フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

隣国を訪れる

2008-07-15 23:05:41 | Busan finally
国際大会に参加する口実で、10日から14日まで韓国釜山を訪れました。私を入れて総勢5名、うち同僚は釜山の大学を出ていますし、学生の1人は韓国に5年住んでいた人ですから、こちらは連れて行ってもらったという感覚です。しかし、2時間の後、飛行機が釜山の金海空港にドンッと荒々しく着陸したとき、「隣の国を訪ねるのに50年もかかったんだ」と、はっとしました。

50年が遅すぎたのか、それともまだ準備不足と言うべきなのか、それはわからないにしても、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアを回って、やがて香港へ、そして2年前には中国へと足を進めてきたその論理的な次の到着地は韓国しかなかったかもしれません。国際大会の、翌日には忘れてしまうような話はここではやめて、出来るだけ表面の記録をしておきたいと思います。

さて、韓国と言えば、ハングルですよ。釜山に何があるのか調べる暇はなかったけど、ハングルの勉強には1、2時間はかけたんです(←それだけ?!)。成田空港の大韓航空チェックインカウンターでハングルを読んだあたりまでは勉強の成果と思ったんですけどね。そのあとがいけません。金海空港からシャトルバスで行く道すがらハングルだらけの看板を眺めているうちに、浅漬けの知識はいっぺんにふっとんでしまった。過剰なインプットは台風みたいなものだったみたいですね。看板が大きいし、それにいろんなスタイルがあって、漢字風とかおしゃれな現代風とか、凝るわけです。目がくらくらしているうちに、ホテルが近づいてまだまだ暑い夕方の海雲台(ヘウンデ)に降りたんです。

あとでわかったのはそのあたりが今、釜山でもっとも開発が進んでいる地区で、これから先端都市が出来るという場所。まあ、東アジア沿岸部の開発地区ですね。同僚は「香港に似てませんか?」と言ってました。その感じは釜山を歩けば歩くだけ深まっていきました。どこに行っても山が見えるし、岡の上から見ると港や湾が見渡せる。ただし、もう少し土地が広いので、道路も街も余裕があってゆったりしているところはちがうのですけど。

しかし、もっとも違うのは人間です。その話はおいおい。

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蕎麦屋そのほか

2008-07-06 23:43:12 | Weblog
今日は娘といきつけの蕎麦屋でお昼ご飯。この蕎麦屋、道路の角にあって決して良い場所ではないのだけど、威勢の良いおばちゃんとその家族が美味しい蕎麦を食べさせてくれるので、もう10年近く通っている。だから、今日も横開きのドアをガラガラと開けて「いらっしゃい!」と言われたけど、次のおばちゃんの言葉は「え?今日は二人?」だった。表情は何かこちらに問題が起きたのかという少し曇った感じだったので、今日は奥さんは仕事に出かけたんです、なんて必要もない弁明をしなくてはならなかった。蕎麦の味はまったく変わらず美味い。娘と二人だけで来たのはもうずいぶん前のことだ。やはり同じような状況で、二人で出かけたのだが、その頃、娘は4歳か5歳だった。食べ終わっていざお金を払おうと思ったら財布を忘れていることに気が付いた。あわてて、娘を蕎麦屋に質に入れて、家まで財布を取りに行ったっけ。どうかこの蕎麦屋もおばちゃんも変わらず、蕎麦屋とわが家の歴史が続きますように。

お昼の後は、少し娘のピアノ練習をしばらくぶりに見る。バッハのインベンション8番。この春に先生が替わり、一緒についていかなくなったので、どんな状態なのかわからなくなっているのだ。それにしても7年間、毎週ピアノのレッスンには娘を連れて通ったものだ。普段はちょろっとやってすぐに練習をやめてしまうところを、無理矢理繰り返させて、どこが課題でどんな練習をしたらよいか相談しながらやるとすぐ1時間近く経ってしまう。だんだん出来るところが増えていったので、本人も飽きずに続けられた。めでたしめでたし。

それからしばらく8月のモナシュで発表する中国朝鮮族のコードスイッチング論文の作業。同僚の先生との共同発表で、じつはその先生の書きかけの論文にぼくがのった形なのだ。少しずつその先生のアイディアがわかってくる。夜になって、ひとまず2つの留意を分けてみようと思い立つ。つまり、言語レパートリーにないことから外来性が生じ、逸脱を留意する場合と、言語レパートリーにあるものからある意図や効果を伝えるために言語機能や表現を選択するときに場面からのインプットを留意する場合だ。前者は接触場面でよく起こり、後者は内的場面でも接触場面でも起こるものと言える。
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紫陽花一服

2008-07-04 23:22:59 | Weblog
7月の声を聞くと梅雨も後半。蒸し暑さが増すとともに晴れの日も増えていきます。今年も大学キャンパスの紫陽花をどうぞ。
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