資本主義への新しい試練
7/6 寺島実郎さんのお話の要約です
欧州の金融危機に見られるように、
肥大化してしてしまったマネーゲームをどう制御するか、
言い換えると、
実態経済から乖離してしまった金融経済をどう制御するかと
いうことに、今、資本主義が悩みぬいている。
かつて、マックス・ウェーバーが100年以上前に書いた、
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、
予言していたことが、まさに現実になっているようでいる。
それでは、本来の資本主義の精神とは何であったろうか?
欧州における宗教改革などについて調べてみると、
例えばカルヴァンのプロテスタンティズムの思想については、
『自分の職業を神様から与えられた天職だと思って、
禁欲的に勤労に努めるべきである。
その結果得た経済的な利益や蓄財は正当なものである』
と述べられていて、近代資本主義の基本精神の軸を成している。
こうして資本主義が認められ、大きくなっていったのであるが、
この資本主義の本来的精神が
いつの間にかマネーゲームの世界に変わっているわけである。
この状況をどうするか?
グローバリズムという名の下に肥大化しているマネーゲームを
なんとかして、制御しなければいけない。
今までは、金融規制をしてきたのであるが、
すぐに抜け穴ができて、新たなマネーゲームを助長する結果になっている。
それに対して、新しく議論されているものに、『国際連帯税』というのがある。
これは、国境を越えたマネーゲーム(例えば為替取引)に、広く薄く課税をして、
この税金で世界が抱える環境や貧困などの解決の財源にする。
というものである。
つまり、
欲と道連れの悪知恵の資本主義に向かっている、
グローバルなマネーゲームに対して、
それを規制して縛るというのではなくて、
その活動からあがってくる利益を国際社会のために分配してもらおう、
という議論である。
日本の場合はモノつくりを主とした実体経済で繁栄してきた。
渋沢栄一は著書『論語と算盤』の中で、
「日本人の精神の中に資本主義を支える『論語』のようなものが存在している」
と述べている。
経営の責任を自覚して、育てる資本主義に立ち向かおうとした人たちが
日本の初期資本主義の原点にいたという事を忘れてはいけない。
今のように、虚ろなマネーゲームの潮流の中で、
取り戻さなければいけないもの何か、と考えないといけない。
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