あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

染付 藍が彩るアジアの器 ・東京国立博物館

2009-07-14 21:24:04 | 美術展
東博染付展のサイトから

染付(そめつけ)とは白磁の素地にコバルトを含んだ顔料(がんりょう)を用いて
筆で文様を描く技法をいいます。
透明釉(とうめいゆう)を掛けて焼成すると、
文様は鮮やかな藍色に発色します。
中国では青花(せいか)、
欧米ではブルー・アンド・ホワイト、
日本ではきものの藍染(あいぞめ)
を思わせることから染付とよばれました。

中国では、染付すなわち青花の技術と様式が完成されたのは
元時代後期のことです。
明時代には宮中の御用品を焼く官窯(かんよう)でも採用され、
以後磁器の絵付け技法の主流となります。
また、染付はベトナムや朝鮮に伝わり、
それぞれに個性豊かなやきものが作られました。
日本では江戸時代初期に朝鮮半島から渡来した陶工によって技術が伝えられ、
九州肥前有田(ひぜんありた)において染付の生産が始まり、
やがて繊細なダミ染めの技法を駆使した優美な様式が完成されます。


上記の解説を読むと、漫然と染付やきものを見てきた
脳ミソにすっと理解が深まる。
しばらく東洋館は休館なので、
やきものの逸品とは
なかなか会えないなぁと思っていたところの
平成館半分を使っての嬉しい特別企画展。
大好きな憧れのスターに会える気分。

まず、リストを見て驚く。
堂々の181点+11点(染付以外のもの)
大半が東博の所蔵品だが、寄贈者の名前に注目。
横河民輔氏、広田松繁氏、骨董界の大御所、茶人。
大皿では60点あまりを平野耕輔氏が寄贈。
どんな方か知らないが、大皿に目がなかったのだろうか。
大阪東洋陶磁や、根津、戸栗、松岡、五島
出光、泉屋、サントリー等々から
名器が大集合。

これだけでも垂涎物です。

今回のチラシ、チケット、東博ニュースの
主演を大阪東洋陶磁からの
青花蓮池魚藻文壺
が務める。
ご立派。
堂々と清々しい。

中に入って、展示されているケースにおや、と思った。
以前、東博で使われていた、
黒縁の重厚な木製のガラスケースではないかと。
係の方に尋ねたら、やっぱりそうだった。
こういう事、高く評価したい。

1 元時代の染付
2 明時代前期の染付
3 雲堂手ー民窯の染付
4 明時代後期の染付
5 ベトナムの染付
6 朝鮮の染付
7 明末清初の染付
8 伊万里と鍋島の染付
9 清時代の染付
10京焼と地方窯の染付
11伊万里染付大皿 ー平野耕輔コレクションー
12染付の美を活かす

こんなに細分化されて、
私の頭は混乱するけれど、
ただただお気に入り物にワクワクドキドキ。

お茶室コーナーとか、
お手軽お茶会しつらい、
骨董お膳立て
などもあって、楽しめた。

お気に入りは作品番号で紹介
  4 青花明妃出塞図壺 出光
 16 青花蜀葵文碗 大阪東洋陶磁
 49 青花秋草文筆筒 東博 小倉コレクション
 67 古染付砂金袋花入 東博 横河民輔氏寄贈
 73 古染付有平文蓋置 東博 広田松繁氏寄贈
 85 古染付寄向付 東博 横河民輔氏寄贈
105 染付蜘蛛巣文八角皿 九州陶磁文化館
118 染付子犬形香炉 東博

その他から、
 ・刷毛目三足茶碗 銘井筒 東博 広田松繁氏寄贈
 
他にも、茶室の茶器も見所。

やっぱり、やきもの好きがいよいよ明白。
普段の生活に近いところで
もしかしたら使えるかもしれない生活雑器。
そこに近付くための師匠達。

旧友と二人、あれにはマグロのお刺身、
それには焼き茄子、
あれには桃を入れよう、いや、ライチよ。
そんな食い地の張った鑑賞会で
めちゃくちゃ楽しんだ。
やきものが好きな人には堪えられない
絶品の美味しい物揃い。
骨董好きの方にも、そうでない方も充分楽しめます。
食生活、普段の生活潤してくれます。
ぜひ!

