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宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

2013年の世界と日本 その展望

2013年01月06日 10時35分22秒 | 思考空間

 今年は電気学会の原稿(新進化論:全国大会:10日締め切り)を書いているので、今年の予想が遅れてしまった。昨年の予想は大体当たったのではないか。とりわけアメリカの動きである。アメリカは対中国で方針を転換し、その予兆は2011年から出ていた。

 重要な事実は、アメリカ、中国をはじめベースは軍事戦略で動いているということ。これ以上戦争の火種を作ることを避けたいアメリカとしては経済は最重要な戦略の道具だが、中国のあからさまな経済と軍事力の掛け算・拡大戦略は看破できなくなっている。

 従って、中国の経済成長はスローダウンせざるを得ない。何度も書いたが中国は国全体がイカサマだ。この度、NASDAQなどに上場した中国の40社が実体の無い詐欺企業で、上場廃止となった。どのような事前審査したかが大きな問題になっている。

 中国へ進出した企業は100%賄賂を払っている。しかも、立地時の契約で高い給料を払い、環境整備が義務付けられ、撤退ができない。中国に工場を作れば、資金を盗られ、ノウハウを盗られ、やがて工場も盗られる。教育をしてあげ、デモで暴れられ、さっさと辞めて行く。よくもまあ、22000社も中国に行ったものだ。

 日本が自民党安倍政権になったこともあり、アメリカの安倍ノミクスに対する支援は選挙前から継続している。為替が自由市場の原理で動いているわけではない。前から書いているように為替は経済戦略のコアで、意図があり操作されている。民主党政権で鳩山らが露骨に反米の方向性を示したことで、日本はオバマにとって潰しても良い国になっていた。

 為替は1ドル50円になってもおかしくは無かった。私は当時の菅首相に70以上の提案と情報提供を実施した。ある日(調べたらわかるが)危機感を覚え、朝6時ぐらいに為替介入するよう提案し、その日に介入が実施された。内容も送った事実も残っている。

 為替は1ドル100円、日経平均は14,000円が目標じゃないかな。2013年が駄目でも必ずその頂を目指す。安倍首相はアメリカのポチになることをオバマと二人の会談で明言することだ。それで、この目標は実現性が高くなる。

 韓国ウオンは日本円に対して60%、ドルは40%安くなっている。韓国は頻繁に為替介入してきた成果が出た。(ウオンは国際通貨ではないので、為替介入がやりたい放題)この状況ではいかに日本企業が頑張っても勝てるわけがない。サムソンは国家がらみのビジネス戦略を進めてきた。日本の技術はしゃぶりつくしてなお、まだ取得するためにサムソンの拠点が関東にある。

 韓国もウオン高で厳しくなってくる。1ドルが1050ウオンを割ると、大企業でも赤字が出始める。既に中小企業にとっては赤字レベルらしい。しかも、円安とのダブルパンチ。輸出がGDP比50%の韓国は為替によって翻弄される。

 肝心のアメリカがどうなるか?良い質問ですね。アメリカは実は中国に劣らずいかさまの国なんだけど、内容と質が異なる。1990年代はアメリカが持てる力を全て駆使し、主に裏側・水面下でイカサマ全開・変幻自在、バブルで太った日本から資産やビジネスを奪い取った時期。

 21世紀のアメリカは、世界制覇の野望を抱く中国、疲弊した経済に対してどのように対応するのか。1990年代の日本はアメリカにとってあまりにイージーな子羊だった。共産党の一党独裁・中国はそうはいかない。

 一つは叩きすぎた日本を少し復活させ、中国に対抗させる。マクロ的には旧英連邦、ヨーロッパ、日本などの柔らかな包囲網を形成する。

 アメリカはまだまだ世界を動かす力(表の実力と裏のいかさま力)を持っており、復活を果たす。どんなに経済状態が悪くても株価が上昇する国ですよ。対中国の経済対策の一つは中国の元を実勢レベルに上げる事。そして最終局面(先の事だが)は元のドルペッグ(固定レート)を外すこと。  

 夏の参議院選挙は自民党と維新の会が勝つでしょうね。揺り戻しがゼロではないが、民主党への風は吹かないし、安倍ノミクスはある程度成功する。前に書いたように私が考えたことと安倍首相の方向は大半が一致している。安倍首相は右寄りと言われるがむしろ中立だ。日本がやらなければならないことをやろうとしている。

