ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

晴れた日は農業とウォーキングとライカ、雨なら読書と料理。
そして毎日ラジオがお伴です。

2万通のサンキューレターが来るシューズメーカー~5/29  NHKラジオ 坂本光司さんのお話の要約

2014年05月29日 | ラジオ番組

2万通のサンキューレターが来るシューズメーカー』
                   5/29  NHKラジオ 坂本光司さんのお話の要約です。

今朝のお話は、香川県のシューズメーカー、徳武産業株式会社の紹介でした。
この会社ついては、そうです、2年前(2012年5月3日)に
黒瀬さんが『顧客の喜びが我が社の喜び』という題でお話をされています。
(その時のお話の要約は⇒こちら
(徳武産業のウェブサイトは⇒こちら

何故この会社には、2万通ものサンキューレター(お礼状)が来るのか?

黒瀬さんは、
『特殊に作ってくれた靴の履き心地の良さに感謝して』、と言われた。

今朝、坂本さんは、2万通のうち1万通を読まれた上で、
『靴への感謝よりは、同社のサービスの提供の仕方に感動したから』、と言われた。

そのサービスの一つは、
靴を納品する時、従業員が手書きの『真心のはがき』を同封しているが、
この手紙に感動してサンキューレターを寄せた人が非常に多い。
二つ目には、
靴を買ってくれた客の誕生日に、メッセージとプレゼントを贈っているが、
これに心を打たれて、サンキューレターを寄せる人が、これまた多い。
という事のようである。

黒瀬さんと坂本さん、視点というか切り口というか、だいぶ違いますね。

お年寄りとか、障害をお持ちの方、不便に悩んでいる方、
こういう弱者の方々への、精神的なサービスの配慮が戦略として成功している、
と坂本さんは言われるのですね。

ただ、私としては、2年前の黒瀬さんのお話に共感していたので、
靴そのものへのお礼よりも、
手紙や贈り物に感動してのお礼の方が多い、というのには、
ちょっとがっかりでした。


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『減価償却制度の見直し』~5/26 NHKラジオ 山口義行さんのお話の要約

2014年05月26日 | ラジオ番組

『減価償却制度の見直し』
             5/26 NHKラジオ 山口義行さんのお話の要約です。 

今朝の朝刊では、
中小零細企業の『隠れ倒産』が急増している、と大きく報じられた。

従業員や取引先、債権者に迷惑を掛けない様に、やむなく、自主廃業をする。
まことに胸が痛む。

私も、2年前、社員はパート数人という零細企業を後輩に譲った。
会社を廃業したのではなく、譲ったのであるが、
関係者に迷惑を掛けないようにと、それだけが心配であった。

政府には、もっと、
中小企業の応援団長、山口さんの政策提言に耳を傾けて欲しい、と願うところであるが、
どうも、ま逆の方向らしい。

アベノミクスが『株価本位制』であることが知れわたり、
安倍政権は、法人税率を引き下げる為の財源確保に躍起になっている。
その財源として、中小企業からも厳しく税金を取り立てる方針を打ち出した。

戦後一貫して、政権の政策には『中小企業の支援・育成』がうたわれて来た。
例えば、『下請け支払い遅延防止法』は、
”大企業としては、世界中に2つとない恥ずかしい法律”と言われてきたが、
1956年の施行から58年経った今も、中小零細企業の大きな支えになっている。

安倍政権は、これまでの中小企業政策を改めて、
戦後初めて、大企業と中小企業を対等の土俵で勝負させ、
中小企業を市場から退場させようとしている、としか思えない。

円安による燃料や原材料費の上昇で、多くの中小企業は赤字である。
その赤字の中小企業からも税金を徴収しようとする税制改革を進めるのは、
いかにも酷い。

山口さんは、最近、政府の税制調査会が、
矢継ぎ早に、中小企業向けの実質増税策を俎上に乗せていることをお話された。

例えば、
1.中小企業の軽減税率(所得の800万円までは法人税率を15%)を廃止する。
2.現在は資本金1億円超の企業に限って徴収している外形標準課税(地方税)を、
 1億円以下の中小企業にも適用する。
3.中小企業経営者の給与所得控除を大幅に引き下げる。
4.欠損金の繰越控除制度を縮小する。
等々である。

