東博に入ると、いきなり、右の方にステキな大日如来様の説明ボードが現れていた。
珍しいことだな、とちらりと目をやり、
ともかく、
2階の展示をおしなべて見ることにして、
その後、
ゆっくりその仏像を見ることにした。
いつもながら、
見所は満載だ。
骨董界の重鎮、岩崎弥太郎、横河民輔、細川護立氏などを
顧客に持つ有名古美術商「壺中居」を創設した、
広田松繁(不孤斎)のコレクションが今年一年、
「茶の美術」コーナーで展示される。
「壺中居」からどれだけの名品が売買されたかと思うと、
気が遠くなりそうだが、
時代の変遷のお陰で、
この目でその優品を見ることができるのだ。
目利きを生み育てた、目利きの古美術商人。
「壺中居」の商品とならず、
ここにいることが幸せなのかどうかは別として、
優品の品格に秋まで遭遇できるのは、
なんとも幸せだ。
同時に1階で「高麗茶碗」が特別陳列されている。
先日畠山美術館で井戸茶碗の優品達と会ってきたが、
この飾りっ気のない、素朴すぎる茶碗を見立てた利休の
美意識は、その後の茶人達の憧れとなり、
見立てることの指南も様々。
今で言う無印良品は、雲水達の日常品にそぐわしい。
粗末で欲のないところ。
欲がないだろう?という欲の塊でもある。
へそ曲がりの私は、そのへそ曲がり具合が気に入ることになる。
素っ気ないものの水面下には、
ドロドロ欲の塊がうごめいているものだ。
土のもつ、土着な、シャーマンな香。
人の美意識によって、飾られすぎたものは
土着な香を奪ってしまう。
甘美をまとってしまう。
その甘美にまた酔いしれるから、たまらない。
素朴は、甘美の対極か。
などと一人妄想に迷いながら、館内をうろうろする。
裏庭の緑に命の時を知らされる。
平成館の塩野コレクションを見る。
縄文土器は、発掘調査された歴史的出土品なのだとは思うが、
れっきとした美術品だと思う。
工夫が瑞々しい。
意匠がとんでもない。
まっすぐな祈りが伝わってくるようだ。
どうやって、作っていったのだろう?
心持ちが、純朴なのだ。
作陶の現場を見てみたい。
さて、先ほどの
大日如来様。
東博の説明は、
こちら
あぁ、これが先日ニュースになった、如来像。
これのことだったんだ。
それにしても、東博で、展示公開されるのが
こんなに早いとは思わなかった。
さすがの国立博物館だ。
思いの外、仏像展示コーナーに人が多いように思えた。
ステキな仏像に都内でお目にかかろうと思ったら、
ここが一番だと思った。
平成館はすっかり人の影が薄く、
2階から見える「薬師寺展」の看板が寂しげだった。
(行ったのは、6月10日)
しばらくは、この東博でお姿を拝見できるようだから、
その清々しいお姿に癒されようと思う。
背中には様々を背負った事だろうけれど、
そのお姿からは、
まったく次元の違う世界にいらっしゃるようだった。
村上隆のフィギュアが15億、
こちらは、いくら。
あぁ、悲しい。
かの恐ろしいフィギュアをどう評価するのか、
私にはまったく興味の湧かない話だけれど。
さぁ、来月、いよいよ対決が始まる。
それまでに、もう一回静かな東博に来よう、
そう思った。
珍しいことだな、とちらりと目をやり、
ともかく、
2階の展示をおしなべて見ることにして、
その後、
ゆっくりその仏像を見ることにした。
いつもながら、
見所は満載だ。
骨董界の重鎮、岩崎弥太郎、横河民輔、細川護立氏などを
顧客に持つ有名古美術商「壺中居」を創設した、
広田松繁(不孤斎)のコレクションが今年一年、
「茶の美術」コーナーで展示される。
「壺中居」からどれだけの名品が売買されたかと思うと、
気が遠くなりそうだが、
