あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

花展に参加してきました。

2014-03-05 12:19:28 | 

 あっという間に二月が通り過ぎていきました。
 大雪に振り回された大学受験生の愚息は、果敢に試験場に向かい、
 なんとかやりきりましたが、願うところに思いが届きませんでした。
 それでも、何故か落ち込むことなく、ここまでやったからには
 後もう一年頑張ればなんとかなるのではないかと
 浪人生活を決断したところです。
 次の日曜日には高校の卒業式。
 同級生たちも様々なスタートを迎えます。
 始まるって、なんてステキなことでしょう。

 親になるということは、子ども達から教わるって事なのでしょう。

 自分の親がどのくらい大変だったかを今になって知るのです。

 ソチ五輪にも熱狂しました。
 フィギュアスケートのライブを見るために
 早く一旦寝て、ごそごそ真夜中にTVに釘付けになったりしました。
 日本選手の熱戦には手に汗を握りました。
 真央さんの絶望からの完璧演技、素晴らしかったです。
 カーリングの面白さを発見しました。
 他にも若い人達の活躍、キャリア選手の不屈、
 アスリートって本当に凄い人達。
 私はあんなに情熱を捧げていきているだろうかと改めて敬意を捧げました。

 そんな中、
 私の方は2005年からいけばな草月流の教室に通い始めて9年目となりますが、
 参加の声をかけて頂いて、東京北支部主催の花展に参加してきました。
 この展覧会は2年毎、北千住丸井の上にある天上の高いゆったりとした空間の
 ギャラリーで3日間開催されます。
 この花展には今回で3回目の出品となりましたが、
 ようやくこの現場と空気感に慣れてきた気がします。
 どんな作品にするのか、ということも常々頭のどこかで考えてきましたが、
 今回は去年の夏に参加したサマーセミナーで講習を受けて作った
 銅版の花器を使うことにしました。
 花器が決まれば、あとはそのイメージをどう生かすか。
 それが問題です。
 家で色々検討して、試しいけなどして
 花材はサンゴミズキ、ドラセナ、グロリオーサに落ち着きました。

 木曜日のお稽古終了してから会場での活け込みが始まります。
 勅使河原茜家元のスケールの大きな古梅の木、椿、一抱えもあるような
 大きな花器がゴロゴロと搬入されてくる横で、
 グループの大作、個人の小品、初参加の作品、ジュニアの可愛らしい作品が
 続々とその姿を現していきます。
 舞台裏の熱気は落ち着いて花を活ける、そういった日常とは別世界ですが
 これは檜舞台での発表会のようなものですから、
 晴れ舞台なのです。
 春を招く黄色や桃色、白などの花材がひしめき合いました。
 桜、梅、椿、柳、さんしゅゆ、小手毬、雪柳、連翹、木瓜、
 そこにフリージア、ラナンキュラス、スイートピー、ガーベラ、薔薇、百合
 などなど百花繚乱です。
 家元もあとから会場入りして大作の指示をしていました。
 大がかりないけこみでアトリエスタッフが家元の指示に従って
 花材をあっという間に仕上げていくのです。

 夜、7時にいけこみ終了です。
 私はその前に形になってほっとしました。

 翌日、初日を迎える一時間前に手入れに入ります。
 花はいきもので、水を吸って咲いていますので
 刻々とその姿も変えてしまいます。
 形のチェックや、水やり、落ちたはなびらや葉をとりのぞいたり、掃除もします。
 これは毎朝の仕事となります。

 いけこみの時の騒然とした熱気から解き放たれて
 静かに美しく整えられた作品たちがお客様をお迎えします。

 開場とともに、お客様たちが入場されます。
 花たちはすっかり晴れ着を纏った女優のように美しい姿を見てもらいます。

 個性溢れる花の表現と解釈、花器、そしていけた人が見に来て下さった方々を
 繋げて楽しい会話に花が咲きます。

 そうして三日が過ぎ、
 花たちはその仕事を終えて散り散りにされ、残された命を違う場所で
 咲きながら、また命を終えて土に戻されていきます。
 
 いけばなは瞬間のもので、残らないことが美しいと感じました。
 様々ないけ手が様々な思いを花に託して作品としていきます。
 見にきてくれたどなかかが一瞬、顔を輝かせてくれたら
 それでよかったと思います。

 女性ばかりのいけばなの世界と思われがちですが
 男性もいらっしゃいます。
 花に向かう姿勢が情熱的で男性の方が熱心かも知れません。
 
 会場の雰囲気と、
 拙作をちょっとご紹介してみます。







 こちらが勅使河原茜家元の大作です。
 樹齢百年の梅を使用したとのことでした。
 ほのかに梅の香りがただよっていました。



 これが拙作です。



 列の最後だったので、三方向正面になるよう、気を遣いました。
 春の可憐な色の作品が多い中、ちょっとパンチのある作品となりました。
 銅板の花器、その線をいかすようにサンゴミズキを手が痛くなるほど
 ためてカーブを作ります。
 ドラセナの葉は全部外して一枚一枚丸めて埋めていきました。
 50枚以上は使ったと思います。
 この量感に負けないような元気のある花は
 真っ赤で茎に変化のあるグロリオーサが似合っていると思い、
 花だけを生かして入れました。

 春は花の展覧会が多いので、デパートでもお立ち寄りの
 おついでにぜひ花の力を感じてみて下さい。

 企業の華道部のお手伝い、
 友人のお店での花あしらいのコーチ、
 そんなことも出来るようになってきました。

 まだまだ花とのお付き合いは始まったばかりですけれど、
 花を通して色んな方々との出会いが見つかることが
 とても楽しいことだと感じられるようになってきました。

 私の友人たちも沢山駆け付けてくれました。
 ここにこっそりお礼申し上げます。
 いつも、ありがと!

 また次回、なにかのご縁があったときに参加していきたいと思います。
 いけばなは実は空間造形アートなので、
 アート好きの方にもキッと楽しめると思います。

 大きなイベントが終わったので、
 これから少しずつアート鑑賞再開しようと思っています。
 一月以上ブログ放置にも拘わらず、お立ち寄り頂きまして、感謝しています。

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2 コメント

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花展 (ayako)
2014-03-05 23:00:27
お客様たちが退けた後のお手入れのお話、興味深かったです。本当にお疲れさまでした。
花ってインスタレーションだね。蒙を啓かれた思いです。
さてさて、若様!今年は残念だったね。でも大丈夫!うちの夫なんて高校は初めから四年制wと割り切って三年間は遊びまくったらしいよ。浪人になってから死ぬ気で頑張ったらしい。若いうちの一年間くらいどうっちゅうことない。頑張ってください(^^)/
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ayako さま (あべまつ)
2014-03-06 22:44:05
コメントありがとう。
草月では、デモンストレーションも行われるのですよ。啓蒙されちゃって嬉しいのですけれど、その目があればきっとステキなことが舞い降りてくると思います♬ 若は次回はなんとかして頂きますわ。応援感謝です!
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