事業用借地権の存続期間変更☆不動産登記
旧借地借家法24条にて、存続期間20年で契約した事業用借地権の存続期間を、25年に変更したいとのご依頼
旧借地借家法24条の法的性質は、新借地借家法第23条第2項の法的性質に同様
↓こうしたい(^^)/
登記前の登記簿
目 的 借地借家法第24条の建物所有
存続期間 ○○年○○月○○日から20年間
↓ 変更登記
変更後の事項
目 的 借地借家法第23条第2項の建物所有
存続期間 ○○年○○月○○日から25年間
メモメモ%(^^)
存続期間 → 10年以上50年未満
*期間満了により借地関係終了
*原則として、借地人は建物を収去して土地を返還する
「10以上30年未満」は、次の借地借家法事項は当然に非適用
第3条(存続期間)
第4条(更新を前提とする新たな期間)
第5条(更新請求)
第6条(更新拒絶の正当理由)
第7条(建物再築による期間延長)
第8条(更新関係)
第13条(買取請求権)
第18条(更新後の再築許可等)
「30年以上50年未満」は、次の3つの規定を任意に非適用とした場合に、定期借地権となる
①契約の更新をしない
②存続期間の延長をしない
③建物の買取請求をしない
*どれかを適用とした場合は、定期借地権ではなく普通借地権として扱われる
利用目的 → 事業用建物所有に限る
*居住用は不可
*社宅&賃貸マンションの所有を目的とすること不可
設定契約は、公正証書の必要あり
BUT
事業用借地権の変更契約or譲渡契約は、必ずしも公正証書によることを要しない
借地借家法第23条(事業用定期借地権等)
専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上30年未満として借地権を設定する場合には、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、適用しない。
3 前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。
【平19.12.28民二第2828号、登研721号146頁】
1.改正後の借地借家法第23条第1項の事業用定期借地権の登記
ア 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的とし、存続期間を30年以上50年未満とする場合には、契約の更新がないこと、建物の築造による存続期間の延長がないこと及び建物等の買取りの請求をしないことを内容とする特約をすることができることとされ、この新法第23条第1項の事業用定期借地権の設定の登記については、借地権設定の登記の目的の記録は「借地借家法第23条第1項の建物所有」とし、特約は「借地借家法第23条第1項の特約」とする。
イ 新法第23条第1項の事業用定期借地権の設定の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて同条第3項の公正証書の謄本を提供することを要する。ただし、登記原因を証する情報として執行力のある確定判決の判決書の正本が提供されたときは、この限りでない。
ウ 新法第23条第1項の事業用定期借地権の存続期間の変更を原因とする登記の申請については、設定から変更後の存続期間満了までが30年以上50年未満の範囲内にあるときに限り、受理することができる。なお、この場合は、登記の申請情報と併せて公正証書の謄本を提供することは要しない。
2.新法第23条第2項の事業用定期借地権の登記
新法第23条第2項の事業用定期借地権は、その存続期間が10年以上30年未満に延長されたほかは、改正前の借地借家法第24条第1項の事業用借地権と基本的に同様であり、その取扱いは、従前と同様であるが、改正により根拠法条が移動したことに伴い、借地権の設定の登記の設定の目的の記録は「借地借家法第23条第2項の建物所有」とする。
3.登記記録
【平4.7.7、民三第3930号民事局長通達、登研535号165頁】
→改正前の先例
1 定期借地権の設定の登記の特約の記載は、「借地借家法第22条の特約」とする。
なお、借地権の設定の登記に新法第22条の特約を追加する変更の登記の申請は、受理することができない。
2 定期借地権の設定の登記の申請書には、新法第22条後段に規定する公正証書(謄本)等の書面を添付することを要する。ただし、登記原因を証する書面が執行力ある判決であるときは、この限りでない。
3 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上20年以下とする事業用借地権を設定した場合の借地権の設定の登記の設定の目的の記載は、「借地借家法第24条の建物所有」とする。
4 事業用借地権の設定の登記の申請書には、新法第24条第2項に規定する公正証書の謄本を添付することを要する。ただし、登記原因を証する書面が執行力ある判決であるときは、この限りでない。
5 事業用借地権の存続期間の変更を原因とする登記の申請については、その借地権が設定された時から変更後に存続期間が満了すべき時までの期間が10年以上20年以下の範囲内にあるときに限り、受理することができる。
同様の相談があり、今調べています。
なお、改正後の事業用定期借地権については、期間満了前に、存続期間(10年~50年)の変更を可能とする文献はあります。
しかしながら、改正法附則2条で「なお従前の例による」となってますので、改正前の事業用借地権は出来ないのではないか?と迷っています。
25年ですので、「×事業用定期借地権」ではなく、「○事業用借地権」でした。
失礼しました。