あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

白金から目黒雅叙園まで

2008-06-06 22:53:13 | アート鑑賞記録
それにしても、ちょっと頭の中が千々に乱れ、飽和状態です。

高輪の畠山美術館で、「細川井戸と名物茶道具」

トコトコ歩き、庭園美術館まで出て、
「オールドノリタケと懐かしの洋食器」

目黒駅の急坂を下って、目黒雅叙園で、
「源氏物語×百段階段」人形師 寿三郎が創る千年物語

その3カ所を巡ってきました。

目黒雅叙園の凄い絢爛豪華は、
サントリー美術館で開催中の「かざり」に特別参加して欲しいと思ったほど。
よくもまぁ、創ってくれましたね。
百段階段の廊下に様々な趣向の部屋が連なって、
目眩です。
日本画家の巨匠、清方の間まであり、筆舌に尽くしがたし。
その空間に、寿三郎の美の世界が人形化身となって、
そこの主になっていました。
玉梓に逢えるとは思わなかった~~
源氏物語は、おどろおどろしさがなくて、
サイズが小さな所為も手伝って、可憐でした。
夕顔が、刹那の幸せに震えているようでした。

庭園美術館は、旧朝香邸の薫り高い建物に
ぴったりな展覧をするので、嬉しい。
ここでも日本の西欧から来たアール・ヌーボーから、
モダンになったアール・デコの変遷を陶器で見ることができる。
杉浦非水のカットデザインにも遭遇できて、
「誌上のユートピア」の勉強が役に立った。
ラリックのガラスの花器もそっと展示されていたし、
なにしろ絢爛で、美しい陶器達。
作品リストがなくて残念。
図録にありますから・・・
2回のソファーに身を沈めて、その図録を鑑賞。
全部図録を買っていたら、我が家はどんどん狭くなる・・・
陶器の世界でもアール・ヌーボーの波が
大きく渦巻いていたことがよくわかった。
パリ万博の前のウィーン万博が日本技術のお披露目となって、
ジャポニズムが生まれたようだ。
世紀末の日本の美術界、工芸界は、とてつもなく熱かったのだろう。

ま反対の畠山美術館。
脚光を浴びる、のではなくその道の、数寄者にしかわからない
究極の美の世界。
乾山の素敵なお皿がキュート。
井戸茶碗は、銘 細川が意外にも大振りで、
大井戸になるのではと思うくらい。

宗達の黒牛もいたし、
茶室には竹の花入れに、紫陽花が可憐に入れられていた。
落ち着くなぁ~
渋い侘び好みの茶碗、井戸でしたが、
圧倒の唐ものが主流であったればこその侘び。
その振幅の大きさにしびれますが、
私は飾り立てられないから、マイナスの美、の方に
心が動きます。
 
などなど、感想はこの程度にします。
また、記事にできればと思いますが、
「誌上のユートピア」を終わらせなければ!
とらさんにもご期待されてしまったようだし。
頑張ります。

誌上のユートピアは、「國華」のことです。
夏、東博特別展は対決。
これは國華の創刊百年を記念してのこと。
北海道の祖母は1910年生まれ。98才です!
なんとなくあの時代が身近に感じられます。

しかし、なんとも豪華なかざりツアーであった事よ。
皆々様には、アート廻りの素敵な週末を。

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6 コメント

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目黒雅叙園 (菊花)
2008-06-07 00:33:32
あそこは実に凄いですよね。
本館?のおトイレには橋が架かっているし、
エレベーターは螺鈿ですよ・・・。
飾り立てずにはいられない、
グロテスクの一歩手前で成立している絢爛の美、
一種の隙間恐怖症だと思われます。
返信する
菊花 さま (あべまつ)
2008-06-07 17:25:36
こんにちは。
本当に雅叙園って、竜宮城。
トイレに恐縮して入る、珍しいところ!
いやはやぶっ飛びました。

私の傍らで乙女が
「すごいねぇ、趣味が良いかどうかは別としてさぁ」
と女友に言っていたのが印象的。

夢の世界を具現したのでしょうね。
新郎新婦が嬉しげに写真撮られていました~
ここでは、私、しないかも。←終わってるだろ~笑
返信する
雅叙園 (すぴか)
2008-06-08 00:25:00
こんばんは。
雅叙園ね、じつはサントリーで浄瑠璃姫絵巻
見ていて、あらこれ雅叙園のあのすばらしい
トイレそっくりの橋なんて、友人と笑って
しまいました。
変なこと思い出してごめんなさい。
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すぴか さま (あべまつ)
2008-06-08 21:41:28
こんばんは。

岩佐又兵衛は「かざり」の教祖かもしれませんね。
本当に、トイレまで豪華絢爛ですね!
「かざり」繋がりの良いタイミングでした。
ジュサブローの人形達の影が薄く感じられた、
濃厚な圧倒的空間でした。

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Unknown (oki)
2008-06-08 23:03:12
ははは、図録をいちいち買っていて部屋が狭くなっているのは僕のことです!
しかも電車の中で図録を読んでいますから、買って損ということもない。
まあ本を買う感覚ですね。
庭園美術館のオールドノリタケ、庭園美術館に実にマッチしていましたね。
逆に以前やったアルフレッド・ウォリスはあそこの雰囲気にそぐわなかった気がします
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oki さま (あべまつ)
2008-06-09 23:00:25
こんばんは。
マメに図録をお求めになっているのですね。
許されるなら、引っぱって帰りたいと思うものもありますが、よくよく気に入らなければ、
本箱に鎮座するだけにしてしまい、
本に申し訳なくなります。

庭園美術館へは、昔の方がよく行った気がします。
あの建物の中にいるだけで、幸せになれます。
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