ごちそうさまでした!!

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
図録 (meme)
2009-07-15 20:42:35
こんばんは。
やはり初日に行かれましたか。
プレビューにご参加されたのでしょうか。
愉しそうですね~。

前回のご質問ですが、図録は我慢に我慢を
重ねていますが、やはりどうしても!という
ものは買ってしまいます。
今回も危険な香がいたします。
返信する
meme さま (あべまつ)
2009-07-15 21:41:39
こんばんは。

残念ながら、
プレビューに参加する方法を持っていないのです。
でも、初日に行けた喜びは大きかったです。
なにせ、大好きな染付ですからね♪
最高に嬉しかったです。

今回の図録はあの空間は収まらないだろうと
思ってやめたのですが、やっぱり手にするべきかとグズグズ思い始めております。
危険!
「向付」にうなったら、
これははずせない展覧ですよ~ぜひ!
返信する
Unknown (oki)
2009-07-16 00:00:19
おお、僕は会場挟んだ伊勢神宮と神々の美術に初日行きましたよ。
染付も常設の展示替えを待って行きます。
残念なのは表慶館がまだしまっていること。
東洋館の代替え展示っていつからやるのでしょうか?
帰り道、NPOが路上生活者に募金をってやってましたね。
路上生活にも厳しい夏がきました。
返信する
図録 (Tak)
2009-07-16 08:00:19
こんにちは。

↑横レスですが
今回の図録。
こちらも東博オリジナル
随所にこだわりが!!

しかし、この展覧会
良かったですねーーー
流石としか言いようありません。
返信する
oki さま (あべまつ)
2009-07-16 21:43:56
こんばんは。

染付展のあとにお伊勢さんも拝見しました。
あそこにはまだ神様中心の生活が日々厳かに営まれているのだなぁと、感心しました。
記事はまだ先になりそうですが・・・

表慶館、8月になるようです。
当分あそこで東洋館をまかなうってことでしょう。考古館時代を思い出します。
様々な人に厳しい夏ですね。
返信する
Tak さま (あべまつ)
2009-07-16 21:46:27
こんばんは。

え!
やっぱり、図録、良いですか。
また見に行くしかない!!

憧れの大阪東洋陶磁が来てくれたような
嬉しさでした。
よくぞ集まってくれたと大感激です。

返信する
Unknown (遊行七恵)
2009-07-20 11:01:32
こんにちは
この展覧会でわたしは飛行機に乗り遅れたらどうしよう、とキグ中です。
うわさによりますと、150%わたしをワシヅカミするとか・・・
ドキドキです。

時々関西では逸翁コレクション、湯木コレクションや魯山人の器に、食べ物を盛り付けた写真を同時に飾る展示もあります。
その度にヨダレたらしてますが、今回もまた・・

返信する
遊行 さま (あべまつ)
2009-07-20 12:52:08
こんにちは。

帰りのフライトを気にしながらの展覧は危険ですね。きぐに危惧します。
150%以上保証致します。

李朝のやきものに盛りつけた写真などを
大阪東洋陶磁で以前に見ました♪
そんな贅沢はできないけれど、
欲望の炎は燃えます!!
無事のご帰還予定を!
返信する
買ってしまいました。 (meme)
2009-08-10 20:09:03
今日行ってきました。
こんなに素敵な内容だとは。
作品は言うまでもないのですが、
今回は東博の展示方法が素晴らしかったです。

そして、あの図録1500円って破格のお値段。
2000円以上だったら迷ったでしょうが、1500円
なので、即決でした。
また、散財です。
返信する
meme さま (あべまつ)
2009-08-10 21:51:03
こんばんは。

わかりました!
1500円握りしめ、
迷わず、買いに行きましょう~

この時は、ショップに足を向けなかったのです。本物の良いやきものを観て、何を買うのか!と甘い誘いを断ち切ったのでした。
返信する

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