あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

東京国立博物館 2016年(平成28年)10月訪問

2016-10-27 23:26:23 | 東京国立博物館
 
 上野の東京国立博物館は、充実の企画展ラッシュです。
 
 10月になって、ようやく年間パスポートを更新し、山雪描く愛らしい猿図の
 パスを手に入れました。
 トーハクでは 
  *東洋館 博物館でアジアの旅 (10月23日まで)
  *東洋館 上海博物館との競演 (来年2月26日まで)
  *平成館 禅 展 (11月27日まで 案外短期間なので注意です。)
  *平成館 企画展示室 特集 和紙の魅力 (11月6日まで)
  *本館特別5室 平安の秘仏 櫟野寺の大観音とみほとけたち展 (12月11日まで)
  *本館 特別1,2室 「特集 歌仙絵」 (11月27日まで)
  *本館 14室 特集 ドレッサーの贈り物 (12月18日まで)

  これからの企画展
  *東洋館 8室 小林斗盦(こばやしとあん) 篆刻の軌跡展 (11月1日〜12月23日まで)

  などなどこれでもかと、特集展示を投入してきます。
  思い立ったが吉日、9日と21日にでかけて、10月分の展示を見届けてきました。
  まぁ、大変です。(すごすぎて鼻息荒くなります。)
  「禅」はこれからイベントラッシュですし、
  11月3日の山下祐二先生と山口晃画伯の講演会に参戦すべく、いそいそチケットを手に入れました。
  沢山の作品群のなかでずらりと高僧の頂相をながめることも珍しいのではないでしょうか。
  まぁ、あまり美々しいものではないですが、有り難いことです。
  会場には白隠さんの大迫力大画面や、センガイさんも現れますし、
  禅といえばお茶、なので、茶器の名品もずらり。
  禅。世界ではジョン・レノンやスティーブ・ジョブズたちにも影響したという禅。
  それでも、ところで禅っていったいなんのことやら、すこしでも近づけると良いのですが。
  ぜんぜんわからないや〜でも、行って見る、
  それだけでも中身の濃い展示となっていると感じました。

  本館特別5室では、
  櫟野寺からお出ましの十一面観音座像の大きさに圧倒されました。
  連れだっていらした、観音様たちのやわらかな鄙びたお顔立ちも
  よくぞ今の今まで残っていたものだと、ため息と親しみのある存在感に癒やされます。
  白洲正子の「かくれ里」また再読したいと思いますし、
  そこへ旅に出る余裕があればと夢想もします。

  21日は偶然、京都博物館のキャラクター、トラりんがトーハクに出張して
  「禅」展を盛り上げに参上してくれました。
  ユリノキちゃんと、トーハクくんも連れだって、平成館に現れたので
  年甲斐もなく、記念撮影などしてもらっちゃいました。
  (トラりん、かわいいなぁ〜〜)




  などなど、盛り沢山ですが、カメラOKの画像、ご紹介します。
  展示替えなどがあって、現在は見られない作品もあるかとは思いますが、
  トーハクの底なし沼お宝をぜひ、ナマでご覧頂ければと思います。
  なにぶん、カメラでは本質が残せませんし、迫力も追いつきません。

  ランダムに、眼に残ったもの、アップします。
  まずは東洋館から。
  東洋館に入ったらなにやらステキな音が流れてきました。
  古箏と馬頭琴の演奏 
  というアジア伝統音楽、が演奏されていたのでした。
  馬頭琴というモンゴルの草原に響く雄大な音を聞きながら館内を巡る、という
  優雅な体験ができて、良い時間でした。
  連れだった友がモンゴルに何度か行ったことがあるので、
  すぐにその音で馬頭琴だと教えてくれたのでした。

    

  

  

  

  

  

  
 
  

  

  

  東洋館をでて、本館に移動します。

  10月30日まで、酒井抱一の夏秋草図屏風が久しぶりに展示されていました。
  何度見ても優雅な気持ちになります。
  どこを切り取ってもバランスがとれる、完璧な構成に驚きます。

  

  

  

  

  

  その近くで江戸絵画が絢爛に咲いていました。
  林十江 蝦蟇図、鰻図
  

  

  池 大雅 酔李白図
   

  宗達派 扇面散屏風 
   
  屏風の金工細工も素晴らしいものです。
  







  禅と水墨画の展示室に珍しい4幅が並びました。
  枇杷蓮根柘榴柿図 伝 狩野元信
  全体が単色のようで、近くによると大変丁寧な食べられる実が描かれているのでした。
  

  

  

  珍しい、女性用の火事装束 白韋地幔幕模様(花菱紋付)
  鹿革をなめしたような質感がありました。
 

 茶の美から 
 青井戸茶碗 銘 土岐井戸
 

 禾目天目 中国 建窯 南宋
 

 灰被天目 中国 南宋〜元
 

 よく見ると茶碗に横筋が入っているのがみえます。
 

 天目茶碗の優品に油滴天目がありますが、その国宝、大阪東洋陶磁美術館蔵の逸品が「禅」展に出品されています。
 静嘉堂の油滴天目、藤田美術館の油滴天目、どれもが壮大な宇宙の夜空に煌めく瞬きを抱えています。

 白濁釉手付鉢 高取 江戸
 

 1階の展示をざっくり見ます。

 

 

 金工・梵音具
 銅蝶形磐 平安 長保3年(1001年)

 
 

 日本刀の剣先には恐怖とともにドキドキさせる危険な美しさが光ります。

 

 


 大壺の林は何度見てもうっとりします。
 珠洲の壺、良い形です。
 

 信楽不二文茶碗「空中」彫銘 本阿弥光甫(光悦の孫)
 光甫、空中斎は本当に飛び抜けたやきものを作陶する方です。
 

 黄昏がトーハクを包み込んだ頃、麗しい階段を今一度見惚れました。
 今回も沢山の眼福を頂きました。
 また、11月3日に訪問する予定です。

 

 

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