あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

中国陶磁名品展 ・松岡美術館

2008-02-03 22:56:56 | 美術展
ひっそりと白金にたたずむ、松岡美術館。
渋谷で言うところの松涛美術館風の建物。
これが荏原社長のコレクション。

名品が集まるということは、集めてくる骨董屋、
オークションをかける画商等の存在が気になるけれど、
幅広く、相当の名品集めに奔走したことがわかるコレクションだった。

ともかく画像を載せてみました。
クリックして飛んでみてください。

こちら
記事の内容は、これから書きます。
加筆中ということでご了承ください。

2月6日、やっと続きを書き始めます。

松岡美術館は、白金の閑静な住宅街にひっそり佇み、
超セレブな私邸の香がする。
そもそも鑑賞客の入りを気にするような事と縁がなさそう。
それが私の気持ちに軽やかな風が吹く。

1階は、ヘンリームーアや、アジアから来た仏像が並び、
世界の文化が集合している。
2階に上がると、中国陶磁の逸品が顔を揃えてお出迎え。
官窯だった景徳鎮窯の優れものが整然と並び、
あくまでも品がよい。極上という言葉がぴったり。
所々に磁窯の黒い民芸風のものや、
定窯の白磁劃花蓮文鉢がうっとりさせてくれる。
景徳鎮窯のすばらしさに脱帽しつつ、
次の展示室に入る。
「室町水墨画と南画」(前期1月5日~2月24日)
岡田半江、浦上春琴、岡本秋暉、他、知らない画家が数人。
岡本秋暉はプライスコレクションで知った人だ。
渡辺崋山に学んだ、さわやかな花鳥画を描く人、なのだそうだ。
実際、さわやかな淡々とした綺麗な画面だった。

床の間には、年初らしいおめでたいしつらい。
その向こうに、女流画家の野口小蘋。
南蘋を尊敬した彼女は一所懸命、南画を習ったのだそうだ。
真面目画面から人柄が滲んでいる。
沈南蘋の影響力はいかばかりだったのだろう。
後に、室町の山水図がかかる。
伝、周文だったり、元信だったり。
そこに低いケースがあり、その中に矢立のすばらしいコレクションが
並べられ、本当にすばらしくて、今まで見てきたものが吹っ飛んでしまった。

根付や印籠、櫛や笄、そういう手のひらサイズのものに
小粋な見立てものが作っている人の手の動きまでも凝縮して、
こんなもの持っている人いないでしょう~という
羨望まで集めて、作ってしまう工芸師達。
本当に目が点になって、動けなくなってしまった。
後で聞くと、デジカメOKだということなので、
人の少ない時を見計らって、
激写してきたわけです。

思えば、そんなバカバカしいまでのこだわりに
呆れるくらいのことをなぜこんなに根詰めてこさえたのか。
こさえものの、心意気。
これが私の心をわしづかみなのだった。
心意気だけじゃこんな精緻なものは作れないことは
わかりきったことだけれど、
ものつくりの真骨頂を見た気がしたのだった。
それも、飾るものではなく、普段使うものに。
工芸の美。
用の美。

まさか、こんなところでこんな秀逸コレクションとめぐり合えるとは思っていなかったので、すっかり興奮してしまった。

他、昭和の洋画コーナーもあったけれど、
私の眼はすでに止まってしまい、
また、矢立を見に舞い戻ってしまった。

そんな松岡美術館のコレクション、
巾が広いコレクションに驚き、気分良く次の庭園美術館に移動した。

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