根津美術館・円山応挙展に出かけました。
青山通り表参道交差点から根津美術館に至るゆるい下り坂を久しぶりに歩く。この通り、おしゃれなお店と、おしゃれな人たちでいっぱいでした。
「昔はヨックモックとフロム・ファーストぐらいしかなかった静かな裏通りだったね、当時は通る人もほとんどいなかったけど、今はまるで外国みたい、外人さんもいっぱいいるし」「ほんとに外国のお店だらけだね、すごいね、このお店で日本語が通じるのかな?円使えますか?なんてね。こんなおしゃれなお店にさすがに全身ユニクロでは入れないな〜、ハハ」と、今はすっかり武蔵野の田舎者夫婦は、若い頃によく歩いた懐かしい坂道を、キョロキョロと落ち着きなく歩くのでした。おしまい。
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それはさておき、円山応挙展、とても素晴らしかったです。とにかくすごく絵の上手い人ですね、膨大な数の写生、観察メモ、分類整理、びっしり描き込まれた写生帖が面白かった。輪郭線だけで楽に描かれた小さなスケッチでも、やっぱり応挙の線なんのですね、生き生きと素晴らしい。
私と妻は美大だったので友人に画家もいます、その人たちの「さりげなく描く線」に感心することが良くあります、絵の上手い人は自然に線が美しい。
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いろいろな展覧会に出かけると「やはり実物は素晴らしい!いくら良くできた図録でも実物の繊細さや迫力は伝えられない」と思います、日本画の展覧会では特にそう思う。
日本画では「白」は紙そのものの微妙な白色。その紙の白を最大に生かすように周囲に微妙な濃淡の墨と色がおかれていきます、失敗は許されない。
「雪景色」の絵を眺めていると、残された紙の白はまるでそこに雪があるかのようにしか見えない、でも「これはただの紙の白」と気付くと、その技の巧みさに頭がグラグラとしてしまいます。
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応挙展、この日はゆっくり楽しめましたがそろそろ混み始めますね、お早めに。
写真:インターネットミュージアム hp より