そして更に、減価償却資産について、
定額法よる減価償却費のみを損金として認める意向を示している、とのことである。

企業の多くは、資産を購入したら、出来るだけ早い時期にたくさん償却を進めたいので、
通常は定率法を採用している。
定率法によって償却をして行けば、
早い時期に多目の減価償却費が計上できるので、節税になるし、リプレースも容易になる。

これまで、有形固定資産については、定率法が健全な企業の会計方針として認められてきた。
税制でも、通常は、定率法を採用していると見なされていて、
定額法を採用する場合には、税務署にその旨届け出ることになっている(建物は除く)。
つまり、会計原則と税制が一致していたのである。

中小企業からの税収を増やすために、
会計原則に反して、企業の健全性を損なわせる方向に税制を変える。
このようなことを、国民が納得すると思っているのだろうか?

ちなみに、財務省のウェブサイトを見ると、
米国の法定の減価償却方法は定率法(建物は定額法)だと紹介されている。
とすると、これは米国からの押し付けではない。
日本の誰かが税調に入れ知恵した、ということになる。情けない。



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『公的年金積立金の運用はどうあるべきか』~5/14 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約

2014年05月13日 | ラジオ番組

『公的年金積立金の運用はどうあるべきか』   
           5/14 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。  

年金積立金の運用が話題になっている背景

一定年齢を超えた国民には、国民年金や厚生年金などの年金が支給されるが、
その原資の中心は、現役世代が納める保険料である。
この保険料は、厚生労働省の年金特別会計を経て
『年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)』に運用が委託されている。

日本の年金積立金は、昨年末の運用総額で、実に129兆6千億円にのぼり、
世界最大規模という巨大さである。

国民の老後生活を支える安心の土台であるから、
万一、運用に失敗して大きな損失を出したり破たんしたりすると、
たちまち年金の支給に支障をきたしてしまう。
このため年金積立金の運用には、
慎重の上にも慎重な基本姿勢の在り方が求められてきた。

そこで、何よりも市場変動が少ない国内の債券を中心とする運用が心掛けられて来た。
リスクを避け、安定運用に徹するために、
基本ポートフォリオ(資産構成の割合)が定められている。

昨年12月末で見ると、その割合は、、
まず、国内の債券が55%(外国債券を含めて65%)。
一方、変動の激しい株式は、国内株式17%(外国株を含めて32%)に抑えられてきた。
実際の運用そのものは、民間の信託銀行とか投資顧問会社に委託されている。

さて、ここにきて、なぜ年金積立金に注目が集まっているのかと言うと、
それは、安倍政権が株価維持策(株式市場活性化策)として、
アベノミクスの成長戦略の一環として、この積立金に目を付けたことである。

安倍首相は、
積立金をもっと国内株式の購買に充てれば、株式市場に大きな刺激が与えられ、
経済成長のプラス要因になる、と読んだわけである。

これにつれて、
これまで心掛けてきた安定運用という原則に異を唱える意見が強くなりだした。、
もともと、原則5年に一回、運用委員会が積立金のポートフォリオを決める、
というやり方が採られてきたのであるが、
この委員会が、株式重視、つまり、”リスク資産への積極的な投資の拡大”、
という方針を打ち出す雲行きになって来たのである。

これが現実化すると、
このところ停滞気味の株式市場に、新たな大規模買い手資金が現れることになるわけで、
これに対する賛否両論が、今急速に高まってきたというわけである。

賛成論者は安倍首相のお友達

安倍政権は、すでに昨年末から、いち早く手を打っていた。
まず、内閣府に有識者会議を作った。
その有識者会議は、昨年11月には”株式への投資を拡大すべし”と
政府にとって、まさに”おあつらえ向きの提言”をまとめた。

早速安倍政権は、今年4月に、
このGPIFの業務を監視する運用委員会のメンバーをすっかり入れ替えて、
”政府の望み通りに積極運用を唱える”顔ぶればかりに、メンバーを一新してしまったのである。

慎重論を堅持する委員は再任しない、という、安倍首相お得意の”お友達人事介入”で、
委員合計8人の内、委員長を含む6人までが、新人の新任にすり替わってしまった。
その内3人までは、上述の政府有識者会議のメンバーだったのだから、開いた口がふさがらない。

