阿部ブログ

日々思うこと

中国が資源税の法令を改正し天然資源の国家管理を強化

2012年02月03日 | 日記

昨年、中国政府は「レアアース・鉄鉱国家計画鉱区」11か所を指定し、同国内における貴重なレアアース資源、及びバナジウム・チタン磁鉄鉱の国家管理を強化した。

この動きに併せて資源税に関する法令の改正が行われ、昨年11月に施行された(主席令第605号)。
中国の資源税とは、天然資源の合理的な開発や利用を促進する事を目的として、同国内の鉱物資源(石油、天然ガス、石炭、非金属鉱石、非鉄金属鉱石や塩)の採掘と生産を行う企業などが政府に納付する税金。

改正までは資源税については、売上量による従量税であったが、今回の改正により売上金額による従価税への転換が行われた。
また今回の改正では、莫大な石炭資源を有し発電における石炭依存が極めて高いする中国ならではの対応として、石炭をコークスの原料となる粘結炭とその他に分け、また非金属資源をレアアースとその他に細分し、かつ世界的に同国内に偏在するバナジウム・チタン磁鉄鉱など貴重な鉱石については実質的な増税を行う。

更に外国企業と共同で石油・天然ガスの開発・採掘を行う場合には、今までは資源税と鉱区使用料を課していたが、今回の改正からはこの鉱区使用料を廃止し、資源税のみを課すこととに政策を変更し、これに関連する「対外協力海洋石油資源採掘条例」と「対外協力陸上石油資源採掘条例」の2法令が改正されている。

経済成長を維持拡大する事が中国共産党の至上命題となっている現在、極力海外での資源開発を推し進め、国内資源の保護保全を優先させる政策は、今後の食糧やエネルギー資源の世界的な争奪戦を更に激化させる可能性が高く、同国の政策動向の注視が今後も必要である。