つれづれなるままに心痛むあれこれ

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青森県六ケ所村に建設中のMOX燃料製造工場の一部鉄筋が腐食

2024-07-30 10:44:29 | 原発

 2020年11月11日のNHKニュースによると、青森県六ケ所村で建設が進められている、使用済み核燃料を再処理して取り出したウランとプルトニウムを混ぜて核燃料(MOX燃料)をつくる工場(政府の核燃料サイクル政策の重要な施設で、10月、原発事故後にできた規制基準の審査に事実上合格した)で、地下3階の鉄筋の一部、およそ3100本で腐食が進んでいる可能性があるという事がわかった。

 事業者の日本原燃が工事再開に向けて2020年9月に地下3階の壁をつくるための鉄筋を調べた結果、16%にあたるおよそ3100本で、鉄筋の健全性を示す値の一つ「伸び」の項目で、工業製品の品質などを定めたJIS=日本産業規格を下回っている可能性がある事がわかった。

 鉄筋は2013年から組み立てられていたが、コンクリートを流し込む前の状態のまま、2015年から審査のため工事が中断していた。日本原燃は途中でシートを取り付けるなど「錆」対策を施したものの腐食が進んだとみられる、としており、すべて交換を行う計画をまとめるなど2年後の完成に向けて耐震性などに問題がないよう対応するとしている。

(2020年12月13日投稿)

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プルサーマル(MOX)燃料の特性と危険性と原子力規制委員会の審査実態

2024-07-30 10:41:32 | 原発

 関西電力は、2023年10月10日、福島県知事に提示した「原発使用済み核燃料の搬出計画」のなかで、「フランスへの搬出量の積み増しも検討する」としているが、これまで関電は原子燃料工業(株)とMOX燃料製造契約を結び、フランスオラノ社メロックス工場でもMOX燃料(使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜて作ったもの)を製造し、高浜原発で使用(プルサーマル)するため、2013年以来日本へ返送(直近では2021年)してきていた。このMOX燃料の特性について、原子力資料情報室が1998年に『MOX総合評価』として公表している内容を以下に紹介しよう。

「➀融点が数10度下がる、熱伝導度が下がる、希ガス放出率が高くなり、ヨウ素、トリチウムの生成量が増える、局所的な出力上昇が起きやすくなる。

中性子への反応性が高まる事で制御棒やホウ素による炉心の制御効果が減り、原子炉の停止余裕が減少する。

中性子線が増える事により、原子炉容器の脆化を早める。

こうした変化により、重大事故時の状況を早めたり、悪化させたりする。にもかかわらず、2013年に発足した原子力規制委員会は、プルサーマル実施炉に関して、特有の変化を考慮した審査を行っていないのは問題である。」

(2023年10月14日投稿)

 

 

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青森県六ケ所村再処理工場のモデルプラント「仏ラ・アーグ再処理工場UP3」が高レベル廃液蒸発缶の減肉で停止

2024-07-30 10:39:55 | 原発

 2015年6月、電力システム改革の第3弾として、電気事業法が改訂され、2020年4月より、法的分離による発送電分離が行われるに際し東京電力は、2016年4月からHDカンパニー制に移行した。持ち株会社の東電HD原発が所属)の下に、発電部門は東電カフュエル&パワー、送配電事業は東電パワーグリッド、小売部門は東電エナジーパートナーを分社化し、再エネ部門は発電部門から分離して東電リニューアルパワーとした。この他にも連結子会社関連会社が存在し、青森県上北郡六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場を営む日本原燃関連会社に含まれる。

 ところで、日本原燃六ケ所村再処理工場モデルプラントはフランスオラノ社経営のラ・アーグ再処理工場UP3(軽水炉の使用済み核燃料再処理施設)であるが、この再処理工場で、3つある高レベル放射性廃液蒸発缶のうち2つ腐食などのため使用不可能となり、9月末に運転停止した。オラノ社は、蒸発缶の1つは壁の厚さが停止規準である7.5ミリ(設置時の壁厚は14ミリ)まで腐食により減肉していたと説明している。2016年に蒸発缶の壁の腐食が予想以上に進んでいる事が分かり、監視を続けていた。もう一つの蒸発缶は、蒸気排出管に漏洩が見つかり修理のため使用できなくなっていた。オラノ社は2020年に、約900億円かけてラ・アーグの再処理工場の6つの蒸発缶すべてを22年から順次、取り換えると発表していた。

(2021年11月26日投稿)

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青森県六ケ所村使用済み核燃料再処理工場(東電関連会社・日本原燃)の再処理工程と廃棄物の問題

2024-07-30 10:34:01 | 原発

 青森県上北郡六ケ所村の日本原燃が経営する使用済み核燃料再処理工場で再処理工程はどのようになっており、どのような廃棄物が出るのであろうか。先ず、使用済み核燃料を剪断する際に希ガスなどの気体放射能が大量に放出される。続いて高温の硝酸溶解し、化学物質を用いてウラン、プルトニウム、核分裂生成物を分離する、ここで核分裂生成物を含む高レベル廃液が発生する。この高レベル放射性廃棄物ガラス固化工程では不具合が続き、ガラス固化体が製造できなくなっている。分離したプルトニウムは、核物質管理上の問題から日本では核兵器への転用防止のため、同量のウランを加えたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)の形で製品化される。

 再処理工程では、原発より何桁も多い放射性物質を排出している。液体廃棄物については海洋放出管で沖合3㌔の海底から放出し、気体廃棄物は3本の排気塔から大気中に拡散させる。

 住民の被爆線量については自公政府は0.022m㏜/年と評価しているが、その内訳は評価の度に異なっている。海産物、農畜産物による内部被爆も懸念されているのであるが、影響は過小評価している。また、付近に存在する大陸棚外縁断層については、学会は「活断層」と認識しているが、自公政府は否定している。

 また、再処理工場は多くの建屋(構造は機密扱い)の集合体、それを地下トンネルでつないでいる。そのため化学物質を送る配管設置しているため、耐震性にも大きな問題を有している。

(2021年11月27日投稿)

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青森県六ケ所村使用済み核燃料再処理工場の問題に注目を

2024-07-30 10:27:24 | 原発

 原子力資料情報室の連続ウェブ講座の第7回(2021年10月5日)で講演した澤井正子(核燃料サイクル阻止1万人訴訟原告団)の講演要旨を以下に紹介します。再処理工場がいかに危険であるかを確認しよう。

再処理工程で、使用済み核燃料を剪断する際に希ガスなどの気体放射能が大量に放出される。続いて高温の硝酸で溶解し、化学物質を用いてウラン、プルトニウム、核分裂生成物を分離する。ここで核分裂生成物を含む高レベル廃液が発生する。高レベル放射性廃棄物ガラス固化工程では不具合が相次ぎ、ガラス固化体が製造できなくなっている。核物質管理上の問題から、分離したプルトニウムは日本では核兵器への転用防止のため、同量のウランを加えたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)の形で製品化する。再処理工程では、原発より何桁も多い放射性物質を排出する。液体廃棄物は海洋放出管で沖合3㌔の海底から放出気体廃棄物は3本の排気塔から大気中に拡散させる。政府は住民の被爆線量を0.022Sv/年と評価しているが、その内訳は評価のたびに異なっている海産物、農畜産物による内部被爆も懸念されるが、影響を過小評価している。付近の大陸棚外縁断層は学会で活断層であると認識されているが、政府は否定している。また、再処理工場は多くの建屋の集合体であり、それを地下トンネルでつないでおり、化学物質を送る配管があるため、耐震性に大きな問題がある」

(2023年8月22日投稿)

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