あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

あなたに続く森 青木美歌 展  ポーラミュージアムアネックス

2017-01-25 21:34:57 | ギャラリー


 金沢から友人が遠征してきて、
 彫刻家、中村ミナトさんの個展で合流し、しばし歓談ののち、
 ミナトさんと3人で晩ご飯をご一緒することとなりました。

 その晩ご飯まで少し時間があったので、金沢の友人と銀座を散歩することとしました。
 金沢より寒い、といわれたくらい身に染みる冷え込んだその夜は
 黄昏をすぎてネオンが一段と煌めいていました。
 思いつきで、ポーラミュージアムアネックスを覗いてみることとしました。
 前情報などなにも手にしないで、いきなり。

 そうしたら、なんと、その日が初日の展覧が始まっていました。

 エレベーターを降りたら、
 オープンしたばかりの熱気、のようなものがあり、
 もしかしたらこれからオープニングパーティがあるのかと思いつつ、
 私たちが入ってもいいのだろうかと危惧しながら思い切って入ってみましたら、
 なんとまぁ、薄暗い会場に透明のガラス作品が会場の照明をうけて
 妖精が舞い降りてくることを待っているかのような不思議な生命力に輝き、
 滴が落ちる瞬間を凝固して光を放っていました。












 誘われ、導かれるまま、展示ケースの島を巡ります。
 もし、こわれてしまったら、という儚さと線の細さにガシャンと音を立てて
 目の前で粉々になったら、という恐ろしさにからだをこわばらせながら。





 途中、こわばった様子をみかねて荷物をお預かりしましょうかと
 係の方に声を掛けて頂きました。

 この方の作品、どこかで拝見した気がします。

 NHKかどこかのテレビ放映だったか、記憶が薄いのですが
 バーナー越しにガラス棒を持ちながら、生まれる線を繋ぎとめながら
 延々と続く作業に目がとまったことがあったように思います。

 作品をiPhoneでぱちぱち撮らせて頂きました。













 そうすると、ご本人がいるので、話を聞いてみたらどうですかと、
 係の方がまた声かけして下さいました。
 青木美歌さん、ご本人と友人を交えて
 作品のこと制作のこと、色々伺いました。

 印象に残ったことは、作品の下書き、スケッチをしないで
 バーナーとガラス棒を持ったその時に任せて手を動かして制作に向かわれるとのこと。

 青木さんの指先から熱を帯びたガラス糸が紡ぎ出されてくるようです。

 無機質、透明、固い、冷たい、ガラス。

 そこからどうしてこんな有機的なしずくの集まりのような
 作品が生まれてくるのでしょう。

 制作場面の動画も公開されていました。











 フライヤーに
 「・・・地球上の生物は、さまざまな生命体が生と死のサイクルを繰り返し
  関わり合いながら、何億年という時を経て、今ここに生を得ています。
  その神秘的な生成プロセスとカタチを植物の細胞をいうミクロの
  世界で表現します。
  ガラスの森の中へ分け入ることで、そこにひっそりと佇む見えないものの
  息吹を感じるような幻想的な世界をお楽しみ下さい・・・」

 というご案内文が掲載されています。





 本当に、有機的ではあれど、この世のものとは思えない
 儚い涙の森、のような、煌めきに終始息をのんで
 ぐるぐるとガラスの妖精を探しにでかけたような
 しあわせな時間を過ごすことができました。

 作品の写真をどうぞ、公開して下さいとのこと。
 撮ってきたもの、全部アップします。




 来月2月26日まで。

 ぜひ、ご自身の目で煌めきの罪深い儚さを確かめて欲しいと
 思います。

 ポーラミュージアムアネックスのサイトはこちら
 

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