円と人民元の直接取引は何を物語るか
7/9 浜矩子さんのお話の要約です
6月1日から円と人民元を銀行間で直接交換する取引きが始まった。
これまで、人民元はドルだけと直接交換することができた。
したがって、人民元を日本円に交換するには、
まず一度ドルに交換してから、そのドルを日本円に交換する、という
間接的な取引きしかすることが出来なかった。
それを、ドルの介在抜きで直接交換することができるようになったわけである。
中国と貿易をしている日本の業者にとっては、
両替をする時の手数料が二重にかかる負担がなくなるし、
ドルの為替相場を気にしなくてもよいので、
日中間の取引きが、よりし易くなるという実務的なメリットが出て来た。
この直接交換に応じた中国政府の狙いとしては
一つには、
人民元を日本円のように、
『世界中のどの通貨とも交換できるグローバル時代の一人前の通貨』
に仕立て上げていくという長年の課題を逐次進めていくことの
最初のステップに立った事である。
うもう一つは、
ドルの国際的な地位の低下・衰退が見られる中、
ドルだけを、世界と人民元をつなぐ扉にしておく事に不安になっている事である。
中国政府としては、人民元があまりにも国際化し過ぎると、
自分たちが都合の好いように人民元の価値を誘導できなくなる、
というリスクが大きな心配な事であった。
ただ何時までもこうしていると、
各国の批判が高まるし、自国の経済成長にもいずれ支障が出て来る。
そこで、”やむなく踏み切った”という感じが強くて、
”人民元を次の世界の基軸通貨にするという野望を抱いて”ということではない。
中国政府が衰退してきたドルに代わって、
次に選んだ通貨が円というのも意義深い。
今は『有事のドル買い』はあまり見られなくなり、
ユーロが安い時には、円だけが上がって、ドルも下がるという状況で
ドルの世界的地位の低下というものが、強く浮き彫りにされている。
ユーロは近いうちに消滅するだろうし、ドルの力も今や見る影もない。
これを背景にした中国政府のドル離れが、今回の円との直接取引の解禁である。
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