ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

晴れた日は農業とウォーキングとライカ、雨なら読書と料理。
そして毎日ラジオがお伴です。

円と人民元の直接取引は何を物語るか

2012年07月09日 | ラジオ番組

円と人民元の直接取引は何を物語るか
           7/9 浜矩子さんのお話の要約です

6月1日から円と人民元を銀行間で直接交換する取引きが始まった。

これまで、人民元はドルだけと直接交換することができた。
したがって、人民元を日本円に交換するには、
まず一度ドルに交換してから、そのドルを日本円に交換する、という
間接的な取引きしかすることが出来なかった。
それを、ドルの介在抜きで直接交換することができるようになったわけである。

中国と貿易をしている日本の業者にとっては、
両替をする時の手数料が二重にかかる負担がなくなるし、
ドルの為替相場を気にしなくてもよいので、
日中間の取引きが、よりし易くなるという実務的なメリットが出て来た。

この直接交換に応じた中国政府の狙いとしては
一つには、
人民元を日本円のように、
『世界中のどの通貨とも交換できる
グローバル時代の一人前の通貨』
に仕立て上げていくという
長年の課題を逐次進めていくことの
最初のステップに立った事である。


うもう一つは、
ドルの国際的な地位の低下・衰退が見られる中、
ドルだけを、世界と人民元をつなぐ扉にしておく事に不安になっている事である。

中国政府としては、人民元があまりにも国際化し過ぎると、
自分たちが都合の好いように人民元の価値を誘導できなくなる、
というリスクが大きな心配な事であった。

ただ何時までもこうしていると、
各国の批判が高まるし、自国の経済成長にもいずれ支障が出て来る。
そこで、”やむなく踏み切った”という感じが強くて、
”人民元を次の世界の基軸通貨にするという野望を抱いて”ということではない。

中国政府が衰退してきたドルに代わって、
次に選んだ通貨が円というのも意義深い。

今は『有事のドル買い』はあまり見られなくなり、
ユーロが安い時には、円だけが上がって、ドルも下がるという状況で
ドルの世界的地位の低下というものが、強く浮き彫りにされている。

ユーロは近いうちに消滅するだろうし、ドルの力も今や見る影もない。
これを背景にした中国政府のドル離れが、今回の円との直接取引の解禁である。

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『ニュース、そこからですか!?』(池上彰著)から学ぶ

2012年07月07日 | 社会について独り言

池上彰さんの書かれた『ニュース、そこからですか!?』()文春新書)を読んだ。



池上さんが出演されるTVの番組はよく見るが、
そのお話の『わかりやすさ』には、とにかく、”なるほど”と納得し、感心してしまう。

その『わかりやすい』理由が、この本を読んでよくわかった。

一つは、現地に出向いて、ご自身の眼で取材をされていること。
更に、ある期間TV出演を控えて、ご自身の充填をされていること。
そして、もう一つ一番大きい理由が、この本のタイトルとされた
『(この)ニュース、そこから(説明しはじめるの)ですか!?』である。

池上さんが、
TVで、世界や日本のニュースを、基礎の基礎から解説しようとすると
一緒に出ているタレントさんが、『そこからですか!?』とよく言ったそうである。
『そんなにやさしいレベルから解説し始めるのですか!?』
という驚きの発言だったわけである。

そう、池上さんは、
そのレベルから始め、次第に解説を積み重ねていって、
ニュースの全体像を見事に浮かび上がらせているのである。

例えば、
ユーロ危機は、そもそもEUとは、という所から解説を始めて
ユーロの問題点を明快に説明してくれている。

尖閣諸島の問題も、海上保安庁とは何ぞやという解説から初めて、
日本の領土問題を海上保安庁にすべて押し付けてきた
政治の無責任さを浮き彫りにしている。

この本には、このような説明の仕方で、
昨年末までの1年半の内外50のニュースが取り上げられている。

私の読後感としては、とにかくわかりやすい、ということ。
そして、
ユーロ危機に潜む『IDS』の恐ろしさ、
米国が銃規制できないわけ、

携帯もメールも筒抜けの『エシュロン』の監視、
ソマリアの飢餓はなぜ改善されないか、
福島事故に在日英国人が落ち着いていた理由、などは
ほんとに『目からうろこ』で、すっきりしてしまった。

