ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

晴れた日は農業とウォーキングとライカ、雨なら読書と料理。
そして毎日ラジオがお伴です。

今日は「海の日」、いいえ「海外脱出」の日です。

2012年07月16日 | 良心に恥じない意見

本日、7月16日は『海の日』であるが、
2007年の7月16日は、新潟県中越沖地震によって
東電の柏崎刈羽原発の7基の原子炉が、
運転不能になった日でもある。

幸いな事に、放射能事故には至らなかったものの、
日本中を震撼させたのは、福島事故に劣らぬものがあったと思う。

そして、この時に、地元の人たちや世論で沸き起こった声は、
『安全確保の最高機関である原子力安全・保安院を
原発を推進する経産省から、分離独立させて欲しい』
ということであった。

その頃すでに、各地の電源立地自治体側では、
相次ぐ『事故隠し』で電力会社を信用できなくなっており、
なんとかして国の規制機関である保安院を、
『頼れる』あるいは『信用できる』規制機関にして欲しい、
という願いからだった。

この時に、保安院が経産省より独立し、
強い規制機関の役目を果たしていてくれたら、
今日のような、悲惨な事態は、間違いなく、かなり避けられたと思われる。

保安院の分離・独立が本格的に議論されたのは、
それより5年前の2002年で、東電のトラブル隠しが発覚した時だった。

この時に、保安院の分離・独立を退けたのが、
当時の経産相、平沼赳夫氏であった。
『原子力を推進するのには、安全への留意も必要だから、
両方とも経産省の管轄の方が適切である』
という巧妙で、ふざけた理屈であった。

その平沼さんは、今は、”たちあがれ日本”の党首であるが、
石原都知事と組んで新党を作るという噂がある。
小沢新党にも支持が無いが、こちらにはもっと無いだろう。

ところで、昨日は仙台で、今日は名古屋で、
今後のエネルギー・環境政策についての政府の聴取会が開かれた。
この聴取会では、国民の代表?9人が
将来の原発比率を3択から選んで意見を述べる事のようである。

しかし、そんな意見聴取はほんの”ガス抜き”とばかりに、
経産省では、2008年から開始した『次世代原子炉の開発』を続行中である。

『次世代原子炉の開発』とは、
2030年頃に、運転60年に達する原発のリプレース需要が本格化する。
それに備えて、180万kW級の原発を開発しよう、
というものである。
(福島1号基は40万kW、大飯3号基は、70万kWである)

福島事故で、この開発計画は頓挫したと思っていたら、
おっと、どっこい、昨年10月にも、新たに研究開発の公募があり、
多額の予算に基づく補助金が明示されている。
原発依存度30%の計画は鋭意続行中である。

間もなく、新しく、原子力規制庁が始動するようである。
しかしながら、正直、どんな組織になっても、
腐りきった日本の役所には、ほとんど期待できる事はない。
役人の端くれの私でさえ、残念ながら、そう思う。

原発について言うなら、
いつでも海外脱出できる準備をしておくしかない、と思う。
それには、海外で暮らせる生活資金と英会話能力が必要である。
『海の日』に図らずも『海外脱出』の話題となってしまった。

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世界が揺れるロンドンの金融街シティの基準金利不正操作

2012年07月16日 | ラジオ番組

世界が揺れるロンドンの金融街シティの基準金利不正操作
         7/16 鈴田敦之さんのお話の要約です。

国際的に使われるライボー(LIBOR)という短期金利の指標が
2005年頃から不正操作されていた事が発覚して、
世界中の金融界で話題になっている。

英国の大手銀行のバークレーズが
2.9万ポンド(約360億円)の罰金を科せられ、
最高経営責任者が辞任させられている。

なにしろ、世界中の年間の金融取引は360兆ドルにも上っていて、
そんな膨大な取引の基準金利が歪められていたのであるから、
バークレーズを罰しただけでは、事は収まりそうにない。

バークレーズは
2005年頃から日常的に、ライボーに報告する金利を高めにして

ライボーの水準を吊り上げるような不正をしていた。
そして、ライボーに連動するデリバティブなどで儲けていたようである。

また、2008年にリーマンショックが起きた時は、
逆に低い金利を報告して、自行の信用力を高くなるようにしていたようである。

つまり、ライボーの為の報告を、
自分の利益になるように不正にやっていたという事である。

ライボーという金利は、
英国の銀行協会が、通貨ごとに、

15~17の銀行から、貸し借りする際の短期金利を毎日報告させ、
それを平均して、決定している。

「ライボーって何?」毎日新聞記事⇒    
http://mainichi.jp/opinion/news/20120715ddm003070132000c.html

とすると、ライボーを不正に操作するには、
バークレーズ1行だけでは無理で、複数の銀行が関与しないとできない。
つまり、世界中の主要な銀行がグルでやっていた疑いが極めて強い。

世界の主要な銀行や中央銀行が”談合していた”らしいという事で、
この余波はまだまだ続くであろう。

日本の東京金融市場にも、タイボー(TIBOR)という短期金利がある。
昨年、外資系証券会社が、複数の銀行に対して、
タイボー向け報告金利を引き上げるように依頼したことがあった。

この証券会社は金融庁から罰せられている。

このように見ていくと、世界的に不正行為が広がっていたように思われる。
金利が高いか低いかは、単に借入れや預金に影響するだけでなく、
恒常化すると、貿易を通じて輸入品が高くなるなど、消費者にも影響が及んでくる。

こういう不正をなくすにはどうしたら良いか?

まず、ライボーへ報告する金利の決め方の改善が必要である。
実際に行われた取引の金利を報告させるなどに変更して、不正が入り込む余地を無くす事である。

次に、金融の大元は信用であるという”モラル”を取り戻させること。
今はデリバティブとかスワップとか金融技術が進むにつれて、本来の『信用第一』の精神が失われている。

さらに、今後の防止策を作るにあたっては、
規制を強化するだけでは、次々と抜け道を作られてしまって、
効果が期待できない、という事を頭におく必要がある。

そして、事件の全容の解明が、なによりも大事である。


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