福岡でワンワン(糸島の司法書士事務所)

☆司法書士業務の個人的なMEMOMEMO☆掲載当時の情報になりますので、条文や先例の変更があっていることもあります!

隠居と家督相続(隠居者が隠居後に取得した財産)☆不動産登記

2015年07月29日 | 不動産登記

隠居と家督相続(隠居者が隠居後に取得した財産)☆不動産登記

 

 

犬山犬吉が昭和5年5月5日に隠居

 

甲土地は、犬山犬吉名義(取得日 昭和6年6月6日

 

 

家督相続になるのか????

 

 

隠居の日付の売買を原因として所有権移転の登記を受けた不動産については、家督相続による所有権移転の登記の申請を受理することはできない!!!

 

 

遺産相続!!!

 

*「隠居の日付」と「不動産取得の日付」は要チェック☆

 

 

メモメモ%(^^)

 

隠居

 

→ 戸主が生前に戸主の地位を退き、戸主権は相続人に承継させて、その家の家族となる法律行為

 

→ 戸主権の喪失

 

→ 家督相続が開始(旧民法964条)

 

→ 隠居者の有していた一切の権利義務は、原則として家督相続人に移転 BUT 例外あり

 

例外1 一身に専属するもの

 

例外2 確定日附のある証書により留保財産(旧民法988条)

 

例外3 隠居者が隠居後に取得した特有財産 ・・・ 遺産相続となる!!!!!

 

 

【留保財産】

 

 ・留保の意思表示は、家督相続開始前にする必要あり

 

 ・対抗要件は、確定日附のある証書

 

 ・登記すること不可

 

 

【遺産相続】

 

・旧民法における財産相続で(戸主以外の)家族の死亡によってのみ開始(旧民法992条)

 

・以前の記事 http://blog.goo.ne.jp/4696kotetu/e/6ce6c6b4ac248e10b984110b08139808

 

 

 

隠居者が隠居後に登記を受けた不動産についての登記(登研219号)

 

要旨 隠居者が隠居後に所有権保存の登記を受けた不動産については、家督相続による所有権移転の登記又は遺産相続による所有権移転の登記のいずれの申請があっても受理して差し支えないが、隠居後の日付の売買を原因として所有権移転の登記を受けた不動産については、家督相続による所有権移転の登記の申請を受理することはできない。

 

問 隠居者が隠居後に所有権保存の登記を受けた不動産又は隠居後の売買を原因として所有権移転の登記を受けた不動産については、家督相続人からの家督相続による所有権移転登記の申請は受理すべきでなく、遺産相続人からの遺産相続による所有権移転の登記であれば受理すべきものと考えますがいかがでしょうか。

 

答 所問の場合、所有権保存の登記を受けた不動産については、家督相続又は遺産相続のいずれを原因とする所有権移転の登記であっても受理して差し支えないと考えますが、所有権移転の登記を受けた不動産については御意見のとおりと考えます。

 

 

 

隠居者が保存登記をした不動産についての家督相続登記の能否(登研202号)

 

要旨 隠居者が隠居後取得した不動産についての家督相続の登記申請は受理すべきでない。

 

問 隠居者が隠居後所有権を取得しその登記を受けた不動産について、家督相続人から家督相続による所有権移転の登記の申請があった場合受理できるでしょうか。

 

答 受理すべきでないと考えます。

 

 

 

隠居者の死亡の場合の相続登記(登研168号)

 

不動産の所有者が旧民法により隠居し、新民法施行後死亡した場合でも、隠居者が財産留保の手続をしていない限り、当該不動産は、家督相続人が取得するから、家督相続人から隠居による家督相続を登記原因として所有権の移転登記をすべきである。

ただし、右の留保の有無が形式的審査により明らかでない不動産について、新民法による相続の登記の申請があった場合には、却下することができない。

 

 

 

隠居者の死亡の場合の相続登記(登研136号)

 

登記名義人が旧民法により隠居した後、新民法施行後死亡した場合、家督相続を原因としないで、隠居者の死亡による相続を原因として、所有権移転の登記の申請があった場合には、留保財産であることを証する確定日付のある書面を添付することなく、受理して差し支えない

 

 

 

隠居者の新民法施行後の死亡による相続登記の添付書面(登研41号)