皆様が聴かれている『ビジネス展望』は、時としてお話が難解であるが、
この本を一読されておくと、わかりやすいと思われるので、お奨めしたい。

私の『ビジネス展望』要約も、池上さんを見習って、
難解なお話も、できるだけわかりやすく書くようにしたいと思う。

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資本主義への新しい試練

2012年07月06日 | ラジオ番組

資本主義への新しい試練
         7/6 寺島実郎さんのお話の要約です

欧州の金融危機に見られるように、
肥大化してしてしまったマネーゲームをどう制御するか、
言い換えると、
実態経済から乖離してしまった金融経済をどう制御するかと

いうことに、今、資本主義が悩みぬいている。

かつて、マックス・ウェーバーが100年以上前に書いた、
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、
予言していたことが、
まさに現実になっているようでいる。

それでは、本来の資本主義の精神とは何であったろうか?

欧州における宗教改革などについて調べてみると、
例えばカルヴァンのプロテスタンティズムの思想については、
『自分の職業を神様から与えられた天職だと思って、
禁欲的に勤労に努めるべきである。
その結果得た経済的な利益や蓄財は正当なものである』
と述べられていて、近代資本主義の基本精神の軸を成している。

こうして資本主義が認められ、大きくなっていったのであるが、
この資本主義の本来的精神が
いつの間にかマネーゲームの世界に変わっているわけである。

この状況をどうするか?
グローバリズムという名の下に肥大化しているマネーゲームを
なんとかして、制御しなければいけない。

今までは、金融規制をしてきたのであるが、
すぐに抜け穴ができて、新たなマネーゲームを助長する結果になって
いる。

それに対して、新しく議論されているものに、『国際連帯税』というのがある。
これは、国境を越えたマネーゲーム(例えば為替取引)に、広く薄く課税をして、
この税金で世界が抱える環境や貧困などの解決の財源にする。
というものである。

つまり、
欲と道連れの悪知恵の資本主義に向かっている、
グローバルなマネーゲームに対して、
それを規制して縛るというのではなくて、
その活動からあがってくる利益を国際社会のために分配してもらおう、
という議論である。

日本の場合はモノつくりを主とした実体経済で繁栄してきた。
渋沢栄一は著書『論語と算盤』の中で、
「日本人の精神の中に資本主義を支える『論語』のようなものが存在している」
と述べている。

経営の責任を自覚して、育てる資本主義に立ち向かおうとした人たちが
日本の初期資本主義の原点にいたという事を忘れてはいけない。
今のように、虚ろなマネーゲームの潮流の中で、
取り戻さなければいけないもの何か、と考えないと
いけない。

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中国の景気対策と構造改革の同時実施

2012年07月05日 | ラジオ番組

中国の景気対策と構造改革の同時実施
                         
7/5 関 志雄さんのお話の要約です。

中国経済は、短期的には輸出の落ち込みによる需要の低迷、
中長期的には、労働力過剰から不足に変わることに伴う潜在成長率の
低下という
二重苦に直面している。

景気の減速が明らかになった事を受けて、
今年の5月に中国政府は景気底入れ策を打ち出した。

しかし、リーマンショック以降の景気対策が、
インフレや不動産バブルの膨脹、投資効率の低下といった副作用をもたらした事を教訓
に、
今回は、民間投資の促進、消費振興、産業の高度化への取り組みといった
構造改革にも目を配るようになった。

リーマン・ショック後の景気対策の功罪

中国では、2008年9月のリーマン・ショックを受けて、
輸出が大幅に落ち込み、景気減速を余儀なくされたが、
政府が素早く実施した拡
張的財政・金融政策が功を奏し、
経済成長率は、2009年第1四半期の前年対比6.6%を底に、V字型回復を見せた。

