ「慰安婦」否定派の動き】、「・・・といった疑わしい口実で「慰安婦」問題の「正しい歴史認識」の発信を強めれば強めるほど、日本の国際社会における孤立はより顕著になるのではないか」。(青木理さん曰く)「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」状況(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e9afcbe0d6285ceb353040f880c9a5da

■⑥『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 中山千夏さん【リブらんか(151) 本多勝一はやっぱ正しかったね】、「テレビに反体制言論の自由はない、従ってテレビに御用ジャーナリストはありえても体制と戦うジャーナリストはいない、・・・・・・。だって経済人が権力握っている局で、スポンサーは大企業ないしは大広告会社、・・・・・・到底、反体制ではいられないわな。巷の紙誌も、カネ縛りでは同様で、だから反体制に立つジャーナリストが稀有なんでしょ? つまり購読料だけで本誌を始めた本多勝一は正しかった、うん」。カラスはやっぱり「黒いhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e83b8decf1b34b3980fc42275c9cf636

■⑦『週刊金曜日』(2015年4月10日、1035号) / 矢崎泰久さん【発言2015】、「幻冬舎の見城徹のような権力のポチに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。 *インチキペテンの化けの皮がとうに剥がれている安倍内閣をまだ支持している人はその同類に過ぎない。・・・・・・統一地方選挙にしても、棄権率が50%を越えることが予想されている。低投票率を望んでいる政府が世界のどこにあるのか。民主主義のルールを守らず、平然と憲法違反を繰り返して安倍政権に絶望していることの表れではないのか。「我が軍」と口走った瞬間にキミは終わった」。類は「ト」を呼ぶ、朱に交われば「ア」になるhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e67cea2a8c25ed29341d225f360fcefc
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●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める」と明言

2015年03月30日 00時00分53秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【『報道ステーション』で古賀茂明が「官邸の圧力で降板」の内情暴露! 古舘が大慌て】(http://lite-ra.com/2015/03/post-980.html)。

 「「・・・『日本人は違いますよ』ということを、しっかり言っていく必要がある」と発言したのだが、これに対して、官邸が激怒したのだという」。

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
       そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?


 これまた、アベ様の有言「不」実行。だって、アベ様は「報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞めると明言していたのに。「それ」と「これ」と違うとでも言うのかな? あるいは、自身がやったとこではなく、「アベ様の周りの忠実なシモベ」がやったこととでも言うのかな?
 でも、アベ様はもはやテレ朝の『報道ステーション』を見ながらほくそ笑んでいたのではないでしょうか。抗議の電話をする必要もなかったのではないか?、と思います。

   『●FUKUSIMA原発人災で苦しむ人々を癒せるよう、
                  テレ朝・古舘伊知郎氏に期待したい


 抗議などしなくても、テレ朝や『報ステ』さえもがもはや「カラスはやっぱり「黒い」」と言えなくなっている、あるいは、その一歩手前にいる、ということではないでしょうか。怖い世の中になってしまったものです。

   ●アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
   『●カラスはやっぱり「黒い」:  
      「アベ様のNHK」的「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?
   『●亡国の大政翼賛報道・・・いつか来た道: 
       アベ様は「現地を取材されて困ることでもあるのか」?
   『●綿井健陽さん「「様々なメディアが
        多種多様な報道を自由にできること」は社会の根幹」


 古賀氏も取り上げたガンジー。その日の午前、たまたま、ツイッター上で: 「@fuku00011 @merlyjiman 荻窪の図書館裏にひっそり立つマハトマ・ガンジー像と彼の残した「七つの大罪」の言葉の日本語と英語。杉並は平和活動が盛んだった土地柄だからかしら。七つの大罪を、今の政権のトップに立つ人々や、自分自身と、照らし合わせてみる」・・・・・・というのを知りました。
 この『七つの社会的罪』(Seven Social Sins)は以下の通り。

   『●『DAYS JAPAN』
       (2014,JUN,Vol.11,No.6)の最新号についてのつぶやき

      「広告【善きことは、かたつむりの速度で動く。】、「ガンジー・・・
       『七つの社会的罪』 Seven Social Sins
        1.理念なき政治 Politics without Principles
        2.労働なき富 Wealth without Work
        3.良心なき快楽 Pleasure without Conscience
        4.人格なき学識 Knowledge without Character
        5.道徳なき商業 Commerce without Morality
        6.人間性なき科学 Science without Humanity
        7.献身なき信仰 Worship without Sacrifice」」

 アベ様や「「積極的平和主義」を愛する公明党」の「理念なき政治 Politics without Principles」の暴走を止められないマスコミ、 「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」 というのに、自公議員に投票し、あるいは、眠り猫化してしまう人々・・・・・・。

   『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」: 
                       2014年12月衆院選に是非行こう!

