あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

村山 槐多「悪魔の舌」 朝日新聞東京物語散歩から

2007-02-19 11:43:41 | 
先日購入したのが、
「日本怪奇小説傑作集 1~3」
            紀田 順一郎・東 雅夫 編  創元推理文庫

その中に、村山槐多の小説があって、題が空恐ろしい。
「悪魔の舌」

その小説のことを、朝日新聞のコラム、
「東京物語散歩」が取り上げていた。(2月18日 日曜日)

恐ろしい舌を持つ人がその舌の赴くまま、
ついには人の肉体をも食べてしまうカニバリズムバリバリのお話。
その場所が九段坂なのだ。

今週、山種美術館に行こうと思っているが、そこはまた、
九段だ。
これまたの偶然。

悪魔の悪食の話に、彼の精神のダークな部分を知る事となり、
ちょっと、驚き、少し安心した。

24歳で夭逝した槐多は、
はからずも明治大正の元気な狂人時代の悪食によって、
おいしい餌食となってしまったのだろうか。
画業ばかりではなく、このような小説があったことを知って、
どす黒い画面に納得もしたのだった。

妄想力があれば、小説、戯作、映画、絵画、作曲、表現する方法を得れば、
水を得た魚になれるのだ。

偶然続きの九段続きだった。

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7 コメント

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Unknown (遊行七恵)
2007-02-19 12:31:52
実は最初に村山を知ったのはこの小説からでした。
わたしは高校くらいから、大正から昭和初期時代に関心があり、そんな文学ばかり読んでました。
この悪魔の舌は皮肉なラスト(当然な悲劇?)で結ばれてましたが、なかなか面白いものだと思います。
その後、彼が画家だと知り、近代美術館などに所蔵できない(!)作品を色々見ました。乱歩が彼のファンで、『二少年図』を所有しており、その線からもたどると、なかなか薄ら暗いものが見えて面白いです。

九段と言えば、小松左京の『くだんのはは』はめちゃくちゃ怖い小説でした。
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遊行 さま (あべまつ)
2007-02-19 14:50:08
やはり、遊行さん、コメント下さり、ありがとうです。この手に引っかかる人はなかなかいらっしゃらないだろうと思っていましたので、嬉しいです。
渋谷に「槐多」という喫茶店がありました。
友人のお父さんが入院されたところが九段病院。
「くだんのちち」はその後、亡くなりました。
九段会館はもはや、いつ壊れても不思議じゃありません。悪霊が住んでいそうです。
小松左京は、触れずにいます。あの人相から、引いているのかも・・・すいません。

今になって、いろんなことがリンクしてくるので、
面白くて仕方ありません。

それにしても早熟な高校生でしたね。
私はなんて、清純純情だったことでしょう?あん?
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槐多 (一村雨)
2007-02-19 18:31:56
北森鴻という推理作家が「深淵のガランス」という
槐多を扱った小説を書いています。
九段会館は結婚式の会場探しで下見に行きました。
実際は別のところで挙げましたが(笑)
となりの千代田区役所にはよく出かけます。

このアンソロジーの3巻に小松左京の「くだんのはは」があります。
石ノ森章太郎のマンガ化した作品も恐いです。
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一村雨 さま (あべまつ)
2007-02-19 21:42:47
一村雨さま、そうとう、お詳しいのですね。カイタに。驚きました。

3巻に小松左京、入ってるの、見つけました。
ここに集合している人達、そうとう、濃い人達。
今な人がいたことが嬉しいです。

早速、今から、読みます。
遊行さん、一村雨さん、ありがとうです!

ちなみに、キャリーは良かったけれど、エクソシストは怖くてチケットを誰かにあげたのです。
リングは見たくないけれど、四谷怪談はいつもいいのです。
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くだんのはは、読みました。 (あべまつ)
2007-02-20 11:05:34
遊行さま、一村雨さま。
お二人のお陰で、
小松左京の「くだんのはは」読むことが出来ました。
なぜか、ジブリ映画のお化けキャラのように、思えてしまったのです。
人偏に牛、で、くだん。
そこのお家のトイレと、くだんの母のお顔が見たくなりました。
見たなぁ~の罰ゲーム本でしたね。面白かったです!
小松左京って、こんなショートも書いてたのも発見でした。沈没が大きすぎて。
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Unknown (遊行七恵)
2007-02-20 11:19:15
九段会館は帝冠様式で作られた軍人会館です。
近代建築ヲタのわたしは見学のために宿泊しましたが、怪異現象に遭いましたよ。

左京さんは復活の日などが大きいですけど、わたしが最初に読んだのはホラーショートでした。
『穴』なんてトラウマですよ、わたしの。
コワイコワイ・・・
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遊行 さま (あべまつ)
2007-02-20 14:32:37
九段会館、実は永田町時代に、何度か行ってます。
会館にお泊まりの方のお部屋にも行きました。
はやり、あの世の人達、現れたのですね~~
そっちのほうがずっと、怖くないですか??

舞台裏もなんかいそうでした。ひゅ~~~
「穴」見つけますね。でも出てこられなくなったら、どうしよ。
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