 金融緩和はやりすぎるぐらいやる。日銀の白川総裁は当然首。新しい総裁は竹中 平蔵が良い。この人事には自民党内だけでなく民主党などの反対が出るので、日銀法の大幅改正を含めて多面作戦(金融緩和目的)で臨むべき。現状では日銀の独立性は全くナンセンスも甚だしい。それが現在の日本経済状態。

 デフレ脱却は当然のことで、インフレ目標の2%もアメリカ、イギリス並みになってきた。ただ私は土地価格の1%上昇を是非目標にしてもらいたい。企業が工場を作る動機になるね。土地価格低下が日本人から資産を奪い、活力を削いできた。 

 孫の教育費(1000~1500万円)をまとめて支払った場合に課税されないとのアイデアはユニークで面白い。大学の授業料などがまとめて支払われる可能性がある。ちょっと似ているが、私は、以前から子供や孫の年金を一括払いする方法を考えていた。

 TPPは結果として参加する。しかし、農業団体をバックにした自民議員の反対が厳しい。やくざや右翼をバックにした安倍ちゃんじゃないと乗り切れない。

 安倍ちゃんのバックにやくざがいるため、官僚や反対派が裏で動けない。事情通によると、小泉純一郎があれだけ思い切ったことが断行できたのも、小泉の祖父がやくざだったことが大きい。小泉の年金未払いを官僚がリークしたため、次官やその奥さんがやくざに切り付けられた。官僚は真っ青になったという話。

 原子力発電所の再稼働は、参議院選挙後を睨みながら順次進める。原発の建設も中止すわけがない。しかし、流石に活断層の上にある原発の稼働は出来ない。

 土木建設工事は活発化する。これは自民党の生命線。強い自民党の原動力は何しろゼネコンの会社組織だからね。ゼネコンの重要な仕事は選挙ですよ。ゼネコンのビル最上階へ行ってみて下さい。政治家が演説す専用会場が設けられている。演説の聴き方、拍手の仕方、票の集め方だけじゃない、ゼネコンさんはプロです。

 憲法改正は時間がかかる。次年度以降の話。


日本が発展系でないのは論理が無いから

2012年11月28日 10時45分00秒 | 思考空間

 バブル崩壊後、欧米では日本がV字回復するとの見方は強かった。しかし、20年以上を経ても回復したとは言えない。そこで明らかになったのは①日本に成長戦略が有ったわけではなく、②シンクタンクと自称していた官僚機構が優れていたからでもなく、③日本企業の経営が特別優れていたからでもない・・・が分かった。また、シンクタンクは国内に2000ぐらいありながら全く機能しなかった。

 何故、こんなことになったのか。一言で言えばそれは日本に論理性が無いから。論理の延長線上に戦略が位置するので戦略が無いとも言える。それでは日本社会の特性は何なのかと言うと、前にも述べたカンカン上天国なのである。日本が戦後の焼け跡から不死鳥のように復活したのは別の要因である。

 カンカンは慣習と感情。最初のカンは慣習:つまり、日本人は決められたことを決められたようにやるようDNAが書き込まれている。それに反する事は悪だと刷り込まれている。新しいものを求め、すぐ飛びつくように見えるがそれは表面的なことで、実際は保守的。なかなか、現在の生活や仕事のパターンは変えられない。

 二番目のカンは感情:優位な立場(顧客であったり、数が多かったり、発注者であったり)にいるほど、上に立つ(上司)ほど、感情を出しても良いことになっている。大学には感情論と言うのが歴然とある。つまり論理もへったくれも無い。感情・気分で判断する。だから、何が事実かが不明になり、状況により時間経過により判断が変わる。

 上天国とは、上に行くほど、権限が増え、給料や名誉が増え、逆に責任が減ること。ソニーの井深氏も出世するほど天国に近づくと書いておられた。(私のように具体的内容は指摘していなかった)方法は何でも良い、兎に角、日本では上位に上がることが絶対条件。ばれなきゃ法律を犯してもポストを上げる。

