あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

大森暁生展 ・新宿高島屋

2007-04-25 22:46:10 | 日本美術
その作品は、草月の家元、勅使河原茜とのコラボレーションとして、
一角象の彫刻が2体展示されていました。

その作品と同じ人とは思わなかったのですが、
ふと、怪しげなバラの彫像に目がいってしまい、
フラフラと展示コーナーに
入り込んでしまって、
ともかくも、見とれてしまいました。

その作品達の怪しげな空気は
きっと澁澤龍彦に繋がるというもの。

百合の彫像も片隅に気高くたたずんでいたし、
仮面舞踏会のマスクもニヒルに飾られています。

鏡の中に取り込まれた、蝶や、鳥たち、
体の半身を鏡の中で作られて、
その中で自由になっている様子。

高島屋の各フロアーのレストエリアにかけられている鏡が
この方の作品だったのでした。

圧巻は、大きな鏡の額縁にグログロととぐろを巻いた蛇の姿。
妖怪の悪女しか使うことを許されないような
恐ろしげな鏡。

・・・私はつい、息をのみ、見惚れてしまっていて、
作品を求めるということは
その作品と暮らすこと。
それは、まずあり得ない事。
健康的な色のマンションの家にはまったく合わないし、
住人にも馴染まない空気・・
古い、洋館の使っていない小部屋に誰の目にも触れないところで、
ひっそり隠しておきたいという作品です。

致し方なく図録を伺ったけれど、
作っていないとのこと。
9枚入りのカードを求めることにしたのです。

嬉しい気持ちと、ワクワクした気持ちの横に、
どうも先ほどからこの場所にいる青年はきっと作者に相違ないと
信じて疑わなかったから、
なんとかお話を取り付けようとして
この私が、何故かミーハーにもサインを頂くことを願ってしまったのでした。

青年は、やはり、ご本人、大森暁生氏でした。
カード集の表に
実に気さくにゴールドのペンでシャラシャラとサインを頂きました。

きゃ~~~~~~

そして思わず、澁澤龍彦氏の匂いがありますとお伝えすると、
えぇ~、澁澤さんがお好きな方が結構買って下さいます。
とかなんとかお話下さいました。やっぱりね~

勅使河原茜さま~どうか、あの一角象親子を一山のお花に中に入れて、
高丘親王もお連れして、
百花繚乱の旅路へのはなむけにしてさし上げて下さいませ~

そんなわけで、妙なテンションになってしまったワタクシでございました。

新宿高島屋の10階で、5月1日まで、ご覧頂けるそうです。

地元千住方面でアトリエ工房があるようですし、
一度お邪魔してみたいと、不埒にも思ってしまったのでした。

さすが、おばさん。伊達におばさんになっているのではないと
自分のおばさん力に妙に感動してしまったのでした。

 

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