ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

晴れた日は農業とウォーキングとライカ、雨なら読書と料理。
そして毎日ラジオがお伴です。

『阪神淡路大震災、被災地は今』  1/28 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約

2014年01月28日 | ラジオ番組

『阪神淡路大震災、被災地は今』   
           1/28 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。    

阪神淡路大震災から早くも19年経った。
これまでも毎年この時期には、
阪神淡路大震災の被災地と被災者の置かれた現実に就いて、述べてきた。
(昨年の1月のお話は⇒こちら、その前年は⇒こちら
19年経った今、被災地がどのような問題に突き当たっているのか?
その現実を知ることは、
間もなく丸3年を迎える東日本大震災の復旧復興のこれからを予測する上でも、
欠かすことができない。 

住民に厳しい三つの現実

まず、住民にとって厳しい三つの現実から伝えないといけない。

第一に、この19年の間に人口の流動化が激しく進んだ、ということがある。
被害の大きかった西宮、芦屋市などでは、
震災当時の住民で現在も同じ場所で生活している人は、全人口のわずか2割である。
つまり8割の人が入れ替わってしまって、ほとんどの人が”新住民”だということである。

また神戸市では、人口の2/3にが入れ替わってしまっている.
つまり、震災前からの住まいに住み続けている人は1/3に減ってしまったということである。
また、その新住民の大部分は震災を知らない人達で占められている事態となっている。 

第二に、今も災害復興住宅で独り暮らしを続けておられる高齢者の独居死(孤独死)が、
今なお絶えないという現実がある。
昨年2013年の1年間においても、46人が亡くなっていて、
全員が50歳以上、そのうち20人は80歳代の高齢者であった。

2000年以降の14年間に、高層の復興住宅で発生した独居死は824人、
さらに遡れば、およそ1000人もの人が、
誰に看取られることもなく、亡くなってしまったのである。
死後1か月過ぎて発見されたというケースもあった。

第三に、地域とともにあった商店街(関西では市場とよばれる)の衰退がある。
住民が日常の買い物をする最寄りの商店街の店舗数が、激しく減ってしまったことである。

震災に打たれた 12の市で、
震災前と現在を比べると、店舗の数は全体で38%以上も減ってしまっている。
最大の三木市では 64%も減少し、、尼崎でも48%、
震災被害の最も大きかった神戸市長田区では56%減っている。
店の数の半分が消えてしまい、
古くからの住民は”市場が消えた”と言って嘆いている状況である。

地域経済への影響

神戸市長田区では、地場産業として、ケミカルシューズ業界がよく知られてきた。
この業界は震災によって大規模な火災に見舞われ、
実に8割もの業者が全焼、または全半壊してしまった。
長田区の人口もピーク時の 60年代に比べて半分以下に激減している。
現在のところ、復興はままならないという状況である。 

この長田区には、一方で、象徴的な出来事がある。
それは、震災からわずか2カ月後、つまり95年の3月に、
JR新長田駅の南側の約20ha(甲子園球場の約5倍)の広大なエリアに
商業用と住居用の高層ビルを 44棟も建設するという計画が決められてしまった。 

大震災の被害者が、まさに大ショックに打たれて茫然しているその隙に、
あっと言う間に、
巨大ビル44棟を林立させる再開発計画が、行政当局によって決められたのである。
この計画の総事業費は2700億円で、全国最大規模と言われた。
神戸市は震災前からここに副都心を作る計画を温めていたのである。 

それが現在どうなっているかといえば、
地上29階建てのビルが35棟完成し、2棟が建設中、あと7棟は行方不明(計画頓挫?)である。

問題は、この大型再開発のうち、商業用ビルがまさにシャッター通りと化していることである。
かろうじて営業を続けている人も青息吐息で、
ビル内は空き店舗が目立って閑散とした風景である。

当初に大きな負担を強いられた店主の方々は、
『引くに引けないという窮状に追い込まれた』と訴えている。
多くのスペースが売れ残って、安いテナント料で貸し急ぐようになり、資産価値が暴落し、
そのあげく倒産して、店丸ごと競売にかけられたという悲劇も出ている。
それで、訴訟が相次いでいるというのが現状である。 

