あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

白金方面に遊山

2008-02-02 22:24:49 | アート鑑賞記録
まず最初に立ち寄ったのは
松岡美術館。
「中国陶磁名品展」
当然中国の名品陶磁器がお目見えなのだが、
室町水墨画と、南画の展示室では、岡本秋暉の孔雀が現れて、どっきり。
女流画家の野口小蘋という人の南画。南蘋を師事したというから、
女性でありながらも巧みな筆で、うなってしまった。
それと、「矢立」の名品群。
まったく、日本の極小技はたまらない。
見立てと矢立が混在し、技術の陶酔も見え隠れし、卒倒しそうだった。
こっそり、デジカメOKということも伺い、人のいない時を見計らって
激写してきましたから、後日画像アップに勤しみます。

その後、ご近所の旧朝香邸、
庭園美術館へ。
「建築の記憶」
大体、この朝香邸が夢空間だから、神経が麻痺してしまう。
何でも素敵に見えてしまう。
魔法のかかった、アールデコの建物の中で見る
建築の写真群はそれだけでアートになっている。
目くるめく体験で、バクバクドキドキした。
図録は予約制で自宅に届くという。
頭さましてから、予約しようと思って、離れたが、
やっぱり、買いたくなってきた。
明治以来の建築家のオンパレードで、
建築も当然美術界と同じうするもの。
写真がまたものすごくいいのだ。木村伊兵衛の名前も見えた。
やっぱり、図録、注文しよう。3000円で、送料込みだった。

次は、
白金の反対方面、高輪エリアにある
畠山美術館。
「花によせる日本の心」
実はここは初めての訪問。
足を踏み入れて、何故今まで来なかったかと懺悔(後悔では済まされない!)
このご時世になんと鄙びた隠れ里。
しかしいったん中に入ると、茶人好みの佇まい、
ちょろちょろと水の流れる音。
小さな茶室。
展示室に乾山の名器が並ぶ。これだけで、嬉しい。
畳敷きのケースの前では、太田記念式にスリッパを脱いで
近くで鑑賞できる。
平櫛田中が作成した畠山一清翁が、一階の奥に鎮座していた。
五島美術館と並ぶ茶人美術館。

この勢いで、
六本木一丁目の泉屋と、大倉を踏破したかったが、
ともかく私は鑑賞に時間がかかる。
入館時間切れとあいなり、あえなく終了となり、
頃合もよろしく、帰途の電車の中に吸い込まれたのだった。

後日、記事になるか、画像になるかわからないけれど、
ネタは山のように仕込めた・・・気がする。

都内は極寒ではあったが、心温まるシアワセな徘徊だった。

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12 コメント

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畠山美術館♪ (チト)
2008-02-02 22:50:27
またよい場所を教えていただきました。
是非行かねば!

あべさまの記事を拝見する度
あれもこれも見てみたくなり
欲望を抑えるのが大変です~^^
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チト さま (あべまつ)
2008-02-02 23:15:45
こんばんは。
私も鑑賞の欲望を抑えるのに大変ですが、
行かれる範囲をはみ出さないようにしつつ、
美味しい所を抑えたく、我が儘に出かけます。
名品を見れば、つまらぬものが欲しくなくなり、
エコにも繋がる、そういう大義名分もあります(?)
たくさんいいもの見つめましょう~~♪
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Unknown (nageire)
2008-02-03 11:52:38
畠山美術館
好きな美術館です。
建物も茶室もまるで、都会とは
思えないそんな空気感がありますよね。
返信する
Unknown (はな)
2008-02-03 20:18:42
こんにちは!
私も先日あのあたりを散策したのを思い出しました♪
松岡の写真OK、ちょっとどきどきしながら私も激写してきましたよ!
庭園美もまた素敵そうなのがやってるんですね。
この間、朝香邸写真OKの公開日に堪能してきたから当分いいかな~と思ったのですが、あべまつさんの陶酔ぶりからして、今の展覧会も行ったほうがいいのかも…なんて悩みがまた増えました。
畠山もいいですよね!ちょっと場所がわかりづらくなかったですか?あそこも茶の湯への誘惑が強いエリアです。
いろいろやりたいことがたくさんありすぎます…
返信する
nageire さま (あべまつ)
2008-02-03 21:25:33
こんばんは。
nageireさんは、お茶人の香りがします。
ハンドルネームからして、です。
芸術新潮で、館長さんのお話が興味深かったのを思い出します。アバンギャルドなしつらいもチャレンジしつつ、ダイアナ妃が訪問された時に敬意を表して薔薇を飾ったのにもかかわらず、スルーしたことに文化の違いを結構乱暴に(笑)語っていました。
琳派が好きな方なら、ここは、いちおしですね★

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はな さま (あべまつ)
2008-02-03 21:31:18
こんばんは。
はなさんもお出かけだったのですね!
今回は3カ所とも私の壺に入りまして、
ついつい騒いだ記事になってしまいました。
これからご覧になる方に余計な感想にならなきゃいいと案じます。
畠山までの不思議なお散歩、気に入りました。
確かにわかりづらかったですけど、迷子になっても許せる!って感じでした。
今日はよく雪が降りましたこと
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Unknown (はろるど)
2008-02-04 00:09:38
こんばんは。畠山はなかなか趣き深い美術館ですね。
都会の真ん中にこんな静かな場所があるのかと感心してしまいます。(白金からのルートは迷路のようですね…。)
鬱蒼とした木立もまた魅力的です。

今回は抱一の十二ヶ月花鳥図も出ているそうですね。如何でしたでしょう。私も見逃さないように行きたいです。
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シロガネーゼ (oki)
2008-02-04 10:54:29
おはようございます。
庭園美術館の図録は予約制ですか、こういう情報はありがたいです、僕の場合図録買うのも楽しみの一つですから。
畠山記念館は一度だけいったことがあります。
流石は白金台!
素敵なお庭の大きな家ばかり!
畠山記念館にも立派なお庭が前はあったんでしょうね。
さてさてサントリー行っている時間があるかどうかが問題の本日。
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はろるど さま (あべまつ)
2008-02-04 21:39:53
こんばんは。
そういえば、はろるどさんは抱一のファンでしたね。
畠山の抱一の椿の1月、綺麗でしたよ~
個人的には、プライスコレクションより、畠山コレクションの方が好きかも?です。
琳派好きなら、ここは隠れスポットですね★
今まで行かなかったことを恥じております。
高輪から行った方が迷わないような地図でした。
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oki さま (あべまつ)
2008-02-04 21:45:26
庭園美術館の図録は、どこか不手際があったのか、
予約制でした。写真だけでも見ていて素敵でしたから、魅力ある本だと思いました。
白金台でも、昭和の残り香の木造があったりして、
お散歩が楽しいエリアでした。
次回は、高輪方面から歩いてみるつもりです。
サントリーお楽しみ下さい。
ロートレックの絵が赤線時代のようなパリの街へ連れて行ってくれます。
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