日本勢の脱中国産レアアースの動きが顕著で、既にジスプロシウムを使わないネオジム磁石が開発され、フェライト磁石においてはネオジム磁石を超える性能を持つ製品も開発されている。また中国以外でのレアアース調達が軌道にのり、カザフスタンからの輸入も実現している。
この日本の対応により中国のレアアース輸出は、大幅減となっている。またレアアース価格高騰の折、黒社会による違法採掘が横行し、環境破壊が加速的に拡大し、今後も深刻な影響を残すと懸念されている。※1
今年1月~9月の輸出量は前年同期比11.5%減の9967㌧。今年のレアアース輸出枠30966㌧の1/3であり、大量の在庫を抱える形となっている。因みに輸出額は同61.5%減の7.023億米㌦。このまま輸出が振るわないと1995年以来の低水準になると予想されている。
既に内モンゴル自治区の包頭鋼鉄希土公司はレアアースの生産を停止しており、先週はついに中国五鉱集団公司はレアアース生産を停止すると言う事態に陥っている。自業自得である。
この生産停止を受けつつも包頭鋼鉄希土公司は、重希土類のネオジムとプラセオジムの備蓄を行うとの動きがある。備蓄量はREE酸化物で5,000㌧程度と推測されているが、これは中国政府によりレアメタル/レアアースの国家備蓄政策に備えているとの報道もあるが、定かではない。
このような中、2012年9月11~12日に広州市で開催された「2012国際電子金属年会」において中国の国家備蓄局が近いうちに金属ゲルマニウムの備蓄買い入れを実施するとの発表があり、既に中国4大ゲルマニウム企業である「雲南ゲルマニウム業」、「南京中ゲルマニウム」、「馳宏亜鉛ゲルマニウム」、「中金嶺南」各社は、既に政府から通知を受け取っているとされる。
実は中国のゲルマニウム埋蔵量と生産量は共に世界一であり、世界のプライスリーダーである。
今回の国家備蓄局による金属ゲルマニウム備蓄は20tとされるが、これは中国における年間生産量の20%相当量であり、このインパクトは市場に影響を与えている。既に1キロ当たり1700ドルを越えており、中国政府の動き如何では、更に高騰する事も予想される。
ゲルマ二ウムの世界生産量は約100トン程度。しかし中国はその80%を生産する。このゲルマニウムは、光ファイバーや軍需/民需の赤外線関連部品、及び太陽光パネル生産、最近では健康用途に用いられ、供給不足が続いている。日本ではゲルマニウムは主にPETボトルの透過性を増すためPET樹脂重合触媒として使用されているが、中国企業の売り惜しみと国家備蓄の美名による恣意的な資源政策で価格を吊り上げているが、このような中国の動向には注視が必要であり、特に中国が圧倒的に強みを持つ希少資源(タングステン、インジウム、バナジウム、モリブデン、マンガン)についても調達先の多様化が必須である。
※1:違法採掘の場合、地面に直接硝酸を撒いて「粗レアアース」を抽出している。またレアアース抽出の際に、トリウムなど放射性物質が随伴生成するが、これは違法投棄されている。
この日本の対応により中国のレアアース輸出は、大幅減となっている。またレアアース価格高騰の折、黒社会による違法採掘が横行し、環境破壊が加速的に拡大し、今後も深刻な影響を残すと懸念されている。※1
今年1月~9月の輸出量は前年同期比11.5%減の9967㌧。今年のレアアース輸出枠30966㌧の1/3であり、大量の在庫を抱える形となっている。因みに輸出額は同61.5%減の7.023億米㌦。このまま輸出が振るわないと1995年以来の低水準になると予想されている。
既に内モンゴル自治区の包頭鋼鉄希土公司はレアアースの生産を停止しており、先週はついに中国五鉱集団公司はレアアース生産を停止すると言う事態に陥っている。自業自得である。
この生産停止を受けつつも包頭鋼鉄希土公司は、重希土類のネオジムとプラセオジムの備蓄を行うとの動きがある。備蓄量はREE酸化物で5,000㌧程度と推測されているが、これは中国政府によりレアメタル/レアアースの国家備蓄政策に備えているとの報道もあるが、定かではない。
このような中、2012年9月11~12日に広州市で開催された「2012国際電子金属年会」において中国の国家備蓄局が近いうちに金属ゲルマニウムの備蓄買い入れを実施するとの発表があり、既に中国4大ゲルマニウム企業である「雲南ゲルマニウム業」、「南京中ゲルマニウム」、「馳宏亜鉛ゲルマニウム」、「中金嶺南」各社は、既に政府から通知を受け取っているとされる。
実は中国のゲルマニウム埋蔵量と生産量は共に世界一であり、世界のプライスリーダーである。
今回の国家備蓄局による金属ゲルマニウム備蓄は20tとされるが、これは中国における年間生産量の20%相当量であり、このインパクトは市場に影響を与えている。既に1キロ当たり1700ドルを越えており、中国政府の動き如何では、更に高騰する事も予想される。
ゲルマ二ウムの世界生産量は約100トン程度。しかし中国はその80%を生産する。このゲルマニウムは、光ファイバーや軍需/民需の赤外線関連部品、及び太陽光パネル生産、最近では健康用途に用いられ、供給不足が続いている。日本ではゲルマニウムは主にPETボトルの透過性を増すためPET樹脂重合触媒として使用されているが、中国企業の売り惜しみと国家備蓄の美名による恣意的な資源政策で価格を吊り上げているが、このような中国の動向には注視が必要であり、特に中国が圧倒的に強みを持つ希少資源(タングステン、インジウム、バナジウム、モリブデン、マンガン)についても調達先の多様化が必須である。
※1:違法採掘の場合、地面に直接硝酸を撒いて「粗レアアース」を抽出している。またレアアース抽出の際に、トリウムなど放射性物質が随伴生成するが、これは違法投棄されている。