その政府有識者会議で座長を務めた人は、私案と言っているが、
”債権の割合を55%から35%に減らして、株式は17%から50%以上に増やすべし”
と提唱している。

 内橋さん、そして慎重論者の考え

これに対して慎重論者は、
政府が、『公的資金を使って市場に介入して株価を引き上げて、時の政権に有利な状況を作り出す』、
これは『PLO』とも呼ばれる。
そうなると、
1.政治・政局といったその時々の思惑によって、市場撹乱の要因が高まるのではないか、
2.万一リーマンショックの時のようなパニックが発生すると、
 失われた年金基金の責任は一体だれが取るのか、
 リスクはどこまで許されるのか、
3.現在年金積立金129兆円の中から、国内株式には、既に22兆円が向けられているが、
 国債から株式市場への資金シフトが、さらに大きくなって行くと、
 日本債券の暴落リスクが急拡大するのではないか、
4.債券価額が下がるということは、つまり金利が急上昇することであり、
 それは即ち、また、株価下落の引き金になるのではないか、
等々、こういうことである。

安倍首相は自ら”株価依存内閣”という言葉を使っているが、
高い内閣支持率も、”しょせんは株価次第”、ということをよく認識しての政策であろう。
こんな政策で、
『人々の老後の安心を支えるさ大切な年金は、本当に大丈夫なのか?』
と、問わざる得ない気持である。

年金積立金の運用はどうあるべきか

安倍首相は、先のヨーロッパ外遊中にも、ロンドンの金融街のギルドホールで講演をして、
『年金積立金の資金を株式市場に導入する』と明言した。
外国人投資家に、日本株買いをさらに進めさせるというのが狙いで、国際公約にしてしまった。

しかし、これはとんでもない愚かな間違いである。
その時々の政権が自らの支持率を高めるために、
自在に公的資金を使って市場に介入するというやり方は絶対いけない。 

政治権力と市場の関係には、常に一定の距離感というものが必要である。
それがなければ、やがて、高い高いリスクの代償が求められることになる。
グローバル化の進む市場で、過去数々の歴史的教訓がある。

安倍政権の統治手法の危うさへの警告

まずトップの首をすげかえれば、後は放ってておいても全員がこれに同調する、
つまり『頂点同調主義』という日本特有のあり方の危険性を、これまでもこの時間にお話して来た。
年金積立金においても、そこを突く安倍政権の統治手法の危うさに強く警告を発するところである。

★★★ 運用委員会の顔ぶれ ★★★

安倍政権が選んだ運用委員会メンバー(4月22日から)

委員長     早稲田大学大学院 米沢康博教授、(有識者会議のメンバーで、伊藤隆敏座長の代理を務めた)
委員長代理  野村総合研究所 堀江貞之上席研究員(有識者会議のメンバー)
委員       連合総合生活開発研究所 菅家功専務理事(有識者会議のメンバー)
委員       東洋大学佐藤節也教授、
委員             学習院大学 清水順子教授、
委員             三菱総合研究所 武田洋子チーフエコノミスト   
                     以上6人は新任
委員       味の素 大野弘道常務執行役員
委員             産業革新機構 能見公一社長(ただし、任期は今年7月まで)
                        以上2人は再任

4月21日に退任した運用委員会メンバー
委員長     植田和男 東大大学院教授(元・日銀審議委員)
委員       稲葉延雄 リコー専務執行役員(元・日銀理事)
委員            小幡績 慶応義塾大学大学院准教授、
委員            村上正人 みずほ年金研究所理事

3月末までに退任した運用委員会メンバー
委員       臼杵政治 名古屋市立大学大学院教授、
委員       宇野淳 早稲田大大学院教授、
委員       薦田隆成 連合総合生活開発研究所所長、
委員       佐藤久恵 日産自動車チーフインベストメントオフィサー



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『改めて成熟戦略について考える』~5 /5 NHKラジオ 浜 矩子さんのお話の要約

2014年05月05日 | ラジオ番組

『改めて成熟戦略について考える』  
       5 /5 NHKラジオ 浜 矩子さんのお話の要約です。    

MC)経済のグローバル化やTPPは、私たちの社会に何をもたらすのか?