時代の変遷のお陰で、
この目でその優品を見ることができるのだ。
目利きを生み育てた、目利きの古美術商人。
「壺中居」の商品とならず、
ここにいることが幸せなのかどうかは別として、
優品の品格に秋まで遭遇できるのは、
なんとも幸せだ。
同時に1階で「高麗茶碗」が特別陳列されている。
先日畠山美術館で井戸茶碗の優品達と会ってきたが、
この飾りっ気のない、素朴すぎる茶碗を見立てた利休の
美意識は、その後の茶人達の憧れとなり、
見立てることの指南も様々。
今で言う無印良品は、雲水達の日常品にそぐわしい。
粗末で欲のないところ。
欲がないだろう?という欲の塊でもある。
へそ曲がりの私は、そのへそ曲がり具合が気に入ることになる。
素っ気ないものの水面下には、
ドロドロ欲の塊がうごめいているものだ。
土のもつ、土着な、シャーマンな香。
人の美意識によって、飾られすぎたものは
土着な香を奪ってしまう。
甘美をまとってしまう。
その甘美にまた酔いしれるから、たまらない。
素朴は、甘美の対極か。
などと一人妄想に迷いながら、館内をうろうろする。
裏庭の緑に命の時を知らされる。
平成館の塩野コレクションを見る。
縄文土器は、発掘調査された歴史的出土品なのだとは思うが、
れっきとした美術品だと思う。
工夫が瑞々しい。
意匠がとんでもない。
まっすぐな祈りが伝わってくるようだ。
どうやって、作っていったのだろう?
心持ちが、純朴なのだ。
作陶の現場を見てみたい。
さて、先ほどの
大日如来様。
東博の説明は、
こちら
あぁ、これが先日ニュースになった、如来像。
これのことだったんだ。
それにしても、東博で、展示公開されるのが
こんなに早いとは思わなかった。
さすがの国立博物館だ。
思いの外、仏像展示コーナーに人が多いように思えた。
ステキな仏像に都内でお目にかかろうと思ったら、
ここが一番だと思った。
平成館はすっかり人の影が薄く、
2階から見える「薬師寺展」の看板が寂しげだった。
(行ったのは、6月10日)
しばらくは、この東博でお姿を拝見できるようだから、
その清々しいお姿に癒されようと思う。
背中には様々を背負った事だろうけれど、
そのお姿からは、
まったく次元の違う世界にいらっしゃるようだった。
村上隆のフィギュアが15億、
こちらは、いくら。
あぁ、悲しい。
かの恐ろしいフィギュアをどう評価するのか、
私にはまったく興味の湧かない話だけれど。
さぁ、来月、いよいよ対決が始まる。
それまでに、もう一回静かな東博に来よう、
そう思った。
時間がかなり余ったので平常展示や法隆寺宝物館にも足をのばしました。
噂の仏像ありましたね、人が群がってましたね。
東博の会員さんは特別展は入館はどうなのですか?
「フランスが夢見たー」も「対決」も無料で観られるのですか?
実は私も「フランスが夢見た日本」行ってきました。
東博のパスポートで、どちらも入れます。
年に6回の特別展に入れます。
同じものを何度も、という訳にはいかないのですが、4000円で、一年間ですから、たまりません。
琳派展も控えていますし。ぜひ!←東博宣伝部長。
また、京都、奈良、九州の国立にも入れます★
ほっこりとした如来様ですよね。
東京国立博物館のページ
>特集陳列「二体の大日如来像と運慶様の彫刻」
運慶様(うんけいよう)と知っていても、
運慶さま、って読んでしまう。
大日如来は呼び捨て(?)なのに。
こういうお話、大好きです。プッ
「対決」バージョンの本館もただならぬ気配ですね。気力体力持続力感動力、試されます。
「様」を「式」って事にしてくれるとわかりやすいんですけれどね。