「窓に何かセミのようなものがとまってる」、夕方、洗濯物を取り込んでいた妻に言われて窓を見上げると、黒っぽい大きな影がありました。近寄ってよく見ると、大きなスズメガ(の仲間)が網戸の内側にとまっています。
蛾(特に大きなもの)は苦手なので、写真を撮って早々に処分してしまいました。
写真をもとに、ウェブサイト「みんなで作る日本産蛾類図鑑V2」のスズメガ科の成虫縮小画像一覧の写真を1枚ずつ見ていき、サザナミスズメにたどりつきました。ところが、「ヒメサザナミスズメに似るが、本種のほうが大型で、腹部の腹面は白色で、中央に黒っぽい紋の列が出る」との説明。
ウェブサイト『虫ナビ/サザナミスズメ』には、こう書いてありました。
「さざ波模様をした翅を持つスズメガ。緑色を帯びた褐色で、翅の中央付近に白い紋がある。
本種はヒメサザナミスズメ(Dolbina exacta)に酷似するが、山地性で小型、腹部腹面が全体的に暗く斑紋がないのに対し、本種では平地~低地に生息し腹部腹面に黒っぽい角紋の列があることで区別できる」
ところが、網戸にとまっていたのに、腹部腹面の写真は撮っていません。
また、ウエブサイトや図鑑などに紹介されている「大きさ」は、ほとんどが開張。写真から開張を推定するのは面倒そうなので、前翅長が書かれたものを探したところ、ウェブサイト『野道を行けば/スズメガ-3』に、サザナミスズメの前翅長38mm、ヒメサザナミスズメ?の前翅長は25mmくらい、と書かれていました。
写した写真をプリントし、網戸の網目の大きさから推定すると、前翅長は37㎝ほど。生息場所や大きさからすると、サザナミスズメでいいのではないかと思います。
《網戸にとまっていたサザナミスズメ 2022/07/08》
《網戸にとまっていたサザナミスズメ 2022/07/08》
※ その昔(10年以上前にこと)、孫娘の小学校の夏休みの宿題を手伝っているとき、虫かごにセミを何匹か入れた汗だらけの彼女が、「こんなセミがいた!」と見せにきたことを思い出しました。網の中を覗くと、黒くて大きなスズメガが入っていました。私は蛾のなかでもこういう大きな蛾が大の苦手。弱みを見せないよう平気なふりをしてよく見ると、背面に不気味な人面の模様。映画『羊たちの沈黙』で有名になったクロメンガタスズメのようです。
とりあえず、ケヤキの幹にとまらせて写真を撮り、後日、富山市科学文化センターのNさんのところへ写真を持っていきました。当時、クロメンガタスズメの富山県内記録はほとんどなく、地元新聞に載りました。
そんな孫娘も、今や日焼けや汗をかくことを嫌がり、帰省している間は自動車学校に通っています。もちろん、アイスクリームのご褒美などで釣られるはずもなく、「魔法の龍/パフ」の世界です。私はといえば、気持ちは昔と変わらず、一人で不自由な足と老齢の身に許される(?)範囲の野外を少しぶらついて暑い夏を過ごしてます。
《クロメンガタスズメ(富山市営農サポートセンター) 2011/08/25》
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