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http://lite-ra.com/2015/03/post-980.html

『報道ステーション』で古賀茂明が「官邸の圧力で降板」の内情暴露! 古舘が大慌て
2015.03.28

 元経産官僚・古賀茂明氏が『報道ステーション』(テレビ朝日系)に最後の一刺しを放った。
 本サイトでは、1ヵ月以上前に、古賀氏が定期的に出演していた同番組から、3月いっぱいで降板させられることを報じていた。
 直接のきっかけは1月23日の放送だった。「イスラム国」による人質事件の最中でほとんどのメディアが政権批判を控えているなか、同番組に出演した古賀氏は安倍晋三首相の外交姿勢を敢然と批判。「I am not ABE”(私は安倍じゃない)というプラカードを掲げて、『日本人は違いますよ』ということを、しっかり言っていく必要がある」と発言したのだが、これに対して、官邸が激怒したのだという。

   「番組放映中に官邸からテレビ朝日に直接電話で抗議が入るなど、
    凄まじい圧力がかかった。それで、最近、安倍首相と急接近している
    テレビ朝日の早河(洋)会長が乗り出してきて、降板が決まったんです。
    ただ、もともと不定期出演だったこともあり、番組サイドはおおっぴらに
    せずにフェードアウトという感じにもっていこうとしていた」
    (テレビ朝日関係者)

 その古賀氏の最後の出演が昨日だったのだが、古賀氏は番組でその内情の一端を暴露したのだ。スタジオで古舘が古賀氏にイエメンの空爆についてコメントをもとめたところ、古賀氏がいきなり「そのお話をする前に」とこう切り出した。

   「私、今日が最後ということで。テレビ朝日の早河会長と、
    古舘プロジェクトの佐藤会長のご意向で今日が最後ということで。
    これまで本当に多くの方に激励していただいた。一方で菅官房長官を
    はじめとして官邸のみなさんからものすごいバッシング
    受けてきましたけれども、それを上回るみなさんの応援の
    おかげで楽しくやらせていただいたということで、心からお礼を
    申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。」

 これに古舘は大慌て。「古賀さん、ちょっと、ちょっと待ってください。今の話は私としては承服できません」と話をさえぎり、こう反論したのだ。

   「古賀さんは金曜日に時折出てくださって、私も勉強させていただいて
    いる中で、4月から番組の様相が変わっていく中でも、古賀さんに
    機会があれば、企画があうなら、出ていただきたいと相変わらず
    思っていますし、古賀さんがこれですべて何かテレビ側から
    おろされるということはちょっと古賀さん、それはちがうと思いますよ」

 しかし、古賀氏はひるまない。「いや、でも古舘さんおっしゃいましたよね、私がこういうふうになるということについて、『自分は何もできなかった。本当に申し訳ない』と」とさらに内情を暴露したのだ。
 これに対して、古舘が「この前、楽屋でお話しさせていただいたのは、古賀さんの思うような意向に添って流れができていないとしたら、大変申し訳ないというと。今でも私はそう思っている。でもさっきのはちょっと極端すぎる」と弁明にならない弁明をすると、古賀氏はなんと、「私は全部、録音させていただきましたんで、そこまで言われるならすべて出させていただきますけども」と断言したのだった。
 古舘は「そしたら、こちらも出させていただくことになっちゃいますよ」と言いつつ、「それはおいて」と話をイエメン問題に戻したが、終盤になって、再び話が蒸し返された。
 古賀氏は安倍政権と安倍首相の政策についての批判を5分以上滔々と述べ、最後に「これは古舘さんにお送りしたいんですけど」と前置きしてマハトマ・ガンジーの「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。 そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」という言葉を紹介。そのうえで、こう述べたのだ。

