あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

柳宗理のみてきたもの・日本民藝館 駒場散歩

2013-10-15 13:44:52 | 美術展
 

 駒場界隈に行くのはとても久しぶりでした。
 前回のつきしまかるかや展を見逃していたので、
 民藝館にまだ行ったことがないという友を誘って連休に行ってきました。

 「柳宗理のみてきたもの」

 柳宗悦を父も持つ工業デザイナーとして、
 また日本民藝館の三代目館長としても
 その見つめてきたものを一堂に展示する展覧会です。

 宗理(1977~2006)96年の人生において
 「用の美」から「無心の美」という親子の共通理念に基づいて
 世界中の色々なものが集められました。

 民芸活動の濱田庄司、河井寛次郎、田島隆夫などの作品も
 散りばめられ、
 民藝館所蔵品の朝鮮陶磁器とも違和感のない
 アフリカの布、仮面、インドの金属器、
 イギリスのスリップウエァなどが並びます。
 併せて日本の民窯、朝鮮陶磁器、
 木彫では木喰仏が四体も展示されました。

 そもそも民藝館の建物がすばらしいので
 その展示ケースとしての環境は人肌感溢れる
 癒やしの空間になってしまうのです。

 不思議なことに、掘っ立て小屋にも、
 クールなホワイトキューブでも
 コンクリートの打ちっ放しでも、
 大谷石の蔵の中だとしても
 違和感のなくなるそのものたちの魂力に
 元気をもらいます。

 日本の工芸の底流にある
 自然と共存してきたその目を通して作られた美学は
 生活を、家族を愛したものたちへ注がれるものです。

 慈愛をこめてものをつくること。

 特別なものは何もないのです。

 素朴なのに、土のようなのに、
 そこにある安心感。

 ついつい一つ一つのものに話しかけて
 物語をしそうになります。

 詳しいことは民藝館のサイトをぜひチェックしてみて下さい。
 こちら



 せっかくの駒場なので、
 東大キャンパスにまったく似合わない中年おばたちで
 ランチしてきました。
 風が優しく、構内の古い建築姿に感動しつつ、
 環境のすばらしさにため息しました。







 また、民藝館のあとには
 駒場公園にまわって前田邸を見学してきました。

 iPhone画像をあわせてUpします。

 秋のお散歩には丁度良い具合。
 お天気の良い日に、ぜひお出かけしてみて下さい。

 前田邸の和館の杉板戸に描かれた絵がとても素敵だったので
 驚いたら、係のおじさんから
 橋本雅邦の作だと教えてもらいました。
 びっくり!!
 
 これからもイベントがあるとか、
 目黒区の情報も時々気にしてみましょう。



































 前田邸をでたすぐの所に
 まだまだ盛りの朝顔が咲き誇っていました。
 鈴木其一か??でした。



 民藝館ショップで芹沢銈介の来年のカレンダーを求めたら、
 あと少しですが、今年のカレンダーをどうぞ、とプレゼントしてくれちゃいました。
 ふふ。
 
 華々しい大展覧会が目白押しの所、
 たまにはこんな旅気分を味わえる場所で
 ひといきつくのもお勧めです。
 
 
 

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2 コメント

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Unknown (oki)
2013-10-22 04:36:06
僕も駒場東大で、二年過ごしたわけですが、当時は民芸館なんて、縁がないというか、一度も行かなかったなあ。
本郷も同じで、弥生美術館が目の前にあるけど、関心なかった。
駒場はずっと渋谷よりに出口があって、すぐに松濤、今は工事中の松濤美術館出られるのですよ。
まあ、駒場は本郷に比べれば、面積も狭いし、教養学部の学生が全員学ぶのですから、食堂なんて昼休みはごった返しますし、今は入り口に警備員がいますが、当時は警備員なんておらず、夜でも自転車でキャンパス走り抜けたりね。
あべまつさんのお子さんが駒場に行けますように!
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oki さま (あべまつ)
2013-10-22 22:17:56
こんばんは。
okiさんは駒場、本郷の学生さんだったのですね!
坊主はとてもとても目指すことが出来ないレベルなので、私学で入学できるところがあればというお恥ずかしい状況なのですよ~
それでも、頑張っているので、なんとかなって欲しいと願っているところです。
素晴らしい環境に感動しましたよ!

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