日本男道記

ある日本男子の生き様

この世で一番大切な日

2011年06月11日 | 読書日記
この世で一番大切な日
十川ゆかり,MinxZone
サンクチュアリ出版

【一口紹介】
◆内容紹介◆
誕生日で泣いたこと、ありますか?
これは、心温まる31の誕生日ストーリーを集めた本です。
「見知らぬおじさん」
<前略>
離婚するとき、私は妻と2つの約束をした。ひとつは年に一度、娘の誕生日だけは会いにきてもいいということ。
もうひとつは、そのときに自分が父親であるという事実を娘には明かさないでほしいということ。
自分が父親だということを言えない。それは私にとってつらい決まり事ではあったが、娘にとってはそれが最良の選択だあることもわかっている。
年に一度、娘の誕生日を一緒に祝えるだけでも感謝しないといけない。
それ以来、娘の誕生日にはプレゼントを買い、ふだんは着ないスーツを着て母子に会いにいった。
元妻は私のことを「遠い親戚のおじさん」と紹介した。娘も冗談なのかなんなのか私のことを「見知らぬおじさん」と呼んだ。
<中略>
娘が小学校にあがる年のことだ。
例年通り私がスーツを着てプレゼントを持って母子のもとを訪れると、元妻から「もう会いに来るのは最後にしてほしい」と言われた。
そろそろいろんなことを理解してしまう歳だからと。それが理由だという。
私にはわかっていた。新しいことがはじまろうとしているのだ。
娘にもやがて一緒に誕生日を祝う同級生ができるだろう。
元妻は、再婚を考えているかもしれない。
そんなところに見知らぬおじさんがいてはいけない。
<中略>
それ以来、母子と会うことはなくなった。 だが娘の誕生日だけはどうしても忘れられず、毎年プレゼントだけは贈り続けた。
筆箱や本などささやかなものを、差出人の欄になにも書かず送った。
それを元妻が娘に渡してくれていたかどうかはわからないが、ただ「娘の誕生日を祝う」という行為だけが小さな楽しみになっていたのだ。
それも、娘が中学生になる年にはやめようと決めていた。
娘からすれば私は知らないおじさん、こうしてずっとプレゼントが届いても迷惑だろう。
娘には新しい未来がある。私も別の道を歩まなければいけない。
ただ娘の幸せだけを願い、英語の辞書を送って最後にした。
それから一ヵ月ほど経ったある日、私のアパートに郵便物が届いた。差出人の欄にはなにも書かれていない。
小さな箱を開けてみると、中から出てきたのは紺色のネクタイピンとメッセージカード。
メッセージカードを開くとそこには初めて見る可愛らしい文字が並んでいた。
<いつも素敵な誕生日プレゼントをありがとう。
私もお返しをしようと思ったのだけど誕生日がわからなかったので(汗)
今日送ることにしました! 気に入るかなあ……見知らぬ子どもより>
その瞬間はっとした。
その日は、父の日だった。

◆内容(「BOOK」データベースより)◆
“おばあちゃんと食べた思い出のお寿司”。“しわくちゃになるまで大切にしていた肩たたき券”。“カメラを質に入れて精一杯のお誕生日会”など31編。

【読んだ理由】
新聞広告を見て。

【印象に残った一行】
「成功は、誕生日みたいなもの」そんなことを言った人がいる。何かを成功させた瞬間から、新しい日々がはじまるからだっていう。その考え方はすごく素敵だと思う。一年のうちにいろんな誕生日があってもいい。夢が叶った日、恋人ができた日、嫌いなものを克服できた日。お祝いしてあげたい気持ちと、感謝の気持ちさえあれば「今日は記念すべき誕生日」。

【コメント】
妻の誕生日に贈った本。
前半は良かったが、後半は・・・・・。
 



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1 コメント

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心温まる (地理佐渡..)
2011-06-11 07:20:26
おはようございます。

心温まる良い話しが詰まっているので
しょうねぇ。また課題図書ができてし
まいました(笑)。

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