ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

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『公的年金積立金の運用見直しを考える』 ~ 7/8  NHKラジオ 内橋克人さんのお話

2014年07月08日 | ラジオ番組

公的年金積立金の運用見直しを考える』   
           7/8  NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。  

このテーマについては既に5月の時に
『公的年金積立金の運用はいかにあるべきか』と題してお話しをしたが、
それがいよいよ問題になって来た。

まず、年金積立金と言うのは,
国民の納める厚生年金・国民年金の保険料から
年金として支給された分を差し引いた後の積立金のことである。

5月のこの時間には、
資金の運用は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に委託されていること、
その運用の総額は実に130兆円に近く、世界最大規模であるということ、
また何よりも、国民の老後の生活を支える安心の土台であるから、
運用には慎重の上にも慎重でなければならないこと、
等のお話しをした。

積立金運用で、株式買い増しに動き始めた

というわけで、資金の運用にあたっては安全・安定に徹するために、
基本ポートフォリオ(資産構成の割合)というものが決められている。
例えば昨年12月末でみると、
その割合は、国内債券55%、
一方、変動の激しい国内格式は17%に抑えられてきた。

安定した価額の債券中心の運用ということである。
相場変動の激しい株式での運用の目安は、12%とされており、
その上下6%の範囲の中で保有することが認められる、とされてきた。

これを今、株式保有の割合を実に20%台にまで引き上げると、
そのための準備が着々と進められている。

すでにこの3月4月、GPIFが巨額の株式を買い増ししており、
株価を下支えしていた、ということが明らかになってきた。
このところさえない株式市場であるが、
年金マネーでなんとか大幅な下落を免れている、ということである。

”株価連動内閣”とか”株価依存内閣”とか呼ばれるけれども、
年金マネーの株価下支えで、現政権の内閣支持率が何とか保たれている、
というのが、偽らざる現実と言えそうである。

今後さらに巨額になるGPIFの運用資金

GPIFは 世界最大級の機関投資家と言われ、
あるメディアは、『巨像』という表現を使っている。
しかし、130兆円というGPIFの巨大資金は、来年さらに膨らむのである。
合計すると200兆円近くに達する、超巨大なものになろうとしている。

というのは、
まず国家公務員・地方公務員などが加入する共済年金の積立金は、
合計30兆円規模の資金があるが、今は個々の判断で運用している。
これが来年秋には厚生年金に統合されることになっている。
その結果、さらに30兆円もの運用資金がGPIFに加えられることになる。

そればかりではない。
さらに100を超える官庁・各省庁の独立行政法人が
これまた国債・地方債・株式といった運用資産を保有しているが、
これらは合計で50兆円に及んでいる。
これもGPIFに統合される予定である。

以上をすべて合計すると、
GPIFの運用総額は実に200兆円に達してしまうというわけである。
これは、東京証券取引所の時価総額(6月末で450兆円)の相当額を、
国家の保有にすることも可能だという計算になる。

これまで、市場変動の少ない国内の債券を中心に慎重な運用を心掛けて
それを原則に基本ポートフォリオを決めてきた年金基金である。

それを、政府が公的資金を使って市場に介入して、株価をつり上げて(PLOと呼ぶ)、
時の政権に有利な状況を作り出そうとしている。
そうなると、政治・政局など、
その時々の政権の思惑によって市場撹乱の要因が高まってしまう。

また、
万一、リーマンショックのようなパニックが発生し、年金資金が失われた場合、
その責任をだれが取るのか、リスクはどこまで許されるのかと、
等々と説く慎重論や反対論がないわけではない。

したがって、賛否両論を深く掘り下げた議論が絶対に必要である。

株式運用を増やすことによるメリットをとリスク

もちろん、株式市場が順調に上昇あるいは推移しておれば、
大きな運用益を期待することができる。

しかし一方で、例えばリーマンショックの再来のような世界危機に見舞われば、、
たちまち、国民的リスクは高まることになる。

日銀が苦境に追い込まれるリスク

さらにもう一つ心配なことがある。
それは、日銀が保有する国債の残高が、あまりに巨大化している現実である。
日銀の国債保有高は、政権交代の直前には110兆円程度であったが、
それが、異次元の金融緩和その他で現在は210兆円にものぼっている。
実に100兆円も増えている。

その上、さらに今度は、
GPIFが売却する国債を日銀が引き受けなければならないことになると、
さて、どうなるだろうか?
日銀が掲げるようにインフレ率が目標の2%台に近付けば、
長期金利は3%程度に上昇する、と専門家は予測している。

つまり、国債総額は下落するわけであるから、
大量の国債を抱える日銀の資産の劣化が激しく進むことになる。
インフレによって確実に値下がりする国債を、
かくも巨額に抱えているわけであるから、日銀が苦境に追い込まれることになる。

巨額の公的資金をハイリターンを狙ってハイリスクの領域に投じる、、
その是非については、我々はもっと真剣に論じるべきである。



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憲法解釈変更の押し付けについて、自分の意見を言おう

2014年07月03日 | 良心に恥じない意見

内閣は、集団的自衛権について解釈を変えることを決めた。
憲法の番人である法制局は、
解釈変更と言うよりは、解釈の再整理だから問題が無い、と同調したようだ。



ワンマン社長と茶坊主上司に仕える、あるいは仕えたことのあるサラリーマンにとっては、
こんな押し付けは、会社ではよくあること。
だが、給料を貰うためには、耐えて、我慢していれば、と言うか、耐えるしかない。

憲法については、そういう訳には行かない。
意見を言おう。

NHKが、ホームページで、アンケート形式で、広く国民の意見を求めている。
是非これに答えて、ご自分の意見を発信して欲しい。

番組ホームページは⇒こちら
NHKネットクラブの会員登録が必要。こちら⇒

アンケートの呼びかけ文は、以下のように書かれている。

  ―  ―  ―  ―  ―  ―  ―  ―  ―  ―   


日曜討論スペシャル
「“行使容認”へ閣議決定  集団的自衛権を問う(仮)」
   放送予定日】  7月6日(日) 午前 9:00~10:20【総合・R1】

安倍内閣は1日、歴代政権がこれまで、憲法9条との関係で
“行使できない”としてきた「集団的自衛権」について、
従来の憲法解釈を変更し、行使を容認する閣議決定を行いました。

安倍総理大臣は、行使容認は限定的だと述べた上で、
抑止力によって「日本が戦争に巻きこまれる恐れは一層なくなっていく」
と、閣議決定の意義を強調しました。

これに対して、野党などからは
「事実上、専守防衛の考え方を大きく逸脱する内容だ」という批判や、
「一内閣の閣議決定でこれまでの見解を覆すのは、立憲主義の否定だ」
といった指摘も出ています。

今回の閣議決定を受けて、今後、法整備などが図られれば、
自衛隊とアメリカ軍などの連携強化が進み、
海外での自衛隊の活動は拡大していくものとみられています。

戦後日本の安全保障政策が大きな転換点を迎えた今、
日本の平和と安全はどうなるのか?

7月6日の日曜討論スペシャルでは、
各党の幹部が、集団的自衛権を巡って徹底討論を行う予定です。
率直なご意見お寄せください。

締め切りは7月4日(金)正午です。