大学新卒者を犠牲にしてよいのか
8/31 NHKラジオ 森永卓郎さんの『ビジネス展望』の要約です
今春大学を卒業した人は56万人いるが、
その内、非正規雇用で就職した人が2万人を超え、
就職も進学もしていない人を加えると、
大卒者全体の1/4近くが、正社員で就職できていない。
大学で教授をされている森永さんも、この現実を前にして、
自分のゼミの学生さんに対しては、
『学問を教えることがもちろん第一』とはしているが、
とりあえずは、『就職試験を突破できるようなプレゼンテーションの仕方』を
訓練する事を優先している、そうである。
しっかり学問を積んだ学生でも、卒業時にきちんとした就職ができないと、
その人の人生が上手く行かなくなってしまう時代になってしまったからである。
学問を身につけさせる大学での教育としては、本末転倒であるが、
自分の教えている学生を守るには、そうしてあげるしかない。
当の学生達も、将来の夢に向かって学問に励むことよりも、
とりあえずは、『正社員で就職する』ことが、主な関心事になってきてしまった。
どう考えても、こういう世の中は正しくない。
どうしたら良いのだろうか?
政府はこのほど、『日本再生戦略』を策定し、
新産業を起こして、医療・環境・農業で100兆円の生産を創出し、
100万人単位の雇用を生み出すと、言っている。
しかしながら、この政策は疑問符だらけで、実現可能性は極めて低い。
雇用の創出については、経済学の基礎に立ち戻って考える方が良い。
経済学のいろはとして、フィリップス曲線が知られている。
これは、物価上昇率と失業率の間には、トレード・オフの関係があり、
物価が上がれば失業率が下がり、逆に物価が下がると失業率が上がっていく、
ということを示すものである。
今のようなデフレを続けて、物価が下がり続ける状況であると、
雇用が悪化する、ということは経験則でよく知られている事である。
今、政府の政策に求められているのは、
『真剣にデフレを止める』ことである。
デフレの悪影響の”しわ寄せ”が、全部若者に行ってしまうのは良くない。
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