共同根抵当権と取扱店と行政区画変更☆不動産登記
A土地・B土地に、共同根抵当権を設定済み
C土地に今回追加設定をしたい
A土地・B土地の登記簿上の記載は次の通り
根抵当権者 → 株式会社わんわん銀行(取扱店 前原支店)
債務者 → 福岡県前原市11番地1 犬山犬吉
「前原市」は、「糸島市」へ行政区画変更していて、次の通りになっている
取扱店は「糸島支店」へ
犬山犬吉の住所は「福岡県糸島市11番地1」へ
追加設定の前提として変更登記(「取扱店」「債務者の住所変更」)は必要か??
↓
今回は、変更登記しなくても追加設定OK!!!
行政区画の変更に伴う登記名義人等の住所の変更に係る登記事務の取扱い(登研755号149頁)
1 登記名義人の住所の変更の登記について
(1) 登記名義人が登記記録に記録された住所から他の住所に移転した後、当該移転後の住所について区制施行などの地番変更を伴わない行政区画の変更が行われた場合の登記名義人の住所の変更の登記を一の申請でするときは、その登記原因を「平成○○年○○月○○日住所移転、平成○○年○○月○○日区制施行」とすることで差し支えない。
(2) (1)の場合、当該登記の申請の添付情報として、当該行政区画の変更に係る市区町村長等の証明書(登録免許税法施行規則第1条第1項第2号)が提供されたときは、登録免許税法第5条第5号の規定により登録免許税は非課税となる。
2 共同根抵当権の追加設定をする場合の前の登記の債務者の住所の変更の登記について
共同根抵当権の追加設定をする場合には、民法第398条の16の規定により「同一の債権の担保として」根抵当権を設定する必要があるため、追加設定する根抵当権の「極度額」、「被担保債権の範囲」及び「債務者」は、前の登記と同一の内容であることを要するが、前の登記の債務者の住所について、区制施行などの地番変更を伴わない行政区画の変更が行われた場合は、前の登記の債務者の変更の登記をすることなく、追加設定の登記をすることができる。
共同根抵当権の追加設定と取扱店の表示(登研548号)
要旨 共同根抵当権の追加設定の申請書に記載された根抵当権者の取扱店の表示が、既登記のものと異なる場合でも受理される。
問 共同根抵当権の追加設定の申請において、申請書に記載された根抵当権者の取扱店の表示が、次のように既登記のものと異なっていても、受理されるでしょうか。
1 既登記に取扱店の表示がなく、追加設定に取扱店の表示がある。
2 既登記に取扱店の表示があり、追加設定に取扱店の表示がない。
3 既登記に取扱店Aの表示があり、追加設定に取扱店Bの表示がある。
答 いずれの場合も受理されるものと考えます。
取扱店の表示の異なる追加根抵当権設定登記申請の可否(登研382号)
要旨 取扱店の表示の異なる追加根抵当権設定登記申請は、受理される。
問 共同根抵当権の追加設定の登記申請をなすに当たり、根抵当権者の取扱店の表示が前登記の取扱店の表示と異なる場合でも、前登記の取扱店変更の登記申請を要せず、そのまま受理されるものと考えますがいかがでしょうか。
答 御意見のとおりと考えます。
↓ついでにメモメモ%(^^)
追加担保であることを証する書面の有効期間(登研433号)
要旨 追加担保であることを証する書面については、有効期間の定めはなく、前登記の登記済証の写しでも差し支えない。
追加根抵当権設定登記申請と前登記証明書(登研381号)
要旨 追加担保であることを証する書面(前登記証明書)として前に登記を受けた登記済証の写しを添付する取扱いで差し支えない。
問 甲登記所において根抵当権の設定登記をした後、同一債権のため乙登記所で追加担保による共同根抵当権設定登記を申請する場合、当該申請書に添付する前登記証明書については、甲登記所の登記簿謄本に代え、甲登記所で受けた前登記の登記済証の写しを添付する取扱いで差し支えないものと考えますが、いかがでしょうか(昭和47、7、13~14全国法務局・地方法務局登記課長会同決議参照)。
答 御意見のとおりと考えます。