間もなく3年を迎える東日本大震災であるが、
被災地でのこうした”ハコモノ”中心の復興・復旧計画がどんな結末になるのか、
上述したような、阪神淡路大震災のその後の経験を、どう生かしていくのか、
問われているのではないだろうか。 

返還期限の迫る借り上げ復興住宅 

震災後、仮設住宅で一時住まいを続ける被災者のために、
地元自治体は、
民間マンションや公団( 現在はUR都市機構)の部屋を、20年契約で借り上げて、
被災者を入居させた。いわゆる借り上げ復興住宅(正式には『復興公営住宅』)である。

その賃貸借の契約の期限が、いよいよ近づいてきた。
2015年度からは退去を迫られる入居者が数多く出て来ようが、
住民にとっては、死活にかかわる問題である。 

阪神淡路大震災から19年、一見街の風景をは元に戻ったように見えるが、
震災の傷跡は、かくも長い時間を経て、今もなお消えていないのである。 

  

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『運命がきまる12月』  1/24 NHKラジオ 森永卓郎さんのお話の要約

2014年01月24日 | ラジオ番組

『運命がきまる12月』    
       1/24 NHKラジオ 森永卓郎さんのお話の要約です 

今年の景気について楽観論がものすごく広がっている。
例えば、経営者に対するアンケートを見ても、
『消費税引き上げ直後数カ月の落ち込みは、駆け込み需要の反動のような形であるだろうけれども、
それから切り替えして、ずっと年末に向かって良くなって行く』
という意見が圧倒的である。

シンクタンクの景気予測でも、エコノミストたちは同じような見方をしている。
日本だけでなく、つい最近 IMFが日本の景気の見通しを出したのだが
今年の経済成長率の見通しを、前回の公表より0.4%上方修正し、1.7%%になると言っている。
この1.7%成長というのは、アベノミクスで劇的改善を見た昨年の成長率見込みと同じである。

つまり、消費税の引き上げを4月に控えていながら、
経営者もエコノミストもIMFも、皆消費税引き上げは景気に悪影響を与えないという見方をしている。

しかし、景気予測の仕事に30年以上も携わって来て、
今、この皆さん方のコンセンサスには、どうしようもない違和感を覚える。

この4月以降、消費税引き上げと金融緩和の影響で、少なくとも3~4%程度の物価上昇がある。
これはほぼ間違いない。
一方、賃金が上がるかどうかと今の春闘の状況を見ていると、給料はほとんど上がらないだろう。
そもそも「連合の要求基準が、1%以上」というものであるから、2%も3%も上がるはずがない。
経営者の意見を見ても、ベアを検討しているという経営者は、ほとんどいないに等しい少なさである。

そうすると、物価はものすごく上がるが賃金が上がらなければ、
実質所得は即落ちて、普通に考えれば、当然消費が落ちてくる。
しかも日本経済のGDPの 6割以上が民間消費の訳だから
消費が落ちればGDPが落ちる、そして景気が悪くなる、というのは
普通に考えたら、当たり前のメカニズムである。 

それにもかかわらず、どうして世間には楽観論が広がっているのか?
恐らく、”景気が良くなるぞという空気が広がっている”からであろう。
人間には、”あまり悪いことを考えたくない、怖いものを見たくない”という心理もあるだろう。
もう一つ、『今と同じことが続くだろう(現状維持)』と皆が思いがち、期待しがちでもあるからだろう。

4月の消費税値上げというのは、
今までのこれまで続いてきたトレンドをガラッと変える、大きなインパクトを持つと思われる。
それはあまり認識されないでいて、それが世間に知られるというのは相当遅れそうである。

なぜかというと、今年の4-6月期に景気が落ち込むというのは、ほぼコンセンサスがある。
なぜなら、駆け込み需要の反動だと皆が思うからである。
問題は7-9月期の景気がどうなるかである。
7-9月期の GDP統計が発表されるのは、速報は11月であるが、
より正確な二次速報が出るのは12月である。

そこで、政府が思い切った経済政策を打って、日銀が金融緩和をしないと、
景気を切り替えすことはできない。
だから、ここで政府が景気対策をどれだけ打つかということが、日本経済の命運を握ることになる。 

もう一つ重要なことは、この12月に発表される7-9月期のの GDP統計に基づいて
来年10月からの消費税引き上げ(8%⇒10%)をどうするか、という判断をすると安倍首相は明言している。

