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阿部ブログ

日々思うこと

資源開発のフロンティア:グリーンランドで重希土類の開発が進む

2012年02月18日 | 日記
グリーンランドでの資源開発が進んでいる。
ご存知の通り、グリーンランドは、世界最大の島で全体の80%が氷床と万年雪に覆われており、氷の厚さが最大3000メートルに達するが、ここ10年で氷床の溶解が進んでいる。

グリーンランドの殆どは雪と氷塊に覆われており、沿岸部の一部しか資源探査が行われていなかったが、永久凍土の融解により深部での調査が可能となっている。このような状況から同島の鉱物資源を狙った動きが出てきている。

グリーンランドの地質調査機関GEUSによると、同島の西沖合では原油が海底にしみ出す油徴が確認されているとの事で、サウジアラビアの原油埋蔵量の4割に当たる油田と、北海油田の3分の1に相当する油田の2つが眠っているという説もある。
北極や南極と違い、グリーンランドは自治政府の独立も含めまさに手付かず領域であり、我々は資源・エネルギー戦略の未開拓エリアとしてグリーンランドに着目するべきではないか。

さて、中国に依存するレアアース資源もグリーンランドにはその埋蔵が確認されているが、ここにきてオーストラリアの資源会社 Greenland Minerals and Energy社が、グリーンランドでの重希土類開発プロジェクトが進めている。

同社は、昨年の2011年12月5日に探鉱中の Kvanefjeldウラン・レアアース・プロジェクトについて、グリーンランド自治政府との間で、既に得ている探鉱鉱権の内容を改訂している。
Greenland Minerals and Energy社によると Kvanefjeldの資源量は、619百万トンで、レアアース含有量は6.55百万トン、その内重希土類は0.24百万トンとしている。
この規模であれば今後の開発によりレアアース市場の安定化に寄与するだろう。

周知の通り、レアアースの採取の過程から放射性物質、即ちウランやトリウムが随伴するが、今回はグリーンランド自治政府から放射性物質の取り扱いに関する認可を得た。これにより重希土類の資源開発の採掘の完全な権利を取得したことになる。

当然の事ながら、資源開発に関してはグリーンランドの環境保全と地元社会への貢献が求められる。
つまりEenvironmentally and Socially Sustainable Scenarioを策定し、その実行を求められる。

グリーンランド自治政府に提案したいのは、ノルウェー領で地球最北端の町・ロングヤービーエンLongyearbyenのようにパスポート不要、出入り自由、就業と居住を完全自由とするフリーゾーンとする案。
Greenland Minerals and Energy社は、レアアース資源やウランの開発を行う為には、前述のEenvironmentally and Socially Sustainable Scenarioを考える必要がある。これは実行可能で社会持続性を確実にするものでなければならない。

ロングイヤービエンは、。北緯78度に位置する。スヴァルバール諸島Svalbard最大の島スピッツベルゲン島Spitsbergenにある町。
グリーンランド自治政府の関心を得る事が可能と思われる点は、この最北端のロングヤービーエンに町ができたのは、石炭鉱山が発見されたのがきっかけ。町の名前にあるロングイヤーは、アメリカ人実業家の名前。
ロングイヤービエンでは、現在も第7炭鉱が今も石炭採掘の為に操業している。

グリーンランドの今後については、日本としても貢献できる事があるだろう。


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