 この上天国は社会構造における欲望の究極形態で、日本の社会構造、すなわち既得権構造を形成する基本的な仕組みである。更に上天国を守る人間を引き上げ、改めようとする人間を排除することにより、ベクトルが一致し純度が高まり、ますます強固な既得権構造が出来上がる。物理的にもネガティブフィードバック(例えば発振回路:周波数が一致するようになる)と呼ばれ、証明されている。

 日本の既得権構造の最頂点に位置するのが官僚組織(最上位ブロック)だ。既得権構造ではこの既得権を維持し拡大することこそが目的であり、日本の発展のためとか「戦略的〇△」などは予算取りや騙しの作文に過ぎない。この構造を改革しないと日本の将来は無いが、現状を見てもお分かりのように官僚機構改革は容易ではない。

 これらは全て、非論理的な行為である。日本式のやり方は国内・組織内・仲間内では通じる。何とでもなるが、国外やより広い範囲では通用しない。そのために、できるだけ内々で処理する傾向も出る。例えば、江戸時代には鎖国が有る。日本の外交は相手が有ることを十分意識していないし、情報収集も分析もできていない。感情の勢いで、今まで通りやろうとする。

 日本は現在あらゆる方面で深刻な問題を抱えている。何故こうなったのか。日本は成長の過程で、目の前の課題を一つ一つ解決してこなかった。場当たり的に対処して、本質的な問題を先送り棚上げしてきたために、社会が構造改革されず後進体質がそのままスケールアップしてしまった。

 教育の現場で教えるべきは論理性であり、カビの生えたような古い情報を頭に詰め込むことではない。物事を正しく認識し、論理的に思考し、正しく判断することが最も重要で、それを身に着けさせることこそが未来を開く教育だ。大学自体が感情で判断し動くような状況ではとても改善は望めないが。

 教授が感情論を持ち出すのは、「私に従いなさい。サービスしなさい。怒らせると昇進させませんよ」との意思表示である。勿論、感情論という論文が有るわけではない。大学ではいかに優秀でも、教授に好感を持たれなければ、同じ分野で教授に昇進することは極めて難しい。

 第二次世界大戦末期、1945年5月末、米軍は激しい沖縄戦の末、首里を占領した。少なくともこの時点で勝負あったとみなすべきだが、直後の第13回御前会議でも戦争継続で全員一致した。特に阿南惟幾(これちか)陸軍大臣が最強硬だった。もし、ここで終戦させていれば数十万人の死者も助かり、二つの原子爆弾も投下されなかった。

 広島原爆投下直後の第14回御前会議でも継続、第15回御前会議(1945年8月14日)に昭和天皇が「私はどうなっても良いから」と降伏を告げた。どうなっても良いとは、最高責任者としての死刑を覚悟されたことは間違いない。阿南は降伏撤回のため、クーデターを企て、失敗し割腹する。穏健派は暗殺されている。このように日本は一度走り出すとなかなか止まらない。

 論理の無い世界では「らしさ」やテクニックが重要視される。私も電力会社に30年程度いたが、事実がどうであるかではなく、いかに「らしく」するか、もっと言えばいかに騙すかが問わる。実力や能力が見えたら昇進の邪魔。

 これは官僚の政界も一緒だが、起案して通れば予算が出て使い放題、結果や責任は問われない。騙して予算取りし大プロジェクトをおっ立てればば失敗しても大昇進する。

 現状では、いつまで経っても日本は世界から孤立するばかり。中国の悪質なやり方の方が世界的には認められてしまう。

 日本に論理性が根付き、少なくとも半分以上論理的な判断で動くようになれば、画期的に変わり得る。論理性=事実の追及=正しい判断が日本をへ導くことは疑いの余地が無い。


日本はカンカン上天国

2012年10月30日 11時46分36秒 | 思考空間

  カンカン上天国とは、最初のカンが感情のカン、次のカンが慣習のカン、上天国とは上位ほど天国に近づくという意味。

日本はまだまだ論理は通用しない。感情や気持ちが決定や行動を支配する。

日本は農耕民族だ。実績や慣わしを大切にし、流れに逆らうことは無い。

また社会的地位やポストなどが上に上がるほど、権限・収入が増えるだけでなく、責任が減少する。だから、方法を問わず上に上がった方が勝ちということになる。


グーグルが乗っ取られた!