総じて、
年末までは景気は落ち込んで行って、その先に日本経済がどうなるのかを決めるのは
12月に運命がすべて決まっていく、ことになるだろう。 

そうではなくて、その12月に向けて、今から直ぐに、
細かく景気をチェックし、消費税再引き上げの経済的影響をどう考えるかなど、
深い議論をやっておかないといけないはずである。 

前回1997年に、消費税率を3%から5%に引き上げて、日本経済にものすごい悪影響が出た。
それを消化するのに 15年もかかってしまった。
その時2%引き上げたのを吸収・消化するのに15年もかかったのだから、
今度は3%と2%で合計5%とだから、はるかに大きな影響が出ざるを得ないと思われる。 

今年の年末12月に、日本経済の未来を決める大きな決断をしないといけない。
みんなが、『現状がずっと続くだろう』という楽観論の中にいるというのは、とても危険なことである。
国民が皆『何となく安心し切っちゃっている』ということが気懸かりで仕方がない。
   
  
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『TPP加盟を模索する中国』1/16 NHKラジオ 関 志雄さんのお話の要約

2014年01月17日 | ラジオ番組

『TPP加盟を模索する中国』  
     1/16 NHKラジオ 関 志雄さんのお話の要約です。

毎回、きれいな日本語で、タイムリーな中国の経済事情をお話される関志雄さん。
今朝は、中国がTPP参加に前向きなこと、米国もそれを拒んでいないこと、
また、日本は構造改革の促進のためにTPPへの参加を目論んでいること、等を述べられた。
明快でわかりやすいお話でした。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー  
(お話の概要)

日本では、政府は、構造改革を促すべく、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を目指しているが、
国民の間では、まだ反対する声が多く聞かれる。
中国においても、TPP加盟の是非を巡って賛否両論がある。
中国政府は、胡錦濤・温家宝政権の時代にはTPP加盟には消極的だったが、
習近平・李克強政権になってから積極的姿勢に換わっている。

加盟を巡る反対派と推進派の主張

中国におけるTPP加盟の是非を巡る議論では、国内産業と構造改革への影響に加え、
通商ルール作りにおける主導権争いと、貿易及び直接投資への影響が焦点となる。

加盟反対派は、米国主導で形成されるTPPのルールが中国にとって不利である事を理由に
加盟を急ぐべきではないと主張している。
具体的には、
第一に、
中国の農業は国際競争力がないため、関税がなくなると、壊滅的打撃を受ける恐れがある。
第二に、
中国の金融システムはまだ脆弱であり、
金融業の対外開放はマクロ経済の不安定化につながりかねない。
第三に、
中国は環境基準と労働基準の改善に時間が必要なため、
準備が整っていないうちに米国の要求に合わせると、
製造業の衰退が加速し、雇用問題が悪化する恐れがある。
第四に、
中国のハイテク産業や高付加価値のサービス業はスタートしたばかりで、
適度な政策保護が必要であり、全面開放するにはまだ時期尚早であるというものである。

これに対し、加盟推進支持派の主張は、次の3点にまとめられる。
第一に
、2001年の中国のWTO加盟が示したように、
国際的基準が厳しいほど、国内の改革を後押しする力となる。
当時、国内の未熟な産業がWTO加盟により打撃を受けるのではないか、と懸念する声もあったが、
WTO加盟をきっかけに、国内の規制緩和と制度改革が進展した結果、経済発展はむしろ加速した。
そもそも、経済発展パターンの転換を目指す現在の中国にとって、
TPP加盟のハードルとされる農業、金融、環境・労働基準、ハイテクといった分野での改革は、
まさに避けて通れない道である。
第二に、
TPP加盟に向けた交渉は国際経済貿易の旧来のルールを変更し、
ひいては新しい制度の確立を目指すものである。
もし、中国がこのプロセスに参加しなければ発言権はなく、
自国に有利なルール設定に導くことができない。
そして、出来てしまった新制度を受け入れざるをえないという不利な立場に立たされてしまう。
最後に、
仮に中国が未加盟のままTPPが成立したら、
中国は、関税の減免などの優遇政策を受ける加盟国と比べて、競争に不利な立場となるため、
一部の輸出製品の市場シェアを失うだけでなく、製造業の加盟国への移転も加速するだろう。