   「つまり圧力とか自粛に慣れていって、何もしない、ひとりで
    やったってしょうがない、ただ叩かれるだけだ、ということで
    やらないと、知らないうちに自分が変わってしまって、本当に
    大きな問題が起きているのに気がつかないということが
    あるんですよ。(中略)
     私が言いたかったのは、言いたいことはそのまま自然に
    言いましょうということ。もちろん、ちがう意見があれば、
    古舘さんだってどんどん言っていただいて、全くなんの問題もない。
    何か言ったことについて、裏で圧力をかけたり、官邸から電話を
    かけてなんだかんだ言ったりするのは、そういうことは止めて
    いただきたい。そういうふうに思うわけです」

 この二人のやりとりを見れば、本サイトが指摘したように、明らかに官邸からの圧力によって古賀氏が降板に追い込まれたのは間違いないだろう。実際、番組終了後、古賀氏は、ジャーナリスト・岩上安身氏の直撃にもっと詳細な証言をしている。以下はその概要だ。


   「今日の放送は官邸に抗議するというのが僕の目的だった。
    僕がなぜ『I am not Abe』を出したかと言うと、官邸が僕のことを
    個人的に攻撃しているんですよ。官房長官は名前は出さないけど
    明らかに私を攻撃してくる。「俺だったら放送法違反だと言って
    やったのに」と言ってるという話も聞いている。官房長官という政府の
    要人が、放送免許取り消しもあるよという脅しですよ。私は
    脅されているからと言って黙るということはできない。
    だから自分を無理矢理追いつめていました。  
     番組終わってから、報道局長がきてあんなのおかしい、
    裏切りだとガンガン言われて、こっちもやり返してやりましたよ。
    いま、マスコミには黙ってほしくないんですよと言ったら、
    世の中の人にはわからないと言うんです。僕は一石投じることを
    したかった。それ言ったら番組を私物化してると言われたけど。
     でも官邸、政府はお金も大量にあるし組織的にマスコミを
    抑えることをガンガンやってる。あいつはキチガイだと言う人も
    いると思います。みんながどんどん転向していっている
    官邸の偉い人とご飯を食べて、審議会にどうこう言われれば、
    みんな変わるそうです。官邸に攻撃されたら民主党のブレーン
    だって官邸の味方だからと言ってるらしいんですよ。
    僕も官僚だったからわかりますよ。でも、テレビキャスターで
    官邸側に転向しないのが僕以外にたった一人だけいる
    と言ってたらしいです。
     電通の人も言ってましたよ。官邸だけじゃなく自民党にはお金が
    余ってるからそれを取りに行くんだと、だから優秀な営業マンを
    付けるんだとね。みんな官邸になびいていくんですよ。これで
    当分僕の東京のキー局での出演はありえないですね」
    (『岩上安身チャンネル』)

 しかも、気になるのは、古賀氏の降板だけではない。古舘は古賀氏との口論の中で「4月から番組の様相が変わっていく中でも」という台詞をはいていたが、『報道ステーション』では、番組統括の女性チーフプロデューサーが、古賀氏と同時に4月から“粛清”されることが決まっている。
 これについても、古賀氏が昨夜の『報ステ』で「プロデューサーが今度、更迭されるというのも事実です」と暴露、古舘を慌てさせていたが、この女性プロデューサーは『ニュースステーション時代からディレクターを務めてきた人で、安倍政権やテレ朝上層部からの圧力に盾になって今の『報ステ』路線を守ってきた。その番組の柱ともいえる存在に突如、更迭が言い渡されたのだ。

   「昨年9月10日の川内原発再稼働をめぐる報道で、
    原子力規制委員会田中俊一委員長の会見での受け答えに
    関する報道が原子力規制委員会から「恣意的な編集だ」
    と抗議を受け、BPOの審議対象になった。そのことの責任を
    取らされた形です」(前出・テレ朝関係者)

