東京のホテルの伝統、ホテルオークラがこの9月から
建替え工事に入ることとなったそうです。
アメリカ大使館の直ぐ側で、
日本の中枢に近い場所で要人たちに最高のサービスを提供し続けています。
その建物の日本的なテイストにどうにかそのまま素晴らしい意匠などを
残して欲しいとの声も世界中の著名人から上がっていることも
その建物の持つ重要な存在を証明していることだと思います。
こちらに動画の紹介があります。
今後のご案内などはこちらホテルのサイト
さて、今回のアートコレクション展は
美の宴 琳派から栖鳳、大観、松園まで
というタイトルで、この8月20日(木曜日)までの期間限定の開催です。
明日がラストデイ、滑り込みできますように。
松園の作品が目白押しでした。
やっぱり、品格とうっとりする美しさに溢れていました。
「虫の音」の登場人物のゆったりとした時間とつま弾かれる三味線の音が
聞こえてくるようです。
柱にもたれる顔が隠れた女性?の色香にぐっと惹かれました。
小堀鞆音(こぼりともと)の舞楽、「蘭陵王」
「萬歳楽」の丁寧な歴史画的な丁寧な描き方から、
有職故実を基礎とした新しい歴史画を手がけた、という作家解説に
納得しました。
同時代にアンリ・マティスがいました。
彼の作品が日本画の並ぶ会場に色を添えたリズムが生まれていました。
岡本神草という、「仮面を持てる女」という
怪しい雰囲気を醸し出す作品に目がとまりました。
甲斐庄楠音の「横櫛」の臭いを感じるなぁと思っていましたら、
やはり、彼が深く関係していたのでした。
ウィキより抜粋:
(大正7年) - 京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)卒業。
第1回国画創作協会展に「口紅」が入選。
甲斐庄楠音の「横櫛」とともに入賞候補に挙げられる。
このとき、「横櫛」を推した村上華岳と「口紅」を推した土田麦僊とが
互いに譲らず、結局、竹内栖鳳の仲裁で金田和郎の「水蜜桃」が受賞する。
拮抗する何かが立ちこめていたような事態があったことを知らされました。
また、美の巨人たちでの放映があったようです。
こちら
こんな出会いも生まれるので、アート鑑賞は
止められません。
他、個人的に
あぁ、下村観山はうまいなぁ。という事と、
遠くからでも片岡球子作品は異彩を放っているなぁ、とか、
栖鳳さんは動物愛にあふれてるなぁ、とか。
また、大作、「護花鈴」今村紫紅作品の雅な中の
鈴のぶら下がる糸の緊張感と醍醐の花見という場面の
華やかさとどこかミステリーな気配があって
実に典雅で魅力的な屏風の世界に浸ることができました。
出品作品数が60点というなかで、
充実感に満たされたひとときを感じることができました。
300円でパンフレットが手に入ります。
また、この展覧会の純益は日本赤十社を通じて社会貢献のために
寄付されるそうです。
ホテルオークラの継承と復活を祈念して、
大倉集古館と併せて、
4年後のリニューアルを心待ちにしたいと思います。
ホテルオークラの本館の画像と大倉集古館の姿を
ご紹介します。
今月いっぱい、オークラの姿を見納めできるようです。
落ち着きのあるホテルと美の宴の共演を名残惜しんで頂ければと思いました。