しかし、それによっ
てもたらされた歪みも次第に顕著になってきている。
まず、景気対策のために動員された4兆元(約50兆円)の内、
中央財政によって賄われたのは3割程度にとどまり、
残りは地方政府が
自ら銀行などから調達しなければならなかった。
その結果、地方政府の債務が急増しており、
その一部は最終的に銀行の不良債権に
なってしまうのではないかと懸念されている。

また、金融緩和を受けて、マネーサプライ(M2)は、
2009年11月のピーク時には、前年比29.7%に急増した。
それに伴う流動性の拡大は
インフレと不動産価格の高騰をもたらした。

さらに、景気対策の対象となる投資プロジェクトの中には、
国有企業を中心に行われる採算性の悪いものや、
設備過剰に拍車をかけ
るものも多く含まれているため、
経済全体の投資効率が悪化している。

景気の低迷を受けた成長重視への政策転換

今年5月23日に開催された国務院常務会議において、
温家宝総理は景気の後退に強い懸念を表明した上、
需要拡大の政策措置を
積極的に採るという方針を打ち出した。

これまで、成長維持・構造調整・インフレ抑制という三つの目標に、
ほぼ同じウェイトが置かれて
いたが、
今回は三者の中で成長維持が最優先と位置づけられるようになったのである。

安定成長の実現に向けて、
企業の税負担の軽減、金融緩和、消費拡大、省エネ製品の購入に対する優遇策、
低所得者向けの公営
住宅(「保障性住宅」)の建設促進、インフラ建設の前倒し実施、
鉄道やエネルギーといった分野への民間資本の参入など、
一連の緊
急テコ入れ策が打ち出された。

この5月23日の国務院常務会議では、
景気対策に取り組むことに加え、中長期の課題として、
「経済発展パターンの転換」を急ぎ、
済構造の調整を積極的に進める必要性も強調されている。

それに向けて民間の活力を生かす事や産業やの高度化を図る事が急務となっている。
民間の活力を活かすことを目指して、
政府は、基礎産業・インフラ(鉄道、石油、 電力、鉱山など)、市政公共事業、
政策的住宅建設、
社会事業、金融サービス、商業・貿易、流通、国防科学技術工業への
民間資本の参入を奨励するという方針を示している。
 

一方、政府は、産業の高度化を目指すべく、
①省エネ・環境保護産業、②新世代情報技術産業、③バイオテクノロジー産業、
④ハイ
エンド設備製造産業、⑤新エネルギー産業、⑥新素材産業、
⑦新エネルギー自動車産業
からなる七大戦略的新興産業を重点的に
育成する分野としている。

景気対策は既に一部が実施の段階に入っている。
今年5月以降、中国政府が認可した大型投資プロジェクトの数は急増している。
また、中国人民銀行は6月8日に3年ぶりに利下げに踏み切った。
さらに、消費振興策の一環として、省エネ家電の購入に補助金を支給する政策が
2012年6月1日から1年間の予定で実施されている。
また、農村部への自動車普及策(「汽車下郷」)と
自動車の買い換え促進策(「以旧換新」)も近く発表される見込みである。

安定成長に向けて

総合的に判断して、今回の景気対策は、規模が前回より小さいため、効果も限定的であろう。
しかし、構造改革が同時に実施されるこ
とで、
中国経済は、今後、インフレと不動産バブルを回避しながら、
安定成長の軌道に乗ると期待されている。
経済成長率は、2012年
第2四半期に7%台で底を打ち、
年後半には潜在成長率に見合った8%台まで回復するだろう。

