あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

明清陶磁の名品 ・出光美術館

2011-07-25 20:37:06 | 美術展
鑑賞した後、早く記事にするべきところ、
連日の猛暑にノックアウトされて
ずるずると後に追いやられている展覧がうずたかくなったまま。
最近のやる気のなさはどうしようもないのですけど、
書きたい気持ちだけで動いていますので、
あしからずお許しを。

この出光の陶磁器の名品展は7月7日七夕さまの時に鑑賞。

おぼろげな記憶と作品リストに助けてもらいながら
記事にチャレンジしてみます。

展示室に入ったとたん、
一点の曇りもなく、ただ涼やかに染め付けのブルーな陶磁器が
見事に並び、広々として足が止まってしまった。

一段低くなったケースにも
今回は屏風はなく、陶磁器が並ぶ。
そんなことは滅多に遭遇しない。

洗練されたやきものにどれだけ憧れてきたか。
さすがのコレクション。

今回は中国の皇帝の為の磁器なので、俗な空気が一切ない。
気になった作品を取り上げることに。
展示品はほとんどが景徳鎮窯。
展示室1、2、は官窯。
後の方から民窯。

先ずは独立したケースに紅白の馬上杯がそろって展示。
その優雅な丸いお椀のようなカーブと
それを支える華奢な足。
お目出度い気品のあるセットな紅白。

長いケースの初めには
皮革製品のような今のティファールのケットのような
不思議な形の容器が。
白磁暗花蓮唐草文僧帽形水注 明 景徳鎮官窯 
漢字から想像してお坊さんの被る帽子の形の水注、
と思いを巡らす。
不思議な形で、留め金も工夫されていた。
そこからはずらり
大きな抱えられないほどの大皿が一列に並ぶ。
壮観。

所々で皇帝のものという印の五本指の龍が壷やお皿の中で
存在感をアピール。

一段下がるケースにも今回は磁器が並んだ。

展示室2へ移動する。
時代は明から清へ。
ここは青花から打って変わって色に鮮やかな
五彩が加わる。
色が加わることによって緊張感が溶けて
華やぐ。

格式のあるお茶碗には、黒檀、紫檀の台がつく。
一層グレードアップする。
天目茶碗の台のように。

五彩の色にも驚くが、
色鮮やかなピンク、この色にも驚く。
ピンクの龍に青雲が飛ぶ。
中国の色らしい取り合わせ。

その色のサンプルのように瓶などが展示。
「茄皮紫」かひし 
「瓜皮緑」かひりょく
「桃花紅」とうかこう
「豆青」とうせい
「茶葉末」ちゃようまつ

漢字の示す通りなのだが、実にそれらしい色なのだった。

また、12ヶ月の花景色の小さな杯もかわいらしい。
「五彩十二ヶ月花卉文杯」
触ったら薄造りですぐにヒビが入りそうなくらい透明感。

景徳鎮でも官窯から民窯のものの展示。
やはりどこか親しみがわいてくる絵付けが増える。
麒麟や、郡仙図、裏彩色のものや、
鳳凰、龍、牡丹、唐草、水禽、魚、楼閣
人物などなど表現されるものもとても幅広くなってくる。
五彩の石畳文輪花皿
などはモザイク模様で、
乾山も似たようなデザインのものを作っていたことを
思い出した。
中国陶磁器の絶頂は明清にあるのだなぁと
感じ入ります。

出光の朝夕庵も夏支度。
仙ガイ和尚の軸が楽しげ。
 「世の中をなにに喩ん 
   雷の露の命と思ふ間もなし」

籠の花入れ、水指は祥瑞花鳥文
素朴な土っぽい彩りではあるが
風が吹き込んできそうな道具取り合わせであった。

ちょっと皇居のお庭借景しつつ避暑の気分です。
真夏の銀座で是非一息つきにお出かけ下さい。
す~っとします。
会期はゆっくりめ、9月4日までです。

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