2012年06月24日 09時44分22秒 | 思考空間

 私のパソコンインターネット環境の中で、グーグルが駆逐され、Babylonに占拠された。インターネットオプションでグーグルをホームページに選択してもBabylonをベースにされており、インターネットを開くと必ずBabylonが出てくる。

 そのうち、ツールバーが消える、言語バーが無くなる、大き目文字設定がキャンセルされる。 Babylonが着々と環境を変えてくる。えらいころになった。

 元々は、テキスト文字が取り出せないPDF(編集不可とするとテキストは選択できないらしい)から文字を取り出すため、PDFコンバーターなるソフトをダウンロードしたのが始まり。テキストは取り出したのだが、変なのが居座った。

 そこでとった解決策はこうだ。Babylon関連のソフトを全部コントロールパネルからアンインストール。次に、グーグルの登録ロボットをネットで探し、登録する。このロボットが威力を発揮した。グーグル100%のタブができた。

 それでもBabylonタブは残っている。タブは消しても復活し、消しようがない。インターネットオプションでグーグルをホームページを設定したいが、ツールバーが消えている。

 しかし、ツールバーは無くなったが、何故か右上に家、星、歯車のアイコンが有る。その歯車をクリックすると、何とインターネットオプションが入っていた。そこで、グーグルをホームページに設定し、Babylonを消したところ、再起動させてもBabylonは出なくなった。

 次に、言語バーが無いと仕事にならない。コントロールパネルから、地域と言語→キーボードの変更→言語バー→言語バーをタスクバーに固定で普通は出る筈が出ない。パソコン工房に言わせると重傷だから入院させろという。

 デオデオの秋山さんに電話したら、設定後に再起動させたら、と言われ、一旦落とし、外出から帰り起動させたら確かに、正常に戻っていた。再起動させないと戻らなかったのが、ちょっと何かが壊れていたのだろう。

 笑い話みたいだが本人はいたって真剣。放置したのでは仕事にならない。ま、何とか解決しました。


63億年後に大膨張した太陽が地球に達する

2011年12月13日 17時28分17秒 | 思考空間

 1990年代初頭、地球が太陽に飲み込まれるのが100万年後と予想されているのを知り驚いた。かなり先とする見方もあるが、100万年と言えば宇宙の年齢では短い。現実的なそこにある脅威だ。人類が生き残るにはどうすべきかと、火星への移植、地球の移動などを考えていた。

 ところがその後、予想がどんどん変わり始める。現在のところ、太陽は大膨張し、水星や金星を飲み込み、この二つの星は蒸発するものの、地球まで飲み込むことは無いとなっているようだ。しかも、太陽が膨張し地球近くに達するのが63億年後とかなり先になった。

 ホモ・サピエンスがアフリカに誕生したのは10万年前のことだ。1億年程度でも、新しい人類というべきか、何世代もの進化を経て別の生き物が誕生している。頭脳が現代人より発達したとして良い案を考え得るかは疑問だ。何しろ宇宙は巨大すぎる。

 頭脳が現代人より発達した未来人類が生き残れるかもちょっとしたテーマだ。現人類は近視眼で自分や周りしか見えないから楽観的になり、無茶をやり、大失敗しながらもやってきた。広いレンジの正確な思考で良く見えると悲観的になり過ぎるし、頭ばかりの虚弱体質ではどうだろうか。

 もし、63億年の予想が正しいとして、太陽が地球に達すれば、当然地球は海水が蒸発し、全体がまる焦げで生物の生きる余地は全く無い。他の惑星に移植するか、巨大な宇宙船に住むか、あるいは巨大なロケットで地球軌道を少しでも外側に移しかない。

 火星や木星の衛星エウロパへの移住、宇宙船での生活、地球の移動はこれまで繰り返し何度も考えてきた。いずれの方法もただ事ではない。火星への移住は現実的な選択だが、まず人類の一部しか移住できない上に、火星での生活など考えられない。

 まずは火星で空気や水のある実験室を作り微細菌がどの程度繁殖できるかを調べるべきだろう。これが基礎データとなる。火星に合った新たな生物の出現が理想的だが、それこそ、楽に数万年単位の時間が必要だ。