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中国広東省の最近の動向 

2012年07月04日 | ラジオ番組

中国広東省の最近の動向   
       
7/4 関 満博さんのお話の要約です。

中国は、近年、人件費が高騰して、
製造業の中国からの脱出が伝えられているが、
実態はどうなのか、広東省の、広州市、深圳市を訪問してきた。

なるほど、
日本の中小企業が大量に入っている、深圳テクノセンターは、

2005年には、5600人の従業員がいたが、
今回訪れてみると、
1800人に減少していた。

減少したのは、
従来型の電子系の労働集約的な組み立て工場などで、

これらの企業は、深圳よりも人件費が30%安い、恵州や仏山など
50~100km奥地に移っている。
残っているのは、
付加価値の高い個別生産を行う中小企業が主となった。

広州には
ホンダ・日産・トヨタの日本の3大自動車メーカーが進出している。

この3社で、昨年は144万台を生産している。
今年は、タイ(昨年145万台))を超えて、広州市がアジアでの
トップ生産拠点になることは、確実のようである。

特に日産は力を入れて工場を拡大しており、
今年中に、日産の生産台数だけでも100万台を超える見込みである。

これにつれて、日本から進出している自動車関連企業も好調である。
例として、日産系の「ユニプレス」、「ヨロズ」、「アルファ」
のケースを挙げられた。

その他に気がついたのは、
中国のローカル中小企業の興味深い動きである、

深圳空港の近くに、金型・省力機械・ハイテク型の電子系など
1万を超える企業が集積している。

この中で、LED・タッチパネル・医療器械・各種ソフトの作成などの、
中小企業を数社を訪問した。

経営者はいずれも40歳前後で、
深圳の外資系企業で研究開発の経験を積んでから
独立している方々であった。

世界の最先端の技術動向や市場動向にも通じていて、
これまでの”低レベル製品を大量生産する工場”とは、
明らかに、全く異なっている。

中国では人件費の上昇で、
知的な頭脳労働や、付加価値の高い製品の製造に移行している。
その焦点であるこの深圳で、特に顕著に見ることができた。

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エネルギー転換の理念

2012年07月03日 | ラジオ番組

エネルギー転換の理念    7/3 内橋克人さんのお話しの要約です。

昨日、関西電力大飯原発3号機の運転が再開された。

日本は世界最悪レベルの原発事故を起こしながら、
福島原発事故に追われた多数の避難者が、今なお放置されている状態のままで、
事故原因の究明もいまだ途上のままで、
福島事故そのものの収束もなされていない、という深刻な事態が続く中で、
運転再開をしてしまった。

いま世界は、
地球規模で広がる放射能汚染、あるいは環境へのダメージ
に対して
警戒態勢を強めており、
日本政府の倫理的・道義的責任に
一層厳しい懐疑の目を向けるようになってきている。

一方で、7月1日から再生可能エネルギー固定価格買い取り制度がスタートした。
欧米諸国ではすでに 90年代半ばには制度化されていた。
今回スタートした日本の制度は、しかしながら、
いったいどのような社会を目指してのエネルギー転換なのか、
目指すべきゴールの姿、そして何よりもエネルギー転換の理念が明快に示されていない。

アメリカ、ドイツ、北欧諸国では
早くも 1990年代の頃から、
この制度の仕組み作りのために、
国民的な論議が活発に展開されてきた。

「何のためにエネルギー転換を目指すのか?」
「買い取り価格はいかに決められるべきか?」などについての論議である。

私(内橋さん)も既に1995年頃に出版した『共生の大地(岩波新書)』の中で
”実験的社会システム”と題して多くの実践例を詳しく紹介してきた。

その中のいくつかをここでも紹介しておきたい。
まず第一に、『見えざるコスト』を内部化するという考え方である。

これは、今エネルギーを消費してメリットを受けている現代の世代の者は
明日の世代に”見えざる社会コスト”を先送りして、負担の転嫁をしている。

その”見えざる社会コスト”を内部化するということは、
その”見えざる社会コスト”を企業の負担要因に組み入れて、
最終的に市場価格に反映させる、ということである。

それには、この”見えざる社会コスト”を定量化して金額に換算して示す必要がある。
この作業に最初に成功したのが
ドイツのフラウンホッファー研究所のホーマイヤー博士と、
アメリカのペース法科大学のオッティンジャー教授の二人である。
1988年のことであった。