 

要旨 旧民法施行中隠居した者の死亡による相続登記の申請書には、留保財産である旨の証明書の添付を要しない。

 

 

 

隠居者の死亡の場合の相続登記(登研136号)

 

要旨 登記名義人が旧民法により隠居した後、新民法施行後死亡した場合、家督相続を原因としないで、隠居者の死亡による相続を原因として、所有権移転の登記の申請があった場合には、留保財産であることを証する確定日付のある書面を添付することなく、受理して差し支えない


国土調査による合筆後の受付年月日・受付番号☆不動産登記

2015年07月01日 | 不動産登記

国土調査による合筆後の受付年月日・受付番号☆不動産登記

 

 

犬山犬吉所有のA土地(11番1)

 

A土地を売買による移転登記

 

 

権利部(甲区)(所有権に関する事項)の欄に次の記載あり

 

登記の目的  合併による所有権登記

 

受付年月日・受付番号  余白

 

 

表題部(土地の表示)に次の記載あり

 

原因及びその日付[登記の日付]  

11番2、11番3を合筆

国土調査による成果[昭和60年11月22日]

 

 

国土調査により合筆された土地

 → 登記済証(登記識別情報)は交付されない

 → 受付年月日・受付番号はないので「空白」

 

 

国土調査により合筆された土地について、所有権移転登記を申請する場合に提出する登記済証は、合筆前の全部の土地の登記済証である

 

 ↓

 

売買による移転登記の登記済証(権利証)の受付番号は??

 

 ↓

 

11番1、11番2、11番3の閉鎖謄本を調査すればOK

 

今回は閉鎖の調査が3筆で済んだけど、物件が大量の場合はかなりの負担ですね。。。。(T_T)ギャ

 

 

国土調査による合筆と登記済証(登研429号)

 

要旨 国土調査により合筆された土地について、所有権移転登記を申請する場合に提出する登記済証は、合筆前の全部の土地の登記済証である。

問 国土調査により合筆された土地について、売買による所有権移転登記申請する場合に添付する登記済証は合筆前のいずれか一方の登記済証で足りると解すべきではないか。なお、国土調査合筆の場合は登記済証は交付されていない。

 

答 合筆前の全部の土地の登記済証と考えます。

 

 

国土調査の結果による合筆と登記済証の取扱い(登研441号)

 

要旨 国土調査の結果合筆された土地についての権利に関する登記済証は、合筆前の全筆の登記済証である。

 

問 国土調査の結果として合筆になった場合は、合筆の登記済証が交付されません。所有権及び他物権に関する登記申請の場合は、合筆前の全筆の登記済証を添付する取扱いになっているようですが、合筆後の土地の元番についての登記済証、又は合筆前の何れか1筆の登記済証だけでよい取扱いにはできないでしょうか。

 

答 合筆前の全筆の登記済証を添付すべきものと考えます。

 

 

国土調査の結果による合筆後の登記済証の取扱い(登研522号)

 

要旨 国土調査の結果合筆登記された土地を分筆登記し、当該分筆後の土地につき所有権移転の登記申請をする場合に添付する登記義務者の権利に関する登記済証は、合筆前の全筆の登記済証である。

 

問 国土調査の結果合筆登記された土地を分筆登記し、分筆後の甲土地の所有権移転登記申請に添付する登記義務者の登記済証は、分筆前の全筆の登記済証でしょうか。

 

答 御意見のとおりと考えます。

 

 

国土調査法による不動産登記に関する政令

(国土調査の成果に基づく登記)

第一条  登記官は、国土調査法第20条第1項の規定により地籍簿の送付を受けた場合において、次の各号に掲げるときは、地籍簿に基づいて、職権で、当該各号に定める登記をしなければならない。ただし、地籍簿に記載されている事項が地籍調査の実施後に変更したと認められるときは、当該事項については、この限りでない。

 地籍簿に記載された土地が表題登記がないものであるとき 当該土地の表題登記

 土地の表題部の登記事項が地籍簿の記載と一致しないとき 当該登記事項に関する変更の登記又は更正の登記

 所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が地籍簿の記載と一致しないとき 当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記

2 登記官は、前項の登記をしたときは、国土調査の成果により登記した旨を記録しなければならない。