 空気は無い、水は有ったとしてもほんのわずか。太陽光が照射するところでは灼熱、日陰ではマイナス数百度という世界。放射線(宇宙線)が強烈に降り注ぐ。有るとしたら地下都市かな。幸い太陽光ネルギーは無尽蔵に得られる。

 宇宙船は漫画の世界では夢が有るものの、常に隕石衝突のリスクがあり、宇宙ゴミは壁に穴をあけ、重力が無い、放射線も防げない。狭い空間に押し込められる精神的な圧迫も強い。何にも増して周りが全部真空と言うのはきつい。ちょっとした事で一巻の終わり。

 重力対策は重要で、直径1km以上のドーナッツ型宇宙船を高速で回して遠心力による重力を得るかだ。食料をどう調達するかは良いプランが無い。以前電気学会には宇宙工場を提案したが、それで食物や製品を作るとしても地球で食べるようなものは望めない。

 結局、地球の軌道を外側に移動させるのが最も良いのだが、巨大なロケットを無数に噴射させると想像を絶する、物凄い環境破壊にはなってくる。それでも、丸焼けになるよりはましか。しかし、まだ技術的な根拠は無い。

 地球の重さから1mmでも動かすには莫大なエネルギーを要する。ロケットを据え付ける設備も宇宙規模。これまでの経済社会では成り立たない。噴射エネルギーは圧倒的に不足するので出来れば、例えば電磁波ロケットが可能なら宇宙で太陽光のエネルギーをキャッチし、利用したいところだ。

 今後、より現実的で科学的に根拠のある検討を進めたいとは思うが、快適な未来とはならない。しかし、人類は過去に大変厳しい環境で生き延びてきたのだから、現代人レベルなら、チャンスさえ与えられれば、どんなに苛酷でも耐えて行ける。

 大膨張した太陽もいつか消滅する。太陽系は暗黒になる。代わりの太陽を作るというアイデアもあるようだが、荒唐無稽すぎて私には理解できない。ま、数億年は灼熱に至らないとして神様が与えてくれた猶予時間かな。


TPPはアメリカの仲間作り

2011年10月28日 15時37分33秒 | 思考空間

 アメリカは第二次世界大戦後、最も輝かしい時代を迎える。敗戦国はもとより、ヨーロッパが痛み、主要国の中では唯一、戦場として荒らされなかった国土を有していた。ソビエトや中国など共産国の台頭は有ったものの、アメリカを脅かすほどではなかった。生産力を増し、車をはじめとした物質文化を極め、華やかで自信にあふれ、夢と希望に満ちた時代だ。

 アメリカは強大な軍事力をバックに、CIAほかの諜報機関を駆使し、常に世界を相手に戦略的な行動を展開した。ヨーロッパにもアジアにも基地を持ち、必要あれば原子力空母を差し向けた。世界のポリスとして目を光らせた。一方で中東など資源を常に優位に獲得し、反対勢力を抑え、自国の都合の良い、どちらかというと独裁性の強い政権を支持してきた。

 1990年代には、盗聴システム・エシュロンで共同運用していたイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの旧英連邦と共に、獲得情報をビジネスに活用し、アメリカだけでなく旧英連邦は1990年代に大繁栄を迎える。

 この時、最も餌食となったのは日本の商社で、かつて世界に展開していた商社の活動がエシュロンで筒抜けとなった。とりわけ、賄賂性の多いビジネスの弱点を突かれ、悉く、旧英連邦チームのビジネスにシフトされてしまった。日本の商社の旗は世界中に翻り、豊富な情報も商社経由で日本にもたらされていたのが急速にしぼんだ。商社は泣き寝入りするしかなかった。

 日本は商社が誇っていた、世界向けの強力な営業艦隊と、情報収集機能を失っていった。以降、商社に頼っていた日本メーカーは自ら世界に出て営業することになった。

 アメリカの戦略は当初、多くが成功していたが、ベトナム戦争で敗北を喫し、大いにプライドが傷つけられる。 アメリカが支持してきた独裁性の濃い国々の政権が倒れ、反米となってゆく。特に南米と言う自らの裏庭でチャベスのベネズエラに代表される反米国家が出現する。

 ベトナムで懲りたはずのアメリカだったが、自らの血を流す戦いに向かい始めた。そこで、9.11事件は格好のトリガーとなり、アフガニスタン侵攻に次ぐ、イラク戦争になだれ込んだ。これらの暴走気味の戦いではとりわけ友好国の国民から批判を浴び孤立感を深めた。

