あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

日本画の名品ー夏を楽しむー ・静岡県立美術館

2007-08-14 15:39:11 | 日本美術
展覧会で、心は大抵ウキウキ、ワクワクするものだけれど、
しつこいようだが、石田徹也の後、ザワザワしたままだった。
そのまま、広い美術館を回ることは結構しんどかった。

しかし、ここは都内ではないし、
新幹線に乗って、静岡鉄道に乗って、はるばる訪ねたところ。
気合いを入れて、収蔵品展を見ることにした。

日本画の名品ー夏をたのしむー
とあって、第7展示室は照明が落ちて薄暗い。

作品数は17点ほどで、コンパクトな展示となっていた。
「夏秋花鳥図屏風」 狩野探信守道 
この屏風が心を切り替えてくれた。
この探信守道(たんしんもりみち)は、狩野派の天才探幽の後、
鍛冶橋狩野派にようやく輩出された人だと言うことが
「狩野派決定版 別冊太陽」(平凡社)の中で、安村敏信氏が書いている。
この人の弟子には、去年鳥取で特別展があった沖一蛾を抱え、
狩野了承という絵師もいたそうだ。
狩野派であるにも関わらず、
岩佐又兵衛のような浮世絵を模写していたことも取り上げられ、興味深い。
その探信守道が、なんとも風雅な夏秋の花鳥図を描いていた。
オーソドックスでもあるけれど、
雅溢れるだけのものではなかった。

他、鏑木清方の「朝顔日記」がしっとり美しい。

邦崖、芦雪、其一、大観、玉堂、などなど、大御所達が顔を並べていた。

夏の風物詩の清々しい日本画だった。
ここの所蔵品の深さを表しているようだった。
そうそう、かの若冲の「樹花鳥獣図屏風」もこちらの所蔵品だった。

また、こちらの美術館の奥には、ロダン館を併設していて、
この建物が素晴らしかった。

高い天井は舟形のドームのようで、
広々とした空間の中で、史上6番目の鋳造という地獄の門や、
考える人、カレーの市民、などなどと間近に対面できる。
デジカメがOKだったので、喜んで、写してきた。

その地下に「ロダンの友人たち、同時代人たち」と称して、
モネや、ピサロ、セザンヌ、ゴーギャンなどの絵を見ることができ、
上野の西洋美術館の別館のようでもあった。

屋外には彫刻プロムナードがあり、
お散歩しながら、彫刻を鑑賞できるようになっている。
あぁ、もう少し時間に余裕があったなら・・・・

同時に「NHK日曜美術館30年展」が巡回していた。
それは去年芸大で大混雑の中見たのだが、
もはや見る体力もなく、時間も迫るはずだったので、
最初からコースに入れなかった。

日本平の裾野に富士山を遠くに抱き、すばらしいロケーションの中、
雄大な美術館が鎮座しているようだった。
都心からはちょっと遠いが、これからもこの美術館の活動には
注目していきたい。
今現在の時代と住んでいる土地の人々と共生しているように思えたのだ。

ランチはここのレストランで、息子はハンバーグ、私はオムライスを
美味しく頂いた。
ショップでは、石田徹也の小冊子と、ハガキやメモなどを求めた。

案内のおばさんも心温かく接してくれ、
大満足の美術館だった。ありがとう~~

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