あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

シャガール展 ・東京芸術大学美術館

2010-10-09 23:49:50 | 海外美術
シャガール展までの双六がなかなか楽しくて
時間が余計にかかってしまった。

上野の森美術館で、上野に関係する浮世絵展。
芸術院での日韓交流展。
国際子ども図書館では絵本の黄金期。

3箇所とも無料という嬉しい企画展。

東博には東大寺のお宝が届いているだろうと
横目で拝みつつ、
ついに取り壊しが始まった東京都美術館の囲い沿いに
芸大美へと向かった。

入り口に行列がなかったのでほっとしたが、
地下に入れば、沢山の人々。
エレベーター待ちの列が5mほど。

場内はシャガールの人生の流れに沿って展示されている。

いきなり、シャガールの自画像で出迎えられ、
それも見たこともない沈んだ色使いの顔で
イメージから離れているのでびっくりした。

そうなると、シャガールのいったい何をシャガールとしてみてきたのか、
自分の印象はかなり偏っていることに気がつく。

最初の頃は、野趣味あふれ、線も太く、
色使いも力がほとばしる、という雰囲気。
同時代の画家の作品も並び、
当時パリで賑わったキュビズムや、ゴーギャン達の存在、
印象派の全盛期を思う。

カンディンスキーや、ジャン・プーニー、
カジミール・マレーヴィチなどの作品も紹介される。

晩年の歌劇「魔笛」の舞台美術のコーナーでは
お爺ちゃんになったシャガールの写真が可愛く思えた。

それでもやっぱり圧巻はシャガールの
シャガールらしい大きな絵だった。

「ロシアとロバとその他のものに」

「日曜日」 

「緑色の恋人たち」

「彼女を巡って」

「赤い馬」

「虹」

「イカロスの失墜」

これらを同時にゆったりスペースで鑑賞できたことは
とてもよかった。
シャガールの純粋な気持ちと、
光り輝く色使いと、
「イカロスの失墜」の幻想的な神聖な気配に
感動した。

パリのポンピドゥセンターから有数のシャガールコレクションが
紹介されたことの意味は大きいと思う。

それと、ロシアアバンギャルドはパリの印象は時代と並行して
実はとても大きな存在感を持っていたことを
再認識させられた展覧会でもあった。

母が好きな作家なので、カレンダーを買って
プレゼントすることにした。
来年はいいことが書き込められますように。

この展覧はいよいよ11日まで。
なんだかホッとする素敵な空間だった。

それと、映画が大盛況で見られなかったのが唯一残念だった。

ぜひ、シャガールの夢の世界へ。


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