というものである。

政府のスタンスは消極的から積極的へ

当初、中国政府はTPPを米国による中国の台頭をけん制する手段としてとらえ、
加盟には消極的だったが、
2013年春に習近平・李克強政権が誕生してから、積極的姿勢に換った。
その背景には、新政権が市場化改革と対米協調をより重視するようになったことがある。

これに加え、日本のTPP加盟が現実味をおびる中で、
中国にとって実質上の“日米FTA”になろうとするTPPから疎外されるコストが、
ますます高くなるという判断もあったと考えられる。

中国のTPP加盟を巡る方針転換を象徴するように、
2013年9月3日に中国の広西チワン族自治区南寧市で開催された、
『第10回中国・ASEAN博覧会』と『中国・ASEANビジネス投資サミット』に於いて、
李克強首相は、『TPPを含めた地域協力の枠組みについて検討をしたい』と述べた。

また、中国では、対外開放を目指す新たな試みとして、
昨年9月に上海自由貿易実験区が発足したが、
これはTPP加盟への布石という意味合いも含まれていると見られる。

TPP加盟の影響は、製造業のみならず
金融などのサービス業、IT産業など幅広い産業に及ぶ。
とりわけ金融などのサービス業が、TPP加盟によってどのぐらいの影響を受けるかについて、
中国政府は懸念している。
これを払拭するために、
まず実験区という限られた範囲で一部の企業と産業への規制緩和と自由化を先行させ、
その影響を確かめるのである。

一方、米国は、『先行の加盟国と同じ高水準の自由化の義務を負う』と条件付きながらも、
『中国のTPP加盟を歓迎する』と表明している。

このように、米中双方の歩み寄りが見られる。
中国のTPP加盟を実現するにはまだ時間がかかると思われるが、
それに向かう道はすでに開かれたと言えよう。 

  
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処方された薬が効かない・・・・困った今朝に思ったこと

2014年01月16日 | 健康と滋養

今朝は眠い。頭がズキズキする。理由は、昨夜ほとんど眠れなかったからだ。
先日もらった眠剤が、どうも効かないらしい。

寒がりの私は、冬は寒くて寝付きが悪いので、冬の間は眠剤(睡眠導入剤)を服用する。
今冬も12月から、月に20日分もらって、半分(1/2錠)くらいづつ毎晩飲んでいる。
ほぼ5分足らずで眠りに落ちて、翌朝6時までぐっすり眠れる。
眠剤の常時服用については、副作用を指摘する方もいるが、
ぐっすり眠れる爽快感の方が健康には良いと思って、害の方はほとんど無視している。

さて、その眠剤であるが、
昨冬も、この12月も、水で飲み込むのでなく、
”口内で溶けて唾で飲み込める”タイプの薬を飲んでいた。
今はこれが主流らしい。
ただ、私は折角寝る前にきれいにした歯や口を、薬で甘っぽくするのが気持ちが悪く、
今年の1月から、2年前まで飲んでいた水で飲むタイプに戻してもらった。

どうも、この眠剤が効かない。
1/2錠では少ないのかと思って、昨夜は1錠飲んでみたのだが、やっぱりダメ。
寝付くのに2時間、そして30分ごとに目が覚めてしまう。
それに、この数日、空腹になるとお腹が痛い。
前にこの眠剤を飲んでいた時は、そんなことはなかった。
1/2錠飲めば、5分足らずで、朝までぐっすり眠れた。

イライラする私からすれば、今回もらった薬が、
『古くて効かない(使用期限切れ)のではないか』としか思えない。
薬局で古い薬を売りつけられた、と疑ってしまう。

古くて効かないどころか、薬は毒に変わってしまっていて、
私は服毒しているのかもしれない。
しかし、それを確かめる術はない。

イライラしてこんな記事を書き始めたが、
これだけ睡眠不足なら、今夜は薬なしでもぐっすり眠れるだろう。
だから、この睡眠導入剤については、実際には、そんなに大きな問題ではない。
ただ、他の大事な薬でそんな事があっては大変なので、もう少し書いておきたい。