TPPに関して言えば、
それぞれ皆が、自分の国が他の国よりも損をしないように、ということで、
細かいところで強権闘争に明け暮れる、という格好になってしまっている。
これは、グローバル時代の生き方としては非常に”まずい”ことである。

ヒト・モノ・カネが容易に国境を越えるグローバル時代というのは、
誰も一人では生きていけない時代である。
『グローバル・サプライチェーン』などという言い方をするが、
国境を越えて、いろいろな国籍の企業が、お互いに生産の体系の中で支え合っている。
例えば、福島で小さな部品工場が停止に追い込まれた時、
世界中で自動車生産が止まった、という時代である。

『巨大な者も小さき者に依存している、みんな誰かの力を借りて生きている』。
そういう時に、総ての国々や人々が、
『自分さえ良ければ、我が国さえ良ければ、他の国より損をしなければ』、
というような発想していると、結局 共食いになってしまうしかないだろう。

MC)TPPを推進すれば景気が好くなり、その恩恵が国内に波及するという声があるが?

はたして、本当にそういうことが言えるのだろうか。 
そういう話に関して言うなら、
経済成長、それも、自国の経済成長だけに強くこだわり固執するようになると、
結局は、世界中で奪い合いの方向に行ってしまう。
成長機会の奪い合いからは、
『誰もがハッピーになれる経済の状況』は、出来てこない。

(MC)TPPを推進しても、その恩恵である”富”は、皆にきれいに分配されないのか?

特定の品目について、それも特定の相手国との関係だけにおいて自由化を進めても、
おのずと、日本国内の富の”より良き分配”につながるとは、非常に考え難い。

直接に恩恵をこうむる者の間だけで、富とか収益がグルグルと回ってしまうだけである。
日本は、今ものすごく豊かな国であるが、その中に、厳として貧困問題がある。

そういう問題が、
相手特定型の貿易の自由化(つまりTPP)とか、
ひたすら成長を追求する戦略で、是正されるとはちょっと考えにくい。
きちんと”所得の再分配”ということを、意識的に考えないといけない。

(MC)国々が相互依存している『グローバル時代』に重要なことはなにか?

上述したように、『総ての国々、総ての人々は、一人では生きていけない』
という認識を共有しないといけない。
経済活動というのは人間の営みであるから、
人間の意識とか、心意気とか、発想とかがどうなるかによって、その姿は変わって行く。

だから、お互いに『どうやって恩恵を施し合っていくのか』ということを、
常に話し合い、確認し合っていくことが重要になる。
『G24』の場などは、そういう意味でとても重要な場である。

そこに常に思いが及んでいる、という状態になっていかないと、
奪い合いの世界に陥ってしまい、お互いに足を引っ張り合うことになってしまう。

(MC)国内では、具体的には 、どういうことを進めて行けば良いのか?

『分配のよろしきを得る』という意味では、
一つ、焦点は、地域社会とか地域共同体、地域経済にあると思う。

何処で、助けを求めている人がいるか、
何処で、今とは違う所得分配を必要としている人がいるか、
貧困で喘いでいる人が何処にいるか、ということは、
やはり、地域という、いわば小宇宙の中の方が解りやすい。

人の顔がお互いに見えている中で、
富の”より賢いシェアリング(分ち合い)”の在り方を考えていく。
そのような事が可能な社会体制が必要である。

MC)地域によって、貧困問題に違いがあると思うが?

だからこそ、
地域内に於いて問題を見つける、ということが大切である。
そして、地域間でそれぞれに違う問題を持っているのであれば、
むしろ、支え合い、補完しあうという可能性も芽生えて来よう。

反対に、そこに中央政府が介在してしまうと、実りある話し合いが出来なくなってしまう。
やはり、地域が自立的な展開ができる状況を作っていくことで、
そこから新しい方向感が出てくるのである。
グローバル時代(地球規模の時代)は、同時に、地域の時代でなくてはいけない。

(MC)グローバル化による富や幸福を、地域社会に転換できたらどうなるか?

グローバル時代というのは、グローバル競争の時代である。
国境を越えて、人と人とが労働者として競争し合わなければいけない。
そこでは、人々は、どんどん『不安感の大きいところに追いやられて行く』。
つまり、グローバル時代は”不安の時代”という面もある。

そういう不安感が払しょくされていく、という意味でも、
地域で、お互いに顔が見えている間で支え合い、
不幸さえも分かち合う、というようなことは、素晴らしいことである。

そこでは、
見えない巨大なものに圧迫される恐怖感も低減して、
もう少し心安らかなる状況も生まれて来ることが
期待できるだろう。

 
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