あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

花によせる日本の心ー梅・桜・椿を中心に ・畠山記念館 

2008-02-06 12:45:45 | 日本美術
白金はさぞセレブな住宅街と思いきや、
意外と昭和の残像もあったり、
お地蔵さんのお社もあったり、
細い路地奥に幼稚園があったり、
道すがらを楽しんだ。

畠山記念館は、突然現れ、白壁の塀が威厳を語っていた。
さっそく日本庭園の路地を歩き進んで、
点在する茶室をキョロキョロみて、
入り口に進む。
まさに茶人の香。

世田谷の五島美術館のようでもある。
サントリー美術館の会員証で、100円割引のサービスを受け、
400円で入館。これは嬉しい。
階段を上がって驚いた。
ちょろちょろ水の流れる音、
畳敷きの鑑賞コーナー、その奥に小さな茶室。
展示コーナーには、乾山らしきものが見え、
壁面には抱一の軸がぱっと目に飛び込む。
これは、プライスコレクションにもある、
12ヶ月花鳥図の別バージョンの1月で、
「椿・梅に鶯図」が展示されている。
椿の赤の美しいこと。
2月9日からはこれが「桜に瑠璃鳥図」に変わるらしい。
家に帰って、畠山版とプライス版を図録を引っ張り出して眺めてみた。
私には、畠山コレクションの方がお気に入りだ。

ほか、光悦の赤楽茶碗「銘 李白」や、
井戸茶碗、小堀遠州の茶杓、乾山の四方向付、色絵絵替り土器皿、
光悦書、宗達下絵の小謡本、
久隅守景の「雪中竹林図」
「大黒天図」を描いた仁清、
探幽の茶杓、
等などきりがないほどの名品に出会えた。

琳派という本が出版されていて、これがとてもよくできているし、
全てが、この畠山コレクションというから、驚いた。
光悦・宗達の名品、乾山の逸品に逢いたければ
ここを逃す方はないということを
いまさらながらに気が付いて、
ご縁というものに感謝したのだった。

以前の私には、きっと心も動かなかった時期があったのだと思うし。
さぁ、今よ、と呼んでくれたに違いないと思った。

畠山記念館のサイトはこちら

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8 コメント

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畠山は・・・ (菊花)
2008-02-06 22:16:09
最初に行ったときは
地図を持っていたにもかかわらず、
フィーリングで歩いて迷子になりました・・・。
2度目に行ったときも地図を持っていたのに
記念館のすぐ近くで角を曲がりまちがえて
ちょっとだけ無駄歩きをして・・・。
私、地図を読める女なんですけど、
畠山は迷い癖がついてしまったようで
すんなり行けた(帰れた)ためしがありません。
でも、好きです、畠山。
畠山の隣の空き地にマンションが建たないといいな
と、思っています。
返信する
菊花 さま (あべまつ)
2008-02-06 23:04:39
こんばんは。
>畠山の隣の空き地にマンションが建たないといいな

まさにその通りで、
何とはなしに、庭が変に枯れて見えたのです。
魂が抜けたようで、その先に見える空き地の使い方、ちょっと危惧されますね。
以前はぐるっと一苑いい緑があったのではないでしょうか。
春のいい頃合いに、花見遊山を兼ねていく、これが目下の願いです。
返信する
琳派 (nageire)
2008-02-09 11:33:15
実は琳派は大好きな分野です。
自分はヘタの横好きで、色々としますが
琳派の美は、影に用の美を含んでいる
ように感じられ、しかもそれは
茶の美まで通じていくような感じがします。
返信する
nageire さま (あべまつ)
2008-02-09 21:23:46
こんばんは。
>実は琳派は大好きな分野です。
多分、お好きな方だと思っていました。
日本の美は仏教などの宗教美術を別にして、
究極の工芸美、用の美、なのだと思っています。
使う人の道具への愛情と、
作った人の慈しみが溢れています。
琳派は両性具有のようで、その陶酔は密かに愛でるものだと最近思うようになりました。

>自分はヘタの横好きで、色々としますが
なんと、素晴らしいこと、
最高の贅沢だと思います。

返信する
Unknown (遊行七恵)
2008-02-19 23:24:10
こんばんは
行って来ました。わたしは後期組。
ここの所蔵品は好きなものが多いので、本当なら変わり目ごとに行きたいのですが、なかなか。
乾山の可愛いのにも再会しニコニコでしたが、釜や汁次にドキドキしたりしてました。

九割がた迷子になる私ですが、不思議なことにここはこれまで間違わずにたどりつけてます。
般若苑がなくなってるのでびっくりしたのは去年のことでしたが、まだまだ冬枯れのようで、なんとなく淋しいお庭でした。
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遊行 さま (あべまつ)
2008-02-21 22:24:33
こんばんは。
般若苑は、どんな風情だったのか、知らず仕舞いで残念です。ゆったりしたお庭が広々続いていたような感じがしました。
今度は、都営線から入ってみようと思います。

次回はきっと春爛漫のころかなぁと今から楽しみです。
返信する
私も (チト)
2008-02-25 21:53:54
行ってまいりました、畠山記念館

なんだか俗世を超えて別世界へ誘われるような
不思議な感覚がありました。
なんとなく私にとっては桃源郷(?)みたいなかんじも
すごく惹かれる場所でした。
また機会をみつけて訪れてみたいです。
返信する
チト さま (あべまつ)
2008-02-25 22:13:12
こんばんは。
今日、当代楽氏が作った茶室の記事を書いたのですが、その真反対に畠美術館がありますね。
来る人を拒まず。
ゆったりしていました。
一度鑑賞しながら、お茶を頂くのも一興ですね。

来る人を拒まず、の容量の深さに憧れます。
私も大好きな場所となりました。
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