この1月に、内科の医院で処方してもらい、
その内科医院の隣の薬局で買った薬は次の3種類他である。
1.保湿の塗り薬(ビーソフテン)、
2.湿布薬(ヤクバン)
3.眠剤(リスミー)

まず、ビーソフテンであるが、
これは、使用期限が容器の裏に記されている。だから薬局でも、そう古いものは売らないだろう。
ところが、容器が密封されていない。
つまり、中のクリームと、容器に書かれた使用期限の関係は、疑えば怪しいともなる。



次にヤクバン。
これは、使用期限の表示も、密封性も問題がない。

さて、リスミー。
これは、密封性は問題ない。
ただ、使用期限の表示はない。



リスミーの包装の裏側は、こうなっている。
024―1という記号があるが、製造日や使用期限と関係があるのだろうか?



これで判るのは、今回のリスミーとビーソフテンなどを始めとして、
処方してもらって買う薬のほとんどは、
薬局が大箱で仕入れ、それをばらして患者に売るわけなので、
患者の手に渡る段階では、表示や包装が、略されたり、簡素化されている。
それで、その薬の”中身”については、薬局を信じて買うしかない、という事である。
薬局に全面降伏なのである。

だから、単純に医院の隣の薬局に限るのでなく、
信用のおける薬剤師がいて、客の多い、たくさん販売している、信用のおける薬局で、
買わないといけないと思う。

もちろん、私も、薬というものは、
自分には効くがその人には効かない、その人には効いたが自分には効かない、
という事があることは解っている。
しかし、この薬は2年前まで、私にはとても良く効いた薬である。

だから、このリスミーの包装紙に使用期限を表示してくれてあれば、
あるいは、薬局で、お薬手帳に使用期限を書いておいてくれれば、
今朝、こんな風に、変に疑うこともなかったと思う。
次回に医師に相談すれば済むことであるから。


『人口減少社会を問う』1/14 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。

2014年01月14日 | ラジオ番組

『人口減少社会を問う』   
           1/14 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。     

人口減少社会への警鐘
 
早い時期から”少子高齢化”という言葉が語われてきた。
現実に国の人口そのものが減り始め、地方にとどまらず都市部も含めて、
全国的に急激な人口減少社会がやって来ようとしている。

新年の新聞紙面を見て特に目立ったのだが、
地域社会の現実に直接向き合うような地方紙あるいは地域紙の紙面で、
『人口減少社会を考える』と題されたような連載企画が多く始められている事である。
 
例えば、
櫛の歯が欠けるように集落の住民が減っていって
ついには、一世帯夫婦二人になってしまった、というような村であるとか、
あるいは、今や住民ゼロになってしまった”消えた集落”の後をルポするといった、
地方の深刻な実態が数々紹介されている。

日本全体の人口は、既に2008年をピークに減少に転じている。
昨日の成人式でも、新成人となった人の数は全国で119万人で、
これは、絶対数でも、総人口に対する新成人の割合でも、過去最低記録となった。

昨年話題となったが、国立社会保障人口問題研究所の将来推計人口によると、
2008年には1億2800万人少々を数えた日本の人口が、
2040年には1億人少々に、更にそれから20年後の2060年には8600万人強、
そして、2100年には5000万人を割り込んでしまうところまで減ってしまう、
という推計結果が出ている。

しかしもっと近い将来の約10年後、
日本は深刻な『2025年問題』に直面すると予測されている。
団塊の世代がついに75歳以上の後期高齢者になってしまって、
現役世代とされる15歳から64歳までの生産年齢人口が、全体の半分少々になってしまう。
つまり、二人に一人が高齢者か子供、そのうちの8割が高齢者で占められるという
いびつな人口構成になるわけである。

”少子高齢化”というけれども、その高齢者の人数も急速に減ってしまう時代となる。 
それまで地方の問題として、”過疎化”という言葉が使われてきたが、
今後は大都市でもごく普通に過疎化現象が起こって、
地方も都市も日本全体が
急速な人口減少社会という大きな壁に直面することは避けられない、
という警鐘が鳴らされていのである。

厳しい人口減少社会を招いた背景

このような厳しい人口減少社会を招いた要因や背景については、
この50数年を振り返って、 
過去の経済発展のプロセスに立ち戻って検証してみる必要がある。

例えば、高度成長期というと、集団就職が一つの象徴であったが、
この時代は、強烈な磁力で吸い寄せられるように、
若者を中心に人々が労働力として続々都市に移ってきた。