二人は、
再生可能エネルギーは、
在来型エネルギーに対して、
社会コストも含む価格で十分に対抗できるエネルギーであることを証明した。

原発で言えば、
放射性廃棄物の最終処理コスト、
また、放射線被ばくへの不安など社会に与えるリスクを含む社会コストを

発電コストに組み入れるべきだ、という考え方である。

今回の福島原発事故が、社会に与えた社会コストが
いかに巨大に上るか考えてみれば、容易に理解できるところである。

こうした視点を欠いたまま
原発の発電コストと、再エネのコストを比べて論じるということは

とても許されないということである。

二番目に、『アボイデッドコスト(避けられたコスト)』の考え方を紹介したい。
電力会社による買い取り価格は、
この『アボイデッドコスト』で算出されなければならない、
という考え方である。

この『アボイデッドコスト』とは何か?
「先に電力の需要ありき」ではなくて、エネルギー需要そのものをいかに最小化できるか、
これをすべての出発点とする考え方である。

そしてまた、仮に再生可能な自然エネルギーの発電所がなければ、
既存の電力会社は、
従来通りのやり方で発電所を作り続けなければならないわけであるが、

現実には、新たな再エネの発電所があるおかげで
電力会社は新しい発電所を作らなくても済むわけである。

この発電所を作らなくても済んだ分が、避けられたコスト『アボイデッドコスト』である。

だから『アボイデッドコスト』は、新たな発電所からの買電価格に充てるべきであり、
したがって、
『電力会社は自社の発電コスト以下で買電してはならない』という原則を意味している。

今やこうして進む、エネルギー源の転換は、社会的、全地球的視野から見ると、
数値で示された『アボイデッドコスト』をはるかに超える価値を持つというべきである。

ドイツ、デンマーク、スイス、オランダを始め各国では、こうした過去の積み重ねの上に
例えば、前回お話した『脱原発、ドイツの選択』というものが可能であったのである。

今わが国に求められているのは、
単にエネルギー転換にとどまらず、それを促す理念や制度こそが求められているのである。

『脱原発、ドイツの選択』⇒こちら

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会社を引き継ぐ覚悟を問う

2012年07月02日 | ラジオ番組

会社を引き継ぐ覚悟を問う
7/2 山口義行さんのお話の要約です)

低成長の今の時期に会社を引き継ぐには、それなりの覚悟が必要である。

それは、先代から継承した基盤をただ拡大するということではなく、
今の時代に合った新しいモノを創り出す、という考え方である。
それを実践して、事業承継に成功している例を2社紹介された。

一つ目に、山口さんの主催する『スモール・サン』のメンバーで
愛知県のお線香屋さんの『菊谷生進堂』の成功例を取り上げられた。

線香を、ただ伝統を守って地味に売り続ける、という商売をやめ、
若い世代の人たちに、ファッションとして受け容れてもらえるように、
気軽に香りを楽しめる『お香20種セット』を発売した。

また、”香りの味わい”の表現も『甘い線香』『古典的な線香』など、
若い人たちと共通に表現できるものに変えて行った。
今では、ネット販売も初めて、好調に経営ができているそうである。

二つ目は、『タニタ』。
元々は、体重計のメーカーであったが、
会社を引き継いだ 2代目が発想を大きく転換して、成長した。
それは
「体重計は体重を測る機械でなくて、健康を測る機械であるべきだ」
「なぜなら、健康が気になって体重計に乗るからだ」
というように考え方を変えて、その結果、”体脂肪計”を作り出した。

2つの例からわかるように、
伝統はただ守るのではなくて、
今の時代にアレンジして、生かしていく事がいかに大切かと言う事がわかる。

『自分が引き継ぐ会社に、今、何が求められているか?』
これをしっかり認識し実践していく覚悟が、事業承継者には問われる。

         山口さんの『スモールサン』のウェブサイト
         http://news.smallsun.jp/?m=201206


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