 片や、アメリカを生んだ母なるヨーロッパ諸国は、ドイツとフランスが中心となりヨーロッパ統一を目指している。人類史上最大の試みで、先行き不透明だったが、統一通貨ユーロを発行し、前進している。この度のギリシャ危機なども結束し、アップダウンしながら課題を解決してゆくのではないか。このヨーロッパ統一の一つの目的はドルからの独立である。

 結局のところ、アメリカが戦後にやってきたことで最もうまくいったのは日本に関してであった。アメリカから見ると日本人のメンタリティーは理解しがたいものの、上手に指導管理すると従順で能力が高く、規則正しく実行されて行く。

 アメリカにとって、ここのところの、看破できないゆゆしき事態は中国の軍事強化であろう。経済的な協力関係はより密接になって行かざるを得ないが、そのことがますます中国をして経済を巨大化させ、その経済力を持ってアメリカを脅かす軍事力を持つに至ることは明白だ。

 見えないふりをしていたアメリカも、南シナ海や尖閣諸島の問題が顕在化するにつけて、中国が軍事力をバックに、自国の利益をなりふり構わず実現しようとすることに気づいた。しかし、それはかつてのアメリカの姿であった。中国は、アメリカと日本の戦後を詳しく分析し、中国が世界制覇するための戦略を練ってきた。

 TPPは、アメリカが世界から孤立しつつある立場で、しかも、軍事と経済で将来に凌駕しようとしている中国の存在が膨張する中、仲間作りの輪を広げようとする試みでもある。併せてこのTPPで復活の芽を探りたい。その要素が十分有ると見る。

 私はかつて、菅首相にTPP解散を提案した。本人が読んだかどうかは不明。もし実行されたら、十分選挙で勝てたし、民主党内の反対勢力を駆逐できたはずだ。しかし、実行されなかった。

 TPPはアメリカの戦略の罠にはまりこむ可能性もありながら、同じ輪の中で、話し合い、協力関係を保つことは、特に、国家ビジョンも国家戦略も、発展性につながる何も持ち合わせていない日本にとって、願ってもない魅力的なプロジェクトである。


5兆円の金融緩和(日銀)なんて殆ど意味が無い

2011年10月27日 16時26分10秒 | 思考空間

 かねてより、この日本の不況が日銀のせいであることは繰り返し指摘しているところであるが、本日、金融緩和すると言うから、流石と思った。ところが5兆円と聞いて、唖然とした。効果が出るレベルではない。琵琶湖の排水ポンプ、台風に向かう扇風機といった感。一体、日銀は円高に本気で取り組み気が有るのか?

 市場も、殆ど反応しなかった。次の緩和は無いわけだから、逆に安心して円買いに走る結果になった。ひどいものだ。桁が違う。50兆円なら、円買い方は「これは大変」と思わせるが、雪崩のような円高に対してどう対抗できるのか?

 政府や国民に対して姿勢だけ見せ、欧米の金融支配者に対しては恩を売ったのだろう。円高で日本の競争力が落ちることは、欧米だけでなく、中国や韓国にとっても大変有り難い。

 安住財務大臣がこんな小手先に期待していたとすれば先もおぼつかない。もはや、日本として残された策はドル買いの介入しかなくなった。大量の税金投入による介入は国民にとっても負担が多い。

 それにしても、安住は円高に対して、断固たる措置を取ると何度も繰り返しているが、これは逆に、少々円が上がったぐらいでは、介入しないと言っているようなもの。そろそろ市場も見透かしてくる。私はかつて、菅さんに、突然大規模に介入するよう提案した。

 日本を救うための金融緩和(円高対策+デフレ脱却)を渋る日銀には驚くほかは無い。日本沈没は避けられないが、倒産や自殺者が急増したら責任をとれるのか?


