日本男道記

ある日本男子の生き様

春山は・・・巻九・一六八四 柿本人麻呂

2011年04月15日 | 万葉集
春山は・・・巻九・一六八四 柿本人麻呂
春山は・・・巻六・一六八四 柿本人麻呂
「春山は 散り過ぎぬとも 三輪山は いまだ含めり 君待ちかてに」

校訂原点(漢字)
「春山者 散過去鞆 三和山者 未含 君持勝尒」

現代語訳と解説
「春山のおおかたは散り果てたとしても、この三輪山はまだつぼみです。あなたをいまだにお迎えできずに」

多くの山で桜の花が散ってしまったとしても、三輪山だけは、あなたを待っています。桜は、つぼみのままの姿で、あなたのお越しを待ちかねているのです。
作者の柿本人麻呂は、この歌を舎人皇子(とねりのみこ)に献上しました。
陰暦の3月18日。日本古来の花まつりの日に桜は散ると言われていました。しかし、三輪山が桜を咲かせずに、皇子を待っている。それは、山の中でも尊い神奈備山とされている三輪山だからこそ、とても価値のあること。この歌は、あの三輪山に待ってもらえる存在、舎人皇子の素晴らしさを歌っているのです。

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