つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

ALPS(多核種除去設備)の排気フィルターが大量破損

2024-05-16 14:38:25 | 原発

 原子力資料情報室によると、2019年と2021年の2度ALPS設備の排気フィルターの大量破損というトラブルがあった。2019年には25基の排気フィルターすべてが破損していた。その際、東電はフィルターを交換しただけで、経済産業省や経産省「廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合/事務局会議」や原子力規制庁への報告をしておらず原因の追及もしなかった。 

 2021年の場合は、9月30日に東電HDが経緯や原因究明に関する資料を経産省「廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合/事務局会議」に提出したので以下に要旨を紹介しよう。8月24日に増設ALPS内でスリラー(ALPSでの処理過程で出てくる残滓で外側をステンレスで補強したポリエチレン製容器(HIC)に貯蔵。残滓が含む放射性物質からの強い放射線に晒され脆くなるため、容器の吸収線量が積算で500万グレイを超えると評価された場合、移し替え作業を実施)の移し替え作業中、移し替え装置の排気ライン警報が鳴ったため、作業を中断、調査を開始し、8月30日に排気フィルターの破損を発見した。スリラー移し替え作業に関連する排気フィルター全部で25基設置しているが、24基が破損していた。ALPSは8月24日から2週間停止し9月7日に再開した。

 移し替えスリラー溶液を吸い上げて移送するのであるが、全量を移す事は出来ず、底の2㌢ほどは残る。そして2本の容器を放射性廃棄物として当面保管する。底に残った方の容器からの移し替え作業は「原子力規制庁殿と議論のうえ実施」としている。警報はスリラー移送作業中にダストモニターの警報が鳴ったのであり、排気フィルター破損の原因はエアブローを実施する作業によるものであった。それはHICの中のミストを吸い込む事で、排気フィルターに水分による強度劣化が生じ、エアブローを実施する事で破れた。

 東電HDは、ALPS設備の他の部分の排気フィルターについても調査した結果、新たに8基既設ALPSにある28基の排気フィルターのうち4基、増設ALPSにある18基のうち4基)の破損を発見した。高性能ALPSにある5基の排気フィルターに破損はなかった。これらの破損原因もミストであった。

(2023年8月22日投稿)

 

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渡具知氏の甘言に騙されるな。辺野古新基地耐用年数200年の意味は沖縄県民も本土民も半永久的に日米政府の従僕化される事

2024-05-16 14:25:38 | 沖縄

 辺野古基地建設は、単なる普天間基地の移転ではない。辺野古に新基地を建設しようとしているのであり、その事は、沖縄県を半永久的に使用可能な米軍基地として「リフォーム」するためなのである。その証拠として、米政府の公文書によれば、「辺野古新基地の耐用年数は200年」とされているからである。

 つまり、安倍自公政権とトランプ米政権は、沖縄県をこの先半永久的に「基地の島」として位置づけて利用しようと企んでいるという事なのである。辺野古基地が建設されてしまうと簡単には引き返す事ができない取り返しのつかない望んでもいない未来への道が敷かれてしまうのである。

 名護市長選はその意味で、沖縄県民にとってはもちろん慎重な選択を求められるものであるが、それだけにとどまらず、この選択は本土の国民にとっても、つまり、日本国民全体にとっても、その将来を決定づける重要な選択なのである。

 渡具知武豊氏(自民、公明、維新推薦)の主張は、「基地問題にこだわり過ぎ、経済を停滞させた」とこれまでの稲嶺市政を批判し、「辺野古新基地」を建設する事を容認しているが、安倍自公政権が進める辺野古新基地建設は、彼の言う「閉塞感を打破する事や、輝きをもつ事や、活性化させる事」などにつながる事になるだろうか。そうならない事は目に見えている。彼らの価値観は稲嶺市政のものとは異なるからである。だから、渡具知氏の使用する上記の言葉も稲嶺市政の意味するものとは異なるからである。耐用年数200年とされる新基地はこれまで以上に沖縄県民に対し、自らの将来を自ら決める事(自決権)を不可能とし、自律する事が認められない苦難の道を歩まされる状況を生むだろう。つまり、半永久的に「自由」を奪われる事になるのである。それは、子孫の幸せをも奪う事でもあり、選択してはならない道である。

 ここまで安倍政権と闘ってきたにもかかわらず、あきらめてしまってはあまりにも勿体ない事だ。宜野湾市長選においては残念ながら惑わされたけれど、再び安倍自公政権や渡具知氏らの甘言に惑わされてはいけない。

(2018年2月3日投稿)

 

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「さかい利晶の杜」の企画展「堺から世界に響け君『死にたまふことなかれ』」は与謝野晶子像の捏造

2024-05-16 14:14:23 | 文学・歴史

 「さかい利晶の杜」は、2024年5月18日から開催する企画展「堺から世界に響け『君死にたまふことなかれ』」で、与謝野晶子日露戦争時の反戦詩『君死にたまふことなかれ』の多言語翻訳を紹介し、「晶子の平和の思想」を世界に届ける事を試みるという。しかし、このような「与謝野晶子」の取り上げ方は、企画者にとって「晶子」の都合の良い評価だけで「晶子像」を作り上げ利用したものであり、晶子の生涯にわたる「生き様」を歪曲捏造した、「歴史修正主義」的な姿勢に立つものであり、評価できるものではない。

 つまり、与謝野晶子はその後「主戦論」に「変節」するからである。1910年の「大逆事件」の後、晶子自身はこの反戦詩や『みだれ髪』について「口を閉ざす」ようになっている。大正時代(1911年~)には「男女平等論」を展開するが、他方、昭和時代(1925年~)に入ると、旅順を旅した際、「ここで陣没した同胞の思いを生かすためにも、満蒙に自由な労働の場を開くべきである」と主張している。さらに「大東亜戦争」(アジア太平洋戦争)においては、息子の「出征」を励まして、「み軍にゆくたけく戦へ」と歌っており、明らかに「主戦論」へと「変節」しているからである。

(2024年5月16日投稿)

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