阿部ブログ

日々思うこと

ペタコンからエクサコンへ

2012年12月09日 | 日記
10月29日に公開されたオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory:ORNL)のスパコン「タイタン(Titan)」が、11月12日の最新世界トップ500スパコン・リスト第40版で第1位となった。「タイタン」はなんと毎秒17.59ペタフロップス(Petaflop/s)の演算能力を叩き出す。これは毎秒2京回の浮動小数点計算をこなすもの。

「タイタン」は、オークリッジ研究所のスパコン「ジャガー(Jaguar)」の後継機。
「ジャガー」は、グラフィック・プロセッシング・ユニット(Graphic Processing Unit:GPU)により演算するが、今回の「タイタン」は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)と、GPUを複合的に組み合わせることにより「ジャガー」と同様のサイズ及び使用電力で10倍以上の演算能力を発揮できる。CPUは、AMD社のOpteronでコア数は29万9008。GPUはNVIDIA社のTesla(K20x)で26万。
因みに「ジャガー」の消費電力は、7メガワット。タイタンは8.21メガワット。

2012年6月の前回トップ500スパコン・リスト第39版で第1位だったローレンス・リバモア国立研究所(Laurence Livermore National Laboratory:LLNL)の「セコイア(Sequoia)」は第2位で、省電力は8メガワット。16.32ペタフロップスの「京」は第3位。

今後は、ペタコンからエクサコンの開発に向けて研究開発が進められる事となるが、技術的なハードルは極めて高い。このハードルを越える為にはプロセッサとストレージの一体化技術や、プロセッサとメモリの3次元積層など大きなイノベーションが必要だ。

第 1 位 オークリッジ国立研究所「Titan」(1京7,590兆回/秒)
第 2 位 ローレンス・リバモリア国立研究所「Sequoia」(1京6,325兆回/秒)
第 3 位 理化学研究所「京」(1京510兆回/秒)
第 4 位 アルゴンヌ国立研究所「Mira」(1京66兆回/秒)
第 5 位 ユーリッヒ研究センター「JUQUEEN」(4,141兆回/秒)
第 6 位 ライプニッツ研究センター「SuperMUC」(2,897兆回/秒)
第 7 位 テキサス大学「Stampede」(2,660兆回/秒)
第 8 位 国立スーパーコンピュータセンター「天河1号A」(2,566兆回/秒)
第 9 位 CINECA「Fermi」(1,725兆回/秒)
第10 位 IBM Development Engineering「DARPA Trial Subset」(1,515兆回/秒)

「京」以下の日本勢は、青森県六ヶ所村の国際核融合エネルギー研究センターにある「六ちゃん(英語名Helios、ヘリオス)」(1,237兆回/秒)が15位、GPUメインの東京工業大学「TSUBAME(ツバメ)2.0」(1,192兆回/秒)は17位となっている。

最新の画像もっと見る