人・物・金の都市集中を進め、
そうすることで国全体として効率を上げることが、
国際競争力を強くする道だと言われてきた。

その結果、東京をはじめ大都市では人口の集積が激しく進む一方、
地方では人口流出・定住人口の減少が勢いを増して行った。
それで、当時盛んに”過密・過疎”という言葉でこの問題が提起されていた。

そうすると今度は、『都市集中は悪いのか』などと”居直り”の論が唱えられるようになり、
逆に『集中と選択を進めることがグローバル化時代への対応だ』
といった主張がなされるようになって来た。
”過密・過疎”を追認する理屈である。
過疎化が進んだ地方は、そこ住むのはやめさせて都市へと移住させていけば、
無駄な社会資本の投下も必要が無くなる、という主張まで出て来た。

ある識者会議では、現代を”グローバル都市間競争の時代”と定義づけ、
自治体破産制度を含めた市場原理を導入した自治体づくりを提唱した。
これが『自治体財政健全化法』として法律化されたもので、
2009年4月に適用されるようになり、その第1号が夕張市であった。
今なお激しい人口流出という傾向に歯止めは掛かっていない

結婚が容易でない若者の増加

都市では、出生率が低くて、
さらに、生まれてくる子供の絶対数そのものが減る時代に入ってしまった。

未来を担う若者の非正規雇用が激増して、
適齢期になっても容易に結婚ができない、という構造はもっと深刻になってくるに違いない。

また厳しい人口減少社会が始まっているにもかかわらず、
依然として”ブラック”と言われるような労働の使い捨て、
貴重な人材資源を消耗させる労働の解体は止まる気配がない。
そのあげく今度は、
労働コストの安い移民労働を受け入れようという主張が声高に唱えられるようになった。

『国民一人一人を大切にする』という国是を!

このまま進むと、
地方も都市も人口減少社会へと向かうのは、もはや避けられない未来図である。

人口減少社会が避けられないというのであれば、
『国民一人一人を大切にしていく』という国是(国の理念)がなければ、
国家百年の計もあり得ないのである。 

 

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『99%のための経済学』他を読む

2014年01月11日 | 社会について独り言

内橋克人さんがNHKの朝のお話で紹介された本を年末・年始で読んだ。

佐野 誠著『99%のための経済学(教養編)』(新評論 刊)
佐野 誠著『99%のための経済学(理論編)』(新評論 刊)
伊東光晴著『日本経済を問う』(岩波書店 刊)




今日は、佐野誠さんの著書を読んで学んだことから、
今起こっている社会事象について述べてみたい。

年末に、餃子の王将の社長が射殺された。
犯人は未だ見つからないし、だいたいが殺される理由も見当たらないという。
とすると、ひょっとしたら、『経済テロ』かもしれない。

外食産業は競争が厳しい。
大手チェーン業者同士の競争や、大手チェーンと地元中小零細業者の競争。
仕入れ業者との軋轢、労働条件など社員の待遇の不満もよく聞かれることである。

規制緩和や自由化で、競争がエスカレートし、行き詰まりの結果かもしれないからである。
小さい、報道されないいざこざはこれまでも多数起きていただろう。
次に、どの業種の誰が狙われるのか?
規制緩和をいい加減に止め、停戦をしないと、この手の事件は続くだろう。

そう思ったのは、佐野さんの著作『教養編』の中で、
2012年4月の関越道のバス事故を、規制緩和がもたらした『経済テロ』と断じているからだ。

2000年の規制緩和で、業者の参入、運賃、運行経路などが自由化され、
停留所も設けないでよくなり、高速ツアー・バスは野放しの状態となった。
これで、当然ながら、新規参入の業者が相次ぎ、過当競争となった。
競争に勝つために、これまた当然ながら、人件費の切り詰め、車両保守の手抜きに走る。

過重労働で疲労困憊の運転手も、安い料金に翻弄されて乗ってしまった乗客も、
”ロシアン・ルーレットに恐れながら走る状況”が作り出されていて、
ある確率で、散発的に、しかし確実に、深刻さの程度こそ違っても、絶えない事故が起きている。
これが、規制緩和がもたらすテロ、『経済テロ』に他ならないと言っておられる。

