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ドイツともにアメリカの保護領である日本: ” もしとラ? ” に どう備えるか?

2024-02-23 07:19:20 | 時評
▼ 現代ビジネス:トランプはウクライナから手を引く、もう世界を支える力も意思もないという恐怖の事実  【畔蒜 泰助】
 「もしトラ」などと米国大統領選挙の行方を案じる観方が強まっている。畔蒜(あびる)氏の整理は最悪シナリオ(5:赤文字)からスタートするリスクマネジメントの要諦に
  照らし過不足不ないと感じたので、ご紹介する。  ≪≫ドイツともに日本はアメリカの保護領である・・エマニュエル・トッド「トッド人類史入門(文春新書:P55-)


1)第2次世界大戦後、安全保障でも経済でも、アメリカを中心として世界秩序は構築されてきた。オバマが「アメリカは世界の警察官ではない」と言ったのが2013年9月、その3ヵ月後に中国は南シナ海での埋め立てを
  開始している。ロシアのクリミア併合は2014年2~3月のことである。アメリカの対抗勢力は、アメリカが弱音を吐く度に、弱みを見せる度に、現状変更を仕掛け続けているのである。

2)日本がウクライナ問題に関与している理由の大半は、ウクライナ問題そのものと言うよりは、台湾問題を重視してである。ここでアメリカ主導の国際秩序が崩れてしまったら、中国がやり放題になりかねない。
  だからプーチンの試みは失敗に終わらせなければならないという論理だ。日本にとっては引き続き、中国、ロシアという2正面作戦を展開するのか、という議論が出てくる。

3)国際関係というものは、どういう方向に向かうにしても、一定の連続性というものを前提にしている。だから、オバマ政権は、ブッシュ政権の中東へのベトナム戦争並みの関与の反動の中、大きな戦略の網をかけ、
  その中でアメリカの世界へのコミットメントを徐々に下げていこうとした。バイデン政権も、躓きながらであるが「徐々に」対応しようとして、未だにリバランスできないのである。

4)ここでトランプが出てくると言うことになると、本当にアメリカ中心の世界秩序というものが、壊れる。2022年以降、一旦、同盟国との関係を立て直してアメリカは復活したという評価だった。
  だが、もう少し時間軸を長くとったときに、その後のトランプの再登場は「あのときに」そのアメリカによる秩序を壊すことになった、という評価になるかも知れない。
  アメリカとヨーロッパは、表向きはともかく、ウクライナの領土の完全回復は想定していない、ある程度、ロシアを追い込んだ上での膠着状態がベストのシナリオだ。つまり、朝鮮半島方式の決着を考えているが、
  それもアメリカのコミットメントがあって実現可能なこと。


5)アメリカが手を引くという前提で考えると、ウクライナという国が崩壊する可能性までありうる。今のウクライナ問題の停滞と今後の苦境は明日の世界の映し鏡なのかも知れない。そのような現実が想像を超えて
  襲ってくる可能性がある。そうなってくると、日本は核武装までの議論をやらざるを得なくなっている。最後は日本自身が自分の足で立つ覚悟が持てるのか、というところまで問われる。
   ・・・トランプ問題というのは、そういう問題を我々自身が本気で考えなければいけなくなるきっかけになる可能性が高い。 
   ← 仮にトランプが破れても、日本にとり事態好転とはなるまい。・・・既に残り9ヶ月を切った!(小李)
 
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