さすがに18日となっては、年賀のめでたさも消えてはいたが、
福沢諭吉先生の立派なお姿を横目で見つつ、
今日は東博の常設に遅めの初詣。
すばらしいものを見ると、元気が湧いてくる!
目に付いたものを列挙。
*国宝室 鳥獣人物戯画巻 丁巻
有名な兎と猿はいなく、
ザクザクタッチもとても早く荒く
宮中行事の人物が描かれる。
最後にうっすら蝦蟇が見えた。
*十一面観音菩薩坐像 千葉小松寺蔵
小作りの端麗な御像。
光背の模様も美しい。
*十二天像 日天・毘沙門天 滋賀聖衆来迎寺蔵
この前に国宝となっている
9世紀の「十二天像 風天」
が展示されているが、なんとも色彩が薄れて
鳥獣に座る姿を判別しにくい。
それよりも、こちらの額縁入りのしっかりした絵が
力もあって、見ごたえがあった。
*清水寺縁起絵巻 巻下
三条西実隆らが詞書、土佐光信が絵を描いた。
清水寺の秘仏千手観音が
松の木の枝に乗っているのが見えた。
*羅浮仙図 岩佐又兵衛
又兵衛のぎらぎらは失せていて、
実にしっとりと描かれているが、
やはり、独特の立ち姿。
何かがあると感じさせる妖気がある。
*十友双雀図 渡辺崋山
美しい花々が描かれているのだが、
うなってしまうほど、うまい。
色使いも妖艶だ。
*雪中棕櫚図 秦意冲
若冲のお弟子さんだろうか。
若冲らしい空気に溢れている。
*松梅群鶏図屏風 伊藤若冲
今回は、これが一番だった。
やっぱり、若冲はすごいと思った。
墨絵の中にチラッと色をつけるところが
実にうまいのだ。
さすがに色の使い方が効いている。
つんとした鶏たちの間に、ひよこもちらり、
尾を立てたのやら、上目使いのやら、
点描画の石灯籠も一基悠然と立っている。
好きなものを描いているワクワク度が伝わってくる。
*臥牛図 円山応挙
応挙の墨絵の小品だが、とってもいい感じだった。
線に偽りがなく、
実際の牛がそこに座っているようだった。
*洛中洛外図巻 住吉具慶
なんとも丁寧で細部にわたっても
力を抜いていない、微細な表現に驚いた。
鄙びた田園風景に飛ぶ鳥の様子。
畑に咲く小さな野草の花びら。
眼が疲れるくらい。凄業!
*婦人手業拾二工 洗張り・針仕事・押絵師
歌麿の女性の仕事シリーズ。
女性の襟足の後れ毛など、彫師泣かせの描きよう。
単独で「針仕事」という題の作もあったが、
女性の表情を描かせたら、
浮世絵師、歌麿にはかなわない。
*信楽不二文茶碗 空中齋光甫
光甫の作は、いつも驚くことばかりだが、
この作品にも驚かされた。
茶碗なのか、ただの入れ物なのか、
抹茶茶碗として使われたのか、
小ぶりすぎて、茶筅が入りにくそうだし、
では、煎茶茶碗にしたのだろうか。
造形も呆れるほど、他から外れている。
不思議な人だ。光甫。
*忍蒔絵硯箱、
左義長蒔絵硯箱 伝本阿弥光悦
この2作は、いかにも光悦の気配がある。
ただ華美ではなく、重厚さもあり、
意匠の大胆さもある。
蒔絵の使い方もかっこいい。
ただ豪奢な蒔絵とは一線を画すのだ。
*新春特別展示「豊かな実りを祈る」
ここに、年賀の画像に使わせてもらった、
駿牛図巻断簡の牛が登場した。
本物はやっぱりいいものだった。
軸装の片輪の図柄もすてきで良く牛と似合っていた。
牛二頭の刀の鍔もいいデザインだった。
他にも色々見ごたえがあったが、
近代絵画のコーナーで、なんと大学時代の
先輩と遭遇してしまった。
ン十年ぶりで、驚いたが、
しばし近況などお茶して語りあった。
なんだか今年は、ン十年ぶりがキーワードなのだろうか?
・・・でも、楽しい一時だった。
I先輩、ケーキ紅茶、ありがとうでした♪
福沢諭吉先生の立派なお姿を横目で見つつ、
今日は東博の常設に遅めの初詣。
すばらしいものを見ると、元気が湧いてくる!