それにしても、毎朝会社の周辺を率先して清掃していたという王将の大東社長さん。
きっと誠実な方だったろうと思われる。合掌。

都知事選に、細川護煕元首相(75)が『脱原発』を掲げて出馬を検討しているらしい。
小泉元首相が協力してくれるのが条件、と言っているらしいが、
小泉さんも、そのつもりで、乗り気のようである。
ただ、民主党や特に菅直人元首相の応援には、ノーと言っているらしい。

しかしここで思うのは、、細川・小泉両氏が、
いまさら何故、『脱原発』で表舞台に再登場しようとしているのか?、という不思議である。

そもそも事の初めから、
原料のウラン採掘現場では、住民に被爆被害を撒き散らし、
農業自由化その他で構造不況にあえぐ過疎地に、お金の力で原発(核発電所)を押し付け、
現場の下請け保守・点検作業員にも被爆させ続け、
放射性廃棄物をまたもやお金の力で過疎地に押し込める。
いったん事故があればどうなるか、福島事故でイヤと言うほどわかっている。
それが原発であるから、脱原発の世論が形成されたのである。

原発は、佐野さんや内橋さんの言う『共生社会』とは、真逆のやり方でしか成り立たない。
構造改革、規制緩和、行政改革といった、新自由主義の政策も
『共生社会』とは真逆の政策であり、共生社会を破壊するやり方でしか成り立たない。

新自由主義という”共生社会を破壊する政策”を進めたこの二人の元首相が、
脱原発をして、どんな社会を作る、と言うのであろうか?

脱原発を進めるが、相変わらず新自由主義の政策も進める、のでは、
今社会で起きている、格差の拡大の問題を始め、
今の閉塞した状況から抜け出せるなどとは、到底考えられない。

脱原発をするなら、内需中心の『共生社会』を目指し、
一部の富裕層と大企業に果実を集中させる外需依存の経済から脱却する事が必須である。

佐野さんの著書からは、考えるヒントをたくさん得た。
99%と言うと正直な話、大学を出ても、1%の層に入れなかった自分には、辛く響いた。
しかし、今は共生こそが大事と考えられる、まともな人間であることで充分だと思うようになった。

現役の時、中電の浜岡原発に、セールスは一切しなかった。また、させなかった。
入札で落とせれば、納入量が多いから、利幅は薄くても結構な儲けがでるので、魅力はあった。
しかし、出入り業者から漏れ聞こえてくる健康被害の噂は、軽んじることはできなかった。
だから、部下や下請け業者を、原発内に仕事で行かせるわけにはいかない。

事情を理解していない新人の営業掛が、入札申請書をもらってきても、絶対札を入れさせなかった。
私と同じ考えの方は他社でも多かったらしく、
同業者の知り合いからは、
『全くお門違いの業種の商品の納入を頼まれた』業者があるらしい、とも聞いていた。

1%の層に入れなかったのは、私がそういう意固地な考えで働いていたことを、
会社の上層部が嫌っていたのだと思う。

脱原発と共生社会はセットである。
細川・小泉さんの考え方を、もう少し見極めないと危ない。
今の安倍首相も、2012年衆院選挙では『原発再稼動への執念をひた隠し』にしていた。

佐野さんの『教養編』は、佐野さんの2011年10月からのブログを体系化されたものである。
佐野さんのご出身は新潟で、長岡高校の同窓の先輩には、山本五十六、猪俣津南雄という
戦前の日本に大きな影響を与えた諸氏がおられるそうである。
片や海軍の司令長官として、片や戦時体制を批判し続けた優秀な経済学者。
共に日本の国を憂いて生涯を貫かれたこのお二人への記述にも、心深く打たれた。

日本や米国の経済のことだけでなく、
アルゼンチン経済の『新自由主義による壊滅⇒共生社会への移行』への経過にも触れられている。
『教養編』で説明されたことの理論的根拠を『理論編』で書かれている。
まず『教養編』をお読みになる事をお奨めしたい。
この3冊の感想は、この後も書いて行きたいと思っている。

★★お読み頂きましてありがとうございます ★★★

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