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フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

延吉市初日

2010-02-03 22:57:11 | Winter walk in Yanji
延吉市の空港に着いたのは予定通り午前11時。薄曇り。入国管理、税関を通って到着と出発が同じ1階のロビーに出る。ビニールのすだれがかかった出口から外にでる。空気が引き締まって、北海道のよう。タクシーに分乗してホテルに向かった。川沿いを走るが川はすっかり凍りついている。

北の大地はどこでも似た印象があるが、建物が大地にしっかりと根付いていない気がするのは不思議だ。何となく開拓の香り、借住まいといった風情が北海道にも、カナダの東海岸にも、あるいはタスマニアですら(こちらは南の大地)、感じる。逆に言うと、自然がじかに迫ってくると言っても良いかもしれない。

それだけではなく、中国の北東の端に位置する国境までも数十キロのこのあたりは、やはり中国の周縁の1つなのだと思う。中央文化の層が薄いので、自然もすぐに顔を出してしまうという感じもする。このへんはつねに多くの民族と国が通りすぎていったが、それは小さなひとかたまりの部族や亡命者や難民の群れでもあっただろう。あるいは強力な偽満州国が悪夢のように立ち上がったときもあった。歴史的感興をつぶやく柄ではないが、さまざまな人や権力が通りすぎっていった後に、朝鮮族自治州がここに存立していることの不思議さを思う。

ホテルに到着してから部屋に入るまでたっぷり2時間かかったのだが、それは共産主義国シンドロームがこの中国の北東の端にたっぷりと残っていたことの証でしかないので、言わないことにする。まだチェコがチェコスロバキアだった時代、夏のプラハの旅行会社にホテルを予約に行ってもすべて満室と言われて埒が明かなかった経験があるが、まあこのシンドロームはどこの国でも同じような症状を呈する。同行してくれた朝鮮族の学生さんがよく機転をきかせてくれて何とか部屋までたどりつくことが出来た。

写真はそのホテルの部屋の窓から眺めた延吉市の西側の眺め。中心街は東側にある。写真ではまっすぐ西に伸びた道路の右側が丘の傾斜面になっている。そのあたり、延辺大学の中心キャンパスとなっている。歩いても5分ほどのところ。延辺大の金先生がホテルまで来てくれて、いっしょに大学まで歩いてもらう。外語学院の日本語科を表敬訪問。さらに冬休みにもかかわらず呼んでもらった学生さん6人に協力いただいて会話録音もさせてもらえた。その後、ホテルのレストランの一室を借りて歓迎会を開いてもらった。延辺大学は日本語研究、韓国語研究のセンターでもあって、日本語を見事にあやつられる10名ほどの先生が歓迎会を開いてくださったことに、ある種の感動があったことを記しておきたい。そしてその歓迎の仕方が決して緊張を強いるようなものではなく、ゆったりと時間を楽しむようなものであったことも付け加えておく。

かくして延吉初日は更けていったわけだ。
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