TPPはアメリカからの日本救済策

2011年10月26日 08時59分21秒 | 思考空間

 まだ、唯一の超大国であるアメリカにできることは次第に限定されつつある。そのアメリカが日本に対して、同じ輪の中に加われよと、提案しているのがTPPだ。世界はグローバリズムの嵐で、破壊的な変化が起きているが、日本は、何らやるべきことができていない。

 民主党政府は経済音痴で、日本経済が水面下に沈もうとしているのに今起きている状況さえ理解できず、ただ官僚が出してくる増税案を推進するのみ。そんな中、TPPに加われば、輸出国としての競争力を増し、外圧を利用して農業や医療ほかの改革が進められる。

 それよりなにより、TPPに加わらなければ、決定的にアメリカから見捨てられるだろう。日本が単独で生き残ることなど出来る筈が無い。脅かすわけではないが、将来、共産党独裁の中国の支配管理下になることは十分すぎるほど想定できる。

 既に、日本はアメリカから見て、軍事基地以外に興味のない国だ。本当はアメリカは日本とよりを戻して、一緒に進みたいと考えているが、鳩山ぽっぽのおかげで、この関係は怪しくなってきた。

 オバマ大統領は、韓国李大統領をパートナーと呼んだ。このパートナーの意味は大きい。米韓FTAを絆に両国の協力関係は推進するだろう。李大統領は実績あるビジネスマンであり戦略性に富む。世界中を飛び回り、トップセールスで韓国を飛躍させつつある。人口が日本の半分以下の韓国ではあるが、躍進目覚ましく日本を追い抜く勢い。

 農業は選挙目当てに税金を大量に注ぎ込んできた衰退産業だ。65歳を超えた老人達が、政府の手厚い優遇政策の中で、非効率な作付けを行っている。税金の投入なしに農業は成り立たない。サラリーマンの税金が泡と消え、日本全体の活力もそがれている。普通の国なら革命が起きてもおかしくない。

 農村は選挙のためブロックに区割りされ、ブロックごとに候補者が割り当てられる。選挙になると、農村では応援に駆り出される。夫人部隊がねじり鉢巻きで候補者事務所にバスで大挙してやってくる。世話役は投票漏れや他候補の運動を監視する。私は選挙応援の中でその状況を見てきた。

 今でも、農村地域では投票自由は無い。そのおかげで多額の補助金などにつながる。これは、大都会大阪周辺でも同様であると、電力社員である農家の人が証言している。

 農業は整理統合して企業化すべきだ。農家の人は、地域ごとの農業企業の株主になり、同時に社員として働けばよい。この企業化を政府は強力に後押しすべきだ。

 TPPでは当然、アメリカにとって有利なことを押し付けてくる。だから、日本も逆に日本にとっって有利なことをアメリカに押し付ければよいのだ。無理な条件は決して飲まないこと。民主主義世界では当然のことだ。まずは議論に参加しなければならない。

 日本は農業で発展してきた国ではない。殆ど、資源らしい資源が無い中で、戦後の焼け跡から歯を食いしばり、製造し輸出して、不死鳥のように立ち上がったのだ。今後も、輸出なくして、なりゆかない。TPPに加入して関税の垣根を取り払い、輸出を促進すべきだ。

 TPPに反対する団体は税金をがぶ飲みする状況を温存したいか、ぬるま湯の既得権を手放したくないからだ。日本は改革らしい改革がほとんど進まない中で、脆性破壊しようとしている。TPPはそれらを解決する仕掛けにもなりえる。

 TPPに加わらないこと、それは日本の死を意味する。


インテル CORE i9が今年中に出るらしい

2011年10月24日 15時53分12秒 | 思考空間

  デオデオの社員も新しいインテルのCORE i9が出ることは知らなかった。実装が8CPU、仮装と併せて16個のCPUになりそうだ。凄い!デオデオの社員も購入すると言っていた。今、i7(実装CPU×4、仮装CPU×4)とウインドウズ7の、7×7は結構速くて気に入っているが、更に速くなるのだから期待している。

 ひどかったのはVISTA。立ち上がりが遅いし、処理も遅い。しかも、ウィンドウズメールにはバグが有った。4000円かけて直しても、またエラーが出る。1年以上経過して、無料の対策ソフトがダウンロードできるようになった。

 1台のパソコンのVISTAにOSのバージョンアップが付いていたので、バージョンアップを試みたところ、ウィンドウズメールがインストールされているので、バージョンアップできないと警告が出、面倒くさいのでそのまま使用中。

