2020年12月19日の朝日新聞が、一般財団法人・日本総合研究所が実施している「全47都道府県幸福度ランキング」に、今年も福井県が1位(4回連続)であった事を掲載した。5分野のうち「仕事」と「教育」は1位であった。
ところで、福井新聞と日立京大ラボの共同研究プロジェクト「ふくい×AI 未来の幸せアクションリサーチ」による、読者から寄せられた「不幸せ」についての回答結果では、上記とは別の福井県の特色があらわれている。
回答内容は、「文化」、「家族・友人」、「食と農」、「健康」、「時間の使い方」、「仕事・マイプロ」、「自然」、「まちづくり」、「学び」などの項目に分類しているが、全体的にみると、「福井の社会に通底する課題として『多様な生き方に不寛容』という風潮が浮き上がってきたという。
例えば、「文化」の項目では、「女性の仕事は出産・育児・家事」など「狭い価値観を押し付けられる」、「家族・友人」の項目では、「同居の義父母の権限が強い」など「「母親の負担が大きすぎる」、「まちづくり」の項目では、「プライバシーを認めず、世間体を重視する」など「地域コミュニティーに閉塞感」、「仕事・マイプロ」の項目では、「女性差別」など「自分らしく活躍できない」、「健康」の項目では「不妊の悩み」など「互いの弱さに寄り添えない」、というものであったとしている。
このような「不幸せ」を解決するためには、お互いがそれぞれの価値観や人生観・世界観を認め合い尊重し合う多文化共生の社会の実現こそ重要である。
福井県は原発交付金(電源立地交付金)額が日本全国で第1位(第2位は青森県)であるが、原子力発電所に依存する県財政についても、今日では利己的でご都合主義で安直な「ええとこどり」で無責任ともいえる手法をやめ、原発に対する近年の国民の意識の変化や世界の動きを理解し、「脱原発財政」を緊急課題とする県行政への転換が求められる。この事も真の「幸せ」な社会へ向かうためにきわめて重要な事である。
(2020年12月21日投稿)