あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

テレビ三昧

2007-10-01 15:28:41 | つらつら思うこと
日曜日の朝、9時から、新・日曜美術館。
平山郁夫氏の大展覧会が国立近代美術館で開催中。
なんとなくシルクロードの絵描きさん、日本美術界の重鎮。
そんなイメージでしか見ていなかったけれど、
絵描きとしての葛藤、原爆体験など、様々を背負ってきたのであった。
また、シルクロードに賭ける情熱もスケッチが何万もあるとか聞いて、
ただならぬ情熱の持ち主だったことも収穫だった。

広大な大陸に残された歴史の残像、それを見つめる目線の向こうに、
生き生きとその時代の戦いの場面が蘇ってくる、
そんな悠久の世界を彼だけが感じ取っていて、
それを深く共鳴する事のできない平坦な自分の眼には
あのシルクロードの広漠たる果てしなさを感じることができない。
その深いところに戦争の傷があり、原爆体験があったことも
仏の世界が描かれることに繋がっているのだろうか?


中村座 法界坊ニューヨーク公演の録画を見る。
相変わらず、勘三郎は元気にNYで歌舞伎を大盤振る舞い。
串田和美氏も黒子となって登場してくるし、
一座で盛り上がってしまっているから、
日本では、もちっと手引いて公演されたし。と願った。
2時間半あまりにぎにぎしく、かつ切なくも面白可笑しい。

2時から、BSiで、思い掛けず、
「建築が語るもう一つの明治」という番組が放映された。
(クリックしてみて下さい。番組情報です。 )
あぁ、録画しとけば良かった。
そう思うほどの力作番組。
今赤坂の迎賓館が補修工事に入っているらしい。
その工事を引き受けたのが安藤忠雄氏。
今日本でこの手の仕事をする人は、彼をおいていないのだろうか?
その迎賓館を建てた、片山東熊。
明治の西洋建築を日本に根ざした功労者。
渾身の英知を降り注ぎ、10年の月日を費やした後、
ようやく感性した迎賓館。
それを明治天皇に報告に行くと、
明治天皇は「ぜいたくすぎる」と一言。
東熊は、ショックのあまり、健康を害し、2年ほどで他界する。
その対極に伊東忠太がいた。
洋館が建て始められ、ジョサイアコンドルが来日し、
名だたる洋館が建てられ初めたところに現れた伊東忠太。
西洋化に疑問を持ち始めた世代。
法隆寺で、ギリシャ文化の流れ、エンタシスの柱を発見し、
思いがシルクロードを駆けめぐる。
後に実際、馬で踏破し、様々な建築、
人々の暮らしを見てきた。
アメリカまで行って、見聞を広めた後、
100以上もの建築に携わった。
天皇が東京に行ってしまった後にできた、平安神宮。
明治天皇の明治神宮。
他にも様々なユニークな建物群。
残念ながら、大倉集古館は登場しなかったが、
祇園館はその姿を見せてくれた。
彼の人生の総集編として、築地本願寺があったという。
ドーム型の彼の墓標まで紹介された。
ナビゲーターは、佐高信氏。
伊東氏と同郷で、熱く語っていて、好感が持てた。

夜は、風林火山。
メントレに勘三郎がゲスト。
また、見てしまった。

そんなこんなで、シルクロードがキーワードの
テレビ漬けの日曜日だった。

折しも外は雨で、一日中降り止まず、
暑い夏にようやく終止符が打たれたようだった。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 萩の咲く東京国立博物館 | トップ | ぽち花 16 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
薬師寺の平山郁夫 ()
2007-10-04 00:36:39
奈良 薬師寺の玄奘三蔵院に、平山郁夫が描いた玄奘三蔵のインド・西域求法の旅をたどる「大唐西域壁画」が奉納されています。
玄奘三蔵院が出来た時だけの特別公開かと思ったら、毎年、春と秋の観光シーズンには公開されています。
壁画の1枚に、壁画の完成を見る事なく亡くなった、当時の管主 高田 好胤の姿が小さく描かれていて、泣けます。

http://www.nara-yakushiji.com/guide/genjyosanzo.html
返信する
忘れ物 ()
2007-10-04 00:41:22
ついでに、天武忌には小倉遊亀が描いた、天武天皇、持統天皇、大津皇子を見る事が出来ます。10月7日~9日。
一度だけ、偶然、見た事があります。いつも奈良に行くのは10月下旬なので、なかなか見る事が出来ません。
返信する
鼎 さま (あべまつ)
2007-10-05 22:04:30
鼎さま、こんばんは。
コメントありがとうございます。
お返事遅くなりました。

薬師寺は、奈良にいる頃、訪ねても唐招提寺へのついでみたいで、失礼してました。もしかして再建中だったのかもしれません。
去年その薬師寺で、黒光りの薬師様に薬効を頂いて参りました。
声のいい若いお坊さんのお話も面白く落語の発祥は、ここだと感じたものです。(笑)
平山画伯始め、現代の画家達も仏の道に救いを求めていたのでしょうか?
小倉遊亀の天皇シリーズ、見てみたいです。
秋の旅をご堪能されますように。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。