目に付いたものを列挙。
*国宝室 鳥獣人物戯画巻 丁巻
有名な兎と猿はいなく、
ザクザクタッチもとても早く荒く
宮中行事の人物が描かれる。
最後にうっすら蝦蟇が見えた。
*十一面観音菩薩坐像 千葉小松寺蔵
小作りの端麗な御像。
光背の模様も美しい。
*十二天像 日天・毘沙門天 滋賀聖衆来迎寺蔵
この前に国宝となっている
9世紀の「十二天像 風天」
が展示されているが、なんとも色彩が薄れて
鳥獣に座る姿を判別しにくい。
それよりも、こちらの額縁入りのしっかりした絵が
力もあって、見ごたえがあった。
*清水寺縁起絵巻 巻下
三条西実隆らが詞書、土佐光信が絵を描いた。
清水寺の秘仏千手観音が
松の木の枝に乗っているのが見えた。
*羅浮仙図 岩佐又兵衛
又兵衛のぎらぎらは失せていて、
実にしっとりと描かれているが、
やはり、独特の立ち姿。
何かがあると感じさせる妖気がある。
*十友双雀図 渡辺崋山
美しい花々が描かれているのだが、
うなってしまうほど、うまい。
色使いも妖艶だ。
*雪中棕櫚図 秦意冲
若冲のお弟子さんだろうか。
若冲らしい空気に溢れている。
*松梅群鶏図屏風 伊藤若冲
今回は、これが一番だった。
やっぱり、若冲はすごいと思った。
墨絵の中にチラッと色をつけるところが
実にうまいのだ。
さすがに色の使い方が効いている。
つんとした鶏たちの間に、ひよこもちらり、
尾を立てたのやら、上目使いのやら、
点描画の石灯籠も一基悠然と立っている。
好きなものを描いているワクワク度が伝わってくる。
*臥牛図 円山応挙
応挙の墨絵の小品だが、とってもいい感じだった。
線に偽りがなく、
実際の牛がそこに座っているようだった。
*洛中洛外図巻 住吉具慶
なんとも丁寧で細部にわたっても
力を抜いていない、微細な表現に驚いた。
鄙びた田園風景に飛ぶ鳥の様子。
畑に咲く小さな野草の花びら。
眼が疲れるくらい。凄業!
*婦人手業拾二工 洗張り・針仕事・押絵師
歌麿の女性の仕事シリーズ。
女性の襟足の後れ毛など、彫師泣かせの描きよう。
単独で「針仕事」という題の作もあったが、
女性の表情を描かせたら、
浮世絵師、歌麿にはかなわない。
*信楽不二文茶碗 空中齋光甫
光甫の作は、いつも驚くことばかりだが、
この作品にも驚かされた。
茶碗なのか、ただの入れ物なのか、
抹茶茶碗として使われたのか、
小ぶりすぎて、茶筅が入りにくそうだし、
では、煎茶茶碗にしたのだろうか。
造形も呆れるほど、他から外れている。
不思議な人だ。光甫。
*忍蒔絵硯箱、
左義長蒔絵硯箱 伝本阿弥光悦
この2作は、いかにも光悦の気配がある。
ただ華美ではなく、重厚さもあり、
意匠の大胆さもある。
蒔絵の使い方もかっこいい。
ただ豪奢な蒔絵とは一線を画すのだ。
*新春特別展示「豊かな実りを祈る」
ここに、年賀の画像に使わせてもらった、
駿牛図巻断簡の牛が登場した。
本物はやっぱりいいものだった。
軸装の片輪の図柄もすてきで良く牛と似合っていた。
牛二頭の刀の鍔もいいデザインだった。
他にも色々見ごたえがあったが、
近代絵画のコーナーで、なんと大学時代の
先輩と遭遇してしまった。
ン十年ぶりで、驚いたが、
しばし近況などお茶して語りあった。
なんだか今年は、ン十年ぶりがキーワードなのだろうか?
・・・でも、楽しい一時だった。
I先輩、ケーキ紅茶、ありがとうでした♪
じっくりと楽しまれた様子が伝わってきて、私もしばし東博へバーチャルツアーできました!
あっという間に大寒です。
今週もあれやこれやがあって、落ち着きませんが、まぁ、美術は慌てて見ても心に落ちませんからゆっくり時間を待ちます。
諭吉先生も見応えありそうですし、
妙心寺も京都から来るのですから、
楽しみです♪
その仏像ですが、戒壇院の広目天さんがいるではありませんか。いつものように恐い顔をしてあたりをにらんでいます。おやまあ、久しぶり、でも何でこんなところでいるのと不思議に思いながら近づいていったら、レプリカでした。それでも見事なものです。
わたしは、最近この四天王に踏んづけられている邪鬼を見て回るのが楽しくてなりません。前回奈良に行ったときもテーマは邪鬼でした。西大寺、当麻寺あたりが印象に残りました。
会津八一がこの邪鬼について歌を残しています。
まがつみは いまのうつつに ありこせど
ふみしほとけの ゆくへしらずも
「まがつみ」は邪鬼のことです。邪鬼を踏んづけて威張っていた仏さんはどこかに行ってしまったけれど、邪鬼はちゃーんとここに残っていますよ。
というような歌です。
これからもいろいろな邪鬼をさがし、見て回りたいと思います。
先日は、本当に驚きの再会でした!
博物館を堪能される前に鑑賞を中断させてしまって、申し訳ありませんでした。
早速のコメントありがとうございます。
当時の私からは想像もつかない環境にいるのですが、美術探検の日々を重ねています。
なにしろ主婦の日常にはエキサイトが
欠けていますから。
踏まれ邪鬼 我が身にありて楽しまん
あべまつ
邪鬼探検ツアーされているとは、面白いこと!
あの模造の広目天を作ったのは
竹内久一で、伎芸天の色鮮やかな彫像を見たことがあります。優れた作家はそういった戒壇院の強面さえもきっちり写し取るのですね。
何か、表慶館だけでは足りずに、本館の特別二室ですか、も使っていますね。
僕が行ったときは国宝一点だけ飾ってありましたが、展示替えあるようですね。
僕は東博の常設ではなぜか近代絵画のコーナーが好きです。
他の美術館では絶対展示できない大作があの広いスペースで展示されているのが魅力ですね。
まだ学問のすすめ先生には、訪問せずにいます。慶応の所蔵品もかなりあって、見応えありそうですね。まさか諭吉先生繋がりで仁清のお茶碗を拝めるとは思いませんでした。
ゆっくり時間をかけて行ってくるつもりです。
東博の近代絵画コーナーは、本当に広々していて、天井も高く深い空間で、私も好きな場所です。