 7×7(i7、ウィンドウズ7)になって、VISATAの機能は一部除去された(例えば、デスクトップにある全画面を表示など)ものの、全体としては信頼性が向上し、並列処理は容易になり、画像処理もフィリーズせず、高速になった。

 i9に併せて、多分新しいOSモデルも同時期に出るだろうし、パソコンにはさらに大容量のRAMやディスクが標準で当然グラフィックボードも付くだろうから、快適なパソコン世界が広がりそう。

 i5の発売時は当初バグが有ったらしいので、i9も時間をずらして、来春にでも買うとよいとアドバイスされた。私は勿論、i9を実装したパソコンを購入するつもりである。


日本の未来を壊している教育

2011年10月23日 09時26分41秒 | 思考空間

 ラバウルの生き残り兵士が死をも恐れずアメリカ軍に突入したとの証言を聞き、改めて教育の恐ろしさ・影響力を認識した。(アメリカ軍の調査では恐怖感を持った兵士も多数いたようである)

 無敵の兵士を育成し戦場に送り出したのも、21世紀の日本を創るのも教育である。だから、教育を考える前に、国が何を目指すべきかの、国民が共有する未来ビジョンが無くてはならない。 教育はそもそも戦略性の高いものである。ところが、日本にはビジョンが無い。

 従って、現在の日本教育は何を目指すべきか分からない。これは官僚の常とう手段であり、目標を明確にせず、こそこそとミクロエリアで手前勝手なことをやる。文部科学省は悪乗りして、以下に述べるように官僚の既得権を維持するための知識偏重系の教育を死守する。

 知識系の偏差値教育は企業ベースに乗り易い。ビジネス向きだ。日本の未来や子供たちの将来がどうこう言う前に、それは官僚や企業や教師の都合で教育が形作られている。

 東大法学部はそんな知識系教育の勝者であり、チャンピオンである。ところが、彼らの知識に比較して、解決力や想像力は貧弱で、頭の良い彼らはそれを十分自覚している。知識は有っても実力が無い。

 日本はバブル崩壊以降、成長がストップしている。もし、官僚の指導力で経済成長していたのなら、バブル崩壊以降の回復も難なく成し遂げたに違いないが、彼らができたのは、ただ税金をばら撒き巨額の赤字を作っただけだった。そこで、「失われた10年間」なる言葉を作って流行させる。俺たちのせいじゃないよという訳だ。

 もし、解決力、想像力を推進する教育に改革し、実力者が現れてきたら、知識エリートは学歴ピラミッドの頂点から転落してゆく。東大法学部は官僚養成学校の名を独占できなくなる。官僚にとって、真の実力主義は不都合極まりない。

 現在の日本教育は、発展途上国に適し、グローバル社会で世界をリードすべき内容ではない。現代は、教科書にない目まぐるしい展開に突入し、インターネットが発達し情報が溢れ、過去の情報を頭に詰め込んでも意味をなさない。

 おまけに「ところてん」で大学を卒業させるから、学力が保証されておらず、就職しても大学の教育が役に立たない。企業としては利益をあげることが保証されている学生なら、いくらでも採りたい。しかし現状では、入学時の学力をあてにして、コストをかけ育てて行かなければならない。

 我々はまず、日本の置かれた状況、世界における日本のあるべき役割を客観的に分析し、国家レベルのビジョンを作るところから始めなければならない。

 教育改革は時間のかかることであるから、まずは大学において、①社会のニーズに応じたカリキュラムを選択し、②経験・実績を持つ教師を積極的に採用し(研究者と教育者は明確に分け、適さない人材はどんどん辞めていただく)、③学力が伴わない学生は卒業させないという方針を決めるべきだろう。

 知識よりは、情報の収集能力、分析力、論理的な思考や判断、創造性が求められる。専門教育も実践を重視し、経験を積ませるべきだ。また、日本の教育ではリーダシップが決定的に欠如している。

 例えば、英語教育はネイティブの教師をそろえ、英語が話せない学生は卒業させるべきではない。現在の英語教育は、英語にコンプレックスを植え付けることは有っても、ネイティブと片言でも話す力は備わらない。そのことが、日本人をして世界での活躍舞台から遠ざけている。

 幼稚園から高校まで大学入学を目指しているのだから大学を改革すれば、確実に教育全体が変わる。大学人はそのことを十分自覚して欲しい。