 しかし、この報道は「恣意的」でもなんでもなく、途中のやり取りを省いただけ。明らかに官邸と連動した原子力規制委員会からのイチャモンにすぎなかった。だが、テレ朝側はその抗議を積極的に受け入れ、謝罪。自らBPOの審議入りを申し出たのだ。

   「上層部が官邸サイドから『あの女プロデューサーをなんとかしろ』
    と言われているという噂はずっとあった。そこに、都合よく
    この問題が起きたため、早河会長と、安倍首相に近く、
    テレビ朝日番組審議会委員長を務めている見城徹・幻冬舎社長が
    組んで、問題を大きくし、プロデューサーの更迭に持ち込んだ
    といわれています」(前出・テレ朝関係者)

 チーフプロデューサーの交代によって4月以降、番組の政権批判の方針がガラリと変わると言われていたが、昨日の番組のやり取りでそれが裏付けされたというわけだ。
 しかも、昨日の放映では、一時は降板覚悟で徹底抗戦をするといわれていた古舘もこのテレ朝上層部の意向に恭順の意を示していることもわかった。政権批判ができる唯一の番組も風前の灯火ということらしい。
 なお、この間、『報道ステーション』の裏側で起きていたこと、古賀氏や女性チーフプロデューサー更迭の真相などについては、本サイトの以下の記事を読み返してほしい。

●朝日新聞の次は『報道ステーション』がやられる!? 古舘降板、番組終了も
●官邸の圧力!?『報道ステーション』で安倍批判をした古賀茂明が番組を降ろされた!

田部祥太
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●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災

2012年08月19日 00時00分52秒 | Weblog


7月末に開催された浅野健一ゼミ企画のシンポについて(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/24723http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2012/20120525sinpo72829.html)。

 先月末、浅野健一ゼミ企画のシンポジウムで小出裕章さんが第2日目の最初にご講演。2時間半以上の長丁場です。企画側のポイントは、浅野健一さんということで、報道、メディアについてです。ということで、告知にあるように、初日の講師は西山太吉さんでした。つまり、メディアと沖縄福島ということです。

 印象に残ったのは、高速増殖炉 もんじゅについての狂気。「技術に平和利用軍事利用もないあるのは、平時利用戦時利用であるいったん、平和利用を標榜して技術を持ってしまえば、いつでも軍事的に使うことができる」。高速増殖炉を止めないのは、もはや発電・エネルギー資源などどうでもよく、高速増殖炉を取り巻く高速炉ブランケットに蓄積する純度98%の核分裂性プルトニウムが狙い。つまり、原爆の開発核開発である。ほとんど報道されないこと。NHK『スクープドキュメント “核”を求めた日本 ~被曝国の知られざる真実~』(→ 『●被爆国が核兵器を持つことが〝大国〟・〝一流国〟の証なのか?』)。平和利用を標榜しながら、プルトニウムの蓄積を目指す。さらに、「原子力基本法」の改悪(2012年6月20日成立)時の「我が国の安全保障に資することを目的」という言葉のコッソリ挿入、それを問題視しない多くのマスコミ (→ 『●原発再稼働ごり押しの陰で、消費税増税のドサクサに紛れて姑息な「憲法」改正』、『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である』)。

 明石昇二郎さんも浅野ゼミにゆかりのある人というのは初めて知った。
 『DAYS JAPAN』(2012年4月増刊号)の浅野ゼミによる記事「検証原発事故報道」。

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http://iwj.co.jp/wj/open/archives/24723

2012/07/29 浅野健一ゼミ企画 2日連続シンポジウム 「福島原発事故後を生きる~どう向き合うか」

 2012年7月29日(日)、京都府京都市同志社大学寒梅館で、浅野健一ゼミ企画2日連続シンポジウム 「福島原発事故後を生きる~どう向き合うか」が行われた。

■テーマ福島原発事故後を生きる~どう向き合うか
■講師 小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)、
     海老澤徹氏(元・京都大学原子炉実験所助教)
     亘佐和子記者(毎日放送ラジオ局)
■詳細 http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2012/20120525sinpo72829.html

※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。
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http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2012/20120525sinpo72829.html

