あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

11月の近況報告

2011-11-24 22:39:01 | アート鑑賞記録
*ブリジストン美術館 野見山暁治展
  何も知らずに11月2日に鑑賞したが、とてもパワフルなエネルギーと自由さに圧倒されて
  一挙にファンに。
  23日はTakeさんの企画で中村学芸員のすばらしいギャラリートークを拝聴。
  ますます野見山暁治さんの計り知れない魅力に魅了されてきたところ。 

*出光美術館 等伯と狩野派
  等伯好きとしては見逃せないと、早々に出かけてきたが、
  やっぱり湿度といい、構成と良い、表現のスマートさに降参。
  探幽も狩野派の絵師達にも等伯から学ぶところがあったのだと感じた。

*三井記念美術館 象彦と漆器
  なんとも麗しい漆の芸。
  まさかこれが木でできた箱物に、木からしみ出た樹液が
  日本を代表する光の工芸へと魔法のように変身するとは
  誰も思わなかっただろう。
  ゴージャス、垂涎、きりきり舞いな震える技の至宝展。
  金工細工の粋をみるような美しさ。これが漆芸の極み!

*東京国立博物館 法然と親鸞展 常設 庭園解放
  二河白道の頼りなき白き道幅をみつめて入場した。
  法然と親鸞両人の歴史をひもとく展覧。
  書の凄さをまじまじと見るにはちょっと混みすぎで
  仏像の清々しい麗しいお姿に合掌する気持ちに。
  悪人こそが救われるべきという親鸞の教えは今の日本にとっても
  考えなおすべきヒントが隠れていると思う。
  悩ましい人生を誰もが認めてもらいたいものだ。
  相変わらず本館も見所満載。
  高円宮コレクション室開室で、殿下の根付コレクションを拝見。
  板谷家の絵画と下絵という企画展も興味深かった。
  国芳の浮世絵がずらりも圧巻、近代絵画には芳年も登場。
  東洋館の花、紅白芙蓉図も久しぶりに出会った。

*サントリー美術館 泰西王侯騎馬図屏風の謎展
  会員内覧日に鑑賞。
  静かにゆったり観られるこの日は実にありがたい。
  ともかく南蛮図の絵はいったい誰が描いたのか?
  その謎はいつも気になるところだが、
  日曜美術館でも触れられたように、イエズス会に入信した日本人が
  西洋絵画を学んで布教に必要な聖母子像などを描いてきたそうだ。
  展示された絵の中には羊のサイズがちっちゃすぎる場面を見つけたり、
  不思議な遠近や、陰の入れ方を見つけてしまう。
  圧巻は泰西王侯騎馬図屏風の神戸市立博物館所蔵品と
  サントリー美術館所蔵品とが同列に並んだ階段下の空間。
  堂々たる屏風には違いないが、何故に神戸ものは屏風の仕立てが立派なのか、
  金具の凄さ、色の残り方のきれいさ、サントリーものより
  ずっと発色が良く残されていた。
  屏風のここまでの来歴に秘密があるようだ。
  他、本物のザビエル肖像とか、キリスト教を禁じられたときの
  不幸な歴史の証明となる残酷な場面や踏み絵などもあり、
  安土桃山に泰西の熱風が吹き荒れていたことは間違いなさそうだ。
  会期末にまたもう一度、展示替え品なども含めて再訪したいと思っている。
  サントリーならではの熱気ある展覧。
  
*国立西洋美術館 ゴヤ展 常設展
  以前、デューラーの美男子ぶりにはご機嫌にさせてもらったが、
  ゴヤの自画像の迫力にも空恐ろしい何者かをもっている近寄りがたい
  気配のある人相に息をのむ。
  版画の緻密さと、空気の動きまで描くタッチの凄さ。
  左利き?
  着衣のマハも裸体もあまり動悸に影響なく、申し訳ない。
  一人の画家の傲慢と技術と陶酔と悲惨を生肉臭も添えながら
  感じ観るようだった。
  凄惨な戦争によって人々が狂気にしていった
  ことを目の前にしてきたのだ。ゴヤが狂ったのではないのだと。
  常設、これが充実。企画のコーナーもすばらしく。

*府中美術館 世紀末展
  ガラスとルドン、ゴーギャンの白黒の版画を見事に
  コーディネイト。会場内の構成もとても美しかった。
  ルドンの「瞳を閉じて」は宗教画になっているようだった。
  ガレはとろけるようなガラスという素材に森の神秘を
  閉じ込めた。その技術と表現にきっと埋没していたのだろう。
  表現された向こう側への思いが通じるような展覧だった。

*浅草寺境内 油屋茶屋 大絵馬 伝法院庭園
 ここはちょっとしたTwitter情報で盛り上がっていたところ。
 浅草寺境内に油絵茶屋を再現したという小屋が現れたとのこと。
 それを観にちらり出かけたが、
 昔サーカス小屋が張られた脇に見世物小屋があって、
 ろくろっ首とか何か、怪しげな見世物。
 そんな気配がちらり。
 境内には菊祭り、大絵馬展、伝法院庭園解放などなど、
 楽しげなるものが盛りだくさん。その日はまた酉の市でもあった。
 見世物というワクワクは見せるものに力がないと
 すぐに飽きられてしまう。
 しかし、大絵馬の迫力はま~本当に凄いものだったし、
 伝法院庭園はここはいったいどこか?と思うほどの静けさと
 丹精された庭園で、見事だった。
 もう少し紅葉が進んでいたら,さぞ、と思う景色だった。
 遠くにはスカイツリーも借景に。
 国芳の描くスカイツリー図を思い出したり。
 

他、草月展前期、後期鑑賞、
花材の買い出し、
従妹のウエディングドレスの仮縫い、チョーカー制作
結婚披露パーティの出席、
大学時代の学友集合会、

かつ、風邪で一週間使い物にならず。

ブログの文章を練り上げる気力が失せておりまして、
しばし、ご猶予を頂ければと思います。
また、皮膚科とのご縁も見つかり、通院の任が生まれました。
そんなこんなであっという間の11月。

おめでたいことに新婦従妹には来年早々にベビーが。
人々は人との巡り会い、つながりで延々と命が繋がっていくのだと
不思議なご縁に光も感じたこの頃です。

また、友人からの面白い話が進んでいます。
もう少し具体的な形が見えてきたらご報告とさせて頂きます。
今しばらくのご無沙汰をお許しくださいませ。

大変しつこい風邪がはやっているようです。
どうか、体調にもお気をつけて忙しい12月をお過ごしください。

ざっと駆け足の鑑賞記録でした。


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