4月19日 NHK『ラジオあさいちばん』から
☆☆☆ ビジネス展望 ☆☆☆
『世界一のクラゲ博物館から学ぶこと』 遠藤 功さん
3月に山形県鶴岡市にある加茂水族館を訪ねた。
開館したのは1930年と伝統はあるが、規模は国内でも最小クラスで、設備も古い。
今流行の大型水槽なども当然ない。
ところが、昨年度は22万人を超える入館者を集め、過去最高を記録した。
その人気の秘密はなにか?
それは、クラゲで、40種類ものクラゲを展示していて、ギネスで世界一が認定されている。
クラゲの展示室は『クラネタリウム』と呼ばれている。
クラゲたちは、皆キュートで魅力的で、見る人を感動させ、飽きさせることがない。
この水族館の経営から、現場の持つ力について、大いに再認識をさせられた。
たとえ規模は小さくても、他にはない個性を極めて、それを磨いて行けば、
お客様から高い評価を得ることはできる。
この水族館は巨大水槽も無く、立地も悪いが、他の水族館の流行の真似をすることなく、
クラゲに焦点を当てて、個性的な水族館に仕立て上げてきた。
どんなビジネスでも、何か新しい流れが出て来ると、
その流れに乗ろうとする動きになりがちである。
その結果、いつの間にか同一化して、似たようなモノができてしまうものである。
しかし、経営の本質は、何よりも、
他には無い『差別化』を常に目指して独自の帳(とばり)を作ることである。
それでは、他にはない個性というのは、どうしたら生まれてくるのだろうか?
この水族館でも、やはり、そのヒントは現場にあった。
この水族館がクラゲに着目するようになったのは偶然のことであった。
それは現場の飼育員が
水槽の中の珊瑚からブクブクとクラゲの卵が沸き立っているのに気が付いた。
そして、そのクラゲを育てているうちに、その愛らしい姿に魅了されて、
クラゲの研究が始まっている。
要するに、きっかけはまさに現場の”気づき”にあったのである。
日本の現場は、知恵の宝庫である。
現場のちょっとしたアイデアとか創意・工夫が大きな競争力につながっている。
そして更に言えば、
この水族館は伝統的に、現場に”大きな自由や裁量権”が与えられていたと言う。
これが、クラゲに着目するきっかけともなった、気づきや知恵を生み出したというわけである。
現場の”管理”も経営では重要であるが、
現場に”自由度を与える”ことも重要であると再認識した次第である。
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