Asano Seminar:Doshisha University

                浅野健一ゼミ企画
               2日連続シンポジウム
            「国策とメディア―沖縄と福島から」


 「経済のため」「利便性のため」「安全のため」…私たちは様々な“神話”で耳を塞ぎ、犠牲を押し付け、問題の本質に迫ることがなかったのではないか。未曾有の東電福島原発「事件」を機に見えてきた「嘘」と「犠牲」の構図は“核の抑止力”を理由に未だ解決されない沖縄米軍基地問題と同じではないだろうか。
 このシンポジウムでは問題の本質を鋭く指摘してきたお二人からじっくりお話を聞き、そして“神話”作りに加担してきた「国策・企業メディア」の犯罪性を考える。「これまで」を振り返ることは勿論、「これから」をどう動き、変えていくかに繋がるシンポジウムにしたい。

* * *

☆第1日目 「戦後日本のなかの沖縄―日米安保・密約とメディア―

   日時:2012年7月28日(土) 13時~17時
   場所:同志社大学寒梅館ハーディホール(地下鉄今出川駅徒歩3分)
   講師:西山太吉氏(ジャーナリスト、元毎日新聞記者)
   ※事前申込み優先制


☆第2日目 「福島原発事故後を生きる~どう向き合うか

   日時:2012年7月29日(日)13時~17時
   場所:同志社大学寒梅館ハーディホール(今出川駅徒歩3分)
   講師:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)、
       海老澤徹氏(元・京都大学原子炉実験所助教)
       亘佐和子記者(毎日放送ラジオ局)
   ※事前申込み優先

・・・・・・
・・・・・・(社会学部共用、浅野研究室宛と明記を)
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同志社大学・寒梅館ハーディホール
 住所:〒602-8580京都府京都市上京区御所八幡町103
    京都市上京区今出川通り烏丸北上ル
http://www.doshisha.ac.jp/information/facility/kanbai/index.html

主催 (28日)同志社大学社会学部メディア学科・社会学会
(29日)浅野健一ゼミ(浅野研究室、新町キャンパス渓水館401、TEL075-251-3457)
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出演者略歴

小出裕章(こいで・ひろあき)氏
 1949年東京生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒、同大学院修了。1974年より京都大学原子炉実験所助手(現:助教)を務める。原子力を学ぶ中でその危険性を知り、1970年女川原発反対集会への参加以後、原子力研究の立場から原子力に反対し続けてきた。震災以降も全国で精力的に講演を行い、またMBSラジオ「たね蒔きジャーナル」では3月23日から日々、情報を発信している。
 主な著書に『原発のウソ』(扶桑社新書 2011年) 、『隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ』(創史社 2011年1月)、『騙されたあなたにも責任がある 脱原発の真実』(幻冬舎 2012年)


西山太吉(にしやま・たきち)氏
 1931年山口県生まれ。慶應大学大学院卒業後、1956年毎日新聞社入社。政治部記者として、外務省記者クラブキャップ等を務める。1972年沖縄返還に伴う日米間の密約に関する機密書類を違法に入手したとして、外務省事務官とともに国家公務員法違反で起訴。1974年一審は無罪判決を下したが、1976年二審で有罪、最高裁に上告するものの1978年上告棄却となり有罪(執行猶予)判決が確定。2005年国家賠償法に基づく賠償請求訴訟を起こすも、2007年東京地裁は「除斥期間」を理由に請求を棄却(2008年最高裁は上告を棄却)。2009年澤地久枝さんらとともに密約に関する情報公開の「不開示」決定の取り消しを求めて提訴。2010年一審は原告の訴えを認めたが、2011年二審は密約の存在を認定しながら「文書は存在しない」として原告敗訴の判決。原告側は判決を不服として現在最高裁に上告中。
 主な著書に『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』(岩波書店、2007年)、『機密を開示せよ―裁かれる沖縄密約』(岩波書店、2010年)がある。

掲載日:2012年5月25日
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●『プチ修業』読了

2009年03月31日 07時50分36秒 | Weblog

『プチ修業』、1月に読了。小栗左多里画文。幻冬舎文庫。20078月刊。

 
瞑想、写経、座禅、滝、断食、お遍路、内観・・・「煩悩だらけのヘタレな私」のプチ修業。

 
K (ないしはT) 文庫にて。
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