癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

犬の自己免疫性溶血性貧血の症状(AIHA)

2013年01月21日 | 動物医療
今日もいつもの病院で研修でした。
私は知らないことばかりですが、またひとつ新たな病気に遭遇しました。
シーズーで赤い尿を出して、時々吐くとの禀告。
「ああ、膀胱炎か」と思いきや、担当獣医師が採血して調べたら、
・血清の溶血
・著しい貧血
があり、血尿でなく血色素尿でした。
これは、
犬の自己免疫性溶血性貧血の症状(AIHA)という病気だそうです。
赤血球の破壊の程度が激しい場合や速く進む場合は、動悸(どうき)・息切れ・疲れやすい・お散歩を嫌がるなどの貧血症状に加えて、黄疸(おうだん)がみられることがあります。赤血球の破壊が軽度でゆるやかに進む場合、症状がみられないことがあります。

犬の自己免疫性溶血性貧血の多くは原因が不明で(特発性自己免疫性溶血性貧血)。感染、腫瘍や全身性エリテマトーデスなどの病気が原因であることもあり、まれにペニシリンやワクチンなど薬物を使用した後に発症することもあります。雌では雄の3~4倍の発生率だそうです。

ステロイドで加療して、反応が悪ければシクロスポリン等の免疫抑制剤で治療して、ヘマトクリットが10%くらいになると、「輸血」だそうです。
そういえばそんな病気があったか?くらいの記憶しかありません。

直に診ると忘れませんね!
いい勉強でした。