阿部ブログ

日々思うこと

ミャンマーの希少資源ポテンシャル

2012年04月09日 | 日記

オバマ政権が段階的な経鏡制裁解除に動き出したミャンマー。2011年6月27日のブログでも既報済みだが、タイにも匹敵する6000万人を超える人口と豊富な天然資源を有する同国が注目を集めている。

ミャンマーから中国への石油・ガスパイプライン敷設

ミャンマーは旧援蒋ルートにたり中国、それとインドを隣国とし、日本の1.8倍の約68万平方キロメートルで、人口のもタイに匹敵する約6200万人の人口を抱え、ベトナムなどと比較してもそれなりの市場の大きさと成長潜在力は、今後のビジネスのポテンシャルに期待するもの理解出来る。最近では丸紅が外資で初めて首都ネピドーに出張所を設けるなど日本の大手商社が人員を強化しつつあり、中国からのシフトを考慮して製造業各社もミャンマーに駐在員を増員するなど動きが活発化している。

つまりミャンマーの魅力の1つが廉価な労働力。ヤンゴンの一般労働者の年間賃金は629ドル(約5万2000円)で、中国やタイのナント5分の1以下。しかも識字率が9割を超え、かつ英語人口が多いなど人材の質も高く評価されている。中国シフトを急ぐ企業にとっては有望な国だ。

それとミャンマーは天然資源が豊富であること。特にレアアース、レアメタルの資源が有望視されている。また以外に知られていないが、銅はレアメタルであるが、銅も含めてミャンマーの既存金属資源について列記する。

①Monywa斑岩銅鉱床:
銅の鉱徴地はミャンマー国内では多く知られており、その大部分がEastern Highlands に分布している。また、Central Be1t 地質区中にある南北方向の火山帯(Myanmar Arc)にも銅の兆候地がある。
しかしミャンマー唯一の銅鉱山であるMonywa斑岩銅鉱床とArakanChin Be1t中のオフィオライトに伴う含銅硫化物鉱床の賦存が最も有望な銅資源であろう。また新たにミャンマー南西部のLemyethna(Dokhta Chaung Cu anoma1y)では塩銅品位2~3%で鉱量5.5Mtとするデータがある。

②Bawdwin 鉛・亜鉛鉱床:
鉛・亜鉛の鉱徴地は鉱床タイプとして塊状硫化鉱床及びミシシピーバレー型鉱床があり、塊状硫化鉱床のBawdwin 鉱山もある。それとミシシピーバレー型鉱床のBawsaing 鉱山等がEastern Highlands 地質区に分布していることから、ミシシピーバレー型鉱床も資源潜在性が高いと推測される。

③Tagaung Taung ニッケル鉱床:
Tagaung Taung ニッケル鉱床は、南北約12km、東西約18kmに広がり、ハルツバージャイトとダナイトのみで構成されているマッシーフである。鉱床の表面はラテライトで覆われていると言う特徴がある。マッシーフは、エーヤワディ川の最も低い段丘の約750m 上部に出現している。
Tagaung Taung ニッケル鉱床は、一般的にニッケル・ラテライト(サプロライト)で構成されている。Tagaung Taung ニッケル鉱床には、ニッケルの平均成分が2.02%(実際には1.40%未満は廃棄)のラテライト・ニッケル鉱石が4000万トン賦存していると推定されている。

④Mwetaung ニッケル鉱床
Mwetaung ニッケル鉱床は、Tiddin郡にある。
Mwetaung ニッケル鉱床は、ニッケル鉄ラテライト鉱石の鉱床。
Mwetaungニッケル鉱床の化学分析値は、ニッケルが1.21%、鉄が3.70%、酸化シリコンが46.42%。
Mwetaung 地域には、10kmの範囲内に6つの鉱床の存在が確認されている。この内ニッケル(平均成分1.19%)の推定埋蔵量は約3000万トン。もう一つのニッケル鉱床は平均成分1%で、その潜在埋蔵量は8000万トン。

⑤Kathaing Taung 鉄鉱石鉱床:
Kathaing Taung 鉄鉱石鉱床は、カチン州のHpakant郡にある。この鉄鉱床は、針鉄鉱/褐鉄鉱75%、赤鉄鉱15%、磁鉄鉱2%の組成。平均鉄分は50.56%に達する。また鉄鉱石の総埋蔵量は2億2300万トンと推定されている。

⑥白金族金属(PGM)鉱床:
PGM鉱床は、カチン州Monyin郡にある。
PGM 鉱床は、主にオフィオライト。それとダナイト、斑糲岩で構成されている。他は詳細不明。

昨今のミャンマーの民主化改革の結果、2011年3月末時点での外資の直接投資累計額は360億ドル(約3兆円)に達している。
今後の民主化の